第7章 永遠に紡がれる物語 Together Forever EP1The Blue Jewel<蒼き珠> Part4
姉弟対決第1番・・・ナウ
マモルVSミハル
いざ!ファイト!
空に紅き光が現れた。
空を染める光には、人が成し得る限界を超えた力を表わしていた。
「これをまともに喰らえば・・・防ぎようがないわよ?」
悪魔のような顔で嘲笑っていた。
女神だと名乗った娘の声では無かった。
澱んだ光を頭上に翳し、少年に向かって呟く姿は・・・
「ミハル姉。
さっきも言ったよね?僕には力があるんだって。
ミハル姉が女神だと言うのなら、僕も神に授かった力があるんだよ?」
槍を構えるマモルが姉ミハルに断る。
手にした槍と、ブレスレットから魔砲力を発散して。
「身体を支配されていても・・・心や魂はミハル姉のままなんだろ?
それなら僕が助けるよ、この力で。
邪な者からミハル姉を救い出し、みんなの元へ帰ろうよ?」
紅き弾に対し、マモルが現すのは・・・
「な・・・に?!その光は?!」
槍の先端に現れた蒼き光。
清浄なる者が放つとされる蒼き光。
輝く槍が光を放つ、輝くブレスレットが力を放つ。
「僕の力だけじゃないんだよ?
この光はみんなが想う願いが込められているんだ。
知っている筈だよミハルなら。僕の大好きな姉なら・・・」
悪魔ミハルの瞳の中で、小さな光が闇に浮かぶ。
<マモル?!あなたは・・・まさか?!
まさか・・・あの術を使えるの?みんなの心を一つにして放てる・・・
<<聖なる破壊弾>>を?!>
紅き瞳が驚愕に染まる。
悪魔ミハルが驚きと焦りで吠える。
「おっ、お前なんかに私が倒せられる筈がない!
女神が人に負ける訳が無い!この私が人間なんかに・・・」
翳された紅き弾をマモルへ投げつける。
女神の全力魔砲弾が、独りの少年へと叩きつけられた。
「そう!僕が倒すのは女神なんかじゃない!
僕が倒すのは醜い闇!姉さんを操る邪念なんだ!」
蒼き光の弾が槍から放たれる。
「行くよミハルっ!取り戻して自分を!帰って来て姉さん!
<<聖なる破壊弾>>よ!闇を撃破れ!!ブレイカー・シュートォっ!」
空が破裂した。
蒼き弾と紅き弾が相交える。
ぶつかった力同志が互いに食い破らんと押しまくる。
初めは紅き弾が優勢に観えた・・・だが。
「ブレイクゥーッ!パワーイン!!」
それはミハルにも出来なかった奥義。
ブレイカーショットの後から、後続の魔砲を突き立てる荒業。
初めのブレイカーショットの後から、もう一撃が加えられた。
破裂した蒼き弾の威力で紅き弾も砕け去った。
爆光の中から次弾が光の中から突き抜け、悪魔ミハルの元へと飛び征く。
「ばっ?!馬鹿なぁっ?」
悪魔ミハルは恐怖する。
殲滅の女神が全力で放った魔砲弾を、いとも容易く喰い破って襲い掛かる蒼き波動に。
「くっ?!糞ぉっ!」
防御魔法で喰い止めた悪魔ミハルが焦燥に駆られ飛び退く。
「まだだ!闘えよ女神!逃げるな!」
飛び退いた殲滅の女神に呼び止めるマモル。
引き下がる闇の女神は悔し気に少年を睨む。
「人間如きが!こうなればあの艦隊諸共消してやる!」
悪魔の怨嗟が降って来る。
殲滅の女神が両手を翳した・・・が。
「なっ?!なにぃ?!何故力が現れないのだ?!」
女神が狼狽える。
殲滅を名乗る女神が翳した手を見上げ、何が起きているのか判断できずに。
目前に詰め寄る少年から逃れるように飛び上がりながら。
「ミハル姉・・・やっぱりね。
操られていたとしても抗ってくれているんだね?
