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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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魔鋼騎戦記フェアリア第3章双璧の魔女Ep3破談Act27リーン対ミハル

紅白戦が始まった。

イキナリ魔鋼騎になったリーン達の1号車に対し、

ミハルも力を解放する。

その姿は<光と闇を抱く娘>。

<シュオオオオッ>


魔鋼機械がそのちからを受けて高速回転を続ける。


「ミハル先輩。さあ、行きましょう。」


キューポラのミハルにミリアが促す。


「ええ、では戦車前へ!目標リーン大尉の一号車。

 訓練っ、されど全力で立ち向かう。

 相手は<双璧の魔女>っ、かかれっ!」


ミハルが左手を突き出し命令を下した。


2号車、MMT-8の乗員は。

先任 ミリア軍曹  装填手

砲手 ルーン一等兵

無線手アルム一等兵

操縦手タルト兵長


そして指揮を執るのは、ミハル少尉。


対する1号車は、リーン大尉指揮下の、

先任 ラミル軍曹 操縦手

砲手 マモル軍曹

無線手ルマ 兵長

装填手パロン兵長


今、両車はその実力を発揮せんと、能力ちからを最大限に高めて向かい合う。


「行くよマモル、リーン!」


双璧の魔女達がお互いの力を試し合う。

互いの実力を推し量る。


「砲撃戦!目標キャタピラっ、動けなくして接近するっ!」


ミハルの狙いは装甲のない動力系統。

砲身が低く狙いを付ける。


「やはり、姉さんは足を停める気だな。

 リーン大尉っ、2号車の狙いは此方の足です。

 接近して一気に回り込む作戦を執るつもりです。」


弟は姉の作戦をそう睨んだ。


「よしっ、それなら足回りを撃たれたつもりで砲塔全力旋回。

 ミハルが廻り込む際、側面を狙え!」


リーンも了承して、接近戦に備える。


ーリーン・・・マモル。

 正面装甲を撃ち抜けないからと言って、側面や後面ばかりを狙う訳ではないよ。

 敵を倒すだけの考えに染まっていたらとんでもない後手を踏む事にもなるの。-


停車した1号車を睨んでミハルが思う。


ーそう。確かに側面や後面は装甲が薄い。

 でも、だからと言って敵がそこを狙うのは一対一で、単騎の時だけ。

 今は敵も味方も集団で闘うのが当たり前なの。それが今の戦い。今の戦場。-


ミハルの思考はそこで終わる。

目の前に迫る重戦車の砲塔基部を睨んで。


「タルトさん、このまま体当たりするつもりで正面に突っ込んで!

 ルーンさん、目標は砲塔基部。若しくは砲身基部。

 射撃不能にすれば、もう闘えなくなるから。」


ミハルの狙いは、どの戦車も抱えている弱点。

更には撃破出来なくとも、射撃が不能と化す場所。


「タルトさん、右へ廻り込むそぶりを見せてギリギリまで突っ込んでみて!」

「はいっ車長!」


タルトは全速力で接近を試みる。


「おいっ、突っ込むのか!?ミハルの奴め!」


ラミルが驚く。


「何をする気なんだっ!?体当たりをかますのか?」


姉の攻撃パターンは想像もしていなかったマモルが、思わず叫ぶ。

車内の動揺にリーンは一人思った。


ーミハル・・・もう一人で闘っていけるね。

 もう私の指揮無しでも闘ってゆけるのね。-


ミハルの指揮で攻めてくるMMT-8を見て、嬉しくもあり寂しく想うリーンだった。


<ギュギギィッ>


派手なブレーキ音と共にMHT-7の直前で停まり、

砲身の先を砲塔砲身基部に突きつけたミハル達の中戦車MMT-8。


ーどうやら勝負あったな、リイン。-


ミコトが苦笑いを浮かべる。


ーええ。此方の完敗。そして・・・。

 あの娘とあの闇の力を持つ者は、見事に力を現した。

 そう、まるで陽と月の力を合わせた様に。-


リインとミコトが見詰めるその車体。

唯一人の<光と闇を抱く者>。

その魔法使いの名はミハル。

その力は後の世に語り継がれる伝説の魔鋼騎士マギカナイト

魔鋼騎士マギカナイトミハル。




「訓練終了。各員用具納め。」


リーンの命令がヘッドフォンから流れる。


「勝ちましたね、ミハル少尉!」


ミリアが再びハッチから上半身を出し、ミハルを見上げる。


「うん。まあ、実弾射撃ではないから。

 本当の闘いだったら、こう、巧くいけたか解らないよ。」


ミリアに微笑み、これからの戦闘を思って言葉を濁した。


「それはそうですけど。

 戦闘ともなれば他の車両も居る事ですし。

 こんな場面にはそうそう出くわさないと思いますが。」


ミリアもミハルと同じ考えを持っていたようだ。


「うん、まあ。私達に出来る事をしよう。

 皆で生きて還る約束は、まだ続いているんだから・・・ね。」


そう言って微笑むミハルにミリアは想う。


ーミハル先輩。闇から解放されて戻ってきてから、前より一段と強くなった気がする。

 マモル君と再会出来たから?

 リーン大尉の元へ戻れたから?-


ミリアは蒼髪を靡かせているミハルを見詰めて想った。


ー闇の中で・・・何があったのか・・・解らない。

 けど、確実にミハル先輩は変わった。

 はっきりとは言えないけど何かがミハル先輩を変えたんだな。-


黙ってミハルを見続けるミリアに気付いたミハルが、


「ミリア、私の車両に乗ってくれてありがとう。

 私の考えに同意してくれてありがとう。」


不意に礼を言われたミリアが、ハッと気付く。


ーミハル先輩の瞳が・・・紅く染まってゆく。-


「ミリア、間も無くこの車両で本当に闘う事になる。

 ロッソアの軍と闘わねばならなくなるわ。

 お願いね・・・先任軍曹。」


紅く染まる瞳で、ミリアに微笑み掛けるミハル。


「ミハル少尉・・・。」


瞳の色が・・・と、言い掛けた時。


「車長!先任!至急電です、力作車より入電。

 <敵中戦車部隊現る。後方に別働隊らしきモノも見ゆ>です!」


アルムの声にミハルが頷く。


「車長、ミリア了解!各員戦闘配置。これは訓練では無い。リーン大尉の指揮を待て。」


ミリアが即座に命令を下す。


「ミリア・・・来たね。」


ミハルが1号車の方を向いて呟いた。


「はい・・・先輩。闘いの時が再び。」


ミリアもミハルの視線の先に居るリーンに瞳を向けて答えた。


ーリーン大尉はどうするんだろう。たった2両で闘うつもりなのかな。-


ミリアがそう想ってふと、ミハルを見ると、


「リーン。これからは別の車両だけど・・・。

 約束は果すよ、何が起きようと。

 何があろうと私はリーンを護り続けてみせるから・・・。」


1号車のリーンを見ながら呟いている。


「ミハル少尉!守りましょう約束を。護りましょうこの国を!」


ミリアの言葉に頷くミハルが向き直って、


「そう!ミリアの言う通り。

 私達がこの国を護るの。そして約束を果すの。」


左手をロッソア軍の方角に向けて力強く突き出した。

紅白戦が終った時、ミハルは感じていた。

何かが近付いて来る事に。

そして闘いは突然始まる。

次回 邀撃戦

君は突然の会敵に生き残る事が出来るのか・・・

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