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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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魔鋼騎戦記フェアリア第2章エレニア大戦車戦Ep2伝説の魔女と皇女Act10そして伝説となる・・・

戦巫女ミコトが消え去った跡には。


ちょこんと神官巫女ミコトの姿が・・・


「ふえーっ。終った終った!」


小柄な銀髪の巫女ミコトがチョコンと立っていた。


「あ、あれ?ミコト?」


リインが目をパチクリとさせて食欲魔人を見た。


「ねえリイン。覚醒おめでと。どう、気分は?」


右手に槍を持ったミコトがリインに訊いてきた。


「え?ど、どうって?」


リインがミコトに小首を傾げると、


「戦姫に覚醒・・・いや、モトイ。

 聖姫に覚醒出来たんでしょ。自信が付いたかって訊いたんだよ」


ミコトがアッケラカンと、リインに感想を訊く。


「うん。自信が付いたと言うか、解ったの。

 私が歩むべき道が。生きていく目標が・・・ね」


リインが朝の光が入ってくる空を見上げてそう言うと、


「ほほう。それは凄い。

 その歳で人生を達観できるとは。

 ・・・で、どれ位魔法力が上がったのかな?」


ニヤリと笑ってリインを見た。


「え?魔法力?・・・あ」


リインが力を戻す事を忘れていたのに気付いて。


「いけない。戻るの忘れてた!」


慌てて剣を振り下ろして普通に戻りたいと願う。


((シュンッ))


ネックレスの輝きが消え、魔法力が切れると同時に・・・


「あ・・・うっ・・・」


リインが顔を真っ赤にしてしゃがみ込んだ。


「あらあら。相当な魔法力を使っちゃったんだねぇ。

 にひひっ、前みたいに慰めてあげようか?」


ニヤリと笑うミコトがリインに近付く。


「あ、ちょっ、ちょっとミコト。待って、ここじゃ駄目。誰かが観てたら・・・」


リインが恥ずかしがって両手をヒラヒラさせて拒むと。


「だったら寝室まで歩けますかぁ?」


意地悪を言うミコトがリインを見て笑う。

そのミコトのオデコの大きな絆創膏を見たリインが訊く。


「あの・・ミコト。その絆創膏、どうしたの?」


リインに言われてはっとした様な顔をするミコトが。


「う。こ、これは・・・その。師匠にデコピンされて・・・」


「デコピン?オデコ突かれた位でそんなに?」


リインが物珍しそうに見詰めると。


「あのさ、リイン。師匠の手加減無さって言ったら凄いんだよ。

 デコピンだけで100メートル位吹っ飛ぶんだから・・・」


ミコトが指を立ててリインに説明する。


「は?デコピンで100メートル吹っ飛ぶの?

