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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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第7章 永遠に紡がれる物語 Together Forever EP4Farewell Beloved people<さらば愛しき人々よ>Part6

紋章の中に消えたマモル


今、新たな宿命に少女が走る!

チアキの前に太陽神のレリーフが転がった。

あるべき場所へと届けて欲しいのだと告げたマモルの姿は消えていた。


「マモルさんっ?!どうして?!」


消えたマモルの姿を探して、チアキは周りを探してしまう。


「私にこれからどうしろというのですっ?!

 ミハル分隊長にこの紋章を渡した後に・・・

 マモルさんをどうやったら元に戻せるというのですか?!」


消えてしまったマモルには教えられてはいなかった。

姿を取り戻すにはどうすれば良いのかを。


「私は・・・どうすれば取り戻せるのか解りません。

 ミハル分隊長にどう話せばいいのか・・・解らないのです」


手に取る事に抵抗があった。

紋章を手にすれば、もう取り戻せなくなりそうな気がして。


「「チアキさんって言ったよね、君。

  マモルは僕と同化する道を選んだんだ。

  君の知る男の子は僕と一つになった・・・」」


突然、紋章が話しかけて来た。

その声はどこかマモルの声に似ている様に聞こえた。


「「マモルは僕と同化する道を選んだ。

  それはね、僕が誰だったかを思い出させてくれたから。

  僕はMIHARUの弟だった・・・マモルと同じように」」


声が知らせる。

マモルと紋章に宿る声の主が同じ弟なのだと。


「「MIHARUは僕の姉。

  最初に選ばれた僕がバグに因って記憶を失ってしまったから。

  自分がどこの誰かも分からなくなり、地上へ降りた事さえ忘れていたから。

  マモルに触れた時に思い出したんだ、僕が<ファースト>だった事に。

  <ケラウノス>を停止させる為に月の裏から遣わされた僕。

  僕が前の千年周期で果たせなかったから。

  僕自身が果たせず、記憶さえも失ってしまったから・・・MIHARUが来た。

  姉は僕を探し、僕と共に<ケラウノス>を停止させる為に<セカンド>になったんだ」」


チアキに語るのは、光を放ち続ける紋章。

その中に宿る者がチアキに頼んだ。


「「チアキさん、僕の願いを聴いて欲しいんだ。

  僕をMIHARUの元まで連れて行って。

  きっと待ってくれている筈だから・・・僕ともう一人のマモルの事を。

  MIHARU独りで立ち向かわせない様に、

  ミハルに僕が記憶を取り戻せたことを知らせる為にも」」


目の前で紋章が願った。

太陽神のレリーフに宿る者をミハルの元へ連れて行けと。


「待ってよ!マモルさんはどうなるの?!

 ミハルさんを助けた後、どうすれば良いというの?!」


消えた肉体を取り戻すには、どうすれば良いのかを問う。

もし、紋章から戻れないのならば、ミハルにどう答えればよいのかと。


「「僕はMAMORU、君の知っているマモルとは違う。

  僕の姉はMIHARU、君の言うミハルとも違うだろう?

  二人は同じ名を持つ、けども全くの別人。

  ・・・それが意味する通り、時が来れば解る筈だよ?」」


まるでチアキを促す様に、紋章が言った。

早く自分を手渡して欲しいと願うかのように。


チアキは目の前に転がるレリーフに触れる。


「「さぁ、行くんだチアキ!姉さんの元へ!」」


瞬間、マモルの声が脳裏を掠める。


「マモル・・・マモルさん?!」


頭を過ったマモルの声。

思わず呼び返したチアキが悟った。


「マモルさんはこの中で生きている。

 ミハルを救う為に・・・人の世界を救う為に。

 ホマレさんと同じ・・・私に希望を託してくれたんだ!」


握ったレリーフが光を放ち続けている。

チアキに流れる継承者の血脈に呼応するかのように。


挿絵(By みてみん)


「待っててください!今直ぐ届けに行くから!

 私が最期の希望だなんて思いたくありませんから!」


握り締めた紋章を胸元に着けた。

途端に魔法衣が変わる・・・剣聖の魔法衣から。


「これが・・・女神の力?

