閉じ込められた法子
八怪が覇蛇の一体を倒した。
その事で蛇神の動きもより活発になっていた。
その頃、法子は?
私は法子。
私は今、単独行動中なの。
それは私が眠ってナタクに背負われていた時の話。
私は目覚めたのを気付かれないように意識を集中させる
。目を瞑っていても周りの状況を感知する能力なのだけど、頭が冴えてる時には十キロ離れた場所まで見通せるの。簡単に説明すれば千里眼の事ね?霊体を遠くに飛ばして霊体が見ている風景を見るのよ?
その時、私は遠く離れた場所の異変に気付いたの。
そこは人間の国のようだった。
その国に向かって蛇神の軍隊が接近しているの。
私は更に状況を把握に務める。
その国は何か違和感を感じたの?
何が違和感なのかはよく分からなかった。
「とにかく行ってみないと、よく分からないわね」
このまま放って置けば蛇神の軍隊に襲われるわ!
その前に危機を知らせて逃がさないといけない。
そして私は実行に移してナタク達三人から逃げる事に成功したの。
えっ?どうやって逃げたかって?
う〜ん?あんまり言いたくないのだけど、言わなきゃ駄目かしら?
今から言うのはオフレコよ?
実はトイレに行くと告げて待たせている間に抜け出したの。
これはもう忘れてください。
逃げ出した私は例の感じた場所へと向かってみた。
けれど、着いた場所には何もなかったの。
「あれ?あらら?どういう事なの?」
私は見渡す限りの荒野に茫然と立ち尽くす。
「もしかして・・・」
既に蛇神の襲撃に合ってしまったとか?
けれど違うわ。
まだ蛇神の気は離れた方角からこちらに迫って来ているのを感じる。
この地点に来るまで余裕を持ってもまだ一日くらいかかりそうだわ。
なら、私の思い過ごしだったの?
最初からこの場所には何も無かったって言うの?
けれど考えても仕方ないわ~
「無いものは無いわね〜なら長居は禁物よ。何せ蛇神の軍隊が迫ってるんですものね」
私はその場から立ち去ろうとした時だった。
「えっ!?」
突如私の足場が光出して視界が消えていくの。
「きゃあああ!」
私は恥ずかしくも悲鳴をあげた。
「・・・・な、何?何が起きたの?」
恐る恐る眩を開いたの。
「えっ?あれ?嘘!?」
私の視界には町並みがあった。
先程まで何も無かったはずなのに、そこには数多くの人が行き来している。
屋台のようなお店が並び、活気付いていたの。
数人の子供達が走りながら私を通り過ぎていき、その一人が私にぶつかる。
「あ、ごめんなさい。お姉さん?」
「大丈夫よ?貴方は怪我はない?」
「うん。大丈夫。ばいばい」
そう言って走り去って行く。
どうやら今日は何かお祭りがあるみたいなの。王宮の方に向かって人が集まっている。
本当に賑やかで平和な風景に意味分からず茫然と立ち尽くした。
「なぁ?何なの?私は夢でも見ているのかしら?」
完全に私はテンパってしまったの。
「参りましたね〜完全に閉じ込められてしまったようですね?」
「閉じ込められたって?どういう事?ん?」
その時、私は隣にいた相手を見て驚く。
「きゃあああ!」
今日二回目の悲鳴に私は目を丸くする。
「あんまり大声出さないでください?耳がキンキンしますよ〜ねっ?」
その人は女性に見間違うような美しい容貌の楊善さんだったの。
「ねっ?じゃないわよ!いつの間にいたのよ?楊善さん??」
「法子さんが足場にあった結界に触れて光に包まれた時に私も一緒に引き込まれてしまったようですね」
「引き込まれてしまったようですね?じゃないわよ!ちょっとどういう事か詳しく教えてよ」
「あはは。私も推測ですよ?それでも良ければ」
「お願いするわ」
楊善さんが説明するには、今私達がいる場所は結界の中らしいの。
しかも一国ごと閉じ込めた巨大な結界の中で、この中にいる人達は全て今から数百年前の人達らしいの。
「えっ?何?意味わかんな〜い!」
「これを見てください」
楊善さんは街中に置かれていた皿を見せる。
「お皿?これが何?」
「この皿の焼き方は私達がいた時代より昔に造られていた手法です。それが当たり前のように使われていて、彼らが来ている衣服もその時代のものでしょうね。他にもカンザシの細工やらも懐かしい」
「詳しいのね?」
「ふふふ。こう見えても私、神様ですからね?貴女達人間よりも長寿なんですよ〜」
「あ、なるほど!」
そうだわ。神様は見た目で判断しちゃ駄目なのよ。
神様は人間の寿命とは比較にならないの。
と・に・か・く!
