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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生覇王蛇神編!
219/713

救世主外伝その壱~何もない兎と道に迷った男~

それはある男の物語


それは法子がこの世界へ来る前の物語



それは法子がこの世界へ来る前の物語。


その男は砂漠を一人道に迷って旅をしていた。

「うむむ。完全に迷っちまった。ん?」

男は手にした地図を見て気付く。

この地図は自分が今歩いている土地とは真逆の地の地図である事に。

茫然とした後、とりあえず使えないと地図を丸めて捨てた。

「どうして真逆の大陸の地図なんて見てたんだ俺は?どうりで目指す山や湖がないわけだ」

仕方なく男は岩に腰を降ろして懐からタバコを抜いて口にくわえる。

そして指から火を灯すと煙を吹きながら吸い始めたのだ。

「俺も歩けば何かに当たるだろう」

と、諦めた。


男はその後も一人で旅をしていてた。

その男の姿は袈裟をかけた人間の修行僧。

「あ〜腹へった〜クソ!クソ!クソ!」

八つ当たり的に地面を蹴る。

すると地面が盛り上がり近付く何かが迫っている。ソレは男の前で地面から抜け出すと男に向かって襲いかかって来たのだ!

その生き物は巨大な化けミミズだった。

「ミミズって食えるんだっけか?」

男は溜息を付いた後、仕方なしに掌を差し出す!

ボワッ!と、男の前で化けミミズの身体が突然発火して黒焦げになったのだ。

この男、退魔師!

しかも最近噂になっていた破壊僧。

「しまった・・・焦げて食えねぇ」

男は空腹に目を回して、そのまま気絶した。

そんな状態の男に迫る者がいた。

「う、う〜ん・・・」

男は気付くと、自分の置かれている状況に付いていけずに、また寝ようとする。

「コレは夢だ。うむ」

男は身体を縛られて動けなかったから。

すると男の前に頭が豹の化け物が近付いて来た。

まさしく妖怪と呼ばれる人外の者。

「霊力の高い人間を喰らえば不死に近付くと言われてる。このような高級な飯が落ちてるなんてな。まさに今日はとんでもないラッキーだ」

豹頭の妖怪達は意識のない男を捕らえて拘束して食べるつもりだった。恐らく最近噂の豹妖怪の盗賊に違いなかった。人間の村を襲っては老若男女問わず餌にし恐れられていたのである。