だったら・・・必ず助け出すから。
誰が阻んだとしても、どんな闇が邪魔したとしても。
僕がきっと救ってあげるから・・・」
空に昇って逃げ出す女神を追う事もしないで、悪魔と化している姉に告げる。
黒雲の中へと逃げ込んでいく姉の姿を見送りながら。
「そうだよねミハル姉。
今ここで救うだけじゃ駄目なんだよね?
ミハル姉はきっと・・・本当の願いを成し遂げたい筈なんだから。
リーン様も一緒でないと意味がないんでしょ?」
弟は姉がどうして捕らえらたのかを知っているようだった。
なぜ姉が捕らえられ、闇の姿で現れ出たのか。
なにもかも・・・解っているようだった・・・
「ミハルっ!戻れ、戻って来てくれぇっ!」
腕に傷を着けられたホマレが手を伸ばして叫んでいた。
取り戻せなかった友を求めて。
「中島3尉、傷は大丈夫ですか?
早く戻られた方が・・・」
帰還を勧めるマモルに、緑の魔砲師ホマレが食い下がる。
「なんでやマモル君!なんで、ミハルを連れ戻さへんかったんや?!」
勝負はどうみてもマモルが優勢だと感じていた。
女神ミハルの力を知るホマレにとって、マモルの魔砲力は勝っているように観えていたが。
「中島3尉、その事ですが・・・
僕達には、とある秘密があるのです」
僕達と、弟は言った。
姉弟に秘密があると言っていた。
「なんやそれは?連れ戻すのに秘密もあったもんやないやろーが?」
腕を抱えたホマレに肩を貸したマモルが。
「それは・・・艦に戻られてからお話しします」
<薩摩>上空まで送っていくマモルを見るホマレが不思議がった。
<ほんまに・・・これがミハルの弟なんか?
前に逢った時とは違う・・・前とは雰囲気さえも違うんやけど?>
一月前ほどの事だった、出会ったのは。
その時の印象と今とでは、まるで別人のようだった。
<こいつの方がよっぽど別人やないか。
さっきのミハルといい、この弟君にしても。
・・・何故にこんだけ人が替わるもんなんや?>
肩を貸されている間中、ホマレは男になった少年の顔を観てそう思っていた。
・・・マモルの男になった表情に顔を紅く染めて。
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神殿の中から・・・戦闘を司っている神々が出撃して行った。
「いってらっしゃぁーい!」
明らかに言動が怪しい女神が手を振る。
「正面の人間共は任せたわよー!」
紅い髪を靡かせて手を振る・・・ミハエルが。
<くくくっ!行った行ったわ!これで此処も誰も居なくなったわ!>
邪な呟きをする殲滅を司っていた女神ミハエル。
なぜそんな呟きをするのか。
<これで邪魔する者が居なくなったのね・・・誰も。
私の作戦を決行する時が来たのよ・・・ユピテル以外の眼を気にする事も無くなった。
このチャンスを生かさない手はないんだから!>
そうだったのか?
どんな作戦を執るつもりなのか?
<ミハルが帰って来る前に・・・ユピテルの眼がミハルに注がれている間に・・・>
ミハエルが横たえられている娘に視線を注ぐ。
<リーンを先ずは解放して・・・リーンの中に宿る魂を呼び覚まして>
横たえられた審判の女神に手を翳す。
「起きなさいリーン!バリフィスから解放してあげるわ!」
翳した手から、紅き光が零れだす。
「私よ。私なのよリーン!ミハルの生まれ変わる前の天使。
ミハエルが告げる!起きなさいリーン!」
呼びかける元の大天使ミハエル。
呼びさます審判の女神となる前の皇女の魂を。
「・・・呼んだのは・・・本当にミハエルさん?」
薄く眼を開ける・・・金髪の娘にミハエルが微笑む。
「そう!私はミハエル。
あなたの大切なペットを救う為に蘇ったの!」
微笑む大天使にリーンの眼が見開いた。
女神の力をも凌ぐマモルの魔砲力!
弟の力は一体何処から?
弟はミハルを救えるのか?
次回 永遠に紡がれる物語 Together Forever EP1The Blue Jewel<蒼き珠> Part5
君は新たな希望となれるのか?君は悪魔に勝てるのか?
人類に残された時間は少ない 残り17日!





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