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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生覇王蛇神編!
248/713

名もなき蛇神の恐怖!

蓬莱国から出られた法子と楊善。


しかし一難去ってまた一難?


二人に迫るのは?


私は法子

私と楊善さんはやっとこ蓬莱国の結界から抜け出す事に成功したのだけど、状況の悪さはまだまだ続いていたの。今、私達のいる蓬莱国廃墟のこの場に蛇神の軍隊が迫っていたのだから。

どうりで王魔だけでなく竜吉公主さんも金托さんも直ぐ様この場所から離脱したわけだわ。

それでも恐らく手遅れかもしれない。

竜吉公主さんの方には七体、金托さんの方には五体、王魔の方にも五体の追手が向かったのが分かる。

そして私達の方には本隊が迫ってるの。

「まさか蛇神達に私達の居場所を正確に掴まれていたとは」

楊善さんも逃げ場がない状況に覚悟を決める。

「既に私達は囲まれていますね」

「気配を消す気なさそうね?殺気がビンビン伝わって来るわ」

私と楊善さんは背中合わせに構える。

「行くわよ!」

私が叫ぶと同時に地面が盛り上がって数体の大蛇が私達に向かって飛び出して来たの。そして口を開き牙を剥け襲って来る。

私は竜の数珠を取り出して霊気を籠めると、

「数珠竜魔弾!」

私から弾かれた数珠が大蛇の口に入ると、私は数度印を結び念じる。

「爆!」

大蛇は体内から爆発して消滅した。

楊善さんも宝貝を投げつけると、

「宝貝・鋭鋼刃」

無数の刃が飛び散り大蛇を細切れに切断する。

「!!」

第一手の襲撃は対応出来た。

けれど今の大蛇は下級の「歩兵」ってとこかな?

私達を様子見しているのが分かる。

そうなると次に来るのは数かしら?


私の見当は当たった。

力は弱いけれどウジャウジャと大蛇が地面から出て来る。

あ〜気持ち悪いわ〜

けれど私と楊善さんは蓬莱国でのコンビネーションが役に立つ。

「発手群石の術」

「数珠竜炸弾!」

私達は同時に掌を振り上げると、数珠とイシツブテが頭上で炸裂して四方八方へと飛び散る。

私達の合体技は下級の大蛇達を貫通して次々と消滅させていったの。

「思っていたより呆気ないわね?」

「油断してはいけません!法子さん!」

「えっ?」

その時、私は全身に鳥肌が立つ。

次々と風穴を開け倒れ消滅していく大蛇の中に、私の弾いた数珠を片手で受け止めて握り潰す者がいたの。しかも一体だけでなく、何体も?

「この雄の方は評価高いのではないか?神族だぞ?」

「一気に昇進出来るだろうな?」

「感じるぞ!こいつを倒せば覇王様より新鮮な血を承れるに違いないぜ!」

その大蛇達は人型だった。

しかも大蛇の姿をした連中よりも蛇気が遥かに強く感じる。

もしかして?

「あんたらが覇蛇って連中なの?」

覇蛇とは覇王直属の精鋭って言ってたわ。

覇王を倒すには必ず通り倒さなきゃならない連中なの。

しかし、

「我々が覇蛇だと?ぎゃははは!俺達には称号もなければ名もない、ただの蛇よ!」

「覇蛇様方は我々の遥か先にいる。だから俺達はお前達のような力のある下等種を狩って認めて貰わねばならんのだ!お前達の首をはねて持っていけば名を頂けるかもしれん。だからその首を貰うぞ?」

なぁ?何を仰る?

「そうやすやすと私の首はあげないわ!」

しかし蛇兵達の目的は私には見向きもしないで楊善さんにしか興味なかったの。

何か、嬉しいけど、ショックだわ!

コレって好きじゃない男子に好かれてると思っていたら勘違いだったみたいな?

「誰が先に首を落とすか勝負をするか!」

「面白い!」

「勝つのは俺だ!」

蛇兵達は一斉に楊善さんに攻撃を仕掛ける。

その動きは残像を残す速さ!