 よく死なないって・・・え?ええっ?それ、ホント?」


リインが目を点にして訊く。


「そ、だよ。師匠に掛かれば魔王だってイチコロなんだから」


ミコトはさも当然の様に答えてオデコを撫でた。


「はあ?魔王って・・・凄いんだねミコトのお師匠さんって」


リインは目をパチクリと瞬かせて驚く。


「うん、凄い。こうしている間だってどこで目を光らせているやら・・・」


ミコトはそう言うと、周りの気配を探る。


「だから、リインと最期の愛を楽しみたいなあって・・・ん?」


リインがミコトの言葉に気付いた。


「ミコト、最期って言ったよね。どうして?」


訊ねられたミコトは、リインに言った。


「本当の契約が果たされたんだから・・・

 もう私は此処へは来れなくなるから。

 リインと別れる本当の時が来たからね」


少し寂しそうにリインを見詰めるミコトが言う。


「えっ?もう逢えなくなるの?そんなの嫌だよ。

 ずっと一緒に居てよ。帰っちゃ嫌だよミコト!」


リインがミコトに抱き付いた。


「あはは、リイン今度こそ駄目なんだ。

 リインが覚醒したからね。

 もう一人で歩んで行って欲しいんだ。

 目指す所へ、リインが望んだ未来へと・・・ね」


ミコトは抱き付いたリインに諭す様に話す。


「リイン。

 あなたはこれからこの国を護って、生きていかなければいけない。

 民の為に民と共に強く、そして優しく歩まなければならない。

 誰に頼るでもなく、自分の力で希望の未来へと歩まなければいけないんだよ。

 その時私が居れば、きっとリインは力を借りようとするよね。

 それじゃあ駄目なんだ。

 それじゃあリインは何時まで経っても誰かを頼ってしまう」


ミコトはリインを強く抱締めて、


「強くなれ、リイン。強くなって生きるんだ。

 誰の為でもない、自分の願いの為に。

 リインが目指す光溢れる未来へ向って」


リインがミコトを見詰めて訊いた。


「出来るかな。私に・・・」


「ああ、きっと出来る。リインが望みを失わない限り必ず!」


ミコトはリインの瞳に頷いて答えた。


「・・・うん・・・」


2人は視線を交わして・・・目を瞑り、口付けを交わした。


「ミコト、もう二度と逢う事は出来ないの?」


リインがミコトを抱締めて訊いた。


「さあ?何時も一緒に居てあげる。そうここにね」


ミコトはリインの胸を突いて応えた。


「リインが苦しくなった時は思い出して御覧。

 胸の奥でオデコに絆創膏を貼った私が笑い掛けて来るから」


ミコトはオデコをリインの額に当てて微笑んだ。


「うん、師匠さんにデコピン喰らったミコトを思い出すわ」


リインがミコトに微笑み返すと。


「ありがとう、ミコト。ありがとう私の魔女。

 私、強くなる。

 強く優しい心のまま生き抜いて見せるから。

 私の望んだ希望の未来に向って!」


力強く断言するリインにミコトは頷いた。


「そう、それでいいんだよリイン。

 今の姿ではもう逢えないかもしれないけど、生まれ変わった時にはまた逢おうね。

 時代が変わっても、姿が変わったとしても私達は永遠に友達でいよう。

 その時リインが辛かったり苦しんでいたらまた助けに来てあげるからね。

 ・・・約束するから!」


「うん。約束だよ、ミコト。2人の仲は永遠だよ。必ずまた逢おうね!」


リインが小指を立てて誓いを願う。


ミコトは指を重ねると。


「ああ。約束だ。リインが呼べば必ず助けに来るから!」


指切りをして約束を結んだ。

魂の約束を。


「ミコト。一つ訊いていい?」


リインが真剣な瞳でミコトに訊く。


「大悪魔ルキフェルが最後に言った事なんだけど。

 彼はまた現れるの?この国に災いを齎す為に・・・」


リインが心配そうな顔になって俯く。


「・・・かもしれない。

 人の心に闇がある限り、悪鬼は現れる。

 それがこの世界。

 どんな姿で、どんな力を持って現れるかは誰にも解らない。・・・けど」


ミコトは槍を持ってすっくと立ち上がり、朝日が昇った空を見上げ。


「けど、リインに助けが必要になったら、また来るよ。

 この戦巫女ミコトが。

 どんな姿となったとしてもリインの魂が呼んだら、きっときっと私は現れる。

 どんなに生まれ変わったとしても」


空を見上げていたミコトがリインに振り返って笑った。


「何度生まれ変わっても・・・

 そうだね、私達は永遠に友達だもんね。そう約束したもんね」


リインも立ち上がりミコトと共に朝日を浴びる。


「もう、大丈夫だなリイン。

 必ず成し遂げろよ願いを・・・さ。

 強く優しく生き抜くんだよ、約束したからね」


ミコトはオデコに貼られた絆創膏を剥がす。

剥がされた跡には紋章が描かれていた。


「ミコト、それは?」


オデコの紋章を見たリインが訊くと、


「うん、これかい?これはね、リインと共に闘った証。

 お師匠が私に与えてくれたリインとの愛の証。

 <双璧の聖女>の紋章だよ。

 譬え何があってもリインを護りたいと願った私への贈り物」


ミコトが微笑んでリインに教える。


「この紋章を与えてくださったからリインの求めに飛んで来られた、魔法陣を使って。

 この紋章があるから生まれ変わってもリインの処へ来れるんだよ」


微笑むミコトに頷いたリインが、


「そうなんだ。

 ミコトと私は遠い未来でも一緒なんだね。永久に永遠に・・・」


涙を浮かべてミコトの手を掴む。


「うん。永遠に私とリインは繋がっているから。

 何処へ行っても、どんなに離れていたとしても・・・ね!」


銀髪と赤色の瞳のミコトから青白い光が放たれ始める。


「そろそろ行かなくっちゃ。お師匠様が呼び戻しているから・・・」


碧い髪を靡かせて碧い瞳のミコトが別れを告げる。


「うん。元気でねミコト。私の愛するミコト・・・」


リインがそっと唇を重ねる。

リインも碧き光を放ち出す。


2人の魔法少女が重なり合う。

朝日を浴びながら・・・


ミコトがそっとリインから離れて・・・


「リイン・・・またね!」


ミコトの後ろに魔法陣が現れる。


「うん、ミコト・・・また・・・ね!」


手を上げて別れを告げるリインから後退り魔法陣に背を付ける。

ミコトは最後に手を挙げて・・・


「必ず。また出会えるよ。その時まで・・・またね!」


((シュンッ))


魔法陣が消える瞬間、ミコトの声が聞こえた。


「・・・またね、ミコト。 ・・・ありがとう」


朝日を浴びるリインの前には、青い光の粉が舞い散っていた。

 


「姫!姫様っ!」


リインの周りに女官や兵士達が近寄って来た。


「リイン無事であったか。良かった!」


フェアリアル王も無事救出されリインに声を掛ける。


「お父様も御無事でしたか」


リインが振り返り微笑む。


「うむ。何か悪い夢でも見ていた様な気分だ」


王が壊れた城を見回して頭を振る。


「ええ、本当に・・・

 でも、これからは違います。

 皆と共に国を救わねばなりませんから。

 悪い夢の様にしてはいけませんから」


力強く言うリインを眩しそうに王は見詰めた。


「リイン・・お前は一段と強くなったな」


王がリインの傍に寄って言うと。


「いえ。これからなんです。

 もっと強く、もっと優しく。

 皆と共に生きて行きたいのです。

 この国の為に、幸せな未来の為に!」


リインは周りを囲む人達に向ってそう決意を告げた。

フェアリアル王はそんなリインを頼もしそうに見ると傍による。


「立派な心掛けだリイン。

 もう継いでよいな、王の座はそなたの物だ。リイン女王!」


王は王冠をリインの頭へ譲った。


「新しい国王の誕生だ。

 皆の者よ、新しき時代を祝うのだ。

 新しき女王の下、この国を護り、民を導く新しきフェアリアを祝うのだ!」


フェアリアル王の祝辞を受けて皆が拍手で応えた。


リインは王冠を擁いて皆に向かって微笑む。


「さあみんな!私と共に歩んでいきましょう。

 光り輝く未来に、優しく強い心を目指して!」





「こうして王女は初代女王となって、フェアリアを平和で豊かな国へと導いた・・・

 と、伝説では伝えているのよ」


お茶を啜り、一息吐いたユーリが2人を見て微笑んだ。



ユーリ大尉の語り部は終わりを告げ、本題に戻る。


一体誰がリーンを苦しめているのか3人は話し合うのだった・・・


次回 近付く闇


君は伝説の魔女をどう想うというのか?


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