表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
286/632

魔鋼騎戦記フェアリア第3章双璧の魔女Ep4革命Act8舞闘

挿絵(By みてみん)


金色の瞳になったミハルは闘い続ける。

闇の力を光と替えて・・・。

6両の敵魔鋼騎は、横陣を組んで撃ち続けていた。


ーさあ、撃って来なさい。そしてそのままの位置を執り続けなさい。

 今、私が闘いを教えてあげるから。-


金色のミハルが狙いをつける。


ー横陣を崩すには接近し、その陣形の内懐に入ってしまえば、

 敵は混乱する。味方撃ちを畏れて。-


ミハルは突き進む、真正面から。-


突撃して来るマチハに敵は動揺する。

確かに命中弾を与えている筈なのに、その中戦車は破壊はおろか速力も落とさず、

もう手の届きそうな処まで近寄って来ていたから。


6両の指揮官も解っていた。

このまま、あの中戦車が陣内へ入ってくれば同士討ちの恐れがある事を。


ーやはり、敵は陣内へ潜り込まれるのが嫌なのね。

 でも、それは計算済みよ。-


ミハルが射撃を開始する。

6両はマチハが陣内へ潜り込むのを嫌って一斉に回頭した。


<グオオムッ>


そこを狙ってマチハの75ミリ砲が吼えた。


<ガッ バガーンッ>


6両中、最後尾に居たKG-2のエンジンから炎と煙が上がった。


ーまず一両。-


尚もミハルは敵陣へ突入を図る。

そこを狙撃する他の車両。

だが、致命傷を与えられない。

何故か少しづつ照準がずれて、命中はするのだが貫通出来なかった。

つまり、ダメージは与えられるが一撃撃破は望めそうにないと言う事。

まるで装甲の厚い重戦車と、中戦車や軽戦車の闘い。

自分達が重戦車に乗っているというのに、弾かれる・・・。

ロッソアの魔鋼騎乗り達は思った。


ー奴は悪魔なのか?- と。


それは半分当り、半分は違う。


「まだまだ!まだ闘える。まだ私は負けられないっ!」


ミハルが吼える。

己を鼓舞する為に。

力をすり減らしながらも闘い続ける為にも。


5両からの集中射撃を間一髪の処で、僅かづつ車体を揺らし弾けさせる。

当てられても貫通されないように。

だが、その命中箇所の外版は削れ、破れて傷付いていく。

外装のシェルツェンが破壊され、噴き飛ぶ。

すんでの処で足回りを壊されるのを防ぐ。

その代償として外装部品が壊されてしまう。


ー動きを止められてしまえばもう、闘えない。

 足回りとエンジンだけは護らないと。-


ミハルは譬え車体前面を弾痕でボロボロにされても、

動力系統だけは無傷で済ませようと回避を続ける。

そして一方無線でマモルに知らせ続けた。

作戦の目的を果たす為に。



「ミハル姉さんっ、次は?次の目標を教えて!」


マモルが叫ぶ。


「マモル・・・強くなったね。巧くなったね。

 後少しだから、命中させてね。」


一つの心がマモルを想う。


「ああ!だから早くこんな作戦を終ろうっ姉さん!」

「うん・・・うん。」


ミハルは頷きそして教える。


「次は今の地点より右舷側に10メートル、奥に50メートル。

 目標は2台が重なって停止中。一発の榴弾で2両狙えるから・・・お願い。」

「了解!撃つよっ!」


マモルが射撃を続ける。


ーマモル・・・頼んだよ。-


ミハルは弟の射撃を見守りながら、次々と目標を伝え続ける。


<ガギイィンッ>


「あうっ!」


マチハの前面装甲が遂に破られる。


「うっ!?なぜ?確かに弾ける角度だったのに・・・。」


ミハルの脇腹の服が大きく裂け、肌が晒される。

命中した箇所が大きく裂け、黒く煤けていた。

そして気付いた。

敵が魔鋼状態を辞めたのを。


ー気付かれた!私が弾を貫通されない様にブレさせていた事を。-


5両の敵魔鋼騎が普通のKG-2に戻った事に気が付いた。


ー奴等は榴弾でダメージをより多く与えようと考えたんだ。

 そっか・・・それならもう微妙に動く必要はないね。

   避ける必要がないね。-


ミハルは5両のKG-2を見て薄く笑う。


「だったら、その装甲も普通のKG-2だよね。

 私の砲でも撃ち抜けるよね!」


ミハルは今迄、回避する事に重点を置いていた。

少しでも永く闘う為に、撃破されない為に避ける事を中心に動き回り、砲撃を控えていた。


「さあ!そちらが魔鋼状態へ戻る前に、倒してあげる。・・・勝負よ!」


車体をボロボロにされても、まだマチハは闘えた。

その乗員が闘う意思を失わないから。


マチハは機動戦を挑む。

身の重いKG-2に対して機動力の勝るパンター改の動力性能を見せ付ける様に。


「KG-2よ!このパンター改の砲は、

 あなたの前面装甲だって破る事が出来るの。

     そう!この距離ならっ!」


5両のKG-2の正面からミハルが放つ。


<ガッガガーンッ>


狙われた右端のKG-2が、正面装甲を破られ貫通した弾がエンジンを破壊した。

そして慌てる残り4両の隊列に潜り込んだミハルが急旋回を掛け、

今度は4両の中、砲塔に白い帯を巻いている指揮車らしきKG-2の側面に撃ち込む。


<ズダダーンッ>


後部エンジンパネルが火災と共に噴き跳んだ。


内部処に潜りこまれた3両がマチハを狙って射撃する。


<ガガーン バガンッ>


「ぐうっ!  あううっ!」


腹部と背に、同時に痛みが走る。

服が裂け、衝撃で身体が仰け反る。

だが、ミハルはその激痛に耐えた。


ーま・・・まだ・・・闘う・・・闘わなければ・・・還れない・・・。-


苦痛にめげず、まだ動く事が出来ると確認したミハルが3両を相手に闘う。


既にマチハの砲塔も装甲が至近距離からの榴弾を受けて裂け目が出来ていた。


ー良かった・・・まだ砲塔旋回も、動かす事も無事に出来る。-


<ガアァンッ>


再び一弾がミハルを襲う。


「うぐっ!」


正面装甲に一発が命中し、前に当てられた箇所の傷を拡げた。


その傷と同じく、ミハルの服が裂け、そして・・・。


<ガクッ>


ミハルは膝を着く。


「う・・・。やってくれたね・・・。」


薄く笑うミハルが頭を垂れ、


「でも・・・まだ全然平気だよ・・・そんなの。

 闇の中で受けた事に比べれば!」


再び上げた顔に輝く、金色の瞳。

その瞳の色は、闘う力を失っていない証。

敵魔鋼騎KG-2、残り3両と闘い続けるミハル。

残り少ない弾に、焦りを感じながら。

そして、ミハルの魂も限界が近付く。

傷付いたその魂に鞭打って、未だ闘う意思を貫く魔法少女。

次回 願望

君は最期の時を迎える気なのか・・・それとも未だ抗うというのか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