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魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
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魔鋼騎戦記フェアリア第3章双璧の魔女Ep3破談Act18妖しい瞳

ユーリが命じるのは参謀長の更迭。

それはミハルとマモル、2人を狙い続けてきた者の終焉を意味する。

漸くリーン達の願いは叶った様にみえた。

「あなた達の言うのも解るけど。

 見境無しに誘拐のマネなんてしない事。」


仁王立ちのユーリの前でリンとマジカが頭にタンコブを作って、涙目で俯いている。


「全く。いくら私が全面支援しているからって、

 姉弟を自分勝手に連れて行こうとするとは。

 言語道断です。」


「す・・・すみませぇん。」


涙目の2人がユーリにお説教を喰らっている。


「はああ。危ない所だった。2人に連行されちゃうかと思ったね。」


マモルがため息を吐いて姉に笑いかける。


「笑い事じゃないよマモル。

 あの2人なら本気で私達を連れて行こうとするから。

 ユーリ皇女が気付いてくれなかったら今頃どうなっていたか・・・。」


以前の2人を知るミハルが、弟に危機だった事を教える。


「ねえミハル、マモル君。あのお二人さん姉様にこっぴどく怒られてるけど?

  何かあったの?」


リーンが横目で3人を見ながら近寄り、


「ま、姉様に怒られるなんてよっぽどの事をしたのね。」


知らぬが仏・・・。


「あはは・・・そうですね。中尉。」


マモルが苦笑いする。


「今、ユーリ姉様と話したんだけど。

 極大魔鋼弾使用の件で、各方面軍に状況確認させているみたい。

 それでね、ミハル。

 エンカウンターに帰る前に、ちょっと用事が出来ちゃうかもしれないんだ。」


リーンが皆と決めた基地に戻るより先に何かをこの皇都で行うかもしれないとミハルに教える。


「ふーん。何だろ・・・難しい事?」


ミハルは小首を捻ってリーンに訊く。


「うん。難しい事かもしれないけど。

 ミハルとマモル君には是非とも立ち会って貰いたい事なんだ。

 これは私もユーリ姉様も皆も、みーんなが相談したんだ。」


リーンが、おっほんと胸を反らして、


「あの馬鹿参謀長を逮捕するって。

 ミハルとマモル君を苦しめている奴等を一掃する為に・・・。

 私達は此処に残る。勿論VIPでね!」


最後にはリーンが笑っている事で、ミハルもマモルも顔を見合わせ、


「それじゃあ、もう中央軍からの無茶な作戦も出なくなるの?

 もう無駄死にする事を怯えず闘える様になるの?」


ミハルがリーンに叫ぶ。


「そう。これでやっと無駄に死んでいった人達の仇が討てる。

 その時がやっと来たのよ、ミハル。」


嬉しそうなリーンがミハルを抱締めた。


「リーン!やった。遂にやったんだね!」

「ええ!ミハル!あなた達のお蔭よ。

 これで軍に支配され続けてきたフェアリアもやっと戻れる。

 やっと戦争を終えて平和な国に!」


リーンとミハルは抱き合って喜ぶ。

漸く約束を果せる日が来ると想い。


2人の少女が見詰める夕日が眩しく照らす。

紅く染まる大地が2人の影を長く伸ばしていた。



「ふうっ、それでは皆、解散。酒保開け・・・

 じゃなかった。呑んでもよし、騒いでもよし。

 今夜はこのユーリの奢りだから。好きにしたらいいのよ。」

「う・・・は・・・はい。」


ユーリが言っても皆、硬くチジコマッタままだった。


「あら?どうしたんだ。何を畏まっている?」

「・・・いえ、その。どうも・・・宮殿の中って・・・。」


ラミルが冷や汗をかいて、ユーリに言った。


「あーはっはっはっ。らしくないぞ第97小隊!いつもの茶目っ気はどうした!」

「あ・・・あのね、ユーリ姉様。無理よ、そんなの。」


手をパタパタ振ったリーンが、


「よしっ、じゃあ、食堂を占拠。我々だけで盛り上がろうではないか!諸君!!」

「おーっ。」


ユーリもドサクサに紛れ手を伸ばし歓声を揚げた。


酒盛りは盛大に始まり、そして皆が眠りに付くまで終らなかった。

(作者注・あまりにくだらないので割愛します。)


__________________


「ふふ。今日はセーブしてたから・・・大丈夫。

 酔ってなんか・・・いない・・・ふっふふふっ。」


リーンが月明かりの中、むっくりと起き上がる。


「いいよね・・・今日は・・・今迄の埋め合わせするんだから。えへ・・・えへへへ。」


リーンはスルリとベットから抜け出すと、ミハルが寝ている隣の部屋を目指す。


ーおい、リーン。気持ちは解らなくもないが。

 夜這いは・・・どうも・・・な。-


リインが咎め立てするのを、


「聖王女様だってミコトさんと、こういうのしてたんでしょ。寝ててください。」


ーいや・・・だから・・・ね。-


「寝ててっ!」


ー・・・・。スヤァ。-


「この手に限る。」


不敵に笑うリーン・・・。


<コン コン・・・>


ノックしてみる。返事がない・・・。


「そ~っ。」


ドアをそっと開けて中を覗くと。


「んっ?ベットに居ない・・・って。」


リーンが窓際で空を見上げている影に気付いた。


ーしめしめ。起きていたのか。

 寝てるミハルを起こすよりは、この方が・・・。-


窓際で夜空を見上げているミハルにそっと近付く。


ーん?どうかしたのかな。普段なら気付く筈なのに。-


身動き一つしないミハルに、リーンが逆に戸惑う。

そして気付いた。

ミハルが片手で胸を押えて苦しんでいる様に見えたのに。


挿絵(By みてみん)


