砂塵魔王の友達?
法子一行に龍神の王達が加わり
各場所で戦いは更にヒートアップしていた。
私は法子
私は阿修羅の当て身で気を失っていた。
その同時刻、私達を先に向かわせてくれた龍王の三人も戦っていたの。
「うおぉおおおお!」
赤龍王さんと工場長が拳を衝突させて交戦していたの。
まさか赤龍王さんと互角??
「フハハハ!お前を知っているぞ?この俺の身体の素材になった龍族の顔見知りか?微かに記憶があるぞ?龍族の龍王、赤龍王か?」
この蛇神は龍神族と蛇神との融合体なの。
先に赤龍王さんの右腕だった武神が偵察に出たまま戻らず、蛇神族に捕らわれたの。その後は人間達と同じく肉体を喰われ、寄生か転生か分からないけれどその力を奪われた龍と蛇神の融合した化け物へと変貌したの。その力は並の蛇神を遥かに越える力を持っていた。
「馬鹿め!奪った力と能力でほざくな?己の肉体を痛め、酷使した中で研ぎ澄まされた肉体があって精神が養われると言うもの。精神と肉体が一つとなった時に本当の力が発揮出来るものだ!」
赤龍王さんは更に動きが速く強くなり工場長の顔面を殴り飛ばす。
「お前らも、そのような連中に手間を取られるな!本当の龍王の力を穢らわしい蛇に見せつけてやれ!」
赤龍王さんの言葉に苦戦していた白龍王さんと黒龍王さんが頷くと、その龍気が高まっていく。
更に私が通って来た通路の奥でも巨大な雌蛇を相手にしていたのは私に言いくるめられた砂塵魔王。
「砂爆弾」
砂の玉を投げつけると大蛇に当たり爆発する。
「ヒィギャアアアア!!」
喚き散らす大蛇は身体を反らして巨大な尾を振り回して砂塵魔王をふっ飛ばすと、壁に衝突して粉々になる。けれど飛び散った砂は一点に集まっていくと再び砂塵魔王の姿が再生される。
「ふぅ〜危なかった」
その時、大蛇の尾が砂塵魔王の身体に巻き付き締め上げる。
「こんな真似しても俺には通用しな、ん?」
大蛇の身体から滲み出る妖気の籠った体液が粘り付き砂塵魔王砂化を邪魔し、全身に痛みが生じたの。
「うがぁあああ!」
大蛇の額から女の姿をした胴体が現れ砂塵魔王に近付のいて来ると、胴体が裂けて大口を開く。
「ウフフフ。どうやらお前の砂化は核になる魂魄を砂へと移す能力のようね?その逃げ場を断ってしまえば砂化出来ないとふんだけど正解のようだわ!けれどお前を喰らっても口の中が汚れるのよね?それでも私お腹がどうしようもないくらい空いてるからお前を喰らって体内で溶解してあげるわ?妖怪だけにね?アハハハ!」
すると砂塵魔王はボソッと呟く。
「この俺が砂化するだけと誰が言った?この俺も腹ペコで乾ききってるんだ!」
「えっ?」
「俺は乾燥肌なんだよ!」
その時、急激に雌大蛇の力が抜けていく?
それは砂塵魔王に巻き付く尾から蛇気を吸い出され身体の水分をも奪われていく。
見る見る砂塵魔王に触れている大蛇の身体が干からびていく。
「い、いやぁああああ!」
直ぐに砂塵魔王を放り投げるけれど大蛇の下半身はミイラ化して骨が浮き彫りになる。
「この俺は呪われし奪い取る者だからな」
砂塵魔王は思い出す。
自身の出生。
かつて砂漠の中心にあった小さな国で産まれた。
鉱石妖怪の国。
しかしそれは呪われし誕生だったの。
触れる者だけでなく近付く者全ての命を栄養とし奪い取る化け物だったから。
生後間もなく砂塵魔王は幽閉された。
殺されなかった理由は当時の魔王であった金剛魔王がその力に利用価値を持ったから。
戦時中、相手国へ一人幼い砂塵魔王を放り込めば後は勝手に滅びるだけ。そして戻って来た砂塵魔王は直ぐに結界のある塔へ幽閉され誰とも接する事なく一人残されたの。
「何のために生きているのだろう・・・」
戦場に放り込まれる時だけ外の世界へ放たれ、残された時間は結界の塔で孤独の世界にいた。
誰も近寄らず、恐怖の対象。
命を喰らう化け物と噂は広まり、
気付けば大魔王の称号が与えられていた。
語らう者も心を寄せる者もいない。
妄想のエア友だけが心の拠り所。
いつか友人が出来た時のイメージトレーニングが唯一の楽しみになっていた。
そんな砂塵魔王の前に現れたのが、
孫悟空だったの!
