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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生覇王蛇神編!
272/713

龍と蛇!大戦開幕!

龍神界で何が起きたのか?


蛇と龍の戦争が始まろうとしていた。


話は遡る。

それは法子一行の前に二郎神君達が現れ、頼みの阿修羅と孫悟空が何処かへ消え、八戒と沙悟浄がナタクに敗れてしまった時の話。


一人残された玉龍に対して龍神族と気付いた二郎神君は極秘に入ったばかりの情報を伝えたのだ。

それは今、蛇神達が軍勢を率いて龍神界へと出兵したと言う話だった。

それを聞いた玉龍は連れ去られる法子の事も心配だったが、傷付いた八戒と沙悟浄の治癒を終えるとともに単独で龍神界へと引き返したのだ。

「僕が戻っても何も出来ませんが、龍神界の皆の事が心配です。すみません!法子様」

しかし龍神界への道程は遠く離れ、聖獣族が使用する特別なゲートを通る必要があった。

そのゲートへの距離は急いでも三日はかかる。

しかも地上界の地理に不慣れな玉龍は時間を費やして五日かかり、ようやくゲートの前に着いた。

「この門を通れば龍神界へ行けます」

玉龍は指先を傷付けると血が垂れて門になぞるように文字を描く。

すると光の道が玉龍の目の前に出現する。

足を踏み込むと、視界は一気に龍神界へと変わったのである。

「!!」

しかしそこは玉龍の知っているはずの龍神界とは違っていた。いや、場所は間違いなく合っている。

美しかった土地は荒れ果て、空は薄暗く障気が立ち込めていた。至る場所から噴煙が見える。

その上、龍神界を支え聳え立つ象徴とも言える中央の龍木が倒れていたのだ。

「まさか龍神界は蛇神族に滅ぼされてしまったのですか?そんな、だって!」

玉龍は龍神の中央宮殿へと向かって駆け出す。

神殿を囲む都は完全に廃墟と化していた。

落胆とする玉龍は膝をつき涙する。

「うわぁああああ!」

しかしその時、物音がしたのだ。

まさか生き残りが?

そう思った時、息を潜めて気を抑える。

そこには蛇神の兵士達が武器を手に龍神の生き残りを探していた。

龍神族は全て根絶やしにするがために。玉龍は恐怖で足が竦む。

一族を皆殺しにされ、唯一生き残った自分に出来る事が息を潜め隠れている事しか出来ないなんて。

そう思った時、玉龍は蛇神兵の前に飛び出していた。

「僕だって龍神族の誇りはある!」

かつての玉龍にはない勇気だった。

それはたとえ強大な敵を前にしても決して諦めずに戦っていた法子達とともに旅をして得た宝。

勇気!

けれど蛇神の兵に敵うはずはなかった。

「まだ生き残っていたぜ?龍神のガキだ!皮を剥いで肉を喰らい、後は干物にするか?あははは!」

玉龍は腰の短剣を抜いて飛びかかる。

「おっと!」

しかし蛇神兵の振るった裏拳で弾き飛ばされ壁際まで弾き飛ばされてしまった。

このまま直撃したらもう立ち上がれない。

「えっ?」

その時、玉龍の身体は支えられて止められたいたのだ。

誰かが守ってくれた?

そして見上げて先には、

「強くなったね?玉龍。君の勇気を見せてもらったよ」

「白龍王様!ご無事だったのですね?」

玉龍を守ったのは龍神族が誇る力の象徴。

四海龍王の白龍だった。

「先ずは目の前の敵を屠る!」

白龍の登場に蛇神兵達は囲み武器を手に襲い掛かる。しかしその攻撃は全て紙一重で躱され、そして軽く触れた掌から発する爆風に巻き込まれて次々と全身を細切れになって消えていく。

全ての蛇神兵を倒した白龍の前に玉龍は駆け寄る。

「白龍王様!」

しかし目の前で白龍は倒れてしまったのだ。

そして隠れるように玉龍は白龍王を連れて隠れ家に身を潜めた。

まだ蛇神兵がウロウロしていたから下手に見つからない場所を選んで。

「うっ!」

横になって意識を失っていた白龍王が目を覚ます。

その近くで非常食を用意していた玉龍に気付く。

「治癒をしてくれたのかい?」

白龍王の身体はかなり消耗し傷を負っていた。

「無理なさらないでください!まだ横になっていてください。大したものは用意出来ませんでしたが」

火を熾す事は出来ないため、干物や食べれる草や木の実を用意した。

「倉庫にあったのをお持ちしました。万が一の非常食が役に立ちましたです」

「そうか」

二人は落ち着いた後、玉龍はいてもたってもいられずに白龍王に尋ねる。

「龍神界に何があったのですか?蛇神族が進軍して来た事は知っています。けれど龍神族は最強を誇る一族。そう容易く全滅させられるなんて信じられません」

それを聞いた白龍王は瞼を綴じた後、この龍神界で起きた戦場の一部始終を玉龍に語り出す。



蛇神進行は早い段階から分かっていた。

装備を固め、戦う準備は出来ていた。

龍神の兵士は国を囲むように防衛していたのだ。

そして龍神界への結界を意図も簡単に破壊して蛇神族達は侵入して来たのである。

「まさか、これまでとは」

龍神界を守る兵は五万。

対して蛇神の軍はその十倍の軍だった。

進行する蛇神兵に龍神兵は怯みはしなかった。

その数に対して龍気を解放させ挑んだのだ。

龍神族は戦闘に関しては蛇神族と二分する力を持つ一族。その戦いは蛇神兵の数を諸共せずに薙ぎ倒していく。そもそも蛇神兵の殆どは白蛇の巫女により襲われた人間や化け物から生み出された。

対して龍神兵は永きを修練した猛者ばかりの精鋭。

それでも蛇神の数は波のように押し寄せる。

「このまま龍の者共を飲み込んでしまえ!」

蛇神の指揮が高まる中、龍神城から四人の人影が現れて戦場の真ん中に飛び降りたのだ。

その姿を見た龍神兵は歓声をあげる。


現れたのだ!