「手分けしてこの結界について調べましょ?」
「そうですね。では」
すると私の目の前から楊善さんの姿が消えたの。
「び、びっくりした〜」
私は街中を歩きながら、通り過ぎる人に声をかけてみる。
その他にもお店の人や街中を警備していた兵隊さんなんかにも。
そして幾つか分かった事がある。
「ここの人達は自分達の置かれている状況を理解してないみたい」
それは私が聞いた全員が口を揃えて言った。
「はぁ?何をいってるんだ?お嬢ちゃん?この国が外界と閉ざされてるって?お酒でも飲んだのかい?夢でも見とっとか?それとも俺をおちょくってるのか?」
「えっ?あ、ごめんなさ〜い」
と、逃げて来たのだけど、誰一人異常に気付いていないの。
「それにこの国から外界へ出る手段が見当たらないのさ」
「えっ?あっ!楊善さん??」
また唐突に現れて、心臓が破裂するかと思ったわ!
「ちょっと〜!突然現れないでよ!」
「ごめんごめん。趣味なんですよ〜」
それって突然現れて驚かす事が?
やっぱりわざとだったのね!
少し殺意がわいたの。
「で?何か分かったの?」
「はい。先ずはこの国の名前ですが、蓬莱国と言います」
「蓬莱国?」
「そうです。確かに私も聞いた事がありましたよ。一夜で消えた大国の話は」
「それが、この国なのね」
楊善さんはこの国から脱出する手段も探していたみたいなの。
そして分かった事は不可能って事。
この国から出ようとすると光の壁が現れて、その壁を通ると戻って来てしまうの。
外に出るって記憶を全て抜けた状態で。
「とにかく一筋縄には行かないみたいだわ」
その夜、私と楊善さんは宿を取り宿泊したの。
しかも同室に!?
だって仕方なかったんだもん!
この宿泊のお金は楊善さんが身に着けていた小物をお金に変えて手に入れたのだから。
「安心してください?私は二郎神君にしか興味持っていませんからね?」
「えっ!?」
それってBLって事??
まさかの大人の美形がお約束的に?
えっ?もしかして神様には当たり前の行為?
ちょっと!まだ高校生の私には早・駄目。
興味津々よ!
けれど詳しく本人に聞く勇気がなくその日は何もなく一日が過ぎたの。
「う〜眠いよ〜」
「寝不足ですか?」
「えっ?」
正直、悶々としてよく寝られなかったわ。
寝ようとすると二郎神君さんと楊善さんが夢に出て来て、壁ドンから床どん、からの〜・・・
あ、これ以上は私には刺激が強すぎるわ。
「?」
「と、とにかく!今日の予定は?楊善さん?」
「そうですねぇ〜」
楊善さんと朝食を食べながら方針を決めていく。
この謎の結界から外へ出る事が先決。
なら、その謎を究明する事が近道。
急がば回れって事よね?
で?その謎はこの国の王宮に隠されていそうなの。
「でも何故王宮にあると思うの?」
「それはですね?」
実は昨晩、私が悶々している時に、この街で異変が起きていたというのよ。
夜中にその異変に気付いた楊善さんは外に出ると、王宮が異様な力を発しながら光っていたと言うの。
しかもその光を見た村の人々はまるで生気を奪われたかのように王宮へと誘われて、そのまま戻っては来なかったとか。で、楊善さんも王宮へと忍び込もうと試みたのらしいけれど・・・
「邪魔されちゃいました〜」
「邪魔って?」
楊善さんは王宮に忍び込もうとした時に、中から現れた者達に阻まれたの。
そこで強引に突破しようとしたけれど、そこで突然時空に異変が生じたと言うの。
まるで起きた事がなかったかのように全てが巻き戻されて王宮に入る前へと追い出されてしまったと。
「この結界の中では時が幾度と繰り返されているみたいですね」
真面目な顔で説明する楊善さん。
時が幾度と繰り返されているってどういう意味なの?