正直、今の私じゃ対応出来ないかも。

しかも七体同時になんて!

「蛇神相手に手加減するつもりは有りませんよ」

楊善さんは蛇神達の攻撃を全て紙一重で躱し、その上で剣を華麗に振るう。

しかも相手の急所を的確に捉える正確さなの。

「うぎゃあえ!」

膝やアキレス腱を斬られて動けなくなった蛇神兵が動きを鈍らせた所に楊善さんは身を翻しながら剣を振るわれる。一つ一つ蛇神兵の頭が落下し血を噴き出しながら倒れていく。

「こいつは〜上物だぞ!きぇえええ!」

仲間達が倒されたと言うのに蛇神兵達は怯む事無く狂気と歓喜が獲物(楊善)を狩る事に夢中になっているの。蛇神族は竜神族と同じく戦闘を繰り返す事で限りなく強さを増す一族なの。

「セェエエイ!」

徐々に楊善さんの剣を躱す蛇神達も少なからずいる。名前も称号も無くても蛇神達は油断出来ない。戦いながら成長し、さらに力を増すのだから。

それに蛇神達の数も減ったようには見えなかった。

考えてみれば蓬莱国での戦いや結界を破壊するために、かなり消耗してるのよ?

不利なのは仕方ないわ!

「こいつヤベェよ!マジにヤベェ〜」

すると蛇神の一人が死んだ仲間の腕を喰らいながらニヤニヤ笑いながら近付いて来たの。

「俺は少し手応えあると思うぜ?」

その蛇神は自信あるのか?

楊善さん相手に指をさすと叫びながら蛇気を高め始めたの。

その蛇気は他の蛇神よりも遥かに上!

「蛇神変化唯我独尊!」

えっ?嘘?その蛇神が唱えたのは蛇神変化。

その身に蛇神の鎧が纏われていく。

「ふへへへ!お前、何分持つか?」

蛇神の鎧を纏った蛇神は楊善さんの間合いに入ると、その振り払う剣が楊善さんの受け止めた剣を弾き返し、二手目が喉元に突き出される。

「クッ!」

楊善さんは紙一重で躱すけれど頬に剣を受けて血を垂らしたの。

そして指で血を拭うと、真面目な顔付きになったの。

「私の顔に傷を負わせるなんて罪だね?君は!」

あ、楊善さん怒ってる?

あれ、絶対に怒ってるわよね?

すると楊善さんの身体から凄まじい神気が一気に高まると大地が揺れ始めたの??

「も〜う!地震かよ〜」

私は四つん這いになって倒れたの。

「立ってらんないわ〜ん?」

私は竜の籠手から竜の羽衣を取り出すと軽く宙に浮いてみたの。

あら?やっぱり。宙に浮けば地震なんて問題なかったわね。あはは。

「ぎゃはははは!」

蛇神は剣に付いた楊善さんの血を舐めると悦に入る。

そしてヨダレを垂らしたの。

「美味いぜ?お前の血はよ〜!極上品だ!」

蛇神は身に纏う鎧から数十本の剣を出現させると蛇気で操り楊善さんに向けて斬りかかる。

「私は極上の美形ですよ」

真面目に返した楊善さんは身を下げて突っ込みながら、振り下ろされる剣を躱しながら蛇神に向かって行く。そして手にした宝貝に神気を籠めて投げつけると宝貝は蛇神の胸に当たり足下に落ちる。

「あ〜?何だよ?こりゃ?不発かぁ?」

すると楊善さんは上空へと飛び上がったの。

「逃がすかぁー!」

蛇神が顔を上げたその直後、足下の宝貝か閃光を放ち突然蛇神を覆う火柱となったの!

