始まりの序章!?
法子達は鈎蛇王の企てを阻止した。
そして手を貸したのは見知らぬ一族の長だった。
私は法子
私達は死闘の末に蛇神討伐を成し終えたの。
そこで私達の救援をしてくれたのが影の一族と月兎の一族。暗殺集団でもあった彼らが何故私達に協力してくれたのか?それはかつて彼らを助けた人物が理由だったの。
その後、私達は彼らに連れられて隠れ里に案内された。
そこで疲弊しきった身体を休めさせて貰ったの。
沙悟浄と玉龍君はその間、暗殺集団におもてなしをされながら、興味深い一族秘伝の霊薬配合を特別に影一族の薬師と月兎一族の薬師に教わってたの。
「こんな配合があったなんて驚きです!影一族の配合はどの世界より優れ、月兎一族の治癒術は見た事もない技術です」
「私達のは口伝のみ伝えられた秘伝薬。一切外には広まってはいませんから」
「それよりも沙悟浄殿の殿精通する医術に玉龍様の龍神界の秘伝薬は興味深く学ぶ事ばかりです」
「私も勉強が尽きませんよ〜」
「はい!もう尊敬致します!」
一族が沙悟浄達と手を取り合い新たな医術の進歩を切り開く。そして試作の霊薬を使い眠ったままの私達の治療を施してくれたの。
「完全に尽きかけていた気が回復している」
「本来なら数年は目覚めないはずなのに」
私達の消耗は激しく、気を張り詰めながらこの隠れ里に辿り着くと同時に数日近く眠ってしまったの。
「あふぅ〜よく寝たぁわ」
私達が目覚めて起き上がれるくらいにまで回復すると、影一族の長と月兎一族の長、それに青鬼一族の黄袍怪夫婦まで一族会議に参加して欲しいと頼まれたの。私と阿修羅に孫悟空。八戒と沙悟浄に玉龍君は並べられた席につく。見回せば他にも私の知らない妖怪の方々が呼ばれて席につき始めていた。
そうそう!忘れてはいけないのは龍神族の赤龍王さんに白龍王さんに黒龍王さん。
彼等は一足先に龍神界へと戻ったらしいの。そして今は私達の前に置かれた水晶を通して会議に参加しているのよ。どうも龍神族にとっても必要な情報かつ関係する話らしいの。
それからね?黄風魔王だけは私達から去っていたわ。
やっぱり次に会った時には再び敵として現れるのかしら?
今は考えたくないわね。
最後に玄武王なんだけど、今は孫悟空の中で眠っているの。やっぱり今回の元凶でもあるし、孫悟空が心配ないと言ってはいるけど覇王問題があるから不安なのは間違いないからね。
全員の準備が出来たところで影一族の長カナルさんが会議の進行を進める。その右横には月兎一族の白兎さんって女性の長が座り、その隣に千兎さんって副官が座る。
ちなみに私達に合わせて人間の姿で対応してくれているのよ?
最初、顔の見えない影の人とか兎頭とか。正確には妖怪なんだけど、ちょっと話に集中出来ない私に気を使ってくれたの。
「で、私達に話って何なの?」
「はい。早速ですが今回お呼びしたのは蛇神の王の復活についてです」
「!!」
私達がそこで聞かされたのは、彼等の過去に起きた蛇神との戦いの話だった。
それは一人の人間の僧侶が月兎の隠れ里に現れた所から始まり、影一族に起きた問題に巻き込まれて見付けた石版に封印されていた三体の蛇神。
そして覇王生誕祭へと話は広がったの。
私は信じられない話を聞かされて頭の整理出来なかった。
だって、何?
