蛇神最終決戦!
孫悟空と玄天上帝との一騎打ち
今、戦いに決着がつこうとしていた。
私は法子
私達の目の前で今、孫悟空と玄天上帝の決着がつこうとしていたの。
「天に朱雀!地に白虎!」
孫悟空は上下に左右の掌を向けると、天に朱雀、血に白虎の力を集中させていく。
「クァアアアア!!」
その凄まじき覇気に玄天上帝もまた本気で相手していた。玄天上帝は防御に徹しようとしているみたい。最強最硬度の玄武の盾で受け止めた所を覇王七星剣でトドメを刺すつもりなのね?
「クゥオオオオオ!!」
互いの気が衝突し私達の足場が揺れ始める。
このままでは蛇神城も崩れ落ちるわ!
けれど誰も離れようとしなかった。
二人の戦いの結末を見届けるつもりなのね。
孫悟空は上下に向けた掌から凄まじい力が巻き起こると、玄天上帝に狙いを付ける。
「俺様のもとに戻って来い!玄武!」
「いつまでも俺をお前の所有物だと思うな!お前を始末した後、残った虫けらも片付けてやろう」
「そんな事はさせねぇーよ!お前を殴ってでも正気にさせてみせるぜ」
「俺は正気だ。正気でお前を消してやる」
「口で言っても分からないなら行動で分からせてやるだけだ!」
孫悟空は最大限にまで高めた渾身の力を玄天上帝に向けて放ったの!
「俺様流奥義・天地撲滅!」
天が裂け爆炎の中から朱雀が降り立ち、大地を雷を撒き散らしながら白虎が駆け抜ける!
その先に立つ玄天上帝は覇王七星剣を腰の鞘におさめると、玄武の盾に全闘気を籠める。
「受けてみろよ!玄武!これが俺様の本気だぁー!」
孫悟空は両掌を交差させると朱雀と白虎が玄天上帝を中心に衝突したの!
閃光が爆風を巻き起こし玄天上帝はその衝撃を受け止める。
孫悟空もまた全ての闘気を絞り出すように力を送り出しさらに威力を上げる。
「うぉおおおおおお!」
互いにこの一瞬の勝敗に全てをかける。
押し勝った方が勝者なのだから!
「きゃああ!」
私は衝撃波に吹き飛ばされそうになる所を阿修羅に支えられて助けられると、阿修羅の防御壁で守られたの。見ると黄風魔王や砂塵魔王、赤龍王さんや白龍王さん、黒龍王さんも防御壁で身を守る。
因みに早いうちに沙悟浄には玉龍くんと一緒に八戒を連れて蛇神城から脱出をして貰ったの。
「くっ、ぎりぎりだぜ、まったくよ〜」
孫悟空は泣き言を言いながらも笑みを見せる。
力を発しながらも一歩一歩前進し、少しでも孫悟空は玄天上帝へと近付いて行く。
しかし!!
玄天上帝の最強の玄武の盾の前に孫悟空の放った奥義の威力が徐々に弱まりつつあったの。
そして力が拡散し完全に消えたの!
「孫悟空、終わりだ!」
玄天上帝が抜刀と同時に接近していた孫悟空に向けて覇王七星剣を抜刀する!
最後の奥義を完全に打ち消されてしまった孫悟空は小さく呟いたの。
「終わりだ・・・」
えっ?孫悟空、本当にもう終わりなの?
諦めてしまうの?
そんなの・・・
「諦めるなぁー孫悟空!!」
私は孫悟空に向かって叫んだの。
私の声に孫悟空は反応し、
「誰が諦めたって言うんだよ!」
えっ?
その直後、最強最硬度の玄武の盾が私達の目の前で粉砕したの!その反動で抜刀した玄天上帝の体制が崩れる。そのタイミングを狙っていたかのように孫悟空は右足を踏み出し飛び込むと玄天上帝に向けて、
「華王石拳!」
石化する拳が金剛石のように輝き出し、残った力を全て玄天上帝の胸元に打ち込んだの!
