友との誓い!二郎神君と楊善!
二郎神君と楊善。
二人の絆は覇蛇を倒せるのか?
私は法子。
それは二郎神君さんと楊善さんの記憶。
聖獣・華鷹駄伽とはかつて玉皇大帝の鷹の聖獣であり、その魂が転生した姿が紅色の鷹の聖獣・宝天であったの。
宝天は幼少の二郎神君さんと友達になった。
しかし天界で起きた玉皇大帝への謀反に巻き込まれて幼い二郎神君さんは誘拐されてしまう。
そこで二郎神君さんを逃がすために宝天は身代わりになって命を落としたの。
その死を目の当たりにした二郎神君さんは滝のような雨の中で、自分の身体を分けて宝天の魂を半身へと移す高難易の半身反擬の術を無意識に発動させた。
その反動で数週間目覚めず、ようやく自分の部屋のベッドで目覚めた時には誘拐されてどうやって逃げ延びたのか?宝天に対して半身反擬の術を行った事すら忘れていたの。
その時、二人を救ったのが二郎神君さんの叔父であった玉皇大帝だった。
玉皇大帝は二郎神君さんの半身に魂を移され甦った宝天に新たな名を与える。
それが楊善さんだったの。
更に玉皇大帝は親戚として二郎神君さんに引き合わせる。
しかしこの半身反擬の術には決まり事があったの。
「お前が宝天である事が真君に知られたら、今のお前の器は再び真君に戻ってしまうだろう。それが永遠の別れとなろう。それでも傍にいたいと申すのか?」
玉皇大帝さんに告げられたにも関わらず楊善さんは笑顔で頷く。
それでも傍にいると。
自分の命は二郎神君のために使いたいと。
流石に瓜二つだと不便だから暫く時を置く。
魂が定置すれば肉体は魂に合わせた姿になるから。
念の為に女装とばかりの化粧もしたの。
「知られた時が別れの時か・・・」
その呪縛にいつも頭に過ぎらせながら今日まで生きて来たの。
しかし今、二郎神君を苦しめているのは楊染覇蛇に身体を奪われた楊善さん。
この状況で二郎神君さんを救える手段が有るとしたら、一つだけだった。
「真君の半身を返せば、必ず真君は本来の力を取り戻せるはず!そうなれば、きっと!」
そして今、奪われた楊染覇蛇の身体から半身だけを抜いて、二郎神君さんへ戻したの。
全てを知った二郎神君さんは全身が震えていた。
戻って来た半身と同化した時に楊善さんの今日までの記憶もともに入って来たから。
そして楊善さんが最期に残した言葉は、
「いつまでも一緒だよ、真君」
「!!」
涙を流しながら二郎神君さんは答えたの。
「あぁ、俺達はいつまでも一緒だ!お前は永遠の神友だぞ。だから別れは言わない!共に戦おう!楊善!」
楊染覇蛇は身体から半身が飛び出て肉体を失いつつも、その蛇神の再生力で元の姿へと再生する。
それは宝天の力を持った蛇神として!
「ふふふ。驚きはしたが力は失ったわけではないようだな?なら問題はない!この力があればお前如き敵ではないのだからなぁー!」
楊善さんの聖獣の力と蛇神の力が融合し凄まじい力が溢れ上がり、その力に酔い始める。
「!?」
しかし気付く。
目の前の二郎神君さんの身体からも今までとは別人と思えるくらいに高まる神気を!
それは本来持っていた二郎神君さんの力だった。
その力の解放は形となって現れる。
ゆっくりと顔を上げると、その額から覗き見えるモノがあったの。
それは究極にまで身体のチャクラが開いた時に額のチャクラが開眼され現れる第三の眼だった!
