八怪と釘鈀!
八怪と硬剛覇蛇の決着!
その結末は?
第三の眼が開かれる。
それは覚醒を意味していた。
肉体に宿る七つのチャクラが全て開かれた時に、
その額の第六チャクラが眼の形となって開かれるのだ。
その状態では全ての感覚が研ぎ澄まされ己の力を最大限以上に使えるのだ。
正に覚醒状態。
全身から攻撃的な黒い神気が巻き起こる。
「まだそのような力を隠し持っていたのか?だが今の俺には全てが無力なのだぁ!」
硬剛覇蛇は八怪に向かって襲いかかる。
「ウラァアアア」
八怪の拳が直撃する。
しかしやはり攻撃は通用しなかった。
それでも八怪は退かない。
「無駄だと言っただろー!」
至近距離に迫ったその時、八怪の第三の眼だけでなく両目が紅く光る。
「弾けるらぁー!」
その渾身の拳は硬剛覇蛇を弾き飛ばした。
「うがぁあああ!」
地面に転がり倒れた硬剛覇蛇は驚きを隠せずにいた。
八怪の破壊力が攻撃をする事に増している。
まさか戦う度に進化してるのは八怪も同じ?
「こ、コイツは何かヤバい」
硬剛覇蛇は初めて八怪に対して抱いていた感情に気付かされた。その感情に対して認めたくなかった。しかし認めなければ手遅れになると本能が告げる。
その感情は焦り。
目の前の八怪はまだまだ強くなる。
それは後々蛇神族をも脅かす脅威になりかねない。
「今、ここで確実に片付けて置かねば、いずれ覇王様に刃を向けるかもしれん。それだけは阻止してみせる。この俺の最大級の力をもって消し去ってやろう!ウォおおおおお!」
硬剛覇蛇は全身の蛇気を最大限にまで高めたのだ。
大地が揺れ、蛇気が上空へと上昇し雲が消え去る。
まるで世界が震撼しているようであった。
そして八怪に向かって突進して来たのだ。
「お前もまだまだ強くなるようらな?それでもオラはお前を倒すら!」
すると八怪の背後から噴き出す漆黒の神気が枝分かれして八つに分かれていく。さらに枝分かれした漆黒の神気を掴むと鞭のように振り回したのだ。
『八又の黒鞭』
八怪の振り回す八つの鞭が硬剛覇蛇に嵐のように竜巻きながら直撃する。
その破壊力は強固な硬剛覇蛇の身体を削りながら突進を止める。
「おのれぇー!」
それでも一歩一歩迫る硬剛覇蛇に対して八怪も負けじと攻撃の手を更に早く激しく振るう。
「グフフフ。忘れたか?この俺の脱皮能力を?」
「何らと?」
硬剛覇蛇の砕けた身体が見る見ると再生していき、更に強固な身体を手に入れ力を増していく。
「この俺は無敵だぁ!何者も俺を倒す事は出来ねぇーよ!グフフフアハハハ!」
「いつまでも笑ってられると思うなやぁ!」
「お前の強さには正直驚かされたが、お前のお陰で俺はさらなる力を手に入れさせて貰ったぞ?礼を言いたい。そうだな?お前はこれ以上ないくらいに痛みを与えて殺した後に、この俺の栄養として美味く喰らってやるからな!今からヨダレが出てきそうだぜぇ・・・グギャハハハ!」
「・・・・・・」
八怪にも打つ手は無かった。
それでも、その目は諦めてはいなかった。
「あ〜お前、やっぱりムカつくな?その目はまだ諦めてねぇな?まだこの俺に勝つ気でいるのか?どこまでも生意気な奴だ!」
「このオラを止める事は出来ねぇら!」
八怪と硬剛覇蛇は激しい攻防を繰り広げ、その衝突は大地を幾度と揺らした。
しかし徐々に劣勢になっているのはやはり八怪の方だった。
「オラは負けられねぇ!信じられてるんら!三蔵はんに、捲簾に、そしてオラの帰りを信じる仲間達に!」
更に激しく鋭い突きが硬剛覇蛇の動きを凌駕し攻撃が当たる。
しかしやはり砕けた身体が再生していくだけ。
このままではいくらやっても同じ。
硬剛覇蛇の力を増しているだけ。
もしこのまま八怪が敗北して野放しになれば必ず仲間達にとって脅威になる事は間違いなかった。
「オメェ〜はオラが破壊するら!」
だが現実は根性や意思など無慈悲に硬剛覇蛇は八怪を追い込んでいく。そして豪腕で八怪にトドメの一撃を放った時、その拳は目の前に突如飛び出して現れたナニカに受け止められ弾かれたのだ。
「こ、これは!?」
八怪は自分を救った目の前に現れたソレを見て、その全てを理解したのだ。
「釘鈀!」
それは龍神界より手に入れた宝具だった。