始めて出来た生身の友人。
石猿である孫悟空は砂塵魔王の能力も効かない事が救いであり、何より自分の手を握ってくれた始めての友達。それはエア友には感じられなかった歓び。
「俺は友達のためになら何でも出来る奴だ!」
砂塵魔王を中心に砂が舞い上がり竜巻が起こる。
それは目の前の雌大蛇の身体を覆い干からびさせ粉々の塵と化したの。
「ふぅ〜さて友のもとへ向かうとするか」
と、そこに私を背負った玉龍君と沙悟浄が逃げ戻って来たの。
「あ〜砂塵魔王さ〜ん!大蛇を倒してくれたのですね〜」
沙悟浄が砂塵魔王に近付くと、
「私に触れるな!」
と拒否られて沙悟浄は涙目で言葉にしたのは?
「あっ!そう言えば砂塵魔王さんに触れたら私も干からびてしまうのでしたね?危なかったでした〜」
「・・・・・・」
その言葉に砂塵魔王の顔が少し暗くなる。
分かってはいた。
孫悟空しか友達はいない。
孫悟空の友達だから仕方なく助けただけ。
「流石に頼りになりま〜す!」
どうせ都合良い存在なのだろ?と頭に過った時に沙悟浄は目を輝かせて言ったの。
「私は戦力にはなりませんが砂塵魔王さんに何かあれば言ってくださいね!」
「えっ?」
自分のために何かをしてくれる?
それって友達みたいじゃないか?
しかしそれを聞いたら否定されるのが怖かった。
「本当に心強い仲間が出来たものですよ〜」
「な、仲間だと?俺が?」
「えっ?」
怖い顔で睨む砂塵魔王に怯える沙悟浄は涙目で謝ったの。
「すみません!すみません!私、もう友達になれたかと思っていたので仲間だと勝手に思い込んでおりました〜孫悟空兄貴の御友人だからって申し訳ありませ〜ん!」
「!!」
友達?自分が?気付かないうちに友達が増えていたのか自分は?それは胸熱くなり顔が火照る。
そして恐る恐る尋ねたの。
「お、俺は友達なのか?」
「い、嫌でなければ〜」
すると砂塵魔王はソッポを向き答えたの。
「よ、よし!お、俺がお前達を守ってやろう!安心するのだな?友達としな!」
「えっ?あ、は〜い!宜しくお願い致しま〜す」
と、私が気絶している間に関係深くなってたの。
場所は変わるわ。
孫悟空は精神世界で朱雀王と白虎王の試練を受けていたの。それは肉体を鍛えると言うよりは魂の修行だったの。
孫悟空は急を急ぎ自身を二体に分けると朱雀の門と白虎の門へ挑んだの。
朱雀の試練は灼熱の熔岩の中で、白虎の試練は山脈の頂にて雷に討たれていたの。精神の受けたダメージはリアル世界の肉体に伝わり炎症やショックが肉を裂き血を流す。その状況に見守る八戒は意味も分からずに狼狽えていたの。
「ぐぅうう!」
孫悟空は試練の答えが見付けられないでいた。
何が試練の終着点なのか?
朱雀王と白虎王は試練を乗り越えて聖獣の力を最大限に使いこなす試練だと言った。これを乗り越えなければ玄武王を取り戻せない事は勿論、本来持つ聖獣の力を使いこなせないまま、いずれ現れる強者に敗れると。そうなれば聖獣達は孫悟空を見限り新たな契約者を求める事になると。玄武だけでなく朱雀と白虎も失う結末になってしまうの。
「分からねえ・・・」
孫悟空は思い出していた。
朱雀王と白虎王との契約をした時を。
始めて聖獣の扉を開き、玉子を手に入れた時。
そして次の試練で聖獣変化をした時の事を。
朱雀天皇の試練は西の大地で親友になった紅孩児君の仇であった妖怪皇帝との激闘の中で目覚めたの。
その時は確か・・・
親友と師のどちらかの命を選択すると言う試練。
どちらも選べない中で孫悟空の答えは?
そして白虎王の試練は、義兄弟であった最強最悪の鵬魔王との死闘の中で、守るべき師を失い絶望の淵の中で得た力だったの。
どちらも死戦を乗り越えて得た力。
「そう言えば玄武は?」
玄武王の試練は青龍王との一騎打ちで愛とは何かを求められて手に入れたの。
これらは聖獣の力を最大限に発揮する引き金にはなったはず?
けれどトリガーを引いた状態でその力は解放されないまま燻った状態が今の現状。
ならトリガーを放つには後何が必要なのか?
三体の聖獣との試練での共通点?
そもそも聖獣とは?
