第7章 永遠に紡がれる物語 Together Forever EP2The heart that hauled in手繰り寄せる心の行方Part7
作戦は練られつつあった。
大魔王が戻ってくる間に・・・・
有志連合艦隊を迎撃に向かった巨大戦艦<ジェノサイド>に干渉しているのは・・・
「「人間共よ、我に歯向かった事を後悔するがよい・・・」」
大魔王が海上を進む艦隊へ放つ。
「「我が力の前にひれ伏すが良い」」
空中に浮かぶ巨大戦艦の主砲が艦隊へと向けられる・・・
艦隊前方から現れた空中戦艦を確認した艦隊司令部は、直ちに応戦命令を下していた。
「各艦隊、各個に応射せよ。
主力艦隊は目標を空中戦艦に集中せよ!」
現れ出た戦艦<ジェノサイド>目掛けて有志連合軍艦隊の集中射撃が放たれた。
海上からの主砲弾が<ジェノサイド>に突き当たったが、悉く弾き返されてしまう。
「なんて装甲をしてるのだ!これだけの砲弾を全て弾き返したぞ!」
艦隊の多くの将兵が<ジェノサイド>の装甲力に舌を巻いた。
だが・・・司令長官源田大将は。
「主力艦隊に命令、魔鋼戦艦は直ちに魔鋼状態へ移行準備となせ。
護衛艦隊は現時点を以て任務を放棄、直ちに戦場から避難せよ!」
戦闘の継続と艦隊機動を命じる。
それは敵に<ジェノサイド>の様な艦が存在しているのを知っていたかのように。
有り得べからぬ巨大空中戦艦の存在を誰かから知らされてでもいたかのように。
「了解!全艦隊に発動を命じます!」
砲戦を続ける主力艦隊が、2波に別れて機動を始める。
現れた空中戦艦の主砲が火を噴いたのはこの時点だった。
「「愚か者めが!歯向かう奴等には死の鉄槌をくださん」」
大魔王の意志が攻撃を命じる。
空中戦艦に備えられている全砲門が火を噴いた。
海上に浮かぶ有志連合軍艦隊へと。
海上が一瞬にして、林立する水柱で覆われてしまう。
その中から火柱と黒煙が立ち込め、海上は阿鼻叫喚の坩堝と化した感になった。
「「ワハハハッ!人間共め、身の程を知るが良い!」」
大魔王はこれにて人間の抵抗は終わりを告げたと判断を下した。
「「これで後は・・・MIHARUを手にすればよい・・・戻るとするか」」
<ジェノサイド>のコンピューターと繋がれた回線から、大魔王は神の神殿内部へと切り替えた。
「「ミハリュー様、間も無くユピテル様がお戻りになられますが?」」
3人が居る部屋に警告音が鳴った。
ミハエル配下のコンピューターによって知らされたのは・・・
「いけないっ!もう戻って来たの?!」
ミハエルが振り仰いで配下のコンピューターに命じる。
「少しだけ時間を稼いで!中を観られない様に介入を許すな!」
時間を稼げと命じたミハエルが二人の女神へと振り向くと。
「リーン!ミハルっ、急いで!
奴に気付かれないよう・・・私が話した通りにしなさい!」
時を稼ぐコンピューターの限界を悟り、二人を護る為の行動へと移る。
「えっ?!あっ、はいっ!」
リーンが即座に反応する。
ミハエルに前もって話されていたのか、女神の衣装を脱ぎにかかった。
「はっ?えっ?!リーン?何故服を脱いでるの?」
ミハルは何も知らなかった。知らされる時間も無かった。
唯、目の前でリーンが脱ぎ始めた姿に動揺するばかりだった。
「早くっ!ミハルも脱いで!」
ミハエルが後ろから急かす・・・のだが。
「えっえっ?!なぜ?どうして?」
錯乱したミハルが闇の魔法衣に手を出しかねていると。
「もうっ!ミハル、今は一刻も争うのよ!脱ぐの!」
リーンがミハルを抱きかかえて押し倒した。
「ひやあぁっ?!御主人様ぁーっ御無体なぁ?!」
声をあげる暇こそあれ・・・
「良い事ミハル、あなたはまだ操られているフリをしなさい。
私とリーンが責めるフリをするから・・・苦しんでいるフリをするのよ!」
ミハエルが大魔王に見つかった時に、バレない様演技しろと命じる。
リーンはミハルを剥いて、直ちに襲い掛かる真似をした。
「「ユピテル様がドアの開放を求められていますが?」」
警告音と共にコンピューターが返答を求めて来た。
「待って!もう直ぐだからっ!」
焦るミハエルが魔法衣を脱ぎ捨て、ミハルに覆いかぶさって。
「ミハル、良いわね?あなたはまだ大魔王に操られた身体なのよ!」
最期に念を押した。
そして・・・
「ドアを開放しなさい!内部に侵入されても良しっ!」
コンピューターにアクセス権限の侵入を許した。
「「・・・そなたら。何をしておる?」」
空中に浮かぶモニターから大魔王の声が落ちて来た。
「きゃぁっ!いきなり失礼でしょユピテルの親爺!