「うぎゃあああ!」

全身が黒焦げになった所に楊善さんは急降下して剣を振り下ろすと、

その強敵だった蛇神は頭上から真っ二つに一刀両断にされて消滅していった。

「ちょいさー!」 

間髪入れずに楊善さんに向かって四方から三体の蛇神が襲い掛かって来たところに楊善さんの投げた宝貝が貼り付く。同時に火柱が起こり蛇神達を消滅させる。


楊善さんは宝貝と呼ばれる天界の特殊武器を使った最小限の戦い方を得意とするの。

この数の蛇神を相手にするのに体力温存は大事よ。

けれど手持ちの宝貝の数にも限りあるんじゃ?

「心配ご無用ですよ!」

楊善さんの衣から数々の宝貝を取り出す。

恐らく私の竜の籠手みたいに武器を収納しているのね?


楊善さんを囲むように蛇神達が素速い動きで間合いに入って来る。

楊善さんは身を翻しながら躱し、華麗な動きで翻弄する。


「宝貝・針棘鼠草」 


その宝貝は植物の茎のように伸びて蛇神達の身体に絡みつき動きを奪ったの。そしてその茎から針ネズミのように鋭い針が飛び出して蛇神達を串刺しにする。

けれど蛇神達はまだまだ沢山現れて来る。

地面が盛り上がって這い出て来ているのよ。

その時、楊善さんも指を交差させて印を結び地面に向けて指差すと、


「指地成鋼法のシチセイコウホウノジュツ


その術は広がりながら地面を鋼に変えたの。

地面から這い出て来た蛇神達は地面ごと身体が鋼のように固まっていき、そのままオブジェのように硬直したの。その上、地中の蛇神達は日の目を見ることなく硬化し死んでく。


楊善さんって、オカマとかBLとか、女垂らしの二枚目の印象が強かったけれど、やっぱり伝説級の武神なのは間違いないわね。凶悪な蛇神を一網打尽だわ!

「ふぅー。そろそろですかね」

えっ?

見ると楊善さんの目は険しいままだったの。

そして私もその理由が分かった。

「何なの?この凍てつくような殺気は!?」

すると突然冷気が一帯を覆っていく。

硬直した蛇神達までも凍てつかせて?

そして崩壊していた蓬莱国ごと私と楊善さんを巻き込み一瞬で氷の世界へと変えたの。

「ようやく一際強い蛇気を放ってる者が現れたようですね」

楊善さんはその存在にいち早く気付いて、少しでも雑魚、と言っても雑魚とは言えない強さを持つ蛇神兵を減らす事に専念したの。その理由は、今まさに迫る蛇神の強さが桁違いで楊善さんですら確実に勝てるか自信がなかったから。何とか相討ちにまで持っていったとしても、その後に蛇神兵に襲われたら私を守る事が出来ないと察したからじゃないかと。

「やはり雑魚は雑魚。経験値を上げさせるために自由行動を与えていたが、時間の無駄のようだ」

その蛇神は銀の衣を装い、全身から凍てつく気が覆っていたの。

見るからに氷結の能力使いのようね?

それに確実に別格だわ!

「お前は神族の中でもかなり上級の質と見える」

ソイツは楊善さんを見て細い舌を出す。

「雑魚連中には手に余ったようだ」

「お褒め頂き光栄です。私は天界の武神・楊善。貴方は噂の覇蛇ですかね?」

覇蛇とは覇王直属の化け物揃いの八体の配下なの。

つまり覇王を倒すためには八体の覇蛇を倒さなければならないわけだけど、この氷結使いが?


「フフフ。残念だが俺は覇蛇ではない。俺は蛇蝕六尾の氷蛇!覇蛇の候補だった者だ」


蛇蝕六尾とは蛇神の称号。

覇蛇の候補、または補充の者達。

つまり覇蛇に近しい強さを持つ化け物だって事?

「だがそれも今日まで。信じられない事だが覇蛇の一人が何者かに殺されたらしくてな?俺達、蛇蝕六尾の中から覇蛇になり、覇王様直属になれる可能性が出たのだよ!フフフ。これは好機だろ?」

エッ?覇蛇が倒されたの?誰に?

