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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生覇王蛇神編!
244/713

一体、誰が私の敵なのよ~?

楊善は世子の狂気に襲われるも何とか解決させた。


その頃、法子は?


私は法子。

私は今、結界の中に閉じ込められた蓬莱国の調査をしているの。

この国の謎を解かないと私も元の世界へ戻れないからね。

楊善さんと別行動する私は武人候補として王宮に忍び込んでいた。

「法子殿?如何なさった?」

「あ、張角さん」

張角さんは武闘寺院の派遣でこの結界を探っている最中に私と同じく結界に閉じ込められてしまったらしいの。同じ境遇として一緒に結界の謎を解こうと考えているのだけど。

張角さんは側近として新しく武人となった見習いの私達の指導をしていたの。私以外に見習いとなったのは三人。その中に蓬莱山の仙道・孫徳さんもいた。孫徳さんは見習いとして補欠らしいのだけど、恐らくは実力を隠しているわね?

それに張角さんに素性を隠しているみたいだし。


訓練が終わった後、私達見習いは王宮の見張りの番につかされたの。

「あ〜かったるい」

「法子さん?少し良いですか?」

孫徳さんは私の隣に立ち、念話して来たの。

私は頷く。

孫徳さんの持ち掛けて来た話は王宮の地下にある牢屋に、結界が隠されている情報だった。

「孫徳さんはどうしたいの?目的は?」

「私の目的は結界から出る事です」

結界から出る事が目的なら張角さんとも一緒。

手を組むのはどうかと尋ねると、

「張角は信用なりません。お気をつけて」

「えっ?え、はい。ありがとう」

そう言えばこの蓬莱国の結界に封じ込められた魔物の力を手に入れようとしている輩がいるとか。

それが張角さん?でも楊善さんが言うには孫徳さんも何者か分からないから注意が必要とか。


とにかく両天秤で気を持たせて置いて内心は心許さず!で、いきましょ〜!


私は張角さんに連れられて王宮内の地下牢獄へと案内される。

「その地下牢獄に例の封印された魔物がいるの?」

「私も蓬莱国に入って潜入行動してみたが残るは地下牢獄のみ。なにせ毎晩時が戻ってしまうものでね?」

「そうよね〜。ぜんは急げよ」

私と張角さんは地下牢獄を見張りの兵に気兼ねなく侵入する。

なにせ張角さんは蓬莱国の武官なの。

誰も不信がる者はいなかった。

そして一番管理の厳しい牢獄のある地下通路へとたどり着く。

「思っていたより迷宮ね?」

「聞いた話では、この蓬莱国には魔導師なる者がいて、この地下通路を特別に作らせたとか」

「本当に詳しいわよね?それも役得かしら?」

「この役職を手に入れるのも苦労しましたよ。私がこの世界の感覚では一月しか流れていなくてな?それで前任者の武官の顔を自分に移して手に入れたのだから」

「えっ?」

その直後、私は張角さんに突き倒されたの。

すると壁や岩が盛り上がって触手のように私の身体に絡み付き拘束されてしまったの。

「何をするのよ!?私をどうするつもり?」

張角は身動きの取れない私を見下ろしてニヤリと笑った。

どうやら私は騙されて連れて来られたようね?まんまと罠にかかったわ。

「ふふふ。お前には生贄になって貰いたいのだよ。この忌々しい結界を破壊するためのな」

「なんですって〜!私を騙したの?張角!」

「ふふふ。そもそも張角などと言う者は存在しない。いや?既に私が始末したのだったな?お前と同じく結界を破壊するための生贄にな!」

「あ〜そう、ならお前が私の敵ってわけね?」

「そうなるな」

けれど私の力では身体を拘束は破壊出来ないわ。

それでも確信があったの。

「助けてちょうだいよ!いるんでしょ?」

「なに?」

張角が振り返ると、そこに別の気配を感じる。

「わざわざ知らせなくても助けるつもりでしたよ」

そこに現れたのは孫徳さん。

「宝貝・玉光円」

孫徳さんの手から放たれた光の玉は私を拘束していた岩を破壊し張角にも攻撃が迫る。

その攻撃を受けた張角の身体は貫かれるとボロボロと崩れ落ちていく。

すると中から別の顔をした男が姿を現したの。

「そうか?お前の正体が分かったぞ!また俺の邪魔をするつもりか?本当にしつこい奴だ!だが、その姿を見るに本体はまだ動けないでいるようだな?」

その男の顔は月のように真ん丸だった。

おたふく風邪みたいと笑ってみたかったけれど、そいつから感じる気は底が見えなかったの。

「あいつ、強いわね」

警戒する私に孫徳さんは答える。

「分かりますか?あの者は恐ろしく強いです。なにせ九竜島の四聖の生き残り、王魔ですから」

「王魔?」

王魔とか言われてもピンと来なかった。

けれど強いのは分かったわ!