「ぐはぁ!」
吐血する玄天上帝の身体を通し威力が背中を貫通すると、膝が崩れ落ちる。
「おっと!」
倒れる玄天上帝を孫悟空が抱き止めたの。
「どうだ?俺様の勝ちだぜ?玄武?」
「そ、孫悟空・・・」
玄天上帝は孫悟空を払い除けようとするけれど力が入らなかったの。
「まさか負けたのか?俺は・・・」
「いい加減気付けよ!」
「がはぁ!」
信じられない玄天上帝に今度は孫悟空が頭突きをしたの!そして胸ぐらを掴む孫悟空は玄天上帝に向かって言葉をかける。
「戻って来いよ?なぁ?ニョロ」
「俺は、蛇神だぞ!」
「だから、何だ!意味分かんねぇよ?お前は蛇神である前に俺様のダチだ!」
ん?それは逆じゃないかしら?
「もしお前が戻って来ないなら、俺様は何度でも何度でも何度でもお前をぶん殴り取り戻す!良いか?この俺様は天下の大ストーカーだぞ!お前が諦めるまで付き纏い、どんなに避けても逃げても離れようと追いかけ回してやるからな!」
「んなぅ??」
さすがの玄天上帝も面食らい、その場にいた私達も唖然としてしまったの。
孫悟空、あんたは何て説得をしてるのよ〜もう!
けれど玄天上帝はそんな孫悟空に揺れ動く。
「しかし、お、俺の血は・・・」
「蛇神が何だよ?悪の権化だか知らねぇよ?何せ俺様は世界を恐怖と笑いに陥れた最強最悪最大級の大魔王様なのだからなぁ〜!あはははは!」
確かに蛇神も厄介だけど、孫悟空も天界を征服しようとした首謀者なのよね?
そして孫悟空は玄天上帝の手を掴み握ったの。
「戻って来てくれるか?玄武?」
玄天上帝の手が僅かに孫悟空の握る手に力を入れようとしたその時、突然蛇神城が揺れ動いたの??
「な、何?じ、地震なの?」
「違う!こ、これは!」
慌てる私を支える阿修羅は厳しい顔で警戒する?
すると壁や床より触手が飛び出して玄天上帝の身体に巻き付き孫悟空から引き離したの。
「玄武ぅー!!」
さらに触手が私達にも向かって来たの!?
「な、何よ?これは??」
慌てふためく私の腰を支えるように阿修羅が壁に向かって気を放ち穴を開けると、駆け出して外に向かって飛び出したの!見回すと赤龍王さん達も蛇神城から脱出するかのように飛び出していた。
「えっ?嘘?」
飛び出して落下する私達は、その状況に目を疑った。何せ蛇神城が生きた蛇のように妖気を発しながら起き上がっていたの。
孫悟空も飛び出して来て状況に驚きつつも、その先に見える玄天上帝が触手に絡み付かせながら取り込まれようとしていたの。
孫悟空は玄天上帝と引き離されていく。
「玄武ぅーー!」
これは一体、何が起きているの?
私達の目の前には蛇神城そのものが巨大な大蛇と化して私達を見下ろしていた。
しかもこの異常な禍々しさは何なの?
「ふふふあははは!これが私の作り上げた巨龍大蛇神よ!お前達はもう終わりだぁ!」
その声はまさか委蛇?
「お前、生きていたのかぁ!」
黒龍王さんが叫ぶ。
委蛇は双頭の蛇神で、白龍王さんと黒龍王さんとの戦いの最中に逆鱗の扉を開き、その力を見誤って自爆したの。
けれど委蛇は生きていた。
双頭の蛇神であった委蛇は逆鱗の扉を開き暴走して爆発した時に、もう片方の頭は寸前で身体を捨てて小さな蛇の姿へ身を移し床に穴を空けて脱出していたの。
そして戦線離脱し逃げ出した委蛇は自らが作り出した蛇神を起動させるために、再び工場へと向かい呼び起こしたの。そこには捕らえた龍神の武神十体の躯が血を抜かれ心臓部へと吸い上げられていた。委蛇は心臓である核に自らの残った蛇気を流し込むと心臓は動き出して、今動き出したの。
しかしエネルギーが足りなかったために、現在この場で一番力のある玄天上帝の身体を取り込んだの。
「この私も、直に取り込まれ消えて逝こう。その時こそ、この巨龍大蛇神は無差別に世界を喰らいつくしていこうぞ!あ、あぅぐ、ぅうう!グギィ」
私達の目の前で委蛇が巨龍大蛇神の触手で圧死して完全に飲み込まれたの。
そして私は気付いてしまったの・・・
まさか、この巨大な化け物こそ世界を喰らいつくす覇王その者なんじゃないかと!