私と楊善さんは食事を済ませて外に出ると、そこに子供達が走って来て私にぶつかる。
「お姉さんごめんなさい」
「だ、大丈夫よ?貴方は大丈夫?」
「うん。ばいばい」
そう言って走って行ったの。
その後ろ姿を見送りながら私は呟く。
「これって?昨日も?」
間違いなかった。ぶつかった子供は昨日の子供と同じ顔で、しかも私の顔を見て初めて会ったかのように気付いてなかった。
「言ったでしょ?この結界の中では数百年に渡り幾度も繰り返されているってね」
「どうやら本当みたいね」
これは時空結界の一つと教えてくれた。
つまり空間に時間ごと閉じ込める封印術なの。
「えっと、つまり封印って事は?」
「この中には国や人間達事、何かとんでもない者が封じられているって事ですね」
「何か分かってきたわ!私、頭が冴えて来たみたい!つまりこの結界から外に出るためには、その何かを何とかしなきゃいけないって事ね?」
「もしその何かを外に出してしまって、蛇神だけでなく外の世界がさらに厄介事が増えてしまったらもうカオスですね」
「これほどの厳重な結界なんだから簡単な問題じゃなさそうよね」
そんなこんなで私と楊善さんは王宮内へと侵入して真相を突き止める事にしたの。
その為には私達は目立ち過ぎよね?
で、変装したの。
特に楊善さんは昨夜に顔を見られてるみたいだから用心しなくちゃだけど・・・あはは。
「これで良いですかね?」
楊善さんは女装したの。
「何故に女装なの?」
「似合いません?」
「いや、似合い過ぎて恐いくらいだわ」
それも女の私が赤面するくらい物凄く綺麗な女性姿に私は不覚にも目を奪われる。
これはもう、ご馳走さまレベルだわ!目の保養よ!
脱線はさて置き、今日は確かお祭りが行われていたのよ。それも王宮の方で。だから一般の人達も王宮の中に入る事が出来て開門されていたの。昨日と言うか今日の最初の時間ではそこまで余裕なかったから行かなかったけれど、私と楊善さんは祭りの騒ぎに乗じて王宮へと向かったの。
「さて、これからどうするの?」
私の問いに楊善さんは何処から手に入れたのか何やら書かれた紙を見せたの。
「これは!?」
そこに書かれていたのは王宮の皇子が嫁を一般公募しているって内容だったの。
「もしかして、これに参加するって事?」
楊善さんはニコリと笑う。
確かに王宮に忍び込むには手っ取り早いけど。
まぁ、なるようになれよね?
私は楊善さんと一緒にお后候補に参加した。
「って、楊善さん??」
「何かな?」
「楊善さんは男でしょ?なんでお后候補に参加しているのよ!」
「そりゃ〜私のような美貌があれば皆に見てもらわないのは罪じゃないかな?」
「ないかな?って、本当にナルシストなのね・・・なんとなく分かってたけど」
確かに楊善さんの美貌は半端なかったの。
エントリーしてから直ぐに文句なく第一候補で選ばれて連れて行かれたのだから。それにはライバルのはずのお后候補の女性達も唾を飲み込み見惚れていたくらい。もし男だと分かったら彼女達が逆に楊善さんを取り合うかもしれないわ。
そんなこんなでお后候補は七人選ばれたの。
えっ?私?
あ~なんか腹立つわ~
私は気品がないからと最初の予選で落とされたのよ。
ど、どうしてよ!ふん!頼まれたって后になんてなってあげないわ!願い下げよ!