そこで朱雀王が語った聖獣誕生の話を繰り返し思い出していたの。
聖獣王とは異種族の獣の王が龍神族の血を得て誕生した事。
龍神族?
孫悟空は龍神界での体験をも思い出していたの。
白龍王や青龍王との激闘。
かなり苦しい戦いだった事を思い出す。
その龍神王達は蛇神と戦っていた。
場所は再び蛇神工場に移すわよ?
課長と主任を相手に白龍王さんが戦っていたの。
龍の血を持つ蛇神は工場長だけではなかった。
この課長と主任も龍と蛇の血をさん分け与えられ驚異的な力で白龍王さんを追い詰めていたさんの。
「かなり厄介だ。我々龍の血を得た奴等はこれほど力を持つと言うのか?」
白龍王さんは懸念していた。
万が一、龍神界の民が襲撃に合って攫われる事になれば?龍の血を持った蛇神が何体も現れたらと恐ろしい事を考える。そしてもし自分が敗北して身体を奪われたら?そこから新たな蛇神が産み出され龍神界を襲う事になるのだと。
「そうはさせん!」
白龍王さんは両手を構えて龍気を高める。
すると襲い掛かる主任と課長の同時攻撃を全て掌に巻き起こる竜巻で弾き返し、掌打を打ち込む。
黒龍王さんも部長を相手に殴り合いをしていた。
「龍神族の王も他愛もないな?」
激しい拳の連打を黒龍王さんは防戦一方だったの。
「そろそろ終わりにしてやろう。俺は営業部長でな?営む業を持つ役割りを任されておる。お前を素材にした蛇神を産み出し、もっともっと営ませて貰おうか!」
すると突然部長が膝を付いたの?
「意味分からねぇ事をほざくな?はぁ?お前は俺の前に跪いて寝てろ!」
瞬間、強烈な重みがのしかかり部長を地面に押し潰したの。
「なぁにが起きたのだ?俺に??」
それは重力。
黒龍王さんは重力を使う能力者で蛇神部長はその重力に押し潰されたの。
「お前よ?ペラペラペラペラうるせぇよ!」
すると黒龍王さんの掌に黒い雷が放電する。
「地獄の黒雷!」
黒龍王さんの掌から放たれた黒雷は立ち上がれない蛇神部長の身体を貫き真っ黒に焦がしたの。
「黒龍王?終わったかい?」
白龍王さんが蛇神課長と主任を倒して近寄る。
「後は赤龍王の兄者だけだが問題ないな?」
「まぁね」
二人がその場を動こうとした時、足を止める。
「どうやら」
「まだ残っていたようだ」
二人の背後に新たな蛇神が近付いて来ていたの。
そして赤龍王さんは蛇神工場長との一騎打ちをしていたの。
蛇神工場長の強さは他の蛇神とは比べ物にはならなかった。
「この俺はお前ら龍族の戦士の身体の大半を貰い受けた。お前らの躯は面白いくらいに蛇神の器にちょうど良いようだぞ?この器が壊れた際はお前の器をも貰い受けて俺は更に強力な力を与えて貰おう!」
蛇神工場長の身体は赤龍王さんの右腕だった龍族の戦士の物だったの。
「そうか、本来なら龍族は地に埋めて埋葬するのだが、お前はその身体ごと火葬にしてやるぞ!」
赤龍王さんは激しい怒りを見せたの。
しかし!
「ほざくなぁ!」
蛇神工場長は背負った大剣を振り回して赤龍王を近寄せずに吹き飛ばす。しかも蛇神の気が全身を覆い赤龍王さんの力を上回っていたの。
「とんだ化け物だ。その力も龍の血の影響か?だがお前はまだ龍の血の本当の力を知らないようだ」
赤龍王さんは立ち上がると、
「冥土の土産に本当の龍の力をお前に見せてやろう!」
赤龍王さんの力が急激に増加する!?
これは確か?
「赤龍の逆鱗!」
それは龍神族の奥の手。
一時的に己の力を膨れ上がらせる秘奥義なの。
「な、何て強大な力だ!欲しい、お前の力を俺にくれぇえええ!」
大剣を振るって襲い掛かる蛇神工場長が
一瞬で消滅した。
赤龍王さんさんから発する灼熱によって。
これが本当の龍の力だったの。
その時、精神世界の孫悟空は一瞬何かが過る?
知識と体験が経験の中で引っかかり答えが見付けられそうだったから。
「そ、そうか?そうなのか?」
孫悟空の瞳に確信が芽生える。
「もしかしたら?」
それが試練突破の切り口になるの?
早く参戦してよ!
孫悟空!
そんなこんな。
次回予告
まだまだ続く!
法子一行と龍王達の戦いの結末は?




