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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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第5章 蒼空の魔砲師 Ep6 蒼空の魔砲師 Part10

ミリアの危機を救わんとする魔砲師ミハル。

放った一撃の結末は如何に?


と、いう訳で。

ミリアたんの寝姿を・・・どうぞ!


挿絵(By みてみん)


 金色の光弾が、4機の直ぐ上空まで飛来した・・・


爆弾倉から、第一弾が放たれる寸前の事。


  (( カッ ))


その光に4機の監視モニターが目晦ましを受ける。

爆光が4機を包み込む・・・


光が収まると、まるでタコが獲物を攫むかのように白煙が4機に襲い掛かった。


白煙に掴みかかられた重爆が、いとも容易く黒煙を曳き始め・・・


  (( バカッンッ ))


その中の一機は、片翼リングを引き千切られてもんどりうって墜落を始めた。 


  (( グワラララァッ ))


また一機が仲間の一機にぶつかって、絡み合いながら墜落する。




「ひょぉおおぉっ?!ミハルの奴、どっからあんな弾を仕入れたんや?」


後方で成り行きを見詰めていたホマレが、度肝を抜かれて驚く。

一撃で手ごわい重爆を3機も確実撃墜したエースに。


しかし、当のミハルは損傷したものの撃墜を免れた敵に、

付き纏う様に一緒になって急降下を始めた。


「な?なんや?なんで突っ込むのや?」


ミハルの動きに戸惑いながらも、緑のホマレは追いかけ続ける事にした。




「墜ちるのなら爆弾を投棄しなさい!

 そのまま墜ちたら、みんなの所に被害が及んじゃうんだから!」


魔砲を機銃に戻したミハルが、必死に追い縋るのは撃墜を免れた残りの一機。


緩い降下を続け、あくまでも目標に投弾を試みようとしているのか。


「やめて!

 そこにいるのは私の大切な人達なのよ!

 やめてったらやめてぇっ!」


手の届きそうで届かないまどろっこしさ。

叫びが、助けようとしている人に届きそうで届けられない悲しさ。


なにもかも・・・一瞬の出来事だった。


ミハルの叫びが届いたのか・・・届かなかったというのか。

結末は意外な展開を見せる事となる。


 ((ヒュゥンッ))


地上から一発の高角砲弾が重爆撃機に突き刺さった、爆弾倉へと。


 (( バッグワアアァンッ ))


爆弾が誘爆したのか、殲17重爆撃機が黒煙と共に消し飛んだ。



目の前に突如現れた爆発に驚く暇もなく避けるミハルが。


「なに?何が起きたのルシちゃん?!」


訳が解らずに守護神に訊ねてみたのだが、答えより早く気付いた。

下方に見える陣地から、砲煙が流れている事に。


「あっ、あそこから?

 対空砲火が命中したんだ!」


緩い降下を行いながら、それでも目標へ投弾しようと試みた敵機は、

フェアリア地上部隊の対空射撃によって撃墜されたのだ。

手負いとはいえ、重爆を一撃で・・・

いや、たったの一発で叩き落せる射撃術を持ち合わせている者が居るとしたら。


「まさか・・・まさか、だよね?」


地上から戦車砲で、重爆撃機を叩き墜とす離れ技を持ち合わせている者とは?




仰角を執った砲身から発射煙が立ち上っていた。


その巨砲は長砲身を誇る10センチ砲。

単に仰角を執るだけでは角度が足らない為、車体を瓦礫に伸し上げていた。


  <<ケーニヒス・ティーゲル>>


重戦車の王たる姿。

その砲塔側面には<双璧の魔女>の紋章が描かれていた。


挿絵(By みてみん)


車長用キューポラハッチが開き、中から出てきた少年が空に向かって親指を立てると。


「蒼空に掲げる勝利の華は魔砲師の務め。そうだろ、ミハル姉!」


キングタイガーのハッチから青空に向かって呼びかけるのは、

男の子にして伝説の魔女の後継者たる・・・マモル少尉の雄姿だった。

そして、砲手用ハッチからは。


「全く、独りで無茶をして。

 こんなに親を心配をさせるとは、我が娘ながら・・・」


メガネをかけたマコトの姿が出てきて呟くと。

車体前方の操縦手ハッチからは。


「でもね、あなた。

 ミハルは絶対に護ろうとすると言ったじゃないの。

 あなたも、マモルも・・・それに私だって・・・ね」


長く伸びた髪を紅いリボンで括ったミユキが蒼い空を見上げて微笑んだ。


3人の乗るHTー7(ケーニヒス・ティーガー)の上空で旋回するミハルが驚きの表情で見下ろしていた。


「まさか・・・とは、思ったけど。

 本当にまさか・・・だよね。

 戦車家族とはこの事だよね・・・本当にもう・・・」


苦笑いしたミハルが、高度を下げて狙われていた地上部隊に目を向ける。


「ミリアは大丈夫なのかな?

 みんなは無事なのかな?損傷しているようだけど?」


3両の内、1両は煙を噴き、大破しているかのように見えた。

動きを停めている3両に近づくと、大声で呼びかける。


「ミリア!