あんな馬鹿でかい相手をどうやって倒したら良いのよ~
「まさか、これ程とは。鳥肌が全身を走りやがった」
赤龍王さんも身震いしつつも、それでも目の前に出現した巨龍大蛇神に挑もうとしていた。
阿修羅は私を抱きかかえながら全身に気を纏うと宙に浮いて落下から止まったの。
「法子、ここは僕に任せてくれないかい?」
「阿修羅?」
「あの蛇神は片付けないといけない。だから僕が戦うよ」
「そんな!無茶よ!」
「法子が無茶とか言うと変な気分だよ」
むっ?失礼な!
すると阿修羅は私を放り投げたの!?
えっ?
放り投げられた私は砂塵魔王に受け止められたの。
「法子を任せる。もし傷一つでも付けたら君を殺す。だから、この場から離してくれないかい?」
阿修羅は丁寧に砂塵魔王に告げると、全身に寒気を感じた砂塵魔王は竜巻に乗って私を連れて戦場から全速力で離脱する。
「ちょっ??何離れてるのよ??」
「あの阿修羅ってお前の仲間は本気で俺を殺すつもりだ!この俺が恐怖するなんて!とんでもない化け物だよ!アイツも!」
「ちょっとーーー!!」
引き離された私を見届けると、戦場に残ったのは阿修羅と、竜巻に乗った黄風魔王。
それに赤龍王さん、白龍王さん、黒龍王さん。
そして朱雀の翼で宙を飛ぶ孫悟空だったの。
「玄武を取り込みやがった!けど生きているのは分かるぜ」
孫悟空の中の朱雀と白虎が教える。
〈玄武王を自らの核にしているようだ。あの化け物から玄武王を引き離せれば取り戻せるかもしれない〉
「マジか?だったらやる事は一つだな!」
そんな孫悟空に赤龍王が言葉をかける。
「その案に俺達も乗せて貰うぞ」
「ふん!勝手に助太刀してくれ!」
ん〜?素直じゃないわね。
「孫悟空、僕も手伝うよ」
「阿修羅!」
そして黄風魔王も無言で加わる。
「へへへ!何か負ける気しねぇな!」
孫悟空は巨龍大蛇神に向かって叫ぶ。
「俺様の前に跪けぇえええ!」
孫悟空が巨龍大蛇神に向かって突進を仕掛けようとした時、赤龍王さん達が叫んだの。
「龍王変化唯我独尊・赤龍」
「龍王変化唯我独尊・白龍」
「龍王変化唯我独尊・黒龍」
すると孫悟空の前に龍王の三人が変化した三体の龍が現れたの。
「俺達に乗るが良い!」
孫悟空は赤龍に、阿修羅は黒龍に、黄風魔王は白龍の頭上に乗ると、全員が同時に気を爆発させたの。
逆鱗に覆われた龍に乗った三人は巨龍大蛇神に向かって突進し、寸前で急上昇していく!
「あの巨龍大蛇神はまだ完全体ではない。覚醒する前に核を取り除けさえすれば勝ち目もあるだろう」
黄風魔王が皆に伝える。
「どうしてこんなに力を貸してくらるんだい?君は世界を滅ぼすつもりだったよね?」
「僕が滅ぼすのは人類含める生きとし生ける者達。君達も含めてな?アレは大地も空気も世界そのモノも壊す。それにアレを消すのは僕に器をくれた者の頼みだから」
阿修羅に対して黄風魔王が答えたの。
黄風魔王は後々私達にとって再び敵となるかもしれないけれど、今この時は本当に頼りになるわ!
黄風魔王もだけど、一度は敵だった龍王の三人も力強い。
きっと彼らなら不可能も可能に出来るわ!
そして巨龍大蛇神に向かって急降下したの!
「突っ込めぇーーー!!」
三本の槍のように孫悟空達は巨龍大蛇神に向かって行く。
一本の槍は折られようと、三本の槍は折りにくいって聞いた事があるわ。
そして巨龍大蛇神の開けた口から体内に向かって突入してしまったの。
アレ?嘘?
ソレって食べられちゃったの?
沈黙が私に不安を与える。
何も起きないわ?
