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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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第6章 終わる世界 Ep5 ジェットランド沖海戦 Part16

現れたのは・・・

日の本海軍が属している有志連合軍艦隊。


その圧倒的砲火は敵を一撃で打ちのめす!

空には12隻のゴリアテ改級戦艦が。


水上に現れた艦隊は300メートル級戦艦を輪形陣の中心に据えた編隊が数個確認できる。



圧倒的数量で押し寄せる<神軍>の制圧艦隊。


一隻の新造戦艦を討つにしては大げさに過ぎるとも思える大編成であった。





そう・・・今迄は。


誘出作戦だったから。


敵艦隊を<薩摩>に誘き出させる為だけの作戦だったから。


敵艦隊の規模を把握した有志連合軍艦隊は決断を下した。



前衛艦隊をして、敵艦隊を撃譲せしめる決断を。






「観なさいミハル魔砲師。

 我等は<薩摩>が誘き出した艦隊を撃破する為に差し向けられた艦隊。

 主力艦隊の前衛として差し向けられた別働艦隊。

 決して敵に劣る訳じゃない事を見てみなさい」


カナの指さす先には、海上に現れた黒点が見える。

その数は・・・


「うそっ?!どうやって?

 神軍に知られずにやって来れたというの?」


大型艦の影の周りに見える数十隻の艨艟。

ジェットランド沖に現れた艦隊の先導をきるのは。


「<高波>が誘導して来た艦隊は、全て魔鋼艦なの。

 しかも旗艦の<金剛>はね、神が宿られているのよ。

 艦隊の姿を電探から隠す能力ステルスを秘められた神の力で、今迄隠し通されて来たの」


ミハルを見上げてカナは笑う。


「だから。

 今目にしているとしても、敵の電探には捉えられてはいない。

 目視したとしても正確な距離は掴めてはいない。

 特に機械に頼る神軍にはね」


勝利を確信したかのように。


見詰める先の艦隊から光が瞬いた。


「え?!まさか・・・発砲したの?この距離で?」


信じられない距離からの発砲に、ミハルは眼を見開き驚いた。

しかし、その後に続いた出来事の方がもっと驚愕する事になる。





「「目標敵艦隊主力艦!撃ち方始めっ!」」


前衛艦隊旗艦<金剛>からの攻撃開始命令が旗下の全艦に下される。

高速戦艦<金剛><榛名>の主力戦艦の前部主砲が擡げられ空に浮かぶ敵艦に指向された。


「砲撃始めっ、撃ちぃー方ぁー始めっ!!」


司令官からの命令を受け、主砲が火を噴く。

いや・・・正確に言うと火は噴かなかった。

蒼白い弾が飛び去っただけだった。


弾道は放物線を描くことなく、真一文字にゴリアテ目掛けて飛んでいく。


「「各艦、突撃準備体形に移れ!」」


艦隊は水雷戦隊が突撃を行い、前路を阻む水上の艦隊を目的と知る隊と、

上空に浮かぶゴリアテ改級を砲撃する主力戦艦に別れたようだった。


「我第3水雷戦隊は、敵水上艦隊に突撃す!」


発光信号を司令官に発し、巡洋艦を先立てた9隻の駆逐艦が直列体形を執って進出を開始した。

その恐るべき航跡を曳かない魚雷を番えた発射管を旋回させながら。


「「敵主力艦よりも小型艦に攻撃を集中せよ。

  主力を裸にする事に留意せよ!」」


艦隊旗艦からの指令を受け、水雷戦隊は長距離雷撃戦を挑みかかる・・・





________________





ミハルは眼を瞬いた。


それは<薩摩>の主砲が齎した戦果の数倍もの威力を誇ったから。


艦隊から放たれた蒼い弾が巨大空中戦艦へと飛び征く。


自分の放てた魔鋼弾よりも長射程。

<薩摩>が撃てた砲弾より大きく、しかも蒼さが濃い。


ー  あれって・・・もしかして超電磁砲弾スーパーレールガンじゃないの?


戦艦の魔鋼弾にしては弾道が伸びすぎている事に、更に驚きを隠せない。


ー  日の本の戦艦は・・・みんな魔鋼のふねだっていうの?

   いいえ・・・電磁砲レールガンを放てる程の魔法使いが宿っているの?


ミハルは蒼き弾が齎した戦果に、口を大きく開けて息を呑んだ。


二隻の戦艦が放った砲弾がゴリアテに命中した。

8発の砲弾が空中に浮かんでいる一隻に命中したと思ったら・・・


「ああっ?!嘘でしょっ?!」


ミハルが必死の思いで撃破していたゴリアテ改級は8発の砲弾によって木っ端微塵に飛び散ったのだ。


「弾薬庫に命中した訳でもないのに?!