「ん?あれ?変だぞ?」 

すると豹頭の妖怪の一人が頭を傾げていた。

どうやら男の足下に火を点けて焼いて食べるつもりだったのだが、どんだけやっても火が消えてしまうのである。

「シケってるんじゃないか?別に生でも良かろう?人間の真似事して焼いて喰うなんて馬鹿じゃないか?」

「うるせぇ〜よ!まぁ、生肉もジューシーで良いから生でいくか?」

豹頭の妖怪達が集まって来て、捕らえた男に襲いかかろうとしたその時だった。

「お前ら、気をつけろよ?」

男は目覚めて豹頭の妖怪に声をかける。

「こいつ起きやがったぞ!」

「はぁ?俺達が何を気をつけると言うんだ?バ〜カ!お前は今から俺達の胃袋に入るんだから余計な事を言って時間稼ぎなんか・・・えっ?」

豹頭の妖怪はその時、自分の置かれている状況に顔を青褪め。周りにいた仲間達が血を流して倒れていたからだ。しかも自分の首にも冷たい刃が突き付けられていた。

「なぁ?何が望みだ?その霊力の強い坊主が欲しければやる!だから俺を見逃し・・・ガッ!」

豹頭の妖怪の頭が足下に転がると、首から血しぶきが噴き出して倒れた。

「う〜ん・・・」

男は闇の中に現れた白い魔物の気配に気付く。

ソレは兎の頭をした妖怪だった。

まさか豹が兎に狩られるなんて・・・


そして妖怪に捕まった男は、再び別の妖怪に連れ去られ闇の中へと消えていく。

「う、う〜ん・・・」

男は再び目が覚めた。

とりあえずまだ生きているようだった。

そして状況を把握する。

「起きたか?」

目の前には例の兎頭の妖怪が立っていた。

「おい?兎?まさか俺を喰うのか?兎って肉食だったけか?」

「・・・・・・」

その兎頭の妖怪はからかわれても無視して人間の男に対して話をしたのだ。

「お前は今から生贄にする。生きては帰れないだろう。そもそも君はあの豹頭の盗賊に殺される運命だった。死ぬのが少し長引いたと思って諦めて欲しい」

「何か御丁寧だな?それに何か訳有りか?良かったら気晴らしに話してくれよ?これから死んじまう俺にそのくらい良いよな?」

「変な人間だなぁ・・・」

兎頭の妖怪は気晴らしに男に語り出す。


兎頭の妖怪の名前は千兎、月兎一族と呼ばれる暗殺を生業とする集団の若者。

千兎には大切な恋人がいた。

長の一人娘の白兎。

しかし白兎は魔眼を持っていたのだ。

月兎一族には稀に魔眼を持って産まれて来る特殊な能力者がいた。

今より千年もの昔には玉兎と呼ばれる大魔王も現れ、その能力は魔眼保持者として地上全土に名を広めたほどであった。月兎一族史上最も最強であった伝説の化け物だった。しかし、この年に新たな化け物が現れてしまったのだ。

その名は「无兎ムト」。

かつての魔王であった玉兎を凌ぐ才を持った化け物に間違いなかった。


无兎。

産まれて間もなく親を殺した。

殺戮を好み、同族をも好んで手にかけた。

血に染まる身体は鮮血で赤く染まり、洗っても消えない程滲んだ赤い姿に変色し同族にも恐れられた。

しかし誰も逆らえない。

一言でも口を出せばその場で無慈悲に殺されるから。月兎一族は逆らえずに従うしかなかった。

恐怖に支配された月兎一族は依頼で暗殺を生業にしていたが、今は无兎の命ずるまま娯楽で暗殺を始める。「赤い兎と遭遇したら助からない」その噂が広まった頃には月兎一族の数が半数に減っていた。

そして同族が恐れるにはもう一つ!

月兎一族には稀に魔眼を持つ者がいる。

その者はかなり強い力を持ち、残虐行為を行う无兎に戦いを挑んだのだ。

結末は誰もが恐れる結末だった。

无兎は戦いを挑んだ魔眼所持した月兎の戦士を倒した上に共食いすると、その魔眼を自身に移植したのだ。そして味をしめた无兎は同じく自分に忠実だった魔眼を持つ戦士を喰らい魔眼を移植したのである。

現在、无兎は自身の眼を含めて六つの魔眼を持ち更に力を増したのである。

けれど強力な魔眼の能力が安定するには時間がかかるため、以前から目を付けていた最後の魔眼を手に入れるために時を待っていたと言う。それが長の一人娘の白兎。

白兎に好意を持っていた千兎は命をかけて无兎に願い立とうとしていたのである。

「霊力の強い人間の僧侶を喰らえば不死を手に入れる事が出来る。そうなれば魔眼なんてもう必要なくなるはず!」

「なるほど〜つまり俺と娘を交換する計画なんだな?けど俺も喰って娘も喰うとなったらどうするよ?」

「それは・・・」

そうなれば千兎は自害するつもりでいた。

「・・・そうなると俺は無駄死にじゃん?」

男は冗談キツイよ〜みたいな顔で困惑する。

「まぁ、話は分かった。それより」

「どうした?」

すると男の腹が鳴ったのだ。

「何か食わせてくれ〜」

「・・・・・・」

そして男を連れて千兎は仲間のいる月兎の集落へと向かったのだ。

「殺気だってるね〜」

月兎の戦士達は千兎の獲物[男]がかなりの上物だと気付くと、道を開ける。

今日、今現在、奥の祭壇では王である无兎が新たな儀式を行う事になっていた。それは長の娘である白兎を手にいれる。正確には魔眼を取り出して自分の物にする儀式であった。

「さぁ、来なさい。白兎よ?お前は私のモノになる事で永遠の殺意の宝物になるのです」

白兎は諦めた顔で无兎の前に向かって行く。

もう助からない事を知っていた。


ほんの少し前まではまだ希望があった。

儀式が始まる前に娘を救うべく无兎暗殺を試みたあの時までは!