巨龍大蛇神は口を閉じると巨大な身体を這わせながら動き出したの。
「そ、孫悟空?阿修羅?」
私と砂塵魔王に、先に蛇神城から脱出していた沙悟浄と玉龍くんと合流する。
「の、法子さん、あれ!」
「えっ?」
その時、巨龍大蛇神に異変が起きたの。
巨大な身体を仰け反るように暴れ出し、巨龍大蛇神を中心に大地が揺れて、轟音が響き渡る。
私達は立っっていることも出来ずに沙悟浄の呼んだ雲に乗って難を逃れる。
まさに天災と言わんばかりだわ!
「アレってやっぱ?」
「孫悟空兄貴達ですよ!絶対!」
私達が見守る中、巨龍大蛇神の中では?
「バカヤロー!デカければ良いなんてのは頭がない証拠だぜ!」
孫悟空達は巨龍大蛇神の体内で大暴れをしていたの。けれども攻撃し破壊しても驚異的な再生力で修復する中で、それでも力の限り攻撃の手を止めない。攻撃を止めた途端、体内で消化されてしまうのは分かっていたから。けれど孫悟空達は闇雲に暴れているわけでもなかったの。
着々と目的の場所へと突き進む。
伸びて来て絡み付く触手や鋭利な骨が突き出して来て行く手を阻む。
「ここは任せてくれまいか」
白龍の頭上に乗っている黄風魔王が先頭に出ると両掌を差し出して風を操り、触手や突出す骨の軌道を捻じ曲げる。これは白龍の持つ風気と同調し相乗効果の力があったの。
〈皮肉だが相性が合うみたいだ〉
白龍は頭上の黄風魔王に言葉をかけると、
「なら、もう少し力を借りるよ!」
二人の巻き起こす風が前方の道を切り開く。
すると突き進む奥に核を守る壁が見えたの。
「あの奥に玄武の気を感じるぜ!」
〈ならば、あの壁は邪魔だな!〉
今度は孫悟空を頭上に乗せた赤龍が前に出たの。
〈孫悟空、分かってるな?〉
「ぶちかますぜぇー!!」
孫悟空は朱雀の炎を両掌で凝縮させると、そこに赤龍の龍炎が上乗せられ融合する。孫悟空は更に捏ねるように炎の玉を作り出し、先に見える壁に向けて投げつけたの!
直撃と同時に閃光が壁から放たれ崩壊していく。
そこに孫悟空が腕を伸ばして飛び出したの。
「玄武ぅーー!」
その先には触手に絡まれ力を奪われ身動き出来ない玄天上帝の姿が見えたの。玄天上帝は薄れる視界の先に飛び込んで来た孫悟空の姿が見えたの。
「そ、そんご、くぅ?」
孫悟空は邪魔する伸びて来る触手を振り払い、玄天上帝に抱き着くように飛び込むと、玄天上帝を巨龍大蛇神の核から引っ剥がしたの!
そのタイミングで黒龍の頭上の阿修羅が用意は出来たと目を見開く。身体から噴き出す黒炎、それに黒龍の黒雷が融合する。それこそ地獄の釜が開いたかのように阿修羅を中心に巨龍大蛇神の身体が内部から消滅していく。その勢いに巻き添えにならないように赤龍と白龍が外へと脱出を試みる。
そして外にいた私達は巨龍大蛇神が粉々になって塵と消えていくのを目にしたの。
「お、終わったのね?」
「孫悟空兄貴達がやってくれたんですね!」
「皆さん、素敵だぁ〜」
私に沙悟浄、玉龍くんはふと肩を撫で下ろしたの。
「本当にやり遂げたのか、さすが我が友!」
感動して涙する砂塵魔王と、その足下で眠っている八戒。やっとの思いで私達は勝利したのね〜
「ふぅ〜やれやれだわ」
無事に戦いを終えた私達は集まると、一息落ち着こうと腰を降ろせ・・・
なかったの。
「ちょ?ちょっと嘘?」
巨龍大蛇神が倒れたにも関わらす、生き残った蛇神兵が私達を囲んでいたの。けれど私達はもう死力を尽くした後で戦う気力なんて少しも残っていなかった。
孫悟空も阿修羅も、赤龍王さん達も力を使い果たしていた。戦えるのは私と沙悟浄に玉龍君。
もう戦力にはなりません〜。
あ、本調子ではないけれど砂塵魔王が一人頑張っているけれど蛇神の数が多すぎだわ!
ジリジリと後退する私達。
これ以上はもう凌げられないわ〜!