 あれ程大きな建造物が粉々になるなんて!」


爆発というより消し飛んだゴリアテに、ミハルは感慨を持つ暇もなくあっけに取られた。


「あの2隻の砲弾って?!

 それ程の威力を誇るの?どれ程大きな砲を備えているのよ?!」


きっと考えにくい程大きな砲を備えているんだと考えたミハルが口に出すと。


「「いいえ、ミハル1尉。

 高速戦艦の主砲はそれ程大きくはないですよ。本艦よりは大きいですけどね」」


ミハルの耳に、<薩摩>の電波が届き、レナ砲術長の声がレシーバーから流れた。


振り返ると<薩摩>が反転しこちらへ向かって来ている事に気が付いた。


「「ホマレ3尉の編隊に合流し、一時帰還されたし・・・です」」


続いて命じられたのは母艦に戻れという事。


「「魔砲師隊の武器弾薬の補給を行いますから、急ぎ着艦を!」」


その訳を告げられたミハルはもう一度味方艦隊を観てから、


「了解!直ちに着艦します」


命令に応え、下方を奔る<夕立>に手を振る。


「ぽいさん!我々に帰艦命令が下されましたので戻ります!

 <夕立>の武運長久を祈っております!」


旗艦命令が下された事を伝えに艦橋付近まで降りたミハルに、

艦上に居る人達が敬礼を贈って了解の合図と換えて来た。

それに答えたミハルも敬礼し、もう一度だけ測距儀を見ると。


ー  ああ、彼女も笑ってくれているんだ。

   カナ3尉も覚えてくれたんだ・・・ミカ姉ちゃん達の事を・・・


自らの手で葬送した魂達の事を心に仕舞ってくれたのだとミハルは感謝を贈る。


「ありがとうございました!

 また逢える日を心待ちにしておりますから!

 お元気で!日の本へ帰られるのを願っておりますからっ!」


別れの際に、ミハルは日の本駆逐艦<夕立>へ手を振る。

今は有志連合軍艦隊に含まれているが故郷の人が乗るふねに郷愁を感じて。


挿絵(By みてみん)


カナは飛び去る魔砲師ミハルを観返りながら思った。


「あのが・・・本当に目覚めの時を迎えられるのか。

 人類が消滅させられる方が早いのか・・・神も知らないってことね」


蒼髪を靡かせる魔法衣を羽織る少女の背に、ふっとため息を吐きかける。


「さて、それでは・・・本来の任務に戻りましょうか」


白髪を靡かせた魔砲の術師が、敵艦隊に向かって来る水雷戦隊に瞳を向けた。





_______________






甲板に足が着く。

格納庫にその足で駆け込むと・・・


「ミーィーハァールゥー!

 お疲れさんやったなぁー・・・ヒック!」


紅い顔のホマレが飛びついて来た。酒の匂いをぷんぷんさせて。


「うわっ?!ホーさん酒臭っ!」


思わず鼻を摘まんだミハルが顔を背けると・・・


((たゆん))


「・・・・どさくさに紛れて・・・何をしてるのよ?!」


魔法衣の胸を掴まれたミハルの眉間に皺が寄る。


「うんーっ?何の事や?ウチにはなんも判らへんわ・・・酔っぱらったかなー(棒)」


「・・・・旋風つむじかぜ


有無を言わせぬ魔法がホマレを突き飛ばす。


「何すんねんな!無抵抗なかよわい乙女に・・・」


飛ばされたホマレが口を尖らせて抗議するが、またもやミハルに抱き着こうとした。


((バキャッ))


デバイス槍がホマレの頭上に堕ちる。


「ホーさん・・・無茶振り過ぎるよ」


ミハル迄指先一寸で寸止めされたホマレが眼を廻す。

ホマレの魔法力を回復させる方法をミハルは知っては居たのだが。


「いくら魔力を回復させる為だからって・・・私を玩具にするのは辞めてよね」


眼を廻してひっくり返ったホマレに指を突き付けて言ったのだが。


「ホマホマも・・・ミハルの事が好きなんだから多めに見てあげれば良いのに」


胸から龍の子リィ君が飛び出してきて笑いかけてくる。


「あのねぇ、良い事と悪い事があるのっ!」


ミハルが二人に怒って声をだしながら。


「でも、今回はリィ君もホーさんも良くやってくれたと思ってるよ。

 ご苦労様、ありがとうリィ君ホーさん・・・」


のびたホマレを抱き寄せて、リィ君を肩に載せたミハルがそっとホマレの手をいざなった。




一時的に補給に戻ったミハル達魔砲師隊。


次なる闘いは直ぐ其処に待っている。

ジェットランド沖の敵は後退を始めるのだが・・・


神の神殿に居るリーンに危機が迫ろうとしていた・・・


次回 終わる世界 Ep6 殲滅か希望か Part1

君は欠片に気付く・・・託された光に・・・

人類消滅まで ・・・ アト 63 日 ?!


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