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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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魔鋼騎戦記フェアリア第2章エレニア大戦車戦Ep2伝説の魔女と皇女Act7リインの闘い

神器の剣を奪われたリインは失望のどん底に堕ちていた。

そんな中、遂に闇が襲い掛かって来る。

リインは呆然と王宮で塞ぎ込んでいた。

命より大事な剣を失い、

魔法力を使う事も出来なくなったリインは自らの失態に嘆くより無かった。


ー これでもう私は術を使えない。ただの姫に戻ってしまった・・・


リインの瞳は翳り、元気さえも失われてしまった。


リインの失望はその事だけではなかった。

叔父の執権ルキフェルが王に対して王位を自分に継がせろと迫る様になったからだ。

リインが剣を失うと同時に強気となったルキフェルは、

自分の手下達を使い、王に味方する者達を捕え投獄し始めたのだ。


リインは止める様に叔父ルキフェルに願ったが、最早叔父の暴走は止める事が出来なかった。

そして、ついにルキフェルは牙をむいて襲い掛かって来た。


「王よ、兄上よ。もう待ち草臥れた。

 素直に王位を譲ればいいものを。

 かくなる上は私が兄上を亡き者として王位に付く。

 誰も邪魔はさせん!」


ルキフェルが王宮の中で叫ぶ。

王宮の中にはルキフェルに金で雇われた私兵達がなだれ込んでくる。


「うわーっはっはっはっ。

 フェアリアル国王よ、素直に王位を譲れ。そうすれば命だけは助けてやるぞ」


剣を抜き放ち王の目の前へ突き付ける。


「うぬう。ルキフェル貴様、反逆するのか?!」


国王の前に突き出された剣を見て王が叫ぶ。


「その剣はリインの・・・貴様、リインをどうしたのだ?」


「譲り渡して頂いたまで。リイン姫は我が妃とするからな」


ルキフェルはリインを自分の妃とする事に決めたらしい。


「馬鹿な。貴様正気とも思えん。悪魔に魂を売ったのか?」


王が叫んでもルキフェルは気にも掛けず笑う。


「ふふん。魂を売ったかだと。

 それは違うぞ王よ。私が悪魔だ、悪魔の王なのだ!」


ルキフェルの瞳が赤黒く光った。



ルキフェルが反逆を起した時、リインは女官達の勧めで町の中へ逃げ込んでいた。


ルキフェルの私兵達はリインを追って、町を探し回っていた。


ー  このままでは、何れ見付かってしまう・・・


リインは何とか逃げ切ろうと焦っていた。


「あっ、リイン姉ちゃん。どうしたの?」


ルーがリインを見つけて声を掛ける。


「ルー!危ないから家へ戻ってっ!」


リインがルーを家の中へ戻そうと声を掛けた時。


「いたぞ!姫だ、逃がすなっ!」


3人の私兵がリインに気付いて剣を抜いた。


「危ないっ、リイン姉ちゃん!」


ルーが私兵の前へ飛び出す。

それは無垢な少女の行い・・・


「何だこのガキ。邪魔だ!」


私兵はリインの前でルーを斬った。


「きゃあっ!」


ルーは一声叫んで斬り倒され・・・動かなくなる。

ルーが倒れた所が血で赤く染まった。


「きっ貴様っ、貴様等っ!」


リインの血が逆上し、3人の私兵に掴み掛かった。


「許さん。許さないっ!」


リインは一人の剣を奪うと、瞬く間に3人を斬って捨てた。


「ルー!ルー!」


女の子の名を呼び抱き起こしたが、もう息が止まってしまっていた。


「どうしてっ、どうしてこんな事に。

 あなたの事を待っているお母様に何とお詫びを言えばいいの?」


聞きつけた者達がリイン達を囲む。


その中から一人の女性が、


「ルー?ルー!なぜ?どうしてっ!?」


ルーをリインから奪う様に抱くと、泣き叫んで名を呼んだ。


「何て事なのルー。

 やっと私の体が治ったのに。お前がくれた薬でやっと治ったのに・・・!」


泣き叫ぶ母親が、傍で呆然と立ち尽くすリインに叫んだ。


「返して、娘を。返してっ!」


泣き叫ぶ母親がルーを抱締めてリインを睨む。


「ごめんなさい。お母様、ごめんなさい」


リインは謝りながら後退る。

母親の瞳から逃れる様に。


母親はルーの頭を撫でてやりながら泣き崩れた。


ー  これが私の望んだ国なの?

   これが平和な国だと言えるの?


