魔鋼騎戦記フェアリア第3章双璧の魔女Ep4革命Act13女の感?前編
激しかった戦いを終え、基地へと戻って来ていた第97小隊。
ミハルの新車両がマクドナードの手によって、整備されていた。
「これでいいだろう。どうだ?」
そう言われて、ミリアが見上げる新車両には。
「はあ、相変わらず巧いモンですねぇ、少尉は。」
装甲板に描かれた紋章を見詰めてミリアが感嘆の声を漏らす。
「マクドナード少尉って、画才がありますよねえ。」
ミハルもミリアと同様に見上げてため息を吐く。
3人の前には新車両MMT-9が新たな紋章を掲げて停まっていた。
「それにしても、今度の中戦車。もう重戦車と代わりませんね。」
「そうだね。砲だって88ミリだし、長砲身だからね。
半年前なら、間違いなく重戦車だよ。」
ミハルが答えた通り、一昔なら重戦車とも呼べる位の性能を誇っている。
「前面60度の傾斜装甲は100ミリ。
垂直に弾が当たった時は、160ミリ位の防御力を誇る。」
マクドナードがその装甲板をポンと叩き、
「だが、今ではその装甲板をも簡単に貫く砲が敵にもある。
無敵の装甲という訳ではないぞ。」
そう付け加えた。
「そうですね。
でも、これが魔鋼状態になったら・・・さぞ強いでしょう・・・ねぇセンパイ。」
ミリアが瞳を輝かせてミハルを見る。
「うーん。でも敵も魔鋼騎だったら、無敵ではないし。
相手にも因るんじゃないのかな・・・ミリア?」
ミハルが過信するなと警告すると、
「いーえ、センパイ。センパイなら無双出来ますよ。
どんな相手だって。・・・保障します!」
ミリアはミハルの警告を無視して断言した。
「そうだといいんだけど。」
苦笑いを浮かべてミハルがミリアと話していると、
「ミハル少尉!ミリア先任。大尉がお呼びです。」
ルーンが2人を呼びに来た。
「リーンが?解った、直ぐに行くよ。」
ミハルとミリアが急ぎ、指揮官室へ出向くと・・・其処には。
「ミハル少尉、第2師団ドートル中将から連絡を受けたの。
至急来て欲しいって。
我々第97小隊に出撃要請が来たわ。」
リーンが電報欄をミハルに手渡す。
「成程・・・敵は一斉に後退を始めた。
・・・二日前の戦果がこんなに早く影響するなんて。
・・・頑張った甲斐があったね。」
ミハルが喜んで胸に手を当て、ルシちゃんに報告する。
<ジロリッ>
ミハルに向ってリーンが睨む。
「えっ? ひぃっ!?」
気付いたミハルがその眼に怯み、仰け反った。
「・・・。ミハルセンパイ・・・大尉の前でルシちゃんの事はタブーですから。」
頭に汗を載せたミリアが、袖を引く。
「ひっ、ひゃい。ごめんなさいっ。」
怯えたミハルが謝った。
「むぅ。では、ミハル。出撃の準備に掛かって。2両で向かう。
出撃は13:00、後3時間後よ。」
リーンは出撃準備を命じた。
「はいっ!これより出撃準備に執りかかります!」
ミハルとミリアが敬礼し、命令を受領した。
「先輩っ!良かったですね。
これで暫くは、ロッソアも攻めて来れないでしょう。」
ミリアがミハルに言う。
「うん、何とか守れたかナ、この国を。」
ミハルが応じると、
「友よ、あの闘いでそれ程の効果があがったのか?」
毛玉が現れて訊いた。
「そうよルシちゃん。
ミハルセンパイのおかげで、この国が窮地を脱せたの。凄いでしょう。」
「うむ、それは良かった。ミハルの頑張りが報われたな。」
毛玉が喜ぶ。
「それでロッソア軍は退却を始めたんだよ。
このフェアリアから追い出せるかもしれないんだよ。」
ミリアが毛玉に教えた。
「うん、追い出せはしないかもしれないけど、失地はかなり回復出来るかも知れないね。」
ミハルも先の闘いを想いつつ、ミリアに同意する。
「ある程度は国を守る事が出来ると言う事か?」
毛玉が二人に訊く。
「そうだよ、ルシちゃん。
2人のおかげで私達のフェアリアが守れたんだよ、ありがとう。」
ミリアが、毛玉とミハルに頭を下げ礼を言った。
「うむ・・・。友に礼を言われるというのは善いものだ。そうだなミハル。」
毛玉がフワフワクルクル廻って喜んだ。
「そうね、ルシちゃん。喜んで善いよね。」
ミハルもミリアに微笑んだ。
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「出発の用意が整いました。」
ミリアが一歩前へ出て報告する。
「よし。それでは搭乗する。」
ミハルが敬礼を返し、リーンに向き直り、
「2号車準備よし。搭乗しま・・・ひぃっ!」
気付けばリーンがジトッと見詰めているので、ミハルは仰け反る。
「あ・・・あの。リーン?リーン大尉?」
ジロリと自分を見ているリーンに恐る恐る訊くミハル。
「・・・。ミハル・・・ちょっと良いかしら。」
怖ろしい口調で尋ねられたミハルが、オドオドと答える。
「な・・・なんでしょうか?」
「・・・。少し・・・いいかしら。」
オドオドと畏れているミハルに近付いたリーンが。
「ミハル、少し時間をくれる?訊きたい事があるの!」
有無を言わさぬ口調で言われたミハルが更にオドオドして、
「ひっ、ひゃいっ。解りまひた。」
そう裏返った声で答えると、車両に向き直ったリーンが、
「各員乗車っ!各部のチェックをしておくように!」
強めの声で号令を掛けた。
「は?はあ。了解です。」
ミリアとラミルがリーンとミハルを見て、ため息混ざりに答えた。
「ミハル少尉・・・可哀想に・・・。」
ミリアも半ば諦め顔で2人を見送った。
「ミハルっ、こっちに来なさいっ!」
リーンはミハルの手を強引に引っ張って歩き出した。
「あ・・・リーンっ。ちょっと痛い・・・。」
「黙って付いて来るのっ!」
「・・・ひぃーん。」
涙目のミハルがリーンに連れ去られる。
「あ~あ・・・・。ご愁傷様。」
見ていたルーンが手を合わせて言った。
ミハルはリーンに手を曳かれて、連れられて行った。
そして、意外な事を訊かれる。
次回 女の感? 中編
君は疑われる・・・何も悪気が無いというのに・・・。





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