けれど白兎の目の前で暗殺を試みた数人の戦士達は全身を斬り刻まれ、首謀者だった父親の長も同じく首を跳ねられたのだ。白兎は悲鳴をあげて泣き叫び、そんな白兎の耳を掴んだ无兎は呟いたのである。

「心を読む私に暗殺なんて無駄。君達のお遊びに付き合ったけれど、余興には良かった」

无兎は全身に染まった血を舐めて微笑んだ。


もう助からない・・・


白兎は絶望の中で无兎の目の前にまで来ると、

「・・・せめてお前の目の前で私は最期まで抗います!」

自らの手で腰に隠していた短刀で自分の目を貫いたのだ!

「あ、あぁぁ」

けれど白兎の手は止まっていた。

それは躊躇?恐怖?違う!

「私は心を読めると言ったですよね?本当にお馬鹿な娘。もう少しで大切な眼を失う所でしたよ?」

そう言って白兎の頬を叩きつけた。

白兎の身体は无兎の魔眼で身体を金縛りにされていたのだ。

「さて、これで心置きなく死ねますね?」

无兎が白兎の顔に指先を向けたその時!

「お待ち下さい!」

扉が開いて、千兎が人間の僧侶を連れて入って来たのである。千兎は白兎の代わりに霊力の強い人間の僧侶を差し出すと提案した。

「嘘は言ってないようだね?確かに霊力の強い人間の僧侶を食すれば永遠の命を授かると言われていますね。良いでしょう!その捧げ物は有り難く頂くとします」

「それでは白兎様は!」

「はい。当然、私の供物として魔眼を取り出させて頂きます。その後は残った身体はお前のお好きにしなさい?けれど魔眼を失えば白兎の命も無くなりますけどね。ホホホ!」

「そんな!」

「そもそも、どうしてお前のような下僕が私と取り引き出来ると勘違いしているのか不思議なのです。お前はそれだけで万死に価するのですよ?」

すると千兎の腕が突然動き出して逆方向へ捻り出して、異様な音を立てて折れたのだ!

「キャアアアア!」

白兎が千兎の姿に悲鳴が響き渡る。

けれど千兎は両腕を失ってもなお、口で加えた短刀で无兎に向かって襲いかかっていた。

「无兎ぉーー!!」

ソレは死を覚悟した特攻だった。

「消えなさい!」

无兎が魔眼を発動させ千兎の首を曲げようとした時だった。突然、自分に向かって何かが飛んで来たのだ。ソレは数珠?寸前で躱す无の頬を千兎の短刀が斬り裂くと、両腕を失った千兎は転げながら倒れる。今ので殺せなかった事で最初で最後の好機を逃した事に悔しがるが、それより今の手助けは?

倒れる千兎、状況が分からない白兎、それに傷を負わされた无兎の視線の先には、

「数珠魔弾!」

捕えられて来た人間が身体の拘束を外して数珠を弾いた格好で立っていたのだ。

「に、人間!お前が邪魔したのかぁあ!?」

怒りを込み上げる无兎。

けれど男は頭を掻きながら答える。

「部外者で悪いが、そいつには飯を貰った分は貸し借り無しで働かせて貰おう。こう見えても聖職者なんでな」

男は無謀にも人間でありながら无兎に喧嘩を売ったのである。

「その男、捕らえよ!そして私自ら拷問にかけた後に斬り刻んでやろう!」

すると月兎の暗殺者達が数十人武器を手に現れる。 

「えっと、こいつ等は殺したらマズイのだよな?多分?操られてるだけみたいなパターンだろ?」

男は千兎に尋ねると、千兎は状況が分からずに頷いて返した。

「オッケー!」

すると月兎の暗殺者達は男に向かって襲いかかって来たのである。その動きは暗殺を生業としているだけに気配を消し、素速い動きで刃物で斬りかかる。

「ちょい、厄介だな!」

男は人間とも思えない身のこなしで攻撃を躱しながらも、力強くぶん殴る。けれど月兎の暗殺部隊は攻撃を感知して避けられたのだ。月兎一族は危険感知能力が長けているので、攻撃を躱す事は容易だった。