リインは自分の理想と現実が、あまりに懸け離れている事に涙が溢れてきた。


ー  戦争が無くなっても誰も幸せになれない。

   戦争が無くても平和とは言えない!


リインはその場から走り出す。

王宮を目指して。


ー  私の本当の願いは叶えられていない。

   私の本当の願いは戦争に勝つ事じゃなかった!


リインは走りながら胸のネックレスを握る。


ー  私の本当の願いはこの国を護る事、

   もう誰も闘いで泣かなくて済む平和な国にする事だった筈!


リインの手でネックレスの宝玉が光りだす。

リインは王宮に駆け込み、国王が囚われている広間へと向う。


ー  私の願いを聞き遂げてくれるのならば。

   今一度私に闘える力を御貸し下さい。

   どうかこの国を護れる力を表わせ給え!


リインは宝玉に祈りを捧げる。


広間に辿り着くと、そこに居た者が。


「リイン姫、わざわざ出向いて頂けるとは。手間が省けましたぞ」


ルキフェルが赤黒い瞳を向けて立っていた。

その手に神器の剣を持って。


「お父様を離しなさい、ルキフェル公爵。そしてこの反逆をお辞めなさい!」


リインはルキフェルに向って言い放った。


「ふっふっふ。何を馬鹿な事を。最早この国は私の物だ。

 この地に住まう者全て、その血の一滴までもが全て我が物なのだ!」


ルキフェルは勝ち誇ってリインに剣を突きつける。


「この剣さえあれば如何なる敵をも打ち破れるのだからな」


勝ち誇るルキフェルに、リインが言い放つ。


「ルキフェル公爵。

 その剣は力ある者だけが使う事が出来る神が与えたもうた神具。

  あなたには絶対に使えない!」


リインが指を差して言い切った。


「何だと?お前に使えて私に使えぬ筈は無い」


そう言うと、大きく振り翳す。


「見よ。大竜巻!」


そう叫んで振り下ろすが全く何も起こらない。


「馬鹿なっ!そんな筈?!」


ルキフェルが焦って何度も振るが何も起きない。


「くそっ!役立たずの剣が。こうしてやるっ!」


怒りに我を忘れたルキフェルが剣を石柱に叩き付けた。


((パッキィィーンッ))


「ああっ!何て事をっ!」


リインの目の前で神器の剣が二つに折れ跳んだ。


二つに折れた剣の柄をルキフェルはリインに放り投げて、


「この様な物等いらぬ。さあ、姫よ選ぶがいい。我が妃となるか死を選ぶか」


リインに迫るルキフェルが私兵と共に近付く。


「ミコト・・・助けてミコト」


ポツリとリインは心の中に居る笑顔の少女の名を呼ぶ。

碧き宝玉を握る手に力が篭る。


「お願い、ミコト。返って来て、私の元へ!」


リインが後退りながら祈りを込める。


「ふはははっ、もう東方の魔女は居ない。叫んでも無駄だ」


ルキフェルが私兵達にリインを掴まえさせようと手を振る。


「お願いミコト。私の願いは、まだ果たされていないわ」


リインが空へ向って叫んだ。



「「そうだったっけ?」」



リインが見上げた空から少女の声が聞こえる。

空に青く輝く魔法陣が描かれていく。


「ミコト!まだ私の願いは遂げられていないの。私を助けて!」


リインは魔法陣に向って叫びながら、ネックレスを右手で高く掲げる。



・・・ネックレスの宝玉が光を放つ時・・・



その光が魔法陣を完成させた。


「さあ!呼びなさい。私の名を、共に闘う友の名を!」


魔法陣からミコトが呼びかけて来る。


その呼び掛けにリインは声の限りに呼んだ。


「ミコト!私のミコト。今直ぐ此処に来てっ!」


リインの宝玉が更に強く輝き魔法陣に光を注ぐ。


「はぁーいっ!

 呼ばれて飛び出て、じゃじゃじゃじゃーーーんっ!」


青く輝く魔法陣から槍に腰掛けた巫女が現れた。


「ミコト!返って来てくれたのね!」


リインが見上げる魔法陣の前に、オデコに大きな絆創膏を貼ったミコトが姿を現した。



リインの前に現れたのは、懐かしい笑顔の少女ミコトであった。

ミコトの魔法が炸裂する。リインの剣が闇を斬る。

さあ!闘え!魔法少女達よ!その力の全てを闇にぶつけろ!

次回 闇を斬る!前編

君は光を取り戻す大切な友と一緒に

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