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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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魔鋼騎戦記フェアリア 第3章双璧の魔女Ep4革命Act31闇の存在Part3

挿絵(By みてみん)


落ち込むミハル・・・。

彼女の心は今?

「それは一体誰を指していると言うの?」


リーンが答えを求める。


「この世界を自らの手に治め様と目論む者。その呼び名は・・・。」

「・・・真総統・・・。」


リーンはミハルの答えに驚愕する。

頷いたミハルが、


「リーンも知っていたんだね。闇の主人を・・・。

 全てを超えて世界を我が物としようとしている者を。」


「うん・・・。何度かその呼び名を聴いた事があったからね。」


頷くミハルにリーンが答えた。


「でも、ミハル・・・。ヘスラーがその真総統の下僕だったとして・・・。

 その真総統がお父様に、どうして力を貸してくれたと言うの。

 何が真総統の狙いなの?」


リーンが何故悪魔の力をシマダ教授が授かったのか、

何故マジカを救う事に、闇の者が助けを指し伸ばしてきたのかを尋ねる。


「それは解らない・・・魂の転移が実際に人の手で行えると解ったのなら・・・

 その技術を使って何を行おうとしていたのか・・・。

 リーンも私も忘れては居ない筈だよ。マリーさんと闘った事を。

 私がルシファーの力で戦車と同化して闘った事を。

 ・・・独りの魂で戦車を操って闘った事を。」

「あっ!」


ミハルの説明にリーンが恐るべき事実を思い出した。


「真総統の狙いは・・・戦車に魂を同化させた軍隊を作る事?

 少数の魂で、最強の軍隊を作るという目的の為だと?」


リーンはその技術を使えるのがシマダ教授、唯一人だと思った。


「リーン・・・父さんと母さんを連れ戻す事が出来ないのなら・・・

 その技術を拡められる前に・・・。」


うな垂れていたミハルが、リーンに向って思い詰めていた事を言った。


「魔王の力で、闇の軍隊を作られる前に・・・私が。

 <光と闇を抱く>この私が、父さんを倒す。

 私が・・・抹殺するしかないの!」


挿絵(By みてみん)


それが宿命さだめとでも言いたげに、ミハルが叫んだ。


「ミハル!?あなた・・・何を言っているのか解っているの?

 あなたがお父様を・・・自分の父を殺せる訳がないでしょう?

 救わなければいけないと言わなければ・・・

 助け出そうってマモル君と約束してたじゃないの。」


リーンはミハルとマモルが約束を交わしているのを思い出して、荒れる心を諌めようとするが。


「リーン・・・もし、父さんが・・・手遅れだったら。

 闇の者と化していたのなら・・・滅ぼさなくてはいけないの。

 それが実の父であろうとも。

 人々に害する者と化していたのなら、

 天の使徒たる私に与えられた宿命さだめによって・・・

 滅ぼさなくてはいけない運命なんだ・・・この神の使徒たる私が。」


黙って聴いていたリーンがふうっとため息を吐く。


「ミハル・・・ショックだったのは解るけど。

 冷静になりなさい。そしてもう一度考え直しなさい。」


ため息混ざりに、リーンが考え直す様に言う。


「考え直す?私は冷静だよ。

 闇に堕ちた者を祓うのが巫女の務め、

 悪魔に魂を売り渡した者を滅ぼすのが、神の使徒たる務め。

 それは私にしか出来ない事なんだから。」


リーンの戒めに抗うミハル。


「ミハル・・・それがあなたの宿命さだめなのは解っているけど・・・。

 シマダ教授が闇へ完全に堕ちたというのなら。

 お母様を救う事を続けるかしら?

 闇の者が自分の愛する者を助けようとするかしら。

 シマダ教授には、まだ心がある。

 人の心が・・・愛する者を救おうとする大切な想いが。」


「  - ! -  」


リーンの諭しに、ミハルが気付く。


「リ・・・リーン。」


瞳の中に希望のともった。


「ね、ミハル。気が付いたかしら。」


リーンは微笑み掛ける。

まるで女神の様に。


「あ・・・。」


その微笑は、自分へ向けられた最高の福音ふくいん


<ポロ ポロ ポロ>


知らず知らずにミハルは涙を零していた。


「あら・・・ミハル。

 その涙は残しておいた方が善いわよ。

 御両親を救えた時まで。」


リーンが泣くミハルにウィンクをして諭した。


「うん・・・うん。ありがとうリーン、ありがとう。」


ミハルにはリーンが女神にも思えた。


感謝の言葉を告げたミハルが思いの丈をぶつける様に、リーンに縋ろうと手を伸ばす。


「ふっ、ミハル。また御主人様に心配掛けたのね。オシオキが必要な様ね。」

「ふぇ?」


伸ばした手が停まる。


「はい、お手!」


<ポンッ>


「ひゃああっ!?リーン・・・いえ、御主人様ぁ!?」


リーンの魔法は最強だった。


それは<笑顔の魔法>。

その微笑がミハルの心を癒し、希望を抱かせる・・・最強の魔法。


リーンの微笑みにペットと化したミハルは、心の傷を癒される。

その交わした手の温もりに、信じあえる喜びを感じて。



____________



「あの娘は、どんな魔法を使ったのかしら。」

「あの娘?ミハル君の事かい?」


星空のもと、ユーリがカスターに話し掛ける。


「いいえ、リーンの事よ。

 カスター、あの・・・私の知らない間にどんどん立派になっていくの。

 まるで母様の様に・・・優しく力強くなっていく。」


星を仰ぎ見て、ユーリが教えた。


「リーン・・・か。確かにこの一年戦争で見違える程、逞しくなったな。

 でも、それはユーリにも言えるよ。」


答えたカスターにユーリが微笑む。


「そう?私は何も変わらないわ。

 変わったと言えるのは、あなたの愛を手に入れられた事位かしら。」

「そうだね。僕も変わったさユーリ。

 君を手に入れられる事が出来たのだから。」


微笑むユーリにそっと手を伸ばし引き寄せるカスター。


「ご っ ほ ん っ!」


<びっくっぅっ!>


咳払いに、ユーリとカスターが跳ね上がって驚く。


「あー。ちょっとお邪魔だったかな。」


スーツを着た大人のマジカが二人に声を掛けた。


「あ・・・マジカ。どうしたのこんな夜中に?」


言い繕うユーリにマジカは笑って、


「いや、早急に知らせねばならない情報が入ったんでね。知らせに来たんだ。」

「情報だって?」


カスターが聞き返す。



「うん・・・リンが妖しい者を捕まえたんだ。」

「妖しい者?」


ユーリが更に尋ねる。


「ああ・・・聖教会の下僕。

 アンネとか言う者なんだが・・・知っているかい?」

気付かされたミハル。

その想いは霧が晴れたかの様に、清々しかった。

リンが捕えたのは、アンネ。

聖教会の下僕アンネが知らせた事とは?


次回 闇の存在 Part4

君はその存在に耳を疑う・・・その呼び名を知っていたから。

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