魔鋼騎戦記フェアリア第2章エレニア大戦車戦Ep3エレニア平原Act22目標敵中戦車M4
敵中戦車部隊を発見したリーンが命令を下す前に・・・
「車長!バスクッチ少尉から無線です!」
キャミーの声がヘッドフォンから聞こえる。
リーンが斜め後方のバスクッチに一瞬振り返りマイクロフォンを押すと。
「繋いで、キャミー!」
隊内無線を繋ぐように命じる。
「リーン中尉!敵M4の射程外から砲撃しましょう。
無理に突っ込むと囲まれる恐れがありますので敵を誘き出しましょう!」
「了ー解!」
バスクッチの提案に直ぐ了承し、停車を命じる。
「遠距離射撃の用意。
ラミル停車!敵にアウトレンジ攻撃を掛ける。
ミハル徹甲弾で攻撃開始!」
4両の新型中戦車が並んで目標を狙う。
一番右側に位置するリーン達に対してバスクッチが求めて来た。
「中尉、右側のM4を攻撃して下さい。オレ達の小隊は中央を進んでくる奴等を撃ちます」
キューポラに半身を出しているリーンに、
手先信号を加えて説明するバスクッチに手を上げ了承の合図を送ると。
「了解。右側に位置するM4に対して攻撃を掛けるわ。目標を右端から1番とします!」
手先信号で応えてから手を振りリーンは車内へ戻った。
「ミハル、攻撃目標右端のM4。距離3000で射撃始め!」
リーンの命令に砲を旋回させて目標に合わせ十字線に捉えてから。
「目標確認、前進中の右端のM4。射撃準備よし!」
照準器の十字線に狙うM4を捉えて射撃ハンドルを握り、
マイクロフォンを押して答えるミハルに射撃命令が下る。
「よしっ、射撃開始。・・・撃てぇっ!」
リーンは攻撃の火蓋を切った。
「撃てぇーっ!」
復唱し、トリガーを引き絞り敵M4に射撃を開始したミハルは思う。
ー こんな距離で狙った的に当たるのかな?
私にも当てられるのかな、アルミーアみたいに・・・
戸惑いを感じつつ遠距離射撃を始めるのだった。
((グオオオーン))
隣のバスクッチ小隊も射撃を始める。
照準器の中で一両から黒煙が吹き上がった。
ー アルミーアの弾が・・・命中した!
自分が撃った弾は僅かに外れて至近弾となったが、
アルミーアが放った徹甲弾は見事にM4を撃ち抜き炎上させた。
ー やっぱりアルミーアは凄いな。
魔鋼騎になってなくても今の私よりずっと射撃の実力は上なんだ!
ミハルは砲術学校で自分より成績が低かったアルミーアが、
この一年で自分よりも射撃術が上回った事に驚くよりもその努力に感心する。
ー 私に勝ちたかったから?
それとも・・・大切な人を護りたいから?
・・・違う、そうじゃない。私と同じなんだ。
あの頃の私と同じ想い。
生きて帰りたいから、大切な人にもう一度逢いたいから。
死んではならないんだから・・・
ミハルの脳裏にマモルと別れを告げて配属先へ向って学校を出る時、
自分を見送るアルミーアが歯を食い縛って見詰める姿が思い起こされる。
ー あの日・・・あの目は私を憎んで見詰めていた訳じゃなかった。
私が勝手にそう決め込んで、思い込んでいただけ。
ちゃんと話しておけば2人供仲直り出来ていたのに。
でも、今やっと打ち解けあえた。
この闘いを終えて帰ったらまた仲良く出来る。
今度こそずっと友達で居られる。
必ず帰ろう、生きて、みんなと共に!
記憶の中に居るアルミーアの姿に誓うと、照準器を睨み直した。
「さあ、負けないよアルミーア。
必ず帰ろう笑い合える場所へ。光溢れる未来に!」
ミハルの指がトリガーに掛かる。
「少尉!中央付近のM4隊が左右に展開!」
アルミーアが振り返ってバスクッチを見上げる。
「ああ、お出ましのようだぜアルミーア。オレ達の倒すべき相手が・・・」
キューポラでM4隊の後方から近付いて来る重戦車を確認し、その姿に瞳を凝らす。
「ええ少尉。あれが噂に聞いた?」
アルミーアが照準器に写るその姿を確認して息を呑む。
「ああ、奴等の王者。KG-2重戦車だ!」
バスクッチが前方から迫る重戦車を見据えて唸る。
前方の中戦車隊が左右に道を開いた。
その後方から現れたのは、ロッソアの誇る新重戦車KG-2。
バスクッチもリーンも、その強敵に挑む。
その迫る強敵に全力を出し切る事を決意する。
次回 真魔鋼騎は王者の姿
君は新たなる勇姿に打ち震えるだろうその王者の姿に!





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