「倒せるの?」

「本調子なら。けれど今の私の姿は借り物でしてね?正直、無理です」

「私と一緒なら?」

「フッ。五分五分と言ったところでしょう」

「そのつもりで私を誘ったわね?」

本当に孫徳さんと王魔は敵同士のようね。

すると王魔は印を結ぶと宝貝を発動する。

「宝貝・開天珠」

王魔から宝貝が放たれると私達に向かって来る。

「何なの?アレは?」

「気をつけて下さい。あの珠に当たればひっくり返されて起き上がれなくなります。どうやら私達を殺すのではなく捕えるつもりのようです」

「殺傷能力は、ないって事ね!」

私は懐から龍の数珠を取り出しハジキのようにして弾くと開天珠に命中して粉砕する。


「数珠龍連弾!」


けれど王魔は直ぐに次の攻撃を仕掛ける。

「闇の魔封剣!」

光術よりエネルギーの塊の剣が飛んで来た。

「護封の巻物!」

孫徳さんは巻物を広げると発光して壁となり光の魔封剣を防ぎ止めたの。

「闇を光術で中和しました」

この孫徳さんは光術使いのようね?

で、王魔は闇術使いみたい。

互いに相性は最悪ね?


けれど王魔の方が力が上みたい!

「どうした?やはり器を誤ったようだな?この結界に閉じ込められて魂を移し変えたのが虫けら程度の人間ではな?それに比べて俺は運が良いぜ?この蓬莱国の魔導師の器を手に入れられたのだからな!俺本来の力を七割は引き出せる器だ。それに比べてお前は一割か?二割か?運は俺に傾いたな!」

「馬鹿言ってんじゃないわ!この孫徳さんには私って勝利の女神が付いてるのよ!負けるはずないわ」

そう言うと私は飛びかかる。

「ん!?」

私は金の錫杖を振り回して王魔に仕掛けた。

それには王魔も防戦一方だった。

「お前の魔術には勝てなくても肉弾戦なら負けないわ!魔術を繰り出す隙は与えないから!」

その作戦は王魔には効果的だった。

術を繰り出す暇なく私の体術や棒術が邪魔させる。

このまま追い詰めるわ!

私の快進撃が成功したかに思えた。

そこに突然、何かが迫って来たの?


それは人間?違うわ?人形?


剣を持った人形が私に向かって斬り掛かって来たの。

寸前で躱して錫杖で受け止める。

「まさか王魔の傀儡?」

このままだと王魔が術を発動して私に攻撃を仕掛けて来てしまう。

そうなったら受けきれないわ!

「えっ?」

けれど私は今の状況に目を丸くした。

何故なら剣を持った人形達は私だけでなく孫徳さん、それに王魔にも襲い掛かっていたから??

王魔の人形じゃないの?

するとそこに新たな人物が現れる。

「この朕の王宮の地下で何を騒いでいるかと思えば隠れていた三匹の虫が見付かったようだよ」

だ、誰??

「アレは蓬莱国の世子だ!」

「世子??」

「しかもその人形は黄巾力士。主の意のままに動く殺戮人形さ!」

孫徳さんの説明に私は何がなんだか分からなくなってしまったの。

えっ?私達の敵は王魔じゃないの?

別に暗躍している者がいて、それが蓬莱国の世子なの?

本当に意味分からないわ〜


「くそぉ!手間取っていてせいで「見張り番」に気付かれてしまったか!」


見張り番?王魔の言葉から察するに王魔の敵?

そうなると敵の敵は味方?なら私の味方?

「のはずはないわよね?」

黄巾力士は私に斬り掛かる。

「こういった人形は操ってる奴を先に叩くのがセオリーなのよ!」

私は黄巾力士の攻撃を躱しながら飛び上がると世子に向かって錫杖を叩きつける。

「ウヌは余に手をかけるか?」

世子は剣を振るって私の錫杖を弾き返す。

「なんのこれしきー!」

弾かれた錫杖の威力で身を翻し回転しながら再び攻撃を繰り出す。世子もまた繰り出す剣術は人間離れしていたの。互いの攻撃が衝突する中で、黄巾力士の相手をしていた王魔が動く。

「現れいでよ!狴犴へいかん!」

王魔の足下が闇に覆われ盛り上がると、強力な力を発する影の妖獣が出現し王魔を乗せる。

「あれは狴犴へいかん。王魔の乗騎だ」

龍の血を得た怪物獣で、発する障気が黄巾力士達を粉々にしていく。

同時に地下牢獄か揺れ動き天井が崩壊して来たの。

「逃がすものかぁ!」 

世子が王魔の動きに気を奪われた隙きをつき、私は錫杖を突き付けたの!

「ぐわぁ!」

私の錫杖は世子の肩を貫く。

「この、この蓬莱国の王に手をかけてな?娘!ゆ、許さんぞ!必ず殺してやる!決して許さん。その目を抉り、心臓を主に捧げてやるからな!」

その直後、私達の天井も崩れ落ちて来て私達は相手を睨んだ状態で決着がつかないまま後退する。


あの世子?痛みを感じてない?

それに微かに鼻についたのは死臭だった。

まさか世子は死人なの?


