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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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第6章 終わる世界 EP10 End Of The World<終わる世界に>Part1

挿絵(By みてみん)

魔砲少女チアキ


<理を司る者>女神ミハルの存在が喪われ様としていた・・・

きぼうを求める者達には未だ・・・知られてはいない。


そう・・・もう。

もう・・・光は闇に捕えられたのだとは・・・

海上から数本の黒煙が立ち上がっている。

2波に亘る航空攻撃に因って被害が出ていた・・・


「今の内に弾丸の補給に戻る!いいなホマレ3尉!」


分隊長代理、鋼のジュンが命じる。


「待てや!まだ次の攻撃隊が近づいとる!」


眼の端に捉えたゴマ粒のような機影を観たホマレが食い下がるが。


「もう機銃弾の補給を受けなければ戦えん!

 弾切れになっている者もいるんだぞ!お前にはそれが解らんのか!」


ジュンの小隊員達が眼を血走らせているのを観る。

それは魔砲師とは謂えど、弾が無くては戦えない事を示していた。


「それに母艦からも戻る様に命じてきているんだ!

 艦長にも状況が解られておられるのだ、反抗は許さないぞ!」


鋼色の魔法衣を纏う2尉に命じられたホマレは、敵編隊の近づく様を観ながら口惜しがる。


「せやかて・・・あの編隊が艦隊を襲えば・・・」


海上を走る艦隊に、これ以上の被害が及ぶと考える。


「馬鹿者!いち早く補給を終えて再発進する事だけを考えるんだ!

 急いで母艦へ帰る・・・いいな、解ったな!」


命じた分隊長代理は編隊を纏めると、一目散に母艦へと降りて行った。


「くっそぉー!下手な指揮を執りやがった癖に・・・」


ホマレは自分独りだけでも空戦を続けようかと思ったが。


「「ホマレ!命令が訊けんのか?!帰れっ!今直ぐ帰れ!」」


ヘッドフォンから気勢を先次てミノリの声が届く。


「ミノリ姉・・・」


マイクをオンにして言い返そうとしたが・・・


「「戦闘は始まったばかりだぞ!ミハルの替わりを誰が執る?

  お前が先走ったからと言って戦局が好転する訳が無いだろう!」」


反対に反抗は許さないとばかり、命令が返って来た。


「・・・解ったわ。帰るさかい・・・」


やむなく了解したホマレが、

もう一度敵編隊を睨んでから踵を返して母艦へと向かった。


<薩摩>が所属する有志連合第3艦隊に神軍の第3次航空攻撃が始まる。

二度に亘る波状攻撃に因って、艦隊は旗艦<金剛>以下全ての艦が疵付いていた。

もっとも被害が酷かったのは戦艦<榛名>であり、

空爆によって左舷側にダメージを被り、速力を著しく落としていた。

艦隊は対空戦闘により輪形陣を維持できなくなっていたことにより、

更なる被害を被る事は陽を観るよりも明らかだった。


ホマレ達魔砲師隊の奮戦も空しく、

艦隊から落伍する<榛名>に向かってくる敵編隊に有効な反撃手段は残されてはいなさそうだった。


第3艦隊が苦戦している時。

500海里離れた海でも・・・




「ヨークタウン、往き足停まります!魚雷が推進軸を破壊した模様!」


艦隊を取り巻く護衛艦達が、爆雷を降り注いでいる。

駆逐艦の後方に水柱が立ち上り、潜水艦を制圧していた。


「傷ついたふねは還って貰おう。参謀、そう命じたまえ」


司令長官源田大将の声が命令を下した時。


「左舷方向、水柱が3本!」


旗艦<扶桑>に続行していた戦艦<初瀬はつせ>に魚雷が命中し黒煙が宙を焦がす。

艦隊は敵の知る処となり、漸減作戦を仕掛けて来た。

潜水艦に因る雷撃で、主力艦にも被害が及ぶようになり、

艦隊の中では先行きに不安を感じる者達が現れるようになっていた。



「そろそろだよなぁ・・・敵の飛行機械が偵察に現れるとしたら」


白い魔法衣が艦隊上空で佇んでいた。


「小隊長!右方向に何か観えます!」


ヘッドフォンから聞こえた部下の叫びに反応した蒼髪の少尉が。


「来たっ?!よぉーし!廻り込もう!」


艦隊直掩隊に属している小隊を率いて、少女が目標に向かう。

最初に発見した部下を先に立てた少尉はマイクに向かって報告する。


「こちらオスマン艦隊直掩機隊!