龍神界を守護する力の象徴が!

「四海を総べる龍の王!」

四海龍王は龍神界を守護する要であった。

その者達が蛇神の兵を相手する龍神兵の指揮を高めるために早々と戦場に姿を現したのだ。

「白龍・疾風怒濤!」

白龍王から放たれた疾風が戦場の蛇神達を吹き飛ばし、竜巻に上空へと消し去る。

「黒龍・重力層!」

それは押し潰す重力。その範囲にいた蛇神兵は地面に押さえつけながら圧死する。

そして、

「赤龍・炎上爆龍!」

赤龍の足下から燃え盛る炎が龍と化して蛇神兵を飲み込み焼き尽くす。

最後に現れたのは青龍王。

四海龍王のリーダーであり、かつて牛角魔王、孫悟空、阿修羅とも渡り合う現龍神界のナンバー2。

その覇気は濁流と化して蛇神達の進軍を一気に押し返したのだった。

その存在感は一気に戦場を形勢逆転させた。


四海龍王参戦に蛇神軍も揺らぎ始める。

「超蛇兵を解き放て!」

超蛇兵?

それはメガトン級の五十メートル近くある大蛇だった。解き放たれた超蛇兵は戦場を直進しながら龍神城へと突き進む。妨害する龍神兵も小虫を払うように吹き飛ばされ、その巨大な口で丸飲みされる。

「あのような化け物を隠し持っていたのか?」

「デカいだけのデクの棒など問題ない!」

「よく言った。黒龍、ならば見せつけてやろう。俺達を相手にした後悔を!」

白龍王と黒龍王に赤龍王が喝を入れる。

「ならば一掃するぞ?四海射迎王陣だ!」

「おう!」

青龍王の指示に赤龍王、白龍王、黒龍王が並び立つと互いの龍気を高めながら融合させる。

四海王の中心に強力な龍気が凝縮されると、

「四海射迎王陣!」

※シカイシャゲイノウジン

凄まじい威力の破壊波が放たれた。

その一撃は向かって来る巨大な超蛇兵を蛇神の軍を巻き込みながら一瞬で消し去った。

まさに龍神族の圧勝に思われた。

しかし蛇神の軍は失った兵を埋め尽くすようにまだまだ残っていたのである。

「超龍兵全滅です!」

蛇神の兵は本隊へと向かい報告する。

本隊には龍神族を討伐するために指揮を取る輝皇覇蛇が椅子に座り笑みを見せる。

「腐っても蛇神族と二分する戦闘一族の事はあるな。面白い」

その様子を側近が言葉を発する。

「ならばこの私が出向きましょう。私なら龍王如き問題ではありません」

その者は大嵐六尾であった。

覇蛇の候補である六尾で有りながら、大嵐六尾は輝皇覇蛇の側近として仕えていたのである。

更に、もう一人の六尾が現れる。

「俺は好きにさせて貰うぜ?俺がアンタらについてきたのは、目的の奴がいるからだからな!」

「好きにして良いが決して俺の邪魔はするなよ?炎灼六尾よ!」

「ハイハイ!俺が興味あるのは噂に名高い赤龍王のみだ」

すると二人の六尾に輝皇覇蛇が命じる。

「お前達のお手並み拝見といこう。お前達の働き次第では俺の側近として、穴の空いた覇蛇の称号を与えてやる」

二人は頭を下げると戦場へ消えた。

場所は代わり、四海龍王の参戦で数的に圧倒的不利だった龍神軍は蛇神軍を押し返していた。

「!!」

四海龍王達は戦場に急接近する強い力を感じて警戒する。

一方は前方から、もう一方は?

「上かぁ!」

いち早く気付いた赤龍王が上空から急降下して来た蛇神に向けて炎を拳に放ったのだ!

しかし!

赤龍王の炎は上空で吸い込まれるように消える。

「俺の炎を喰らいやがった。何者だ?」

すると赤龍王の炎を喰らい急降下して来た蛇神は轟音を立てて地上に着地すると、

「コレが赤龍の炎か?美味かったぜ〜」

赤龍王を挑発するかのようにお腹を擦って満腹感をアピールする。

「俺は炎灼六尾。おぃ?赤龍!お前が俺の獲物だ!こっちに来いやぁああ!」

「騒がしい奴だ。良かろう。奴は俺が相手する」

すると前方から近付く力は大地を揺るがす。

「龍族は全て狩り尽くす」

すると前方を塞ぐかのように、

「お前の相手は私達が致しましょう」

「かなり強そうだな?悪いが二人がかりで倒させて貰うが恨むなよ?」

白龍王と黒龍王だった。

二人は青龍王に大嵐六尾の相手を任された。

恐らく大嵐六尾の実力は一人では敵わないの強者だと二人を差し向けたのだ。それでも勝敗は半々だと思われる強さを感じていても、青龍王が相手する事が出来ないのは、更にその先から自分自身に向けて放たれる殺気の主がまだ現れていなかったから。

「これ程の殺気。何者だ?この俺を奮わすとは」

青龍王に向けられた殺気の主。


「この俺の殺気に気付く者がいるとはな」


輝皇覇蛇であった。


ついに蛇と龍の大戦が始まろうとしていた。

次回予告


炎灼六尾の相手をする赤龍王。


しかし二人には因縁があったのだ。

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