「そんな見掛け倒しで私に勝てると思うなぁー」
正直、楊染覇蛇は二郎神君さんの急激な力の上昇に焦りを感じ始める。
「舞い散れ!」
その羽根一つ一つは眼であり、刃。
飛び散った無数の全ての羽根が二郎神君さんの動きを捉えて攻撃を仕掛けて来るの。
けれどその舞い散る羽根は二郎神君さんから放たれた閃光の矢によって貫かれて消えていく。
「何だと!?何だ?その姿は??」
楊染覇蛇が見た二郎神君さんの背には自分の翼と同じ翼が開かれていたの。
しかも蒼一色だった鎧に紅色の模様が浮かび上がり、鎧の肩には鷹の肩当てが増えている。
「今の俺には哮天犬と楊善との絆で得た力が宿っている。お前のような奪い取った力に負けるものか!」
二郎神君さんは三尖両刃刀を構えると、その尖端に力を集中させていく。
「今こそ我が最高の奥義で天誅を与える!」
目の前の楊染覇蛇には楊善さんの面影は残ったままだった。
しかしもう迷いはなかった。
それは二郎神君さんの解放させた力を凝縮させた一撃必殺の奥義。
「この私は今、負ける気がしない!聖獣と蛇神の力を籠めた宝貝兵器を使わせて貰うぞ!」
取り出した宝貝は楊善さんが禁忌として使わずに封印し、嘗ての戒めとしていつも懐に入れていたの。
それは自らの力を宝貝を使って数十倍にも膨張させて宝貝砲弾から放つ破壊光線。
禁忌とした理由は、過去にこの宝貝を使ってもう一人の掛け替えのない神友を死なせてしまった惨劇をうんだの。その戒めだったのに。
「このような兵器を使わないのは宝の持ち腐れ!使う気がないなら、この私が使わせて貰う。この世を破壊するためになぁー!」
宝貝兵器は形を変えて大砲へと変わり、楊染覇蛇は己の力を注ぎ込む。
「全てを破壊する閃光よ!今こそ放たれよ!」
大砲は二郎神君さんに向けられ、強力な破壊の力が放たれたの。
『破壊宝貝・突漸気飛躍砲門』
けれど二郎神君さんも同時に渾身の力を三尖両刃刀に集中させて奥義を放つ。
「開眼狗鷹武通断!」
互いに放たれた力と力は衝突した。
衝突の力の渦は大地を揺るがし、天地が震撼して天空の雲をも掻き消す。
更に力の余波は大地を削り、近辺の山をも一瞬で消滅させたの。
「クゥウウウウ!」
しかし徐々に力に圧されているのは二郎神君さんの方だった。
このまま押し負ければ両者の力が同時に押し寄せ魂諸共消滅する事は間違いなかった。
「ま、負けて、たまるものかぁ!」
楊染覇蛇が使った宝貝兵器は二郎神君さんも忘れられない過去を思い出す。
楊善さんは天界の平和のために宝貝兵器を発明し、戦争で命を落とす武神達を一人でも多く救いたかった。けれど宝貝兵器の使用はその意図とは逆の結果をもたらした。
天界で起きた破壊神の討伐の際に、仲間の陣営の武神数百万と共に二郎神君さんと楊善さんの神友であった捲簾大将も巻き込み死なせてしまった悪魔の兵器に使われてしまったの。
その行いに指示をした天に抗議した楊善さんは一時期反乱分子として天界の闇の牢獄へと監禁される事になる。楊善さんの釈放を願い出た二郎神君さんは条件として過酷な任務を与えられたの。
二郎神君さんは寝る間も休む間も削り上級討伐を遂行したの。
どれだけ消耗しようが命を削ろうが、少しでも早く囚われた楊善さんを救うために。
友を死なせてしまい闇の結解の中で楊善さんは一人自分自身を責め続けているに違いない。
そんな時こそ自分が傍にいてやらねばならないと!
そして全ての任務を成し遂げた時には互いに消耗した二郎神君さんと楊善さんは共に抱き締め、永遠の友の誓いを結び直したの。
「真君、今度は私が君を救うから」
その誓いは・・・
叶われる。
「あははは!後一歩で終わりだぞ?お前の器は残して置きたかったが仕方ない。跡形もなく消し去ってしまうがよいー!」
楊染覇蛇が勝利を確信したその時、異変は起きたの。
ミシミシと小さな亀裂音が?
それは宝貝が消耗から壊れる音だった。
「なぁ?」
その直後、宝貝兵器は姿を消した。
その一瞬、楊善さんの声が聞こえる?
それは幻聴かもしれない。
けれど二郎神君さんは確かに聞いた。
(私の神友は絶対に守る!)
「あぁ!後は任せろ!我が友よ・・・」
破壊兵器の閃光は二郎神君さんの力と合わさり、まるで力を合わせるかのように楊染覇蛇を飲み込み、
「ば、馬鹿なぁ・・・ぁぁあ」
跡形もなく消滅させたの。
「か、勝ったぞ。楊善。お前の魂は永遠に俺の中で、安らかに眠ってくれ」
そして二郎神君さんが覇蛇討伐を成し遂げたの。
そんなこんな。
次回予告
ナタクが敗れ、その時現れたのは白骨乙女だった。
しかし様子が何か違う?
二郎神君と楊善の過去は↓
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