 敵機アカ発見!敵機アカ発見!

 これより撃墜する!繰り返す、ワレこれより攻撃す!」


マイクに向かって呼びかけつつ、手にした機銃の初弾を装填した。


「「こちら母艦、発見した敵機を撃墜せよ!」」


寸刻も経ず、命令が返って来た。

少女が顎を引き敵機の行動を見守る。


「こちらチアキ1番!これより空戦に入る!」


廻り込む事に成功したチアキが手にした機銃に魔砲力を注ぎ込む。


「魔鋼弾装填よしっ!一撃を掛ける!つづけ!!」


小隊を率いた少尉が逆落としに突っ込む。

漫然と偵察飛行を行う敵機がチアキ少尉の編隊に気付いたが。


((ドドドッ))


オスマン海軍所属魔砲師、チアキ少尉の放った魔法の弾が敵機に突き刺さる。


((ボワッ))


内部に入ってから装填されていた火薬が火を発し、只の一撃で火達磨となり墜ちて行く。


「敵偵察機撃墜!」


小隊長チアキ少尉に因って叩き墜とされた敵機が、

錐もみとなり海面目掛けて突っ込んでいく。


「ふぅっ、初空戦で一機撃墜・・・ラミル分隊長・・・観てるかな?」


編隊を纏め直して、チアキ少尉が母艦の方に振り返る。


「空戦をしちゃった事に怒ってるかな?」


今日は訓練飛行だなんて言って出て来た手前、

空戦に入ってしまった自分に、上官はどう思ってるんだろうと考えてしまう。


「でも、これが空戦って奴なんだよね・・・

 初めて戦ったけど・・・一瞬で終わっちゃうんだ。

 気を付けないと今度は私の方がやられちゃうかもしれないな・・・」


たった一度の戦いで。

僅か数発の機銃弾で戦いは終わった事に、チアキは数多くの教訓を得た。


それが、空の戦いなのだと・・・教わったのだった。






有志連合主力艦隊から離れる事数百里。

第3艦隊の後を追う、もう一つの艦隊があった。


「「これより先発の偵察隊と入れ違う。

 間違えても敵機だなんて報告しないでね?」」


ヘッドホンから通信士官の声が聞こえる。


「了解!解ったよルマ!」


相手の士官に対し軽口を返すのは。


白い魔法衣を纏う男の子。

右手に填められた魔法石のリングが陽の光に輝く。


たった独りで空を行く魔法衣姿の少年が、飛び征く先を睨んで呟く。


「頼むよ姉さん、僕にも闘う力を別けて。

 このリングに宿っていた魔女みたいに・・・双璧の魔法を授けて!」


姉に母から譲られたリング。

蒼き魔法石を中央に配した魔砲のデバイス。


ある事件を発端に、自分の物となった魔法石。

そこに秘められているのは古代から引き継がれた魔力。


フェアリアに居る頃、その中には魔女の魂が宿っていた。

姉はこの石と共に闘い、力を得る事で生き残って来れたという。


護り石のような存在が、やがて自分の物となり・・・


「ミハル姉・・・僕が。

 今度は僕の番だから。

 僕が助けに行くからね・・・ミハル姉を!」


右手に填められた魔法石に願いと誓いを込めて空を征く。

少年は独りの戦士となり、蒼き空を征く・・・


未だ還らぬ姉を想い。

無事であってと・・・希望の光を求めて・・・

ミハルはどうなったのでしょう?

仲間達が決戦の場へと辿り着いたのに、現れない女神。

皆が無事を祈っている時・・・悲痛な声が・・・


次回 終わる世界 EP10 End Of The World<終わる世界に>Part2

君は眼にしてはならないモノを見てしまう・・・闇の中で


人類消滅まで ・・・ アト 27日

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