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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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第6章 終わる世界 Ep5 ジェットランド沖海戦 Part6

遂に放たれる事になった・・・


双方が必殺の魔砲を。


勝利を信じて・・・・

渦巻く雲がやがて霧状に伸び始める。


6隻の艦が一列になって強力な破壊流を伸ばす様にホマレは何が起きるのか想像もつかなかった。


中心部を<薩摩>に向けた巨大戦艦ゴリアテ改級6隻の破壊波が繋がろうとしている。


その後に起きる一撃の威力は想像だに出来なかった・・・




その標的である<薩摩>も大きな変化を見せて対峙している。


今迄水平であった両舷の前部甲板が斜めに傾ぎ、ちょうど発艦甲板部分で二つに割れていた。


そう。


4隻を繋いだような艦体が2つづつに別れたかのように観える。

2本づつの艦体に別れた真ん中に、突然現れたのは何かの口のように観える砲口だった。


艦の中心線上に現れた砲口が、敵に向けられ火を噴くのを待っていた。


挿絵(By みてみん)


先程まで火を噴いていた主砲は完全に沈黙し、

今は両者とも唯一撃を放つ迄と対峙している姿に、

空を飛ぶ者達は固唾を呑んで見守るしか出来なかった・・・





______________





艦の中心部に備え付けられている魔鋼の機械。


それは魂を宿した魔法の機械。




今、魔砲を放つ為に力を現わすのは。



ー  これがこのふねに備えられた魔鋼機械の力?

   この砲はリヴァイアサンの波動を放てる事が出来るの?


機械に取り込まれたミハルの魂は、自分の身体の一部のように感じられる<薩摩>を観ていた。


ー  私の魔砲の力だけでは足りないかもしれない。

   魔砲の力だけではリヴァイアサンの波動は撃てないかもしれない・・・


魔法力が極端に必要なのが砲の大きさだけで解ってしまう。

龍の超音波砲を放つ事が自分の力だけでは無理なのではないか。

艦の形は替えられたが、発射に必要な魔力がどれだけ必要になるのかが心配だった。


ー  私に撃てるとしても・・・一回こっきりだと思う・・・


眼に写る敵に、どれだけ損害が与えられるか。

6隻を唯の一度の発射で斃せるのか・・・経験した事もない魔砲の威力が心配だった。



「ねぇねぇミハル!あの敵を倒せたら、直ぐに齧らせてよね!」


心配顔のミハルの足下からリィ君がお気楽に訊いて来る。

ミハルと同じく同化した龍の子リィ君の声に我に返ったミハルが、

巨大な龍に戻った姿の上に居る事を思い出す。


実体のない魂だけになっている今、

リヴァイアサン本来の姿でミハルを背に載せて敵に対峙していた。

それは飽く迄、艦と同化しているミハルの感覚での話なのだが。


「リィ君、はしゃいでいる場合じゃないよ!

 あの敵を打ち破れなかったら何もかも終わっちゃうんだよ?」


悪気はないとはいえ、御気楽過ぎると思ったミハルが嗜めると。


「だってぇ、もう限界に近いんだよ?

 早くミハルの魔力を補給しないと元の身体に戻っちゃうんだよ?

 そうしたら困るのはミハルでしょ?」


確かにリヴァイアサンの姿に戻られたら、<薩摩>はその瞬間に海に墜ちる事になるだろう。

元の身体の重みに耐えきれずに。


「そうだけど。

 リィ君の音波砲の威力ってどれくらいなんだろうと思ってね・・・

 一発で6隻全部を倒さないと、どのみち私達は敵にやられちゃうんだよ?」


機械に同化しているミハル達は、敵をやっつけなくては機械から魂を抜け出せない。

若しくは機械自体が破壊される瞬間を狙って、脱出しなくてはいけないのだが。

肉体自体が滅んでしまえば魂の行き場がなくなり、永遠に彷徨わなくてはいけなくなる。


ミハルは過去にもあった魔鋼機械との同化を思い返し、

どうすれば良いのかを考えて、魔砲の発射タイミングを計っていた。


ー  リィ君の超音波砲って拡散しながら飛んでいくんだったよね。

   だとすれば一番手前の敵にはダメージを与えられるけど奥の敵になればなるほど

   ダメージを与えられにくくなっちゃう・・・


より多くの力が必要なのは当然だが・・・


ー  威力を一点に集中出来ないのかな?

   砲弾のように一か所を狙う事は出来ないのかな?