 ミリア少尉はどこなの?!居たら返事をしなさいっ!」


思わず命令口調で叫んだミハルが、損傷の見えない小隊長車らしい一両に降り、

急いでキューポラの開閉ハンドルを廻そうとした時。


  ((カチャッ))


廻すより早くハッチが中から開けられて、赤栗毛が現れる。


「センパイィー、そんなに怒鳴らないでくださいよぉ!」


硝煙で煤まみれになった笑顔がミハルに微笑む。


「ミ・・・ミリアっ!

 あなたの声が・・・ミリアが別れを告げる声が私を呼んだんだよ?

 だからっ、だからっ!」


ハッチから半身を出した後輩に、ミハルが叫ぶと。


「先輩。

 もうお別れだと覚悟していたのに・・・また目の前に・・・

 私の眼に写っているのは本物のミハル大尉殿ですか?」


微笑んだままミリアは目を擦った。

涙が溢れ出る目を誤魔化すかのように。


「馬鹿っ!ミリアの馬鹿!

 心配したんだからっ!そんな風に言うのならもう助けになんかこないからっ!」


涙を誤魔化すミリアに抱き着いたミハルが叫んだ。

歓喜の叫びを・・・友が無事に生き残ってくれた事への感謝を込めて。


「先輩っ、部下の前ですから。

 部下の・・・前・・・だから・・・センパイ・・・ミハル先輩!」


強く抱きしめられたミリアも拒む言葉とは逆に抱き返し、涙を零す。




「ほーか、ほぉーか!

 なんでこないに必死で闘こぉたのかと思ったら。

 百合仲間を救う為やった・・・と、いう事か!」


二人の頭上からホマレが、うんうん頷きながら声を掛けてきた。


「な?百合仲間なんかじゃありません。大切な友です!」


ミハルが違うんだと断言して抗ったが。


「いえいえ、ホマレ3尉の仰られる通りですよぉ~」


抱き着いたままで、ミリアがスリスリとミハルの胸に頭を埋める。


「こんのぉっ!馬鹿チンがぁっ!」


怒鳴るついでにミリアの頭に拳骨を喰らわせる、案外な損な娘。

でも、その表情は笑みを零し、まんざらでもなさそうに観えたのだが?


挿絵(By みてみん)



「それはそうとやな、ミハル。

 ドックの方は相当手酷くやられてもうたみたいやが。

 どないする?」


他人事ひとごとみたいに無責任な声をかけながら緑の魔法衣を靡かせて、

ドックに立ち上る爆焔に肩を竦めて見せるホマレが続いて言う。


「ウチ等が居らんうちに、ミノリ姉さんが。

 あのお稲荷様が、仕出かしたようやな・・・魔鋼の術を」


ホマレに続いて観たミハルの眼に飛び込んできたのは。


「あっ?!ああっ!ドックの天井が・・・って。アレ?」


爆弾の直撃を数発受けて崩れ去った後に、見慣れぬ艦橋が現存していた。


「あははっ、そんならそうと言ってくれればええのに・・・な。

 ミノリ姉さんの魔鋼力は、魔砲じゃなくて純然たる盾の力なんや。

 なんでもバリヤーとか云う、けったいな力なんやそうやけど・・・」


ホマレがミハル達に教えて振り返ったら、腰を抜かしたようにへたり込んでいるミハルの姿が。


「早く言っておいてよね!そんな大事な事!」


座り込んで喚くミハルに片手で謝りながら。


「すまんすまん!ミノリ姉さんの守護神様は気分が乗らないと術を放たないから。

 多分・・・油揚げでも食べさせて、シテ貰ったんじゃないんかなぁ(棒)」


守護神がそんな事で気分が良くなるとは思えなかったが。

ミハルは正直、ほっと胸を撫で降ろして居た。


「どうやらそのようだな。

 あの東洋の狐は気分やなのだろう・・・多分」


ひょっこり現れた毛玉も納得したかのように頷き認める。


「ルシちゃんまで・・・もう。

 でも、良かったね、一時はどうなる事かと・・・」


ほっとしたミハルが毛玉に答えると、その紅き毛玉が瞳を細めて。


「だが、防御だけでは闘えないぞミハル、それにホマレ。

 まだ敵はその片鱗しか拝ませておらんのだからな。

 次はフェアリアを殲滅する為に、本隊を向けてくるだろう」


次なる攻撃を予見してみせるのだった。


「本隊?

 いったいそれは・・・?」


ミハルの問いかけに答えたのは。


「日の本を襲った・・・空中戦艦。

 いいや、敵が地上の全てを破壊せしめる為に作った空中要塞・・・」



ホマレの眼が彼方の雲を睨んで、ルシファーの告げた答えを教えた。

仲間の窮地を救ったミハル達の前に、現れようとしている敵の本隊とは?


ルシファーもホマレも知っている敵の本隊に、ミハルは警戒感を募らせていた。


次回に、とうとうあの娘が登場?!

ミハルのついとなる娘・・・その名は「みはりゅ」


みはりゅ「気安く呼び捨てるな!」


・・・・だ、そうです。


次回 蒼空あおそら魔砲師マギカガンナー Part11

君は光と闇の混在する中から現れた娘を知るだろう・・・殲滅の女神の名を。

 人類消滅まで ・・・アト 128 日

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