黒豚妖怪の八戒には不釣り合いの最高級の宝具であったが、実は釘鈀が八戒に与えられたのには伏線とも言える竜神族の目論見があったのだ。
釘鈀の能力は持ち主の魂の力を吸収して力を発揮する武器であった。その能力こそ意味があったのである。今、行われている蛇神族の脅威は全て龍神族は既に見据えていたのだ。そのために必要なのは蛇神族と渡り合える戦える戦士だった。
そして八怪の復活も全ては龍神族の策略にあったのだ。だからこそ最高級の宝具を与えた。
八戒の魂を削りながら遮那の魂を引き上げ呼び起こすために。
「まんまと龍神族の連中に踊らされてしまったらな?らが、あの硬剛覇蛇を倒す手段が見付かったら!」
八怪は目の前に突き刺さった釘鈀を握ると魂の力を注ぎ込む。
「!!」
すると釘鈀の形が八怪の目の前でまるで死神の大鎌のように変化したのだ。
「何かと思えば使い古しの武器を手に入れ強くなったつもりか?」
「そうらな、オラは今からお前を確実に破壊するつもりら。もしお前が生きていればオラはお前より弱かった事になるらが、後悔しないように本気でくるら!さもなければ後悔するらよ?」
わざわざ挑発するのは八怪は硬剛覇蛇に対して全力で戦い倒したかったから。
「ふふふ。愚かだ。しかし俺はお前に負ける要素が微塵にもみつからねぇよ!」
「そうらか?オラはオラが勝つ未来しか見えねぇらよ!」
互いに勝つ事を宣言した二人は、同時に飛び出していた。
八怪は釘鈀の大鎌を一閃振り払う!
「ウラァアアア!!」
その瞬間、決着がついた。
「やはり俺の勝ちのようだったな」
八怪は急激に力を失い倒れていく。
全ての力を出し切ったのだ。
そこに勝ち誇る硬剛覇蛇が倒れた八怪に近付き迫る。
やはり硬剛覇蛇には敵わなかったというのか?
その時に気付く。
硬剛覇蛇は胸元に斬られた線が引かれている事に?
「最後の最後に俺に気付かれずに斬ったようだが、俺の身体は再生し、さらに力を増すだろ・・・うっ!?」
その時、自らの異変に強張る。
硬剛覇蛇の身体が斬られた場所から徐々に灰と化していくのだ。
その灰化は再生が行われずに侵蝕し犯していく。
まるで死の秒読みのように。
「うぎゃあああ!?何なんだぁ?こりゃ〜??お前、この俺に何をしやがったぁああ!?」
取り乱す硬剛覇蛇の叫びに八怪は目覚める。
そして答えてやったのだ。
「お、オラの釘鈀は魂を奪う刃。オラが斬ったのはお前の魂らよ?よく言うらろ?骨と肉を斬って魂を断つとな」
それはもう意味分からない言葉だった。
肉を切らせて骨を断つと言いたいのか?
それすらも違う気がする。
「お、俺の、俺の身体がぁあああ!!」
硬剛覇蛇の身体は斬られた場所から広がりながら崩壊していく。
「こ、この俺を葬るなんて、そんな事が、ありえねぇ・・・だが、よく覚えておけ?他の覇蛇は俺よりも強え〜ぞ?そして残虐だ。ここで死ねなかった事を後悔するんだな?あ、はは、はは」
それだけ言い残すと硬剛覇蛇の身体は完全に崩壊した。
「どうやらまだオラは休んではいられ・・・」
しかし八怪もまた力を使い果たし、その場に倒れて気を失ったのだった。
硬剛覇蛇の魂が消滅した事は直ぐに蛇神達に広がる。
「まさか硬剛覇蛇が敗北したと言うのか?ありえません。覇王様の血を頂戴した覇蛇が下等種におくれを取るなんて恥知らずな」
覇王の側近である白蛇の巫女は歯軋りを鳴らして怒りを見せる。
しかしこの状況を喜ぶ者達もいた。
蛇蝕六尾の者達である。
蛇蝕六尾の称号を持ちし六人の蛇神達は覇蛇の候補だった者達。
つまり硬剛覇蛇が死んだ今、その覇蛇の枠に入り込む事が必然。現在、蛇蝕六尾の称号を与えられている者達は氷蛇六尾、雷蛇六尾、炎灼六尾、嵐蛇六尾、修蛇六尾、牙流六尾であった。
しかし問題は誰が次の覇蛇になるか?
それはより強き者を倒し、その命を覇王に捧げた者である以外なかった。
蛇蝕六尾達の野心が膨れ上がり動き始めたのだ。
その頃、法子を連れた天界の武神の二郎神君、楊善、ナタクは戸惑っていた?
何故かって?
何せ法子が三人の前から逃亡していたから??
一体、何が起きたのか?
それは次回、法子が語るのだった。
次回予告
またまた法子が厄介ごとに首を突っ込む?
今度はどんな展開が待ち受けているのか?