「そして俺を含めた蛇蝕六尾は今、お前のような高級の獲物を数多く狩り集めて覇王様に献上しているのだよ。それにしても俺は運が良い」

氷蛇は楊善さんを物色する。

「そんなに穴開くまで見られても私からは何もあげませんよ?」

「結構!その首を奪うまでだからな!」

氷蛇は片手を振り上げると足下から氷柱が盛り上がって楊善さんを貫こうと迫る。

「おっと!」

楊善さんは顔面に迫る氷柱を紙一重で躱して身を翻しながら宝貝を投げる。

「火竜鏢」

それは炎を噴き出す手裏剣。

当たれば炎に包まれ焼き死ぬのよ。

「!!」

しかし氷結の盾が氷蛇の前に出現して火竜鏢は全て遮られたの。

「この俺の身体からは随時氷結の気が噴き出していてな?近付く者は勿論、全ての攻撃は凍てつき氷の粒と化すのだ。お前の玩具は俺に触れる事も出来ずに消え去るのだよ。そして!」

楊善さんの周りで氷が盛り上がるとドームのように覆いながら狭まって来る。

「宝貝!」

楊善さんは宝貝を何を思ったのか氷のドームの外へと投げたの?

そのまま氷の棺桶が楊善さんを閉じ込めて、粉々になって消え去ったの。

「そ、そんな?楊善さん?まさか?」

嘘でしょ?本当に死んじゃったの?

「安心しろ?首は残してある」

すると氷の中から楊善さんの首が浮かび上がり、氷蛇の手の上に乗る。

「このブツを献上すれば俺も覇蛇に一歩近付くだろう。フフフ」

「フフフ。そんなモノを持って行ったら笑われませんか?」

「えっ?」

氷蛇は自分の手に乗せていたモノが人形の頭である事に気付くと、手の上で凍り付かせ粉砕した。

そして目の前には平然と生きている楊善さんが立っていたの。

けれどどうやって脱出したの?

「さっき私が投げた宝貝は転換宝テンカンホウと言いましてね?同じ質量のモノを捧げる事で自身と居場所を交換する事が出来るのですよ」

同じ質量のモノを捧げるって?

それは蓬莱国で世子が仕向けた傀儡人形・黄巾力士だったの。

さっき氷のドームの外へと投げた宝貝が黄巾力士だったのね!

「かなりのレアグッズだったもので、ちゃっかり拝借していました〜」

ぬ、抜け目ないわ〜

けれど氷蛇もまた楊善さんの小馬鹿にした戦い方に対して、

「余裕ぶってはいるが、その見え透いた芝居には騙されないぞ?隠していても無駄だ!」

えっ?

私は楊善さんの脇腹から血が染まっている事に気付いたの。

もしかして攻撃を受けていたの?

「もうバレてしまいました?あちゃ〜」

「だが次は逃がさん。この俺も久しぶりに全力を試したくなったのでな?」

「そうですか?私の怪我が治るまで手を抜いていて貰いたかったですね」

すると氷蛇は印を結び唱えたの。


「蛇蝕変化唯我独尊!」


すると下半身が氷の蛇と化して、本体の上半身とは別に五本の大蛇の頭が出現したの。

同時に私は凍てつく寒さに一瞬で体力を奪われる。

「法子さん!コレを!」

楊善さんが投げた宝貝を手に取ると、それは球体の光で私の身体を覆ったの。


「宝貝・湯丹保ユタンポ


ポカポカする?

「それ、長くもちません。なので私も本気で戦わせて貰いますよ!」

印を結び唱えたのは、


「獣神変化唯我独尊!」


楊善さんの身体は真紅の鎧に身を纒い、全身から紅色のオーラが覆っていた。

あの姿は王魔と戦った時の本気だわ!


楊善さん!

こんな所で負けちゃ駄目だからね!


そんなこんな。

次回予告


蛇蝕六尾の氷蛇を相手に楊善は勝つ事が出来るのか?


そして法子の出番は語りだけなのか?



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