「仕方ねぇ〜な」

男は攻撃を躱しながら印を結び真言を唱え始める。

「オン・バザラ・ヤキシャ・ウン」

すると男の身体から凄まじい気が放たれて、姿を変えた男が立っていたのである。

その姿は、神?いや、魔神?

「金剛夜叉明王!」

その威圧感に月兎の暗殺部隊も怯む。

魔神を人間の身に宿すなんて!?

この男は一体、何者なのだろうか?

「お前達!何を攻撃を止めている!直ぐにその人間を捕らえなさい!」

无兎に命じられて月兎の暗殺部隊は再び攻撃を仕掛けて来る。しかし今度は金剛夜叉明王と変化した男の素速くも激しい攻撃に翻弄され、全滅したのだ。

「とりあえず殺さない程度にぶっ倒したぜ?次は親玉のお前が相手してくれよ?その方が話が早いだろ?」

无兎は人間にナメられて怒りを見せる。

「良いでしょう。この私自らお前を斬り刻んでさしあげましょう!」

无兎は一瞬で男の間合いに入り刃を振り払うと、頬が切れて血が垂れる。

「やるじゃねぇか?」

男は金剛夜叉明王の手刀で攻撃を仕掛けるが无兎はその攻撃全てを全て躱す。

ソレは見切られているのではなく、

「私の魔眼はお前の心を読む!どんな攻撃も全てお見通しだ!」

「心を読むだと?何てエロい奴だ!」

「その軽口はいつまで続くかな?」

どれだけ素速い動きで翻弄し攻撃しても全て躱される。

けれど男は攻撃を止めなかった。

「!!」

すると拳が无兎に攻撃が当たり、吹き飛ばされる。

无兎は何が起きたのか理解しているからこそ余計に頭に血がのぼる。

「お、お前!戦いの最中に飯の心配をしているとは何を考えているー!」

「バカヤロー!飯は大事だろ!」

逆ギレする男。

この男は一体何を考えているのか?

あ、飯の心配か・・・

しかしソレは心を読む无兎に対して雑念となって攻撃を受ける結果になったのは間違いなかった。

「おのれぇー!」

无兎は新たな魔眼で男の腕をへし折ろうと念じる。

この魔眼の能力は相手に強力な暗示をかけて相手を好きに操る能力。金縛りはもちろん、千兎のように自身の身体を限界値まで曲げさせ折るように、自害させる事も可能な恐ろしい能力であった。

「な、何故だ?何故だ?」

けれども男は暗示にかからずにしていた。

无兎の魔眼の命令に対して、

「この俺は誰も操れん!俺を支配出来るのは俺だけだ!例え神であろうと俺の歩みを止められはせん!」

そう言い切ると、魔眼の能力を使っているがために攻撃の手を止めている无兎に襲いかかる。

「ほ、本当に人間なのか?コイツは・・・?」

无兎は初めて恐怖を感じ始める。

産まれて赤子の時から月兎一族の天才児であり、誰も逆らう事も出来なかった无兎。それが突然現れた人間の男に翻弄し恐怖を感じるなんて。


「ならば私の最後の魔眼を使ってでもお前を始末してやるぞー!」


无兎の最後の魔眼は過去に一度のみ使用しただけだった。その魔眼の能力は数万の大軍を相手にするために使うために消耗が激しく、使った後は数日身体が自由にならなく魔眼も使えないのである。そんな所を襲われたら无兎もたまったもんじゃない。だからこそ新たに白兎の魔眼を手に入れる必要があったのである。白兎の魔眼の能力は無尽蔵体力の魔眼。つまり消耗の激しい魔眼の能力を使い放題の能力。チートに聞こえるようだけど白兎は魔眼を一つしか所持していないために普段はただ身体的に「疲れない」という無駄な能力であった。

