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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生覇王蛇神編!
216/713

聖獣の真の力!孫悟空の覚醒!

八戒の生命の危機に瑠美ちゃんの覚悟!

そして鈎蛇王と戦う阿修羅と黄風魔王が気付いた秘密?

玄武王と単身戦う孫悟空は?



私は法子

八戒の生命の危機に瑠美ちゃんの覚悟!

そして鈎蛇王と戦う阿修羅と黄風魔王が気付いた秘密?

玄武王と単身戦う孫悟空は?


どこから話すか迷う所だけど先ずは、

「る、瑠美ちゃん・・・」

瑠美ちゃんは八戒の精神に意識を送りながら強力な暗示をかけ始める。

八戒の前世の意識を一時的に呼び戻し、その力を使って八戒の再生力を全回復させるの。そして意識が定着する前に再び前世の意識を魂の奥底へと封じ込める事。けれど瑠美ちゃんは苦戦していたの。

「な、何て強力な力なの!?これが八戒さんの魂に眠る前世の力だと言うの?」

その魂は強力な封印が成されていたの。

まるで現世に出る事を禁じるかのように。

しかも何者かによって施された魂を拘束する超結界が瑠美ちゃんの侵入を妨げる。

「一体、誰がこんな結界を?」

魂から前世の意識を呼び戻す事は瑠美ちゃんの持つ能力があれば、そう困難でもなかったはず。

今の今まで蛇神工場で蛇神生成のために似たような作業をしていたから。人間や力の弱い妖怪なら蛇神化は容易いけれど、力の強い神族や龍神族の身体を奪うためには精神の中に入り込み、その魂を完全に消滅させてから蛇神の魂を定着させていたの。

けれど、こんな状況は始めてだった。

蛇神の中でも高度な能力と力を持つ彼女を寄せ付けない程の力。こんな結界を作れるなんて最高神級の何者かによる仕業に違いない。

力任せに前世の魂を引っ張り出せば、八戒の存在が耐えきれずに消滅も有り得る。そして精神世界にいる瑠美ちゃんもまた力の暴走に巻き込まれて外に出られずに消えるかもしれない。

「無理かもしれない・・・」

瑠美ちゃんは諦めたの。

そして結界に指を触れた。

諦めたのは自分自身が助かる事を!

今、自分の命を捨てる覚悟で瑠美ちゃんは八戒を助けようと試みたの。

でも、どうやって?

「私が結界の一部になってしまえば良い」

瑠美ちゃんは自らの魂を使って八戒の結界の一部になる事でその結界に僅かな扉を作ろうと考えたの。

出来るか出来ないかですって?

そんな事は誰にも分からないわ!

けれど分かっている事は一つ。

瑠美ちゃんは二度と助からないって事だけ。

「八戒お兄ちゃん、ありがとう。そして法子おねに孫悟空お兄ちゃん、沙悟浄お兄ちゃん、玉龍くん・・・皆、ごめんなさい」

その直後、八戒の精神世界が閃光に消えていく。

消えていく瑠美ちゃんの魂は、その時自分の魂と同化する別の魂の温もりを感じたの?

それは夢?

けれど瑠美ちゃんは温もりの相手に振り向きながら涙を流しながら呼んだの。

「瑠華おね・・・」

そして閃光は闇に消えて、八戒の精神世界には新たな結界が出現する。そして扉が僅かに開くと、中から呻くような声がする?

「け、け、んれ・・・」

すると勢いよく再び扉は閉まる。

何て言葉を発したか全ては聞き取れない悲痛の声だった。

そして扉は存在すら消え去ったの。



場所は再び現実世界へ

私達は精神世界で何が行われたか分からなかったけれど、ただ涙を流して泣き崩れていたの。

瑠美ちゃんが八戒の精神世界へと自分自身の魂を移して間もなく、八戒の容態が悪くなった。

その後、当然瑠美ちゃんの姿が薄くなって消えていったかと思うと、八戒の身体に生気が戻ったの。

ただ分かっている事は瑠美ちゃんの姿は勿論、魂の気配も完全に消えたって事だけ。

それで理解するには充分だった。

瑠美ちゃんは命を投げ捨て八戒を救ってくれたに違いない。

きっとそうだ!

