魔鋼騎戦記フェアリア第3章双璧の魔女Ep4革命Act13女の感?中編
「ねぇ、リーン?どうしたの、この間からずっと変だよ?」
手を曳かれながらミハルが訊く。
「そうよ!私は変になっちゃったの。
ミハルが浮気するから、変になっちゃったの!」
「浮気?なんの事?」
ミハルが全く検討が尽かずに聴き返す。
「むぅ。まだ私が知らないとでも?」
「? 何を言っているのか解らないよ。
どうして私が浮気なんてするの?
どうしてリーン以外の人を愛してしまう事が出来るの?」
ミハルがリーンに抗議すると、振り返ったリーンが、
「じゃあ、ミハルはその毛玉に何を求めたの?
どうして一緒に居るの?
あなたは宿す事を認めているの?」
「は・・・い?リーン・・・何か誤解しているでしょう?
ルシちゃんは私の恩人だよ。
そして友達になったんだよ。皆とも・・・。」
ミハルがリーンの言葉に半ば驚き、半ば悲しむ。
「リーン・・・どうしてそんな事を言うの?
ルシちゃんは私を護ってくれているんだよ。
前の闘いの時だって、私を力の限り護ってくれた。約束を果たす為に。
私の魂が闇に堕ちるのを防いでくれたというのに・・・。」
ミハルが俯いてリーンに教えた。
「そう。でも毛玉はそうは思っていないよね。
ミハルの事が好きなんでしょう。
隙があれば独占したいと思っているのでしょう?」
リーンがミハルの胸の中に居るルシちゃんに問う。
<ポウッ>
リーンの言葉に反応した毛玉が現れた。
「そなた・・・何か想い違いをしておるようだな。
確かに余はミハルを欲してはおるが、それは清き魂の事。
肉体には興味などない。」
毛玉が断言する。
「魂ね・・・。でもそれでも変わりが無いわ。
ミハルは私のモノなんだから。
一歩も退けないわ!」
リーンが毛玉を指差し、譲らないと言い張る。
「あ・・・あの。御2人供・・・落ち着いて。」
「ミハルは黙ってなさいっ!」
「ひぃっ。す・・・すみません。」
鬼の形相になったリーンに、怒鳴られてミハルが怯える。
「むぅ、ミハルを害するのならば余は黙ってはおけぬぞ・・・聖王女よ。」
毛玉がミハルが怯えているのに感付き、リーンに警告を与える。
「だったらどうするのよ、毛玉野郎。
ミハルは絶対渡さない、譲らないっ!」
リーンが毛玉に勝負を挑む。
「あ・・・リーン、やめようよ。
私は最初から言ってるでしょ。愛しているのはリーンだけだって。」
堪らずミハルが止めに入るが。
「ミハルは其処に座ってなさいっ!お座りっ!!」
<ペタン>
「あ・・・リーン・・・酷い。」
折角止めているのに術を使って座らされたミハルが、涙目になって悲しむ。
「むぅ。ミハルを泣かせたな。
それはミハルに害したと言う事になるぞ、聖王女よ。」
毛玉の瞳が鋭くなる。
「あ・・・2人供。やめて・・・やめてよ。」
ミハルが2人を止めに掛かる。
「うむ・・・ミハルが止めるのならば余は、従うまでだ。」
ほっとしたミハルが今度はリーンに訊く。
「ねぇリーン。ルシちゃんは闘わないって。
だから、もう怒らないで仲良くしようよ。」
ミハルがリーンにお願いするが、
「駄目よ!私はミハルを離す気はこれっぽっちもないわ!