 ミハルにも与えられた女神の力?そう・・・か。

 あなたも神なのね?・・・マモルさん」


宿りし弟の力が、既に神の物と同じくらいに強かった事を思い出す。

自分の力ではこれほどまでに変える事は出来なかった魔法衣。

それが、今。


「パワーユニット化している、防御隔壁化している・・・

 装着した全てが人の限界を超えている・・・真・魔法衣!」


チアキに装備された魔法衣は、チアキの属性を昇華させた物。

剣が、パワードブレード化し、

腰に装着されたジェネレーターが運動性能と防御力を飛躍的に増幅していた。


「そっか・・・これなら。

 これなら、MIHARUの元へも行けそうだ・・・」


チアキの胸元からMAMORUの声が流れ出す。


「うん、君の言う通り。

 ところでさ、君を呼ぶ時の名は?

 なんて呼んだらいいのかな?」


「「・・・リィ・・・」」


チアキの声に重なって名乗られた。


「えっ?リィ?なぜ?」


問われた宿る男の子が応える。


「「リィ・・・再びって。

  ミハルが名付けた名でもあるし、MIHARUに逢えるって意味もある。

  それにマモルって言われたら、僕と僕と同化したマモルとどっちか判らなくなるから。

  それと、もう一つ・・・その名前をマモルが気に入ったみたいなんだ!」」


つまりは<Reリィ>と、言う訳か。


チアキは頷く。

そして走り出す・・・ミハルの元へと。


最下層に居る筈の女神の元へと・・・






「うくっ?!」


攻撃から蒼き珠を護り通していた。


「まだ・・・まだ、負けた訳じゃないんだから」


力の限り、残された魔砲力を駆使して。


大魔王から繰り出される闇の眷属達に立ち向かうミハル。

黒い霧の中から現れ出る魔者達。

ミハルは手にした女神の力で噴き跳ばし、神の槍で撫で斬る。


しかし、多勢に無勢。というより・・・


「独りで抗うには数が多過ぎる・・・いつまで保てるのかな・・・私」


闇と闘う、たった独りで。

この空間の中で、味方は誰も居なかった。


「せめて・・・せめて最期くらいは。

 マモルと一緒が良かったんだけどな・・・」


神の神殿に着いた時には、マモルは大魔王の罠で連れ去られてしまっていた。

引き剥がされた手に残る弟の温もりだけが、今の自分に与えられた希望となっていた。


「マモル・・・君は無事なの?

 無事なら・・・私の代わりに大魔王を倒しに来て・・・」


最期を悟らされてしまいそうになる。

もう、残された魔力は少なかった。

このままでは、後数分もすれば力尽き・・・


「この蒼き珠を奪われてしまえば・・・人類は滅ぼされてしまう。

 そうなる前に・・・私が力尽きる前に・・・大魔王を・・・」


魔法衣が無数の闇に襲われ、疵付き破れていた。

身体のダメージより、魔砲力を失われつつある事の方が痛く感じた。


闇の攻撃が次から次に襲う。

デバイスである神の槍を奪い取ろうとする敵に斬り付け、

後ろから獲りつこうとする悪魔に魔砲を撃ち込む。


「はぁっはぁ・・・はぁっ」


荒い息を吐きながら、休む暇もなく立ち向かうが。


「「どうした?もう諦めたかミハルよ?!

  それなら石を渡せ!直ぐに楽にしてやろうぞ!」」


大魔王サタンはその名の通り残忍な声で嘲笑う。


「誰が!私を倒せるなんて思わない事ね!」


抗う事を諦めない。


「必ずお前を滅ぼしてみせる!お前と刺違えても!」


終わらせる事に。悪魔を滅ぼし、誓いを果たす為に。


「「何とでも言えば良い。

  そなたがもう直ぐ、力尽きる事になるのが解っておるのだからな!」」


大魔王はミハルを嘲笑う。

勝利を確信した慢心が落とし穴がある事を亡失させていた。

神の神殿に残されていた女神の事を。

閉じ込めてある女神が脱出など出来る訳が無いと多寡を括って。


「「助けなどは来ん!さぁ、渡すのだミハル!」」


大魔王が勝ち誇って命じた・・・瞬間だった。


((  ガゴオォンッ ))


突然の事だった。

群がる闇の者達が吹き飛ばされたのは。



大魔王との戦いの場に現れるのは?!

宿命が終わる時・・・希望が甦る・・・


次回 EP4Farewell Beloved people<さらば愛しき人々よ>Part7

君は我が身が犯した罪の粛罪を願う、譬え希望が失われようと・・・

人類消滅まで残された時間は幾許も無い 残り110時間!!

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