そして八戒の目がゆっくりと開く。

「どうしたらか?法子はん?何故泣いてるらか?」

「る、瑠美ちゃんが、うっ、うっ」

「瑠美ちゃん?誰らか?」

「!!」

私達は気付く。

きっと瑠美ちゃんは八戒から自分自身の記憶を消したに違いない。もし自分を助けるために瑠美ちゃんが犠牲になったと知れば八戒は嘆き切れない心の傷を背負う事になると知っていたから。


そして私は八戒に言葉をかけたの。

「お帰りなさい。八戒?まだ完全じゃないならもう少し休んでいて良いわよ」

「そ、そうらか?何か今日の法子はん優しいらな?なら、もう少し休ませてもらうら・・・何か胸がまだ痛むんら・・・」

すると八戒は再び意識を失うように眠りにつく。

その目からは一粒の涙を零して・・・


私は涙を堪える。

だって、まだ戦いは終わってはいないわ!

孫悟空は玄武王相手に攻撃の手を止めずに戦っていたの。

それこそ呼吸する事も忘れるくらいに!

「もう少しなんだ!もう少しで!」

すると孫悟空の身体が赤く光っていく?

孫悟空は試練で覚醒の片鱗は掴んでいた。

朱雀王と白虎王は孫悟空の身に起きた新たな力に、


〈孫悟空よ!お前なら、その禁断の力を手にしてもなお、お前でいられると信じている!そして我々聖獣の真の力を引き出してみよ!〉


孫悟空は聖獣の試練の中で、その答えに気付いたの。気付いたけれど、ソレを使い熟すまで至らないまま試練を終えて来たの。


「後は実戦の中で引き出すまでだぁー!」


しかしその力を自在に使い熟すには?

必要なモノとは?

孫悟空は自分自身に足りないモノに気付いてはいた。

それはかつて持っていた感情!


「強さへの欲求への飢え」

それは「渇望!」

「飢餓!」


龍の血は飢餓的力の欲求を糧に覚醒するの!

そしてソレは龍の血を分け与えられた聖獣にも引き継がれる能力。けれど、ただ力を求めるだけでは駄目!龍の血を与えられた者はソレだけで充分満足出来る力を手に入れる事が出来る。けれど龍の血の力には更に限界を超える扉が有ると言うの。

中には生涯扉を開けられない者もあれば見付ける事も叶わない者もいる。

また扉の存在に気付いても資格なき者は自ら扉を封じるほど。

それでも欲求の荒波の中で扉を開いた者有れば、その時初めて龍の血は覚醒し爆発的な力を与えてくれる。けれど注意も必要なの。

その扉をむやみに開けば、ありとあらゆる欲求の虜となって廃人と化すまで暴走し、自らの欲求のまま邪悪な力と変わり果ててしまうの。だから龍神族はその力を与える者には選定が必要であった。

そして選ばれたのが聖獣の王だったの!


そして聖獣を宿した孫悟空にも龍の血は継承されるって事。

聖獣と契約出来た事で資質はあったの。

けれど扉を開くには孫悟空はまだ未熟だった。

恐らく力に溺れ、邪悪な妖魔王となったに違いないと思われていたから。

恐らく多分、絶対にそうなってたと思うわ。私も!

そんな孫悟空の存在に龍神界の応龍様は目を付けていたらしいの。

既に応龍様は世界を滅ぼしかねない蛇神の王・覇王の存在を危惧していたから。


だからこそ孫悟空に段階を踏ませた。

孫悟空の師である者に極限まで力を抑制させた聖獣の玉子を与え、孫悟空へと渡るようにしたの。

そして孫悟空の成長に伴い徐々に力を開かせていたの。その起爆剤となったのが孫悟空を導いた私の先代の三蔵法師様。その存在は孫悟空の成長を急激に促したの。


そんな孫悟空になら使えるはず!