けれど王宮に侵入する作戦が失敗に終わるのは困り物なの。
そこで私は后候補とは別に行われていた武官候補に志願したの。
しかも武官の方は実力さえ有れば選考されるから簡単よ!
えっ?私は女である事でお払い箱にされる。
「ちょっと待ってよ〜」
私は腹が立って武官候補が対戦している間に割り込んで行ったの。
当然止めに入って来る現役の武人達が私に掴みにかかるけれど、
「触らないでよ!」
私に近付いて来た武人達が一斉に身体が浮き転がされたの。
一体何が起きたか分からない。
まるで奇術にかけられたかのようにキョトンとする。
「合気道よ!」
すると私を囲むように数人の武人が集まって来て棍棒を構えて威嚇する。
こんなうら若き女子高生相手に酷いわね?
私は溜息をついた後に構えようとした時、
「待ちなさい!」
止めに入った人がいたの。
「無礼を致しました。貴女は間違いなく手練でしょう。間違いなく全員で取り押さえようとしても無駄ですよね?」
「分かってるじゃない?貴方は誰ですか?」
「私はこの宮殿の武人指南をしている張角と申します」
「私は法子よ?で、私を選抜に入れて欲しいのだけど?」
「ふふふ。貴女程の猛者はそう現れまい。予選どころか私の権限で直ぐにでも抜擢させて頂きましょう。それに貴女は私よりも強いと見える」
「えっ?本当に?ありがと〜」
そんなこんなで私も宮殿入りに成功したの。
そして私と他に今回選出された武人候補は張角さんに連れられて王宮へと招かれる。
この王宮の王様への顔見せらしいの。
「法子殿?」
「何ですか?張角さん?」
張角さんは通路を歩きながら小声で私に呟く。
「貴女も外の世界から迷い込んで来られたのか?」
「!!」
えっ?それってまさか?
選考を通った武人は王宮の待ち合い室に待機するように言われ、私だけが張角さんに呼ばれる。
そして個室に入ると張角さんが私を見ていた。
「さっきの話だけれど張角さん、貴方も外からこの結界の中に迷い込んだって事なの?」
「その通り。私は武闘寺院の派遣で調査中にこの結界に迷い込んでしまったのです」
「武闘寺院?」
武闘寺院って聞いた事があった。
確かフォンさんが所属する妖怪討伐のために組織された人間だけの寺院だとか。
そして私は張角さんの話をきく。
「私はこの結界の中に数十年近くおります。正直、正確な年月は分かりません」
「そんなに??」
聞くとこの結界に閉じ込められたのは張角さんの他にも何人かいたらしいの。外から入り込んだ人間は原住民の人間達みたいに毎回記憶をリセットされないの。しかし繰り返される毎日に精神の方が崩壊してしまい、そうなった者は時の歯車の中に取り込まれてしまうとか。
「どういう事?」
「時が繰り返される事に記憶がリセットされ全てを忘れてしまうのです。その後はこの世界に与えられた原住民と同じく役目を果たすための人形と化すのです」
「何なのそれ?つまり長くいればやがて取り込まれてしまうわけね?」
「はい。私も一度取り込まれそこなった時に、記憶の半分を持って行かれました。その時に新たな役目として武人指南含め選抜の管理職を与えられたのです。それから私は繰り返される毎日の中で外から迷い込んで来た者を集めながら、同時に外に出る手段をずっと探しておりました」
「見付かったの?抜け出す方法は?」
「色々と分かった事はあります」
張角さんは知った事を全て話す。
この結界は楊善さんの推測通り、何かとてつもないモノを閉じ込めるために国や人間達事一緒に発動させられたの。そして、閉じ込められた何者かは今も現世に蘇ろうと力を蓄えているみたいなの。
「えっ?蓄えって何?」
「その前にこの結界の事についてもう少し詳しく知った方が良いかもしれませんな」
この結界は時空結界なの。
本来なら封じ込めた者の時を止めて拘束する。
しかし結界は不完全だったの。
閉じ込められていた者は徐々に結界の綻びを破壊しつつ時を動かし始め、今では一日から三日の時が繰り返されながら動き出しているの。
「一日から三日って?不規則なの?」
「はい。同じ日が一日で終わり繰り返される事もえれば三日の時もあります。三日の時は戻された時間は二日前に戻ります」
「少しずつは時が進んでいるって事ね?」
「それはつまり」
「封印が解けかかっているって事です」
「そもそも、その封印されたモノってどんなの?やっぱりヤバい奴なのかな?」
「そこまでは分からぬ。この私が閉じ込められる数百年も前の魔物らしいからな。それにこの私もまだ姿を見ておらぬが、その真相に迫った私の仲間が何人も行方をくらましておる。恐らくはもう・・・」
「そうなのね?話し合いで終わらないようね」
この結界から脱出する手段は、その封じられている魔物を先に退治する事が先決みたいね。
封じていた魔物が消えれば結界は対象を失い効力を無くして崩壊する・・・と思うの。
そうなれば私達は脱出出来るはず・・・と思うの。
何とかなると思うの!