「けれど今はこの状況から助かる方が優先ね」


崩落する地下牢獄から私達はバラバラになる。

「ふぅ〜よね」

私は王宮の城門前に身を潜める。

ここで頭を整理する。


張角は実は王魔って妖仙だった。

つまり私の敵よ!

この蓬莱国の世子は死人で私を許さないと言った。

つまり私の敵よ!

孫徳さんは、まだ分からない事はあるから〜

つまり、チョイ味方よ!


「そうなると楊善さんが今一番信用出来る味方なわけなんたけど、どうしようかしら」

「何がですか?法子さん?心配事ですか?」

「だってさ?外に出られたとしても楊善さんに付き纏われたら孫悟空達と合流出来ないじゃない?」

「それは困りますねぇ〜」

「そうよ!困・・・ん?」

振り向くと私の背後に楊善さんがニコニコしながら私に話しかけて来ていたの。

「きゃあああ!もう!気配消して背後から喋らないでって言ってるでしょ!」

「すみません〜趣味でして」

私は息を切らせながら楊善さんの後ろにいる女性に気付く。

「楊善さん?その方は?」

「あ〜ご紹介がまだでしたね?」

そこで私は蓬莱国のお姫様を紹介して貰ったの。

「どうも、私は正義の女子高生法子よ!宜しくお願いします」

「こちらこそ。私は蓬莱国の幸楽公主と言います」

あら?お姫様なの??


それから私達は自分達に起きた出来事を話して内容を照らし合わせたの。

「つまり世子様を操っていた者が怪しいわね?」

「それにまさか王魔がいるとは驚きです」

「知ってるの?」

「知ってるも何も封神大戦の時には我々を苦しめた妖仙ですから。あのナタク君をも苦しめたのですよ?かなりの手練です」

「そ、そうなんだ・・・」

「それから孫徳さんも気になりますね」

「悪い人じゃないとは思うのだけど、何分情報がない上に逸れちゃったからさ」

「そうですか」

「これで謎が幾つか解明されたけれど、その関係が微妙よね?七人の記憶維持者の中から私と楊善さんの目的は外の世界へ出る事よね?そう考えると王魔の目的は結界から外の世界へ出る事だから蓬莱国の結界を破壊する目的としては共通なのよ。それに対して結界を守ろうとしているのが蓬莱国の世子。けれど彼は何者かに操られていたようだわ?それで一番怪しいのは大魔導師になるのよね」


同じく大魔導師の指示に従っていた幸楽公主さんはもう何を信じれば良いのか分からなくなっているわよね・・・そうでもないか?

幸楽公主さんは楊善さんに見惚れて、もはや信じられるのは楊善さんだけになっているの。


目的が分からないのは孫徳さん。


「そこでまた気になる事が一点あるのよ。王魔の台詞に確か本来の肉体がどうとか?

しかも王魔が手に入れた肉体が大魔導師の器だと言っていたのよね?だったら大魔導師の正体が王魔って事になるじゃない?」

「それは有りませんわ!」

「えっ?」


幸楽公主さんが私の推理に口を挟む。


「大魔導師様は随時私と兄と連絡を取り合っていました。それは法子が王魔なる者と戦っている時も私は大魔導師様とやり取りをしていましたから。兄上の件を聞き質していたのよ?」 

「確かに私も盗聴で二人の会話のやり取りは聞いていましたが、王魔なる者とは別と思えます」

「そうよね?王魔は結界を壊すのが目的。大魔導師は結界を守るのが目的。どう考えても目的が一致しないわよね?一体、誰が私の敵なのよ~?まさか王魔の虚言って事?」

「それとも大魔導師が二人存在するとか?」

「そんな!!」

皆の話を纏めて分かった解決手段は?

「大魔導師に会いに行くわよ!」

解決に向かって行動しようとした時、

「えっ?嘘?こんなタイミングで??」

その時、私達の視界が歪み出したの。

これはまさかの時間の逆行?


「ハッ!」


私はそこで目覚める。

そこは最初に宿泊した宿のベッドの上だった。

「また最初から振り戻しってわけね?けれど目的は変わらないわ。大魔導師に会いに行くわ!」

けれど外を見ていた楊善さんが険しい顔で告げる。

「そう簡単にはいかないようですよ?あんまり状況的に雲行きが宜しくないみたいです」

「へっ?」

その直後、宿に向かって矢が射られたの??

何が起きてるのよ?

外には蓬莱国の兵士達が私達の宿を囲んでいた。

その中心には張角?いえ王魔がいたの。

「この中に昨晩、世子様を殺めた謀反者がいる!必ず捕まえ処罰するのだ!いや、見つけ次第斬っても構わぬ!」

兵士達が一斉に宿に入り込んで来る。

けれど私と楊善さんは宿の屋根伝いに移動し逃げていたの。

「なぁ〜何なのよ〜!」

無数の矢が雨のように飛んで来る中を駆け抜けながら、


どうしようかしら〜


そんなこんな。


次回予告


新たな謎?


王魔と大魔導師、それに孫徳の目論見は?

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