毛玉とミハルを賭けて勝負するから。さっさと闘いなさい!」
リーンが身構えて勝負を挑む。
「そう言っておるが・・・どうするミハルよ?」
「駄目!絶対喧嘩なんてしちゃ駄目!」
ミハルが止めても。
「さあ!こっちに来なさい。
ミハルの目が気になるのなら、場所を変えるわ!」
リーンは一方的に部屋の中に入って行った。
「あ・・・リーン!?どうして言う事を訊いてくれないの?」
ミハルが悲しくなって泣いてしまう。
「ミハル・・・泣かなくていい。
彼女にきちっと説明してくるさ。待ってておくれ。」
突然毛玉の声色が変わった。
「えっ?ルシ・・・ファー?」
その声色に気付いたミハルが目を上げた時には、毛玉の姿はリーンの入った部屋へと消えていた。
「あっ!?ルシファーっ!その姿は?」
毛玉が部屋へと入り、ドアが閉まる時、確かに人影が見えた気がした。
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ドアの中からリーンと毛玉の声がする。
だが、内容は良く聞こえなかった。
数分後・・・。
<ガチャ>
ドアが開いて、毛玉が何事も無かった様に出て来た。
「あ・・・ルシちゃん?リーンは?」
未だお座りの術から解き放たれていないミハルが、座ったままで訊くと。
「うむ。良く解ってくれた様だ。
これでリーンも、ミハルに辛く当らないだろう。」
事も無げに毛玉が言った。
「え?ホント?・・・って。リーンは?」
未だ部屋から出て来ないリーンを訊く。
「うん?ああ、少しばかり横になっているが・・・呼んでみたらどうだ。」
毛玉がフワフワ浮きながら勧める。
「うん・・・リーン?出て来て。
それと術を解いて。私、座ったままで動けないんだよ?」
ミハルがお座りのポーズを執らされたままなのを解いて欲しいと呼び掛ける。
<フワッ>
どうやら術は解けたようだが・・・。
「リーン?どう?解ってくれた?」
部屋の中に声を掛けて入っていくと、そこには長椅子に横たわり泣いているリーンの姿があった。
「ど、どうしたのリーン?何故泣いているの?」
その姿に驚いたミハルが訊く。
「ううっ、ミハルぅ。ミハルぅ・・・ぐすんぐすん。」
べそべそ泣いているリーンが涙でぐしょぐしょの顔を向けて呼びかけてくる。
「え?何?どうしたのリーン?」
ぐしゃぐしゃの泣き顔でリーンが、ミハルに飛びついてミハルを抱締める。
「ごめんっ、ごめんねミハルっ。
私が馬鹿だった。私っ何も知らないのに勝手に怒ってた。ごめんなさいっ!」
「え?・・・うん。」
泣くリーンをそっと抱き返すミハルに、リーンが謝る。
「ミハルがあんな苦しい辛い想いをしても、私を信じ私を愛してくれているのに・・・。
私はミハルを疑ってしまった。ごめんなさい・・・許して。」
リーンが泣いて謝る。
「ルシちゃんに何を教えられたの?何を聴いたの?」
ミハルが優しく問い掛ける。
「ミハルがどうして魂を転移させてまで闘ったのか。
どんな想いで闘い続けたのか・・・を。
教えられた・・・そしてルシファーとの誓いの事も・・・ね。」
リーンが呟く様にミハルに答えた。
最期の言葉にミハルは少し声を荒げて、
「ルシちゃん!」
毛玉を呼ぶ。
「余は真実を告げたまでだ。
何も嘘を吐いてはおらん。
ミハルに姿を見せれば余は人となると告げたに過ぎん。」
毛玉は悪びれもせず答え、
「そなたが余を心から信じ、余に愛と言う物を教えてくれた時に・・・
人へ生まれ変わると言ったまでだ。」
「ぎゃあっ。リ・・・リーン。それはその・・・。
私がルシちゃんを愛するのとは違って・・・その・・・あの。」
ミハルがリーンに説明しようと焦ると。
「ううん、ミハル。良く解っているわ。
ルシファーが愛を知るのは、”己”が知る事。
誰かに愛を教えて貰う事。愛する人に信じて貰える事。」
「え・・・?リーン・・・どうしてそれを?」
「・・・ポ」
「・・・ポ?」
2人の間に暫し沈黙が流れる。
「ル・・・シ ちゃん?リーンに何をしたの?」
少し怒り目のミハルが訊く。
「余は何もしておらんぞ?
ミハルには見せておらん真実の姿をリーンに見せて、記憶を渡しただけだ。
余とミハルの馴れ初めを。」
「ぎゃあ!なんて事するのよ、ルシちゃんっ!」
ミハルが叫ぶ。
「ミハル・・・今はミハルの気持ちが良く解る・・・
だからもう、私はあなた達2人の事で、とやかく言わない。
怒ったり焼餅焼いたりしないわ。」
「え?・・・そうなのリーン。」
「そう・・・ポ。」
頬を赤らめたリーンが答える。
「・・・リーン。ルシちゃん?何をしてたの?」
リーンの態度を見て、今度はミハルが拗ねた。
微笑みを、浮かべながら。
誤解が解けて、心配事が無くなったリーン達は次の戦場目掛けて出撃した。
次回 女の感?後編アンド座談会?
君は次なる戦いに向けて旅立つ?





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