こいつらの裸を観るのなら別にいいけど私も一糸纏わぬ姿なんだからね!」
白々しい嘘を並べたミハエル。
確かに3人の娘が戯れているようにしか観えないのだが。
「「だから・・・ミハリューよ、そなたは何をしておるのかと訊いたのだ」」
モニターから問いかけられたミハエルが。
「観て判らないの?
この二人に恥辱を与えてやっていたのよ、こうしてね」
ミハルの上から立ち上がったミハエルが横目で二人の女神を見据える。
リーンがミハルを背後から抱きしめ、その首筋に唇を着けている。
<・・・ありゃ?まさか・・・本当に?>
眉を跳ね上げたミハエルがリーンの責めに気が付き・・・
<ま・・・まったく、もう・・・>
ミハルが真っ赤な顔で・・・失神しているのに気が付いた。
「ほっ、ほらっ!デザイアが気絶する位の責めをしてたのよ!おーっほっほっほっ!」
冷や汗を額に浮かべて高笑いするミハエル。
確かに、演技しろとはリーンにも言ってあったが・・・まさか本当に責めるとは。
<違うか・・・リーンの演技に。ミハルが勝手に舞い上がっただけか・・・>
がっくり肩を落としたミハエルがため息を吐きつつも。
「で?ユピテル。もう人間の艦隊はほっておいても大丈夫なのよね?
ここに顔を出す位なんだから・・・この後はどうする気なの?」
ミハエルの眼がミハルに向けられる。
リーンの愛撫に失神していたミハルを呼び戻そうとしているのかと勘ぐって。
「「この後か?決まっておる、女神を今一度使ってみるのだ。
この娘を使い、覚醒を求めんとする・・・初めの計画通りにナ!」」
モニターの影が嘯いた・・・何かを感づいたかのように。
「ミ・・・い、いいや。デザイアをどう使うというの?
また人間達を殲滅に向かわせるのね・・・そう。
それらない居場所があるのよね、ユピテル。
この娘の大切な者の元へと向かわせてやれば?
そしてあなたが操って消滅させれば相当のショックを与えられる・・・
そう考えてるのよね?そうすればこの娘は絶望して何もかも曝け出すと思ってるのよね?」
ミハリューとしてこの大魔王から知らされた記憶に則り、
<ケラウノス>発動に欠かせないモノの奪取を目指すのかと問う。
「「如何にもだミハリューよ。
この娘から取り出す。最早残り時間も幾許も無いのでな」」
<しめた!>
ユピテルの回答にミハエルもリーンも、それに当のミハルもチャンスが訪れた事を知る。
「そう・・・だったら早く行けば?
私はバリフィスともう少し楽しんでいるから・・・覗くな親爺!」
ミハルが巧く弟と接触できる事を祈りながら、
ミハエルは暗にリーンを護り続ける事を匂わせる。
そうする事でミハルの心配を少しでも和らげられると思いながら。
「「まぁ善かろう。それでは娘を連れ出すぞ・・・」」
モニターの中で影が消える。
<ミハル、巧くやってきてね?!>
聴こえない様に女神の力を使い、ミハルへとエールを贈るリーンに。
<うん、頑張ってみるね・・・リーン>
交された身体を愛おしく感じながら、ミハルが手をそっと握って応える。
ミハルを伴い、大魔王は飛行機械のコンピューターに告げた。
「「目指すはもう一つの艦隊。
もう一つの抗う愚か者共の艦隊。
この娘が護ろうとした者達が集う…場所へ!」」
転送されたミハルは心に決めていた。
<このチャンスをものに出来なければ。
これが本当に最後のチャンスになるかもしれない・・・>
眼を開けて空を観る。
<マモルに知らせないと。
なんとかして手助けして貰わないと・・・あの子の力を貸して貰わなきゃ>
弟を巻き込む事に抵抗はあったが、頼れるのはもうマモルしかいないと思い込んでいた。
<助けてマモル。あなたしか頼れそうにないの。
大好きな弟を巻き込みたくはなかったけど・・・マモルの力しか考えられないの。
君が着けていた魔法石に頼るしか道が無いのよ。
リーンを救い出せるのは、大魔王を倒す力になってくれそうなのは・・・>
ミハルの前にある扉が開く。
蒼き空が目の前に現れる。
運命の空が今、目の前に広がった・・・
ミハルは大魔王に送り込まれた。
仲間達の艦隊へと・・・
そこで待つ者は?
ミハルに公算はあるのか?
損な娘は成功へと導けるだろうか?
・・・難し過ぎる?!
次回 EP3 sister and brother<姉弟> Part1
君は迎え撃つ為にたちはだかる者を見詰めた、驚きと落胆の狭間で・・・
人類に残された時間はもう・・・216時間!!





夏休みのオトモ企画 検索ページ