「先ずはその封じられた魔物の正体を突き止めないとね」
けれどどうやって突き止めれば良いの?
でも話の中で分かった事もあるわ。
この結界の中で過ぎていく時の中で記憶を保っている者が怪しいって事。
記憶ある者の中に魔物の正体を突き止めるのが唯一の手段ってわけよ。
その後、私は張角さんと別れて待ち合い場所に戻る。
とりあえず頭を整理しないといけないわ。
「それにしても張角さんって頼もしい味方がいたのは収穫よね。楊善さんにも教えてあげないと」
その時、私の背後に誰かが立っていたの。
「!!」
け、気配を全く感じなかったわ!?
私は振り向くと、そこには私と同じく武人の候補に選ばれて連れて来られた人がいたの。
「どうも初めまして。私の名は蓬莱島の道士、孫徳。貴女と同じく結界の中に閉じ込められたものです」
「えっ?貴方も??」
蓬莱島の道士って言ってたけど?
「もしかして仙人様なの?」
「シィー。私の正体は他には知らせてないので」
孫徳さんは私の口に指を置いて止めると念波が私の頭の中に入って来て会話をして来たの。
「私はこの結界から脱出する手段を探している。宜しければ貴女に手助けを頼もうと声をかけました」
私は頷いて答える。そんな私に、
「言葉は頭に浮かべてくれれば伝わります」
私は言われた通りに頭に浮かべて会話を試みる。
「私は法子。貴方も閉じ込められたって本当?私に何をさせたいの?」
「本当だよ。私が君に頼みたいのは」
頼みたいのは?
それを聞こうとした直後だった。
突然城内が揺れ始めたの?
「えっ?地震?」
すると外が騒がしくなる。
何か起きてるの?
私は城外が見える場所に飛び出して状況を見た時、その現場を目の当たりにしたの。
空から光が降りて来ると巨大な手となって、城内にいた兵士を掴み上げて再び空へと連れ帰っていく。
「うぎゃあああ!」
私は助けるために数珠を構えた時、
光の手は掴んだ兵士を握り潰したの。
「あっ!!」
手遅れだった。救えなかった。
落胆する私に孫徳さんは告げる。
「アレに掴まれた者はこの結界で繰り返されても蘇る事なく存在が消えるのだ」
「えっ?」
この結界の中では傷を負っても、病にかかっても、たとえ死んだとしても時が戻れば何もなかったかのように前の時間に生きて存在する。
けれど、あの光の手に掴まれば存在を奪われ、時が戻ったとしても二度と姿を見せない。
つまり死んだ事になると言うの。
「とにかく張角さんにも知らせないと!」
けれど孫徳さんは厳しく私を制止したの。
「それは止めなさい!あの張角なる者を信じてはならない」
「えっ?それって?えっ?」
とにかく私に理解出来ない事ばかりで混乱する事ばかりだけど、
何とか蓬莱国の謎を解明しなきゃ!
そんなこんな。
次回予告
謎の時の止まった蓬莱国で法子はどう動くのか?
そして楊善は?
そこに元武闘寺院の張角に蓬莱島の道士、孫徳が絡んでくる。
この蓬莱国の謎とは?




