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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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魔鋼騎戦記フェアリア第2章エレニア大戦車戦Ep1街道上の悪魔Act6偵察任務

捕まったミハルを奪還しようと、キャミーとミリアが突入する?!

「ミハルが連れ込まれて、何分経つ?」


キャミーがミリアに問う。


「きっかり20分ですキャミーさん!」


ミリアがミリタリー腕時計を確認して答える。


「もう、限界だな。何としてもミハルを助けないと!」


キャミーが腰のホルスターから、銃を抜き出して安全切替ボタンを作動させて両手で構える。


「援軍を呼んだ方が良いのでは?」


ミリアがキャミーに問い質す。


「そんなもん待っていたらミハルの身が危ない、下手をすれば殺されてしまうぞ?!」


キャミーはミリアの提案を拒否して突入のタイミングを測る。


「どう言う意味ですか?」


キャミーの言葉が理解出来なくて、ミリアは訊いた。


「お前も見てたろ。

 ミハルの手を引く大男を。

 どうみてもミハルをただで済ませる感じじゃない。

 それに見ただろう?

 あんな大男の相手をさせられたら、あたしだって壊されちまう。

 あいつが凶悪な男なら・・・ミハルに何をするか判らないぞ?

 下手をするとだな・・・

 その・・・内臓を突き破られて死んじまうかもしれないってことだ」


キャミーが真剣に話している横で、ミリアは真っ赤な顔をして下腹部を押えて震えた。


ミリアの脳裏にはお風呂場で見たミハルの裸体が大男に襲われる所が描かれる。


挿絵(By みてみん)



パニックになったミリアが眼を廻す。


「たっ、大変ですっ!キャミーさん突入しましょう。辞めさせましょう!」


ミリアは目をグルグル廻して鞄から大型手榴弾を取り出し片手にルガーを持って叫ぶと。


「うわあああっ!突撃ーっ!」


脇目も振らず店内に突入した。


「うわっ、こら待てミリア!」


キャミーの制止を振り切ってミリアが乱入する。


「ミハル先輩を返すのです。さもないとこの手榴弾を爆発させます!」


「皆っ!動くな、動いた奴はどいつでも撃つぞっ!」


遅れて入ったキャミーが店内の全員に向けてベレッタを構える。


不意を疲れた帝国兵は小銃を構える暇も無かった。

手に手に酒の入ったグラスを持つだけで、皆が皆固まった。


ー  よし、制圧は旨くいったぞ。後はミハルの無事を祈るだけだ!


キャミーがゆっくりと帝国軍人に銃を突き付けて詰問する。


「あの大男が連れて入った娘は何処に居る。大人しく答えるんだ!」


静かに兵隊に銃を突き付けて居場所を訊く。


その兵隊が目で奥の部屋を指すと拳銃を構えたまま。


「よし、お前達はそこで両手を挙げて立っていろ。

 少しでも動いたら撃つぞ。

 おいミリア、こいつらの武装を取り上げろ!」


キャミーの命令で、ミリアは小銃を蹴って兵隊から離れさす。


「動かないで下さいよ。動いたら撃ちますからね」


ミリアは今更ながらドキドキして、両手を挙げた兵隊に銃を突き付ける。


キャミーは奥の部屋に近付いて、

兵隊と奥の部屋とを交互に見て中へ入るタイミングを計った。


だがその時、一人の兵隊ロカモフ上等兵がミリアに掴みかかろうと体を動かした。


((バァーーン))


キャミーが天井に向けてベレッタを発砲した。

途端にロカモフ上等兵は、両手を挙げる姿勢に戻る。


「ミリア次に動きやがったら、遠慮はいらねぇ撃倒せ!」


脅し文句を言って兵隊達を睨んで、部屋の中に居る筈の大男とミハルの気配を探った。






「どうやら、ミハル君の友人が来たみたいだね」


銃声を聞いたクーロフがアリシアに教えると。


「アリシアもう少しだけ待って貰えないかな。

 シマダ君は無事解放するから。

 シマダ君に別れを言う間だけ待って貰ってくれ」


クーロフ大尉はアリシアに向ってお願いした後に。


「シマダ君、君と会えて良かったよ。

 久しぶりに日の本の人と会えて・・・お礼が言えて。

 その君がまさかフェアリアの魔鋼騎乗りだったなんてな。

 人の運命は解らないものだね。

 でも何故シマダ君は外国人なのにフェアリアの戦車乗りになったんだい?」


大男のくせに優しい口調で話す大尉。

このクーロフ大尉に何の敵愾心も湧かないミハルは素直に応える。


「私も好きで戦車乗りになった訳ではないのです。

 両親を失ったのは本当です。

 そして身寄りの無い私には弟が居るのです。

 その弟を護る為に戦車乗りに・・・モルモットにされたのです。

 ・・・信じて下さいクーロフさん」


ミハルの言葉にクーロフは悲し気な表情になる。


「シマダ君、オレ達は似た様な運命なのだな。

 オレ達も帝国の圧政の為に嫌々戦争に狩り出されたんだ。

 誰が好き好んで闘うものか、殺すものか。

 どうか解って欲しい。

 帝国の中にもこの戦争を嫌っている者が居ると言う事を」


クーロフ大尉はミハルに握手を求める。

その大きな手をしっかりと握り返すと。


「クーロフさん。あなたに逢えて良かった。

 あなたの様な人と話せて良かった。

 この戦争が終わったら、きっとお会い出来る日を待っています」


ミハルはクーロフ大尉に感謝して別れを告げる。


「その時はきっとお酒が飲めるでしょうね。

 ゆっくり語り合いたいですね。シマダ・ミハル騎士殿」


クーロフ大尉は最後にナイトの称号を使って別れを惜しんだ。





「おっ!ミハル無事か!?」


キャミーが大男と共に部屋から出て来るミハルに声を掛ける。


「ミハル先輩、さあ、こちらへ!」


ミリアが出口の方へいざなうのをよそに、ミハルはクーロフ大尉と最後の握手を交わす。


「では、クーロフ大尉、ごきげんよう。

 無事に故郷へ帰られます様に祈っています!」


そう言うミハルに大男のクーロフも微笑みを返して言うのだった。


「シマダ・ミハル君も、どうかご無事に姉弟で日の本へ帰られます様、祈っております」


2人はお互いを見つめあって別れを惜しんだ。


「は?」


「何ですか・・・それ?」


キャミーとミリアそれにロカモフ達帝国軍人もあっけにとられて、2人を見て呆然となる。


「さあ、お嬢さん方、銃をしまいなさい。

 シマダ君をお返しします。

 おいっ、お前達も銃を取るな!」


クーロフ大尉の命令でロカモフ上等兵達は動かなかった。


「お、おいっミハル。大丈夫なのかよ?」


「ミハル先輩。

 どこにも・・その、傷付けられませんでしたか?」


2人がこもごも心配して訊いてくるが、ミハルはクーロフを見返して手を振った。


その手に答える様にクーロフも、また手を振ってミハルを見送った。



敵の戦車隊隊長のクーロフと心を通わすミハル。


敵の中にも立派な人間も居るものだと感じていた。

そんな中、ミハルの報告を受けてリーンはアラカンの奪還を司令部に具申する。


次回 堕ちるミハル

君は心を通わせる者を助けられますか?

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