「ミハル?どうしたの?どこか痛いの?」


そっと近寄り声を掛けると、


<ビクンッ>


驚いた様にミハルが身を震わせる。


「リ・・・リーン?なぜここに?」


リーンに漸く気付いたミハルが、顔を向けて訊く。


ー! ミハルの・・・右目がっ!?-


振り向けられた顔に妖しく光る右目。

その色は深く輝く赤色。

まるで夕日の様に赤く輝くその色に、リーンは瞳を吸い寄せられた。


ー何故だろう。普通ならその色に驚いて叫んでしまうだろうに・・・。

 吸い寄せられてしまう様に魅入ってしまう。-


「ねぇ、リーン?眠れないの?」


右手で胸元を押えたミハルが今迄見たことも無い様な妖しい微笑を浮かべて訊いて来る。


「え?う、うん。・・・そう、そうなんだ。」


まるで操られている様に肯定してしまう。


「そう。だったら一緒に居て。リーン・・・。」


リーンに向き直ったミハルが近寄る。

何時もと違い、ミハルの方から招く様にリーンの顔を見上げてくる。

その妖しく輝く赤い右目で。


「んふふ。リーン・・・待ってたんだよ。

 きっと来てくれると思ってたの。

 抱いてくれるんでしょ。可愛がってくれるんだよね。」


まるで別人の様に悩ましい声でリーンを誘う。


「ミ・・・ミハル?だよね。どうしたの、いつもと違う。」

「違わないよリーン。只、今日はリーンに抱かれたかったから。

 ずっと待ってたんだから、この時を・・・。」


リーンの手を掴んだミハルが、ベットへいざなう。


「え?ええ?ミハル?ホントにミハルなの?」


<ドサッ>


ミハルがリーンを押し倒す。

仰向きに倒されたリーンが覆い被さったミハルを見上げる。

月の光を遮ったミハルの顔に右目が妖しく輝く。


「リーン・・・欲しい。・・・リーンが欲しい。」


ーえ?ええっ?あのミハルがこんなに大胆に?

 おかしいっ、こんなのミハルじゃないっ!-


リーンがミハルの異変に気付き、


「ミハル!どうしたというの?今のミハルは私の知っているミハルじゃない。

 ミハルはもっと素直で可愛くて、恥かしがり屋さんなんだからっ!」


リーンが覆い被さるミハルに抗った。


<トンッ>


ミハルの胸を押し退けた時、リーンの右手が何かに触れた。


ー何!?この感じ。まるで深い闇の様な不気味な感覚。-


「うっ!」


その感覚を感じた時。

ミハルが小さく呻いた。


「・・・。あれ?・・・リーン。何してるの?」


ミハルの声が全く変わった事にリーンは直ぐに気付いた。


「・・・。ミハルに襲われています。」


「・・・。は?何を言って・・・あれっ?」


ミハルがリーンの上に被さっている事に漸く気付いたのか。


「あわわっ、ごめんなさいリーン。酔っ払っちゃってたのかな。

 ・・・記憶が無い・・・ごめんねリーン。」


リーンの良く知っているミハルに戻っていた。


ー右目が何時もの碧に戻っている。-


リーンがマジマジとミハルを見詰めているのに気付いて慌てて飛び退く。


「ごっ、ごめんっ。そんなつもりじゃなかったの。信じてリーン。

 私酔うと何時も失敗ばかりで・・・。」


ミハルがグルグル眼を回して謝ってくる。


ーふう、一時はどうなるかと・・・でも、あの眼はおかしい。

 きっと何かがミハルに起きている。調べる必要があるわね。-


リーンがまだずっと自分を見詰めて考え込んでいるから、ミハルは涙目になる。


「ごめん、リーン。そんなに怒らないで。謝ります。謝るから許して。」


ーふっ。でも今は。今は、ミハルと楽しみたい。-


「駄ー目。許さない!こっちに来て、ミハル。」


ニコッと笑ってリーンが手を差し出すと、

オドオドしたミハルがそっと手を伸ばし、リーンの手に併せると。


「きゃっ!」


リーンが手を掴んで引き寄せる。


「許さないわよ、ミハル。今日だけは・・・。

 やっと還って来てくれた今日だけはミハルは私のもの。

 私だけのミハルなんだから。」


後から羽交い絞めにして、耳元へ呟く。


「う、うん。私も・・・。

 私もリーンに愛されたかったから。

 今日だけでも2人っきりで愛して欲しかったから。」


リーンに首筋にキスされながらミハルも求めていた。

リーンを。

最愛の人の事を。


__________


おまけ・・・。


挿絵(By みてみん)


最後に付けた漫画。

この後の物語に関係があるのか、ないのか?

それにしても・・・忙しい人だなミハルは。

次回 き、聴いてたの?

・・・。聴こえんでか!

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