そう絶望したその時だったの。
「えっ?何がおきてるの??」
私達の見る前で次々と蛇神兵が倒れていくの?
「法子さまぁー!」
えっ?
それは援軍だった。
黄袍怪さんが仲間を引き連れ助けに来てくれたの。
黄袍怪さん率いる暗殺集団は青鬼族。
その暗殺技は連携が取れてこそ実力を発揮したの。
数人がかりで馬鹿力を用いた武器を手に蛇神兵を斬り倒していく。
「あら?アレは?」
すると別の集団が同じく蛇神兵を倒していたの。
それは黄袍怪さんが呼び集めた他の暗殺集団だった。
この国には三方向に分けて暗殺を生業とした妖怪達の集団が存在するらしいの。その暗殺集団は魔王とは別に恐れられていて、互いに牽制しつつ縄張りに足を踏み込まない条約で争う事はなかったけれど黄袍怪さんの呼び掛けに駆けつけてくれたようなの。
その一族の一つは、
姿は見えずに蛇神兵の足下を影が集まっていき影から姿を現した黒ずくめの者達が蛇神を影の中に引き込み動けなくさせてから殺す。
「影の一族」
アレって夜霧さんと同じ能力かしら?
そもそも半人半妖の夜霧さんも元になった妖怪の能力を得て半妖になったのだから、恐らくはあの影を使う妖怪集団から手に入れたのかも。
そして、もう一つの集団は?
「あっ!?」
私は見覚えがあったの。
身体は人間なんだけど兎の頭をした妖怪!
確か干支十二神将の一人、玉兎!
けれど何人もいるわ?
見分け出来ないけれど同じ一族とか?
「月兎の一族」
その暗殺は素速い動きと、玉兎と似た能力なのかな?
私達は全ての蛇神が討伐されるのを終始見終えた後、彼らは私達の前に姿を現したの。
黄袍怪さんの集団は顔を合わせてるけれど、後の二つの暗殺集団は初見よね?
「えっと、あの〜初めまして。助けてくれて有難うございます」
するとお互いのリーダーらしき者が前に出て来る。
影の一族からは黒ずくめの若い男性だった。
「間に合って良かった。貴女が「ノリコ」様で間違いないですね?」
「えっ?わ、私の事を知っているの?噂とか?それとも以前会った事あったかな?あはは」
「いえ、お会いしたのは初めてです。私達は恩人との恩を返しに来たに過ぎません」
「恩?何で私?」
すると月兎の長が私の前に来て告げる。
「私達も恩ある者より貴女に何かあれば手を貸して欲しいと頼まれていました」
「貴女も??」
コレってどういう状況なの?
すると黄袍怪さんが驚きながらも説明してくれたの。
黄袍怪さんは蛇神を相手にするために協力を求めに両一族に向かった。
けれどお互いの領土に足を踏み入れないという協定を破り侵入した事は間違いない。
下手をしたら殺される可能性もあった。
結果、身体を拘束され刀を眼前に突き付けられたらしいの。
しかし、
「俺達の恩人を救いたいのだ!頼む!力を貸して欲しい!」
「馬鹿を言うな。我々は争う事は無くとも交わる事のない者同士。殺し合う事はあっても助け合う事は断じてありえん!」
「しかし蛇神がこの地まで襲って来たら無事ではすまんのだぞ?」
「それでも手を貸す事はない」
「そこを何とか頼むと言っているのだ!今も僅かな人数で蛇神を相手に戦っている者達がおるのだ!直ぐにでも救援に向かいたいのだ!」
「馬鹿目。蛇神を相手にして、その者達は助かるまい。放っておけ!それよりお前の身の安全を祈るべきではないか?」
「俺の事はかまわん。法子様達を救えるなら、この命をくれてやる!だからお願いだ!」
「!!」
すると影の一族の長は聞きなおす。
「今、何と言った?「ノリコ」と言ったか?」
私の名を聞いた影の一族の長は直ちに暗殺の部隊を編成すると私達の救援に向かってくれたの。
「月兎の一族も同じなんだ」
私はちんぷんかんぷんで聞いていた。
えっ?接点ないわよ?
人違い?
そんな私に影の一族と兎斗の一族の長が私に昔話を聞かせてくれたの。
ソレは一人の人間の男の物語。
そんなこんな。
次回予告
それは通りすがりの男の物語
月兎の一族と影の一族の前に現れたのは?




