玉龍!龍王の意志を受け継ぎ力の限り!
玉龍は白龍王の死に、その力を覚醒させた。
しかし輝皇覇蛇を倒せるのか?
目の前で白蛇王が殺された。
その怒りに玉龍が猛る!
直後、凄まじい覇気が放出したのだ。
「うわぁあああ!」
玉龍は踏み出すと同時に輝皇覇蛇の間合いに入り込むと腰から抜いた剣で斬り掛かる。
「ヌルい!」
玉龍の攻撃は輝皇覇蛇の殺気から放たれる防御の壁の前に全て弾かれてしまう。
それでも玉龍は手を止めなかった。
「もっと強く激しく!」
その荒々しさは玉龍にはなかった感情。
守りたい!助ける!
優しさだけでは守れない。
想いだけでは助けられない。
だから強くならなければならない!
「うがぁ!」
突如、輝皇覇蛇の振り払った拳が強烈な蛇気を乗せて玉龍を弾き飛ばしたのだ。
「うわぁああああ!」
弾き飛ばされながらも身を翻して再び大地を蹴り、輝皇覇蛇に向かって攻撃を仕掛ける。
その動きは閃光!
輝皇覇蛇の周りを光速移動しながら剣を突く。
「無駄だ。小蝿のようだぞ?ふふふ。多少楽しませて貰ったが、もう飽きた。消えろ!」
それはねっとりとした蛇気がのしかかるように玉龍の身体を縛り付け、身動きが取れずに宙に浮いた状態で無防備に両手、両足を広げられた。
「そのまま五体引きちぎるか?それとも押し潰されたいか?」
輝皇覇蛇は殺意を込めて掌を握ると、玉龍は全身を締め付けられて圧迫され潰されていく。
「潰れよ!虫が!」
玉龍は意識が遠退きながらも思い出す。
青龍王、赤龍王、白龍王、黒龍王。
彼等の背中を追い、憧れ、夢見た兄達。
その時、声が聞こえる?
「玉龍よ!まだ戦う意思があるなら腕を伸ばせ!その手に力を掴みたいなら、その魂を解き放つのだ!」
それは四人の声だった。
玉龍は迷う事なく腕を伸ばして、掴んだのは?
四つの温かい光だった。
その温もりは間違いなく龍王達の魂の欠片。
「!!」
胸が熱くなる。
力が漲ってくるのが分かる。
そして力の使い方が入って来た。
「この力、使わせていただきます!」
玉龍から発する覇気が輝皇覇蛇の締め付けている蛇気を打ち消したのだ。
「輝皇覇蛇!僕がお前を倒す!!」
「俺を倒すだと?デカく出たな?だが、己の力と俺の力を拮抗していると思うなよ!」
輝皇覇蛇は掌から無数の光の蛇矢を放つ。
すると玉龍の周りに突風が吹き荒れて光の矢を吹き飛ばしたのだ。
「!?」
輝皇覇蛇はその時、玉龍の姿が白き鎧に変わっていた。
「索冥変化唯我独尊!」
その姿の玉龍は白龍王と同じように風を操り、その突風に守られながら上空へと移動する。
そして空中で再び閃光が放たれると、
「聳狐変化唯我独尊!」
その鎧は青く変色すると、右手には青龍刀が掴まれ、その尖端に水流が集まる。
「輝霊浄龍水!」
放たれた濁流の如き龍気が輝皇覇蛇を押し潰す。
「うぐぅ!小癪な!」
輝皇覇蛇の覇気が押し寄せる濁流を押し留める。
「このまま跳ね返してや、、、うっ!?」
直後、足下が地面に沈む。
それは圧し潰す力が強まったため。
すると向かって来る玉龍の姿が黒く変わっていた。
「角端変化唯我独尊!」
それは押し潰す重力の力だった。
そして濁流から抜け出した玉龍の姿がさらに真っ赤に染まった時、
「炎狗変化唯我独尊!」
青龍刀が赤龍刀へと変化し炎を纏い突っ込む。
「こ、これは?」
輝皇覇蛇の身動きを止めているのは重力の重みだけではなかった。
身体を拘束する風の蔓が絡みつく。
「これが龍王様の力だぁーー!」
玉龍の突き出した剣が輝皇覇蛇の胸を貫く。
しかし輝皇覇蛇は狂気の笑みを見せる。
「ふふふ。俺を殺せると思うか?お前も呪われるが良い!」
輝皇覇蛇の胸から噴き出す血が玉龍に降りかかる。
輝皇覇蛇の血は呪い。
その血に触れた者は例外なく力を失い、急激に戦意を喪失してしまう。
この力の前に赤龍王も白龍王も、青龍王ですら敗れてしまったのだから。
「!!」
しかし玉龍の力は弱まる事も失う事もなかった。
「な、何故だ?お前は一体!?」
玉龍は答える。
「僕はお前を倒す者だ!」
輝皇覇蛇の血の能力の秘密は黄龍王の血による屈服の力。
その血の前には蛇神も龍神も、数多の妖怪ですら屈服し力を失われるのである。
しかし例外はいた。
玉龍は黄龍の双子であり、その血は黄龍の血の呪縛を受け付けなかった。
「油断したな?今度こそ終わりだ!輝皇覇蛇!」
玉龍から放たれた力は炎、水、雷、風の気を同時に流し込まれて輝皇覇蛇の身体は体内から膨れ上がる。
「や、止めあ、うっがぁ!?」
輝皇覇蛇の身体は炸裂するように弾け飛んだのだ。
「まだ!」
玉龍は油断しなかった。
輝皇覇蛇は青龍王、赤龍王、白龍王との戦いでも死の縁から幾度と蘇った不死の化け物だったから。
飛び散った肉片を高熱で消滅させる。
が、蛇気が異様に高まる場所があった。
そこには肉片が宙に浮かびながら徐々に人の姿へと変わっていく。
「どうすれば完全に消滅出来るんだ?」
覇蛇の中でも最強を誇り、不死の肉体。
倒す手段はないのか?
