魔鋼騎戦記フェアリア第3章双璧の魔女Ep4革命Act24ラストバトル<決戦> Part2
ミハル達2号車が<ギガンティス>後部副砲2基を破壊する事に成功した。
その様子を見ていたリーン達は・・・。
「ははっ、やはり姉さんをあの位置のままにしておいて良かったですね、隊長。」
「まあ、そうなるな。」
マモルにぶすっとした顔で答えるリーンに、
「隊長、何か問題でも?
リーン隊長の狙った通り、ミハル姉さんが後部の2砲台を撃破したのですけど・・・。」
最初からリーンがミハルをあの位置に居続けさせた理由は、
ロッソアの戦車隊を右舷へ廻らせ<ギガンティス>がそれを追い掛け射撃を行うと読んでの事だった。
「まあ、ミハルの事だから黙ってはいないとは思ったけど。
両方共破壊出来るなんて思っていなかったわよ。
私が助けに来る必要なんて無かったんじゃないの。」
リーンがぶすっとしていた訳が判り、マモルが微笑んで言った。
「そんな事はないですよ隊長。
だってさっき無線で姉さんは喜んでいましたから。
僕達が戻って来てくれてありがとうと、礼を言いましたから。
ピンチでなければ、姉さんはきっとこう言ったでしょう。」
「え?それは?」
マモルにリーンが尋ねる。
「自分達が倒せると感じているのならきっと僕達にこう言ったでしょうね。
<なぜ戻ってきたの。>って。
怒りながら僕達の身を心配して・・・。」
微笑んだマモルがリーンに、ミハルが本当に感謝していた事を教えた。
「まあ・・・ね。
相手が相手だけに私達とミハル達2両では歯が立たなかったでしょうから。
仲間が多いって・・・良い事ね。」
「はい。」
リーンとマモルは<ギガンティス>を倒すべく集う味方戦車を見てそう話を締めくくった。
「味方・・・ロッソア中戦車2両撃破されました!」
タルトが振り向きもせず、報告する。
「タルト停車っ!目標右舷側面砲塔っ!」
照準器に捉えた砲塔側面を十字線に合わせたミハルの指がトリガーに触れる。
「撃っ!」
停車と同時に発砲する。
命中した魔鋼弾で、その砲塔が使用不能となったようで砲身がうな垂れた。
「よしっ破壊。右舷側は後、前部砲塔だけだ。」
3基の砲塔を破壊する事に成功したミハルが前部砲塔を見ると、
<ガガーンッ>
その砲塔が炎を上げて噴き飛んだ。
「うん。ロッソアの戦車隊もやりますね。」
タルトも炎を上げて破壊された前部砲塔を見上げて頷く。
「よしっ、タルト次は左舷の副砲を狙うわよ。」
ミハルがフェアリア軍が受け持っている左舷側に廻り込む様に命じ、
「副砲を破壊したけど、まだ武器が残っているかも知れないから注意して。」
完全に安全だとは言い切れないからと忠告し、
「これからリーン達1号車に合流しよう!」
1号車の居る左舷側に向う事を命じた。
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「うぬぬっ、小五月蝿い者共め!
副砲を壊されたとしても、お前達の砲ではこの<ギガンティス>の装甲は敗れはしない。
こうなれば主砲で薙ぎ払ってくれる。」
バローニアはその凶悪な32センチ主砲に俯角を着ける。
「先ずは手始めにフェアリア軍からだ!」
左舷に向けられていた主砲に俯角を着けた<ギガンティス>が、射撃態勢に入った。
「消し跳んでしまえっ!」
バローニアが主砲射撃ボタンを押す。
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「リーン! リーン! <ギガンティス>の主砲の軸線から皆を退けて!」
ミハルが叫ぶ。
マイクロフォンに向けて。
<ギガンティス>の主砲が俯角制限ギリギリまで下ってきたのを見て、
バローニアが射撃を行うつもりだと感じたミハルが
威力範囲から味方を遠ざける為にリーンに求めた。
「バローニアは主砲を撃つ気だよ。
リーン、早く皆を軸線から遠ざけて!」
ミハルの求めにリーンが応える。
「各車、主砲軸線に注意!奴は射撃する気だ!」
そう、リーンが警告した時、
<グワアアンッ>
その凶悪な主砲が火を噴いた。
発射煙が棚引く間も無く、
<グワッダダンッ>
着弾と同時に弾頭700キログラムが炸裂した。
その危害半径は200メートルに及ぶ。
爆発と同時にその半径に居る者は何らかの被害を被る事になる。
避けきれなかったパンター数両が爆風と共に横倒しとなる。
32センチ砲弾とは、それ程の威力を持っているのだ。
「味方パンター数両が巻き込まれた模様!」
タルトが前方でひっくり返った中戦車を確認した。
「でも、極大魔鋼弾でなくて良かった。次は回避出来る。」
ミハルはこの場所で魔法使いの魂を奪う極大魔鋼弾を撃たれる事を畏れていた。
ーここに集まった戦車は統べて魔鋼騎。
魔法使いが乗っているだもの・・・私を含めて。-
バローニアがいつ極大魔鋼弾を放つか解らない中、
あの主砲を撃てなくする方法を考えるが、破壊するしか思い浮かばない。
ーあの厚い装甲を破るなんて私達の砲では不可能だ。どうすれば・・・。-
巨大な砲塔を見詰めて考える。
そして次弾を装填する為に砲身を水平に戻した<ギガンティス>全体を眺め直して、
ー駄目だ。例えキャタピラを壊して動けなくしても肝心の主砲は撃つ事が出来る。
あの将軍がいつ極大魔鋼弾を放つか解らないもの・・・。-
眺めていたミハルの眼が過去の闘いを思い返して、とある事を思い出した。
ーあの闘い・・・マモルを救った時、マリーベルさんと闘った時。
私は撃った・・・砲口を。
あの時は砲口の中には飛び込まなかったけど・・・今度は砲身の方が太い。
この10センチ砲弾なら砲身内に飛び込ませる事が出来るんだ・・・。
一か八か・・・いえ、私がやらなければいけないんだ。-
ミハルは思い出した闘いを元に、狙う。
唯一箇所だけの弱点を。
どんな戦車だろうが持っている装甲のない場所。
どんなに防御が優れていたとしても、攻撃の為に持たざるを得ない、たった一つの穴を。
ーでも・・・外してしまえば、私達が消し飛ばされる事になる。
タイミング一つ間違えば命を失うのは私達の方・・・。-
じっと水平に保たれ装填を行っているであろう砲身を見詰めて考える。
ー私一人なら何もなやむ事はない・・・。
でも、今は私の外に4人が乗っているんだ。
もし此処にルシファーが居たなら、
お願いしているんだろうな・・・魂を同化させて欲しいと。-
ミハルは車内へ視線を巡らす。
ミハルは悩む・・・一人ならこんなに悩む事も無いと想いながら。
その想いは仲間達に届いたのか?
決断の時が迫る。
次回 ラストバトル<決戦> Part2
君の決断に、友は心を一つに纏ってくれるだろうか・・・





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