「えっと要約するに、その人間の僧侶さんが何百体もいる蛇神を倒した挙げ句にたった一人で覇王復活まで止めたって事?冗談、嘘でしょ?」
「全て本当であります。けれど話はまだ終わってはおりません」
話はまだあったの。
その英雄的僧侶さんが彼等に言い残したのは蛇神は再び甦り、覇王が再び復活する事だったの。
その覇王は私達が倒した玄武が蛇神化した玄天上帝とは別の存在らしいの。
そこで影一族と月兎一族は協力して覇王復活に備えて数々の国や名のある部族だけでなく無名の部族にまで邪神討伐のために同盟を組むように動いていたと言うの。
「既に大小含めて同盟は三百以上。数にして数万の同盟がいます」
「俺も父親の奴が話を止めていたので知らなかったのですが、本当みたいでした。現在当主である俺は同盟に手を組むつもりです。妻もそれを望んでおりますゆえ」
黄袍怪さんも参加表明する事を誓ったの。
全ての妖怪の天敵でもある蛇神が相手なら手を組んだ方が得策と考えての同盟だろうけど心強いわ。
「いろいろ話は分かったわ?なんとなくだけど。つまり覇王を倒せば良いのよね?その点は私達の利害と一致してるから私達も参加表明するわ!」
覇王を倒すのは女媧と伏羲さんとの約束どもあったから。
けれど腑に落ちない事が一つあるの。
「さっきの話で分からない点があるのだけど、どうして英雄の僧侶さんは私に力を貸すように言ったのかしら?そもそも何者なの?信じて良いの?」
そこに孫悟空が初めて口を開く。
「俺様は信じるぜ?法子。その僧侶ってのは、間違いなく俺様が知る奴だ。そうかぁ、こんな所にも立ち寄ってたのかよ」
その目から一粒涙が溢れ落ちるのを見て私は驚く。
しかも八戒と沙悟浄も涙ぐんでいたの。
「えっ?何?何なの?この状況は?」
すると初めて私は知る事になる。
「その僧侶は間違いなく俺様達と共に旅をしていた三蔵だぜ」
「えっ?三蔵法師様?」
そう言えば孫悟空達には私より前に妖怪退治をしながら旅をしていた御坊様がいて、それは三蔵法師ってお偉い人物だと聞いていたの。
けれど旅半ばで命を落とされて、その遺言で孫悟空達はこの世界に現れた私を守るように言われたと。
「私達も三蔵法師様が立ち去る前に唯一言い残したのが、もし「ノリコ」と名乗る者から力を求められたら力を貸して欲しいとの事でしたから」
「そ、そうなのね」
影一族と月兎一族の恩人で孫悟空達の師匠?
それと私はとどう関係あるのかしら?
そもそも何故に私の名前を知ってるの?
全然分からないけれど、きっとそれだけの偉業を成し遂げたのだから私の名前とか知っていても不思議じゃないわよね?で、納得した。
「とにかく私達は再び蘇る覇王をぶっ倒せば良いのね?貴方達にも助けられたし恩は返すわ!」
「法子が戦うなら僕の力も使って欲しい」
「阿修羅はもう少し安静にしてね?沙悟浄の特効薬が無かったら阿修羅死んでたのよ?マジに?」
「僕は君を残しては死ねないから大丈夫」
「も〜う!」
覇王復活の話を聞いて龍神族も目の色が変わる。
「我々も力を貸そう」
赤龍王さんの言葉に集まっていた部族の長達はとんでもない一族が味方になった事に感激する。なにせ完全に独立していた最強の一族である龍神族の存在はそれだけで大きかったし、その龍神族ともお友達の私に対しても余計に敬意をしめす。
「法子様!法子様!法子様!」
まるで大統領か武道館をうめるほどのアイドルにでもなった気分だった。
「ちょっと?普通に接してよ〜!たまにチヤホヤしてくれれば良いのよ~」
私は赤面して慌てる。
「チヤホヤはするんらな?」
「さすが法子様です!尊敬致します!」
八戒は呆れ、玉龍君は目を輝かす。
「だったら私達でその覇王をぶっ倒しましょ〜」
私の言葉に全員が活気づく。
しかしそんな簡単に可能なのかしら?
そんなこんな。
場所は変わり、そこは私達が戦っていた鈎蛇王の蛇神城であった。
完全に廃墟と化したそこに人影が?
その者は白い衣を纏った女の姿だった。
「覇王生誕祭の際に覇王様が憎き救世主との戦いの後、再び眠りについた事を良いことに覇王様の手から消えた覇王の鞘よ」
その者は覇王に従いし巫女であった。
名を白蛇の巫女。
白蛇の巫女は崩壊した城塞の中から覇王の鞘を回収に来たのだ。
「お前は友であった黒蛇王を覇王に仕立てるつもりだったようだが、それは叶わぬ事。お前が逃げ出す事も新たな覇王を仕立てる企ても全て私の掌で回されていたに過ぎません」
覇王の鞘には今、新たな剣が納められていた。
天界最強の宝剣であった七星剣が蛇神の体内で堕天した剣が納められていたのだ。
「この真の覇王の剣誕生のためにお前を野放しにしていたのだよ。けれどもう鈎蛇王としての自我は残ってはおるまい?今後は覇王様の鞘として従順にしていなさい」
白蛇の巫女は覇王の剣を宙に浮かばせると、その場から消えたのだった。
そして、始まろうとしている。
世界の命運をかけた戦いが!
次回予告
覇王討伐のために法子の新たな力が覚醒する!
その力とは?