多分、恐らく、もしかしたら?

だったら良いなぁ〜が詰まってる。


そんな思いを乗せて孫悟空は扉に手を翳したの!

そして開かれる扉から閃光が放たれた時、

孫悟空は龍神の神秘の力を叫んだの!


「逆鱗!」


ソレは龍王さん達が使う奥の手奥義。

強さへの渇望の先にある力。

まさか逆鱗が龍の血の秘密だったの?

けれど白龍王さんと黒龍王さんが倒した委蛇が逆鱗に手を付けたわよ?

蛇神の持つ渇望の力は扉を開ける事は容易かった。

けれど、その力を欲求のままに使えば廃人と化すか、それとも力に身体が支えきれずに内部から暴発してしまうの。委蛇は溢れ出す欲求には逆らえずに制御出来ずに自爆したの。

けれど孫悟空になら!

「ち、力が溢れ出そうだ・・・やべぇ!」

えっ?何?大丈夫なの?

すると孫悟空は笑みを見せたの。

「この力があればダチを取り戻せられるぜ!」

孫悟空は玄武王を指差したの。

孫悟空は逆鱗の力を手に入れたの!

すると玄武王に向かって今まで以上の破壊力を持って攻撃を仕掛ける。

「くっ!そ、ソンゴクウ・・・」

初めて玄武王が口を開き、余裕が消える!?

そして変わり果てた孫悟空の力に玄武王もまた本気を出して立ち向かう。


「良いぜ?玄武!ガチでヤろうぜ?男は拳でわかり合えるもんだからなぁー!」


二人の力は拮抗し、その凄まじさに離れて戦っている私達にも気付いたの。

「孫悟空、化けたな?力が桁違いだよ」

黄風魔王は感心していたの。

「孫悟空は強いよ」

阿修羅もまた孫悟空を信じていたの。

そして二人もまた鈎蛇王を相手に勝負をかける。

この二人は戦いの中で何かに気付いた様子だけど?

二人は再び気を高めて並び立つ。

「どうやら遊んでいる場合ではないようだ」

鈎蛇王もまた孫悟空と玄武王の戦いを見て不安を過ぎらしていたの。もしや玄武王が敗れる?そう思わせるほど孫悟空の気の高まりに焦りを感じる。

そして鈎蛇王は大剣を構えて全開の蛇気を急激に高めて二人を威圧する。恐らく次の攻撃で終わらせるつもりなのね?でも阿修羅と黄風魔王もまた次の攻撃に全てをかけていたの。それに二人もまた限界が近かったから。数度と斬られた傷から魂のエネルギーを奪われ、立っている事もやっとなの。

「いくぞ!!」

阿修羅と黄風魔王は同時に動き鈎蛇王目掛けて突っ込む。対して鈎蛇王は構えたまま動かなかった。もしかしてあんな大剣を使った居合いみたいな攻撃なの?だったら一瞬で決着がつくわ!

私は唾を飲み込む。

そして三人が互いの間合いに入った瞬間、同時に攻撃を繰り出したの!

いち早く動いたのは鈎蛇王の抜刀だった。

その軌道が阿修羅と黄風魔王を横一閃に斬り裂こうとした時、二人は同時に動く。けれど抜刀された大剣を躱して鈎蛇王に攻撃を繰り出すには僅かに距離が足りないと思う。

その時、私は目を見張る!?

二人が攻撃したのは鈎蛇王自身ではなく振り出された大剣の方だったから!!

ど、どういう事なの??


鈎蛇王の大剣と阿修羅と黄風魔王の拳が衝突して爆風が巻き起こる。

黄風魔王は答える。

「鈎蛇王よ!騙されていたよ。その姿は本物ではないな?そして鈎蛇王の実態こそお前の持つ大剣そのものだとはな!」

えっ〜〜〜〜??

阿修羅と黄風魔王は更に力を籠める。

「阿修羅地獄黒炎」

「三昧神風・真虎穴!」

黄色い爆風と黒き炎の威力が勝り、鈎蛇王の持つ大剣を弾き飛ばしたの!