   そうだったら私の魔砲の力でなんとか出来るかも知れない・・・


ミハルは思い出していた。

先の海神との戦いで撃ち勝てた事を。


ー  超潜水艦から放たれたリヴァイアサンの音波砲にも勝てた・・・

   あのやり方で!波動の中心核を射抜く・・・一点攻撃で!


モニターに映る敵6隻が重なった画像を睨みながら思いついた。


「ねぇリィ君、君の超音波砲って、収束出来ないのかな?

 一点を狙い打ちたいんだけど・・・敵のウィークポイントを狙いたいんだ」


リヴァイアサンの音波砲は拡がりながら複数の敵に対してダメージを与える。

拡散するのだと考えられたから、出来るかどうかを訊ねたのだが。


「うん?その方がいいの?

 大丈夫だよ、口を窄めて吐き出せば良いだけだもん。

 ちょうど口笛を吹くみたいにすれば出来ると思うんだけど?」


龍が口笛を吹く?

一瞬、頭にリヴァイアサンが淵笛を吹きながらスキップする光景が過ったミハルだったが、

揉み消す様に首を振って苦笑いする。


「あはは・・・それじゃあ、その方法でいくよ!

 私が発射のタイミングを計りながら狙うからね?」


ミハルは<薩摩>自体を操りながら軸線上に敵を捉え始める。






「「6隻同時攻撃など、何人足なんびとたりりとも防げるはずがない」」


自信たっぷりにコンピューターが解析した。


「「譬え先方の一隻が破壊されても残る5隻の衝撃波ソニックブーム砲で撃滅する」」


6隻の<神軍>戦艦を司るメインコンピューターが勝利を確信して指示を出す。


「「軸線上に敵を捉えた・・・破壊せよ!」」


命令は一番後方に控えた艦から発令された。


最後尾に控えた旗艦から第一発の衝撃波が伸びる。

その収束した衝撃波が前方の艦の円環中心核に伸び、2番艦の衝撃波に注がれる。


二つの衝撃波が交り合い、強力された衝撃波が更に前方に控えた円環へと伸びて行く。

徐々に強力な衝撃波動が出来上がり、再前方の艦に達した時。


「「これで終わりだ。我が主君のバグよ・・・発射!!」


旗艦の発射命令が飛んだ。







・・・敵艦から破壊波動を検知!いよいよ撃ってきますよ?・・・


魔鋼の機械が教えて来た。


「ふむ・・・それで我が憑代はどうする気なのだ?」


デサイアはお気楽そうに状態を観ている。

機械の前で・・・ミハル達が宿った魔鋼機械の前で。


・・・発射のタイミングを執られているようですね。

   何だか知りませんけど確実に敵を全部やっつけるんだそうで・・・


唯の一撃で敵艦隊6隻を撃滅するのだと、

ミハルに話された機械もどうしようとしているかが解っていないようだった。


・・・まあ、お手並み拝見ってところでしょうかね・・・


「ふむ・・・そのようだな。

 私の力がどれ程役に立つのかが知りたいところなのだがな」


デサイアは魔鋼機械にそっと触れながら苦笑いを浮かべる。

女神の力を機械に与えながら。



「リィ君、いよいよだよ?

 準備はいい?最大限迄力を溜めて!」


ミハルの前には魔砲の力で出現させた照準器があった。

レクチルの十字線に捉えられたのは・・・


「間違いなく一発で倒さなきゃ、こっちがやられちゃうんだから。

 私の魔砲の力で放てるのはこの一発だけなんだから!」


今迄培ってきた魔砲の全力を振り絞って狙うのは。


ミハルの眼に敵艦から延びる衝撃波の収束された先端が捉えられていた。


「来るよリィ君!あの収束された破壊波のど真ん中を射抜いてみせるからね!」



・・・魔砲力チャージ、臨界点を超えます!・・・


魔鋼機械が発射可能を教えた。

ミハルの魔砲と、リヴァイアサンの超音波砲。

そして女神デサイアの魔法力が一点に注がれていた。



「これが私の全力全開!

 メガ・エクセリオ・ブレイカー!!」


ミハルの右手に持たれた槍から光が迸った!



ミハルが宿った<薩摩>から超音波魔砲が発射される。


唯の一撃で6隻全部を倒せなければ、自分達に未来は無いと信じて・・・


ミハルは全力で魔砲を撃った・・・


それは魔力を殆んど全て使いきってしまうということ・・・


闇の力で体に戻れるかも判らないという事・・・・


次回 終わる世界 Ep5 ジェットランド沖海戦 Part7

君は助けたかった、名前も判らぬ龍の子だけは・・・・


人類消滅まで ・・・ アト 73 日

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