「白兎の魔眼を手に入れるまで使わないつもりであったが、仕方あるまい!人間よ!私はお前をぜっに許さないぞー!」

无兎の魔眼の能力が発動する。

その能力は分身?違う!无兎の姿が何体も出現し始めたのだ。この能力は複製。自分自身の複製を何体も出現させ本当の意味で一騎当千の能力であった。

しかも心を読む魔眼や暗示の魔眼も同時に使う事も出来るために、暗示の魔眼を使う无兎が攻撃の手を止めている間も別の无兎が戦えるので攻撃を無防備な所を攻撃されない。つまり魔眼の弱点を補えるのだ。しかし先に言った通り消耗が激しい能力でもあった。

「この无兎様達がお前を殺してやろう。まさか一人の人間に使うとは思わなかったぞ」

「兎祭りだな?」

男はそれでも余裕があるように見えた。

けれど一体一体の无兎の力は全て同じ強さを持っているため、金剛夜叉明王の姿で戦いながらも追い詰められていく。

「こ、こうなったら!」

その時、男は无兎から突然逃げ出したのだ!

「何だとぉ??お、追えー!」

追いかけて来る无兎の集団。

男に勝ち目はあるのか?

しかし余談だが、この魔眼は元々无兎が最初に持って産まれた時からある能力であった。この能力を持ってしまったがために、无兎の心は壊れたと言っても良かった。そもそも暗殺を生業としている為に「死」に対しては免疫があった。

殺さなければ自分自身が殺される。

けれど、この魔眼の能力は何度も何度も自分自身が死を体験してしまうのだ。死への恐怖は次第に麻痺し、やがて同族の死に対しても価値を持たなくなる。

何せ数が必要なら自分が増えれば良いのだから。

それが无兎。

何も無い兎であった。

追いかけて来る无兎の攻撃を躱しながら、男は外へと脱出した。

そして足を止める。

「ここで良いか?」

そして新たな真言を唱え始める。

「オン・ソンバ・ニソンバ・ウン・バザラ・ウン・パッタ」

すると金剛夜叉明王の姿が消えて新たな魔神の姿へと変わり始めたのだ。

そして追って来て外へと出てきた无兎の数は二千〜三千近くになって土煙をあげて向かって来る。

あの数の无兎相手にどうするつもりなのか?

もはやなすすべ無しかと思われた。

その時、空に向けて光が飛んでいく?

それは矢?

すると光の矢は空高くで分散し雨のように迫る无兎に降り注いだのである。光の矢に射抜かれた无兎は一体一体消滅していく。百、千、二千・・・

その状況に一体の无兎は何が起きたか分からずに辺りを見回す。辺り一帯に自分の分身が倒れて消滅していく中で、残された无兎の視線の先には!

それは新たな魔神・降三世明王の姿と変化した男が弓を向けていた。

「終わりだ!」

射られた矢は无兎の額を貫くと、无兎は自分が敗北し、死ぬ事を理解した。

恐怖こそ無かった。

心は既に空っぽだった・・・

はずなのに涙が落ちたのである。


「やれやれ、どうやら終わったようだな」


そんな男の前に白兎と傷付いた千兎、それに月兎一族が現れる。

「お前らの王は俺が始末した。どうする?仇討ちするか?」

しかし月兎一族は雄叫びをあげて恐怖から開放された事を感謝し男を讃えたのだ。

そして白兎に抱きかかえられた千兎が男に尋ねる。

「貴方様は一体?」

すると男は答える。


「俺は・・・」


けれど、そこで目を回して気を失ったのだ。

お腹を鳴らしながら。

その後、月兎一族に新たな伝説が出来た。


救世主伝説!

次回予告


月兎一族を救った男の前に新たな問題が?


救世主外伝 


この「男」の正体は?

気になる方は転生記シリーズ

転生記と神を導きし物語にてヒントが??

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