「そ、そんな馬鹿な・・・」

すると鈎蛇王の身体から蛇気が弱まり出す。

そして身体が見る見る崩壊しだしたの?

何が起きてるの?

鈎蛇王の本体は持ち手ではなく大剣の方だったと言うの。

本体である大剣を失った鈎蛇王の身体は力を失い肉体の崩壊が始まっていく。

けれど?あれ?もしかして?

私は呟く。

「覇王の鈎蛇王を倒したなら、玄武王の呪縛も解けて戦わなくて良いんじゃないかしら?」

すると消えて逝く鈎蛇王が笑い出したの?

「ふふふ、あはははは!この俺が覇王様だと?何を勘違いしている?この俺は雑兵に過ぎんのだぞ!」

「えっ?嘘?」

「真の覇王様はこの俺など遠く及ば・・・」

全てを言う前に鈎蛇王の身体は灰と化して完全に消滅してしまったの。

「えっ?肝心な所を聞きそびれたわよ!」

親玉だと思っていた鈎蛇王が覇王じゃないって?


なら伏羲(ふっき)さんと女媧(じょか)さんが私に伝えた世界を闇に落とす破滅の覇王って誰の事なのよ?


すると私は気付く。

この場に残っているのは、今孫悟空と戦っている玄武王だけって事は?


嘘?もしかして?

その時、沙悟浄が叫んだの!


「法子さん、あそこを見てください!」

「何よ?沙悟浄?」


私は沙悟浄の指差した場所を見て鳥肌が立つ。

何故なら鈎蛇王の大剣が一人でに動き出して宙に浮かび上がったから。

まさか、あの剣が覇王なんて事は?

すると大剣が私達の前から消えたの!


「嘘?何処へ行ったの??」

「あそこだ!」


いち早く気付いたのは赤龍王さんだった。

消えた蛇神の剣が次に現れた場所は・・・


玄武王の目の前だったから。

そして剣は玄武王に言葉を発したの。

「我を手にする者は真の王のみ」

すると玄武王は頷き剣を手にし掴む。

「!!」

その直後、玄武王の姿が変わり始めたの!

漆黒の蛇神と亀の鎧は変化し、顔を覆っていた兜が消えて素顔が現れる。

ざんばら髪(披髪)に裸足姿で手にした剣が神々しく光り輝く。

同時に蛇牙歯断の剣がボロボロと崩れ落ちて中から神々しい剣が出現する。

その剣の名は七星剣。

かつて神界を統べる神王が持つと言われた神刀。

七星剣は星をも砕くと言われていたけれど、天界から消えたと言われていたの。けれど私達の目の前の剣は伝説の七星剣とは異なる品物だったの。

それは七星剣の双剣であって、天界の真王が持つ光の剣に対して、世に決して出ないはずの闇に染まった暗黒の七星剣だったの。

かつて天界で暴れた黒蛇の化け物の目的は闇の七星剣を手に入れる事だったの。

そして討伐され玄武に封じられた後も七星剣の所在は分からないままだった。

黒蛇の化け物は蛇牙歯断の剣の中に七星剣を隠し、魂を吸わせながら新たな力を宿らせていたの。

この姿の変わり果てた玄武王の出現にまで!


孫悟空は玄武王の変化に気付き如意棒を抜く。

「今のお前はどっちだ?亀神王か?それとも黒蛇の方か?」

その質問に玄武王だった者は答えたの。


「俺はそのどちらでもあって、どちらでもない。俺の名は玄天上帝!」


玄天上帝?

けれど私にも分かる。

アレは最高神級の化け物だわ・・・

けれど孫悟空は気張って答えたの。


「どっちでも構わん!俺様はお前を取り戻すだけだからな!良いか?お前は俺様のダチだ!」




どうしても取り戻すみたいね?


だったら孫悟空、任せるわよ?


そんなこんな

次回予告


孫悟空と真の姿を見せた玄天上帝との一騎打ち!


この戦いの結末は孫悟空に託された。

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