魔鋼騎戦記フェアリア第2章エレニア大戦車戦Ep3エレニア平原Act23真魔鋼騎は王者の姿
敵の重戦車を前にして決戦を挑もうとするリーン達。
敵の実力が解らない今、バスクッチ車は魔鋼騎へと変化する。
そして、リーンとミハルは新たな車両に力を与える。
戦神に願いを込めて・・・
ペリスコープに映るのは・・・
「車長!中央付近のM4隊の後方より敵重戦車が現れました。
どう見てもKG-1より大きいです!」
キャミーがペリスコープを通して観測報告を入れる。
ー あれは敵の新型重戦車?巨大な砲塔と太い砲身。かなり手強いだろうな
リーンは双眼鏡で近付く重戦車を睨んで考える。
ー あの砲弾を喰らったら、魔鋼騎になったとしても防ぎきれるか解らない。
どうする・・・退くか?いや、今退く事は出来ない。
それこそ敵の思う壺に嵌ってしまう・・・
リーンは考えあぐねる。
ふっと、バスクッチの車両を見てしまうリーンが気付いた。
その車両に輝く青く輝く紋章が浮き出るのを。
ー バスクッチ!やる気なのね。あの重戦車と闘う気なのね!
青く輝く剣の紋章を浮き立たせたバスクッチの車両が変化を始める。
砲塔形状が鋭角を持った形になり、砲塔前面が窄まり砲が一段と太く長くなる。
「車長!バスクッチ少尉の1番車が魔鋼騎に変化!」
ラミルが叫ぶより早く知っていたリーンも決断する。
「ミハル、いよいよ私達も能力を試される時が来たみたいね。・・・やるわよっミハルっ!」
決然と告げて胸のネックレスを握り締める。
「はいっ!リーン。私達の力を信じて!」
ミハルが右手の宝珠を翳す。
ラミルがキャミーが、ミリアが2人に頷き合う。
「魔鋼騎士と共にあらんことをっ!」
ミリアのグローブを填めた左手が、赤い発動ボタンを叩き込む!
((ブオオオーンッ))
重い唸りを挙げて魔鋼機械が作動する。
「戦神よ我等に力をっ!
立ち塞がる者を打ち破る力と、共に闘う者を護る力を与えたまえっ!」
リーンの願いがネックレスを輝かせる。
力の発動を受けて、車内に閃光が走る。
((ビシャッ))
音を立てて一瞬で車内が変わった。
蒼き光の中で砲塔の長さが変わり、前方が窄まる。
砲手席で右手を掲げたミハルの願いも解放される。
「戦神よ、私に力を与えて。
みんなを護り抜ける力を、皆と共に生き続けられる力を。
立ち塞がるどんな高い壁だって越えられる力を。
2人の魔女の元に! 聖召還!!」
((ブォオオオーンッ))
ミハルの力が発動する。
古から引き継いだ<双璧の魔女>の力が。
蒼き瞳に・・・蒼き髪に染まって。
ミハルの身体から魔砲の力が溢れ出す。
掲げられた宝珠から金色の輝きと共に結界が貼られた。
結界の中でミハルの身体からユニフォームが徐々に消え、
換わりに魔法の戦闘服が纏われていく。
蒼の魔法衣姿へと・・・
襟に金筋が入った上着が空色の下着に羽織られ、胸元にリボンが着けられ、
変身は一瞬の内に終わる。
2人の魔法力によって車体が一回り大きくなり、装甲板は厚みを増す。
砲塔から突き出た砲身が太く長くなる。
そして・・・
「少尉っ!ミハルの車体がっ!リーン中尉のMMT-6がっ!」
アルミーアもバスクッチも他の車両の皆が驚く。
「あれは?少尉、あれはっ!?」
思わず砲塔を廻して照準器で見詰めて訊くアルミーアに、バスクッチが答える。
「あれが・・・伝説の魔女。
<双璧の魔女>の紋章を浮かべし魔砲の車体。
あれが我々戦車乗りの王、キングの戦車。
あれこそケーニヒス・ティーガー!」
蒼く輝く紋章を浮かべてそそり立つ勇姿を2人は見詰める。
伝説の紋章を浮かべ、長大な砲身を敵に向けたその姿。
全ての見る者を圧倒するその姿。
「我々戦車開発部門にだけ知られている未来の戦車。
その行き着く先が今、目の前にある。正直感動物だな!」
ため息を吐くバスクッチに、アルミーアも頷く。
「ええ、小隊長。
生きている内に見られるなんて思っても居ませんでした。
リーン中尉とミハルの力を思い知りましたわ」
アルミーアも信じられないと呆ける。
「はははっ、オレの砲手も呆けさせてしまうとはな。
さすが姫と魔女って訳か。
さて、呆けるのは此処までだ。奴等と闘うぞアルミーア!」
バスクッチが顔を引き締めて言った。
「はっはいっ!車長っ!!」
アルミーアも我に返って車内へ戻る。
「やるぞアルミーア!先陣は我々が務めるっ。撃ち方始めっ!」
マイクロフォンを押して命令を下したバスクッチが、少し笑った。
ああ、今。真の魔鋼騎が光臨した。
その姿は王者の虎。
アハトアハトを武器に、立ち塞がる全ての敵に打勝つべく生まれたティーゲル。
前傾した正面装甲で敵弾を弾き、必殺の88ミリで敵を噛み砕く。
その闘うべく生まれた勇姿。
そう・・・その車体はキング・タイガー。
我々の世界でそう呼ばれた最強のドイツ重戦車・・・
その最強の戦車が闘いに挑む。相手はソ連KV-2!
次回 決戦!重戦車の闘い
君は新たな刃を手にいれたのだ・・・





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