「俺を殺す?無駄だ!俺を殺す事は何者も出来ん!何せ俺は選ばれし者なのだからな!」
しかし玉龍はそれでも諦めない。
「選ばれし者?違う!誰もお前なんて選んでなんかいない!お前は力を持ったただの傲慢な化物だ!」
その言葉に輝皇覇蛇は怒りを示す。
「俺が真の王となるためにお前を殺し、その血を啜り、祝杯としてやろう!そして黄龍の剣を手土産にお前の言う傲慢な化け物が、この世界の真の王になってやろう!あはははははは!」
玉龍は再生中の輝皇覇蛇に向かって渾身の龍気を放つと木っ端微塵ななった。
「あはははははは!」
しかし木端微塵になったはずの輝皇覇蛇が後方から出現し油断した玉龍を蹴り飛ばす。
「ぐわあああああ!」
高笑いする輝皇覇蛇の身体は完全に再生し終えていた。
「必ず倒す手段はあるはずだ!」
しかし玉龍も四龍王の力を手に入れ、その力は龍王達と同じ格を持った龍神になっていた。
玉龍は呼気を吐き出すと、その龍の血を活発させながら叫ぶ。
「逆鱗!」
それは龍神の秘奥義。
その血を活発化させ身体能力の限界を引き出す。
「それはもう見飽きたぞ!」
すると輝皇覇蛇の身体から血管が脈打つ。
「逆鱗!」
まさか輝皇覇蛇も龍神族の奥義を使うなんて?
「当たり前だ!俺もまた龍の血、それも最高峰の血統を持った全能の王なのだからな!」
互いに剣を手に衝突する。
光速の動きで交差し、交える度に衝撃波が大地を揺らした。
互いの力は互角に思えた。
「身の程を知れぇー!」
しかし最後に競り勝ったのは、輝皇覇蛇だった。
その差は戦場の場数。
死線の緊張感は急激な消耗を与えた。
全開で戦う玉龍に対して、力の分配。
その余力が勝敗を決めたのである。
力尽きる玉龍から鎧が消える。
「終わりだぁー!」
その剣が玉龍の頭上に振り下ろされる。
「!!」
しかし剣は止められた。
玉龍はゆっくりと顔を見上げたそこには?
「逞しくなったね?玉龍、見違えたよ」
輝皇覇蛇の剣を止めたのは龍の紋章の彫られた盾。
龍神族の誇る最強!
玉龍はその声を聞き驚きよりも安堵する。
それ程までに目の前に現れた者は頼れたから。
元龍王で有りながら龍神界を追放されながらも、その武運は青龍王と並ぶ英雄とされた。
「蛟魔王様ぁ!」
蛟魔王の存在に輝皇覇蛇は見下ろすように挑発する。
「まだ龍族が残っていたか?しかも雌の分際でこの俺に立てつくとは烏滸がましい」
しかし蛟魔王は輝皇覇蛇を無視して玉龍に言葉をかける。
「遅くなってすまんな。この地への空間が歪んでいるため、私の城から転移する事が叶わなかった。私がもう少し早く着いていれば」
蛟魔王は自らの龍宮城へ龍神界の民を引き受けていた。そのため空間転移の術を竜宮城の門から張り続けていたのだ。それが最後に玉龍が転移の門を破壊した事で、この地へ現れたのだ。
「白龍が玉龍の気を感じ、こちらに引き返したのは知っていた。私の弟は最期まで龍王として生きたか?」
その問いに玉龍は涙ぐみ頷く。
「白龍王様も、赤龍王様も、黒龍王様も、青龍王様も!誇り高く龍王として勇敢に戦いました!」
蛟魔王の目は悲しい目をし、そして瞑る。
それは黙祷。
「あはははは!勇敢だと?龍王と名乗りながらこの俺に無様に敗北してか?」
その直後、眼前に迫る拳が輝皇覇蛇の顔面に直撃し吹っ飛ばした。
その拳は蛟魔王。
「黙りなよ?お前!」
その目は殺意と怒りが籠められていた。
輝皇覇蛇は油断はしていなかった。
気付いたら間合いに入られたのだ。
そして目の前に現れた蛟魔王が只者でないと気付く。
そして立ち上がると、
「どうやらお前が最後の龍の柱のようだな?お前を倒せば龍神界は完全に落ちたと同意!良かろう。俺が龍神族に引導を与えてやろう!」
「その臭い口を早く閉じな?さもなきゃまた殴るよ?」
拳を鳴らしながら、かかって来いと輝皇覇蛇の挑発に挑発で返す蛟魔王。
この戦いが龍神族の命運を左右する。
次回予告
蛟魔王の参戦!
龍神界の頼れる姉御が猛る!




