表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔鋼騎戦記フェアリア  作者: さば・ノーブ
24/632

魔鋼騎戦記フェアリア第1章魔鋼騎士Ep3訓練!あの戦車を撃て!Act18

挿絵(By みてみん)


陸戦騎独立第97小隊が、朝日を浴びて出撃して行く。

目指すのは戦場という名の地獄・・・

朝日を浴びて、総員が集合を終えた。


「敬礼!」


先任搭乗員のラミルが、リーン少尉に敬礼をする。


全員が敬礼しリーン少尉が答礼を終えて全員を見渡し、

何時に無く引き締まった顔で短く命令を下した。


「それじゃあ、こうか!」


その一声で訓示は終わった。

・・正に、名演説・・・である。



「総員!かかれっ!!」


マクドナード先任下士官が、全員に命じる。

整備班が車体に取り付き、ある者はエンジンを点検し、またある者はキャタピラのチェックをする。

ミハル達搭乗員は、車内に潜り込み持ち場のチェックをする。

最後に車長であるリーン小隊長が戦闘帽とゴーグルを着けてキューポラから乗り込み、

喉頭マイクロフォンとヘッドフォンを着けて出発前点呼を開始した。


「各員、マイクとヘッドフォンのチェックをする。キャミー、いいですか?」


「車内通話用意よろし」


キャミーがインターコムのスイッチを入れて返事をした。

リーンが頷き、マイクを指で押えながら、


「ラミル、調子はどう?」


各ゲージを目で追いながら、


「操縦手。各部油圧正常、用意良し」


リーンは次に、


「キャミー、無線は?」


キャミーも無線機に取り付き、


「前方機銃並びに、無線感度良し」


リーンは頷き、砲手席を覗き込んで、


「ミハル、砲側照準器、並びに旋回動力は?」


ミハルは旋回レバーを動かして、砲塔を動かして確認すると、


「47ミリ砲、並びに回転装置正常です」


リーンはミハルを見て、少し微笑んで応える。


「ミリア、砲弾数のチェック!」


「はい。徹甲弾36、榴弾10、魔鋼弾12。全弾実弾頭です」


「よろしい」


リーンはキューポラから半身を乗り出して、後に続く力作車とトラックを見る。


既にエンジンを起動した2車からのエンジン音が聞こえて来る。

力作車に乗ったマクドナード軍曹がリーン少尉に笑いかけて来た。

それに頷き、前方を見返す。


ー  さあ!私達の物語が始まる。

   例えこの先にどんな運命が待っているとしても、

   今は自分達を信じて進むのみ!


リーン少尉は朝日が輝く前方を見て、


「戦車前へ!小隊発進!!」


号令と共に、エンジン音が唸りを上げる。


ラミルがクラッチを離してアクセルを踏み込む。

キャタピラが石畳を噛み、車体が進みだす。


砲塔側面に描かれた(双璧の魔女)の紋章が、朝日を浴びて美しく輝いた。




こうして、陸戦騎独立第97小隊は戦場へと旅立った。


少女ばかりが操る試作中戦車MMT-3は、

これから辿る運命も知らず、只軽快なキャタピラ音を響かせて走る。


昇る太陽と逆の方向に向って、朝日を背に受けて走る。


その目的地、エンカウンター西方30kmの地へと・・・


挿絵(By みてみん)







魔法が万人に一人の割合で使えるこの世界・・・


上空1000メートルに漂う電離分解層によって、人類は地上に縛り付けられていた。


それは新皇紀になる800年程前、今から976年前の事だった。


西方の地に落ちた巨大隕石によって、

電離層が破壊され高度1000~2000メートルの所に、

物体破壊層が出来てしまった。


渡り鳥でさえもその高さを飛べなくなった。

飛行機械は有るにはあったが、高度を取れない為発展しなかった。


あたかも何者かの手によって地上に縛り付けられた人類は、地上戦闘機械を発展させていった。


鋼鉄と発動機を造る技術が発達した結果、地上に君臨する物は戦車だった。

在る国は、陸上の戦艦とも言うべき多砲塔戦車を造るが、

重量過多で動きが鈍く、重砲によって脆くも破壊されて戦力とはならなかった。


世界の趨勢は、動きが素早く大量に戦線に投入可能な軽戦車が主力だった。

しかし、軽戦車は敵のトーチカや対戦車砲、

そして自らの砲で倒せない重戦車が現れるとその価値を減じていった。


そして今、機動力も砲力も有り重戦車にも対抗出来る中戦車が時代の主力となりつつあった。



世界は何者かに試されているか・・・

己が手で貶められようとしていた・・・戦争という罪過によって。


東洋では日の本の国と羅国が覇権を争い、

そこに海洋国家エギレスが進出し3カ国の三つ巴の様相を呈した。

西洋では各国の皇帝が領土を確保する為紛争を繰り返していた。


海洋国家エギレスと、同じく海洋国家足らんとするスペレンが戦い、

力を失ったスペレンが没落し、内乱にまで発展した。


一方中部ではプローシアが辺りの小国を統一し、

新たな皇帝の元、強大な軍事国家としてさらに領土の拡大を狙っていた。


北西洋の小国、フェアリア皇国も半島を統一し、

その領土は更に東のロッソアと隣国となるまで拡大していた。


フェアリアとロッソアは半島の根元にある小国ブレタニアで紛争を起す。

ブレタニアがロッソアに取り込まれた事により事態は急変する。


半島の出口をロッソアに確保された為、

フェアリアは海上輸送によってのみ他国と通商せねばならず、その経済は危機に瀕した。


国力が衰える前に打開しようとフェアリアの政府はロッソアと交渉を重ねたが、

ロッソアは更に領土の割譲を求めて、強硬的に圧力を強めて来た。


さらに地上輸送路は絶たれ、完全に孤立したフェアリアの政府は国民の生存、

国体の維持の為、戦争に訴えてでもブレタニアの解放と通商の確保を目指さねばならなくなった。


時に新皇紀166年。

陸上戦闘で有利となる為、東洋で同じくロッソアの脅威と戦うヤポンに技術援助を請う。

東洋で名だたる<<東洋の魔女兵団>>の戦闘機械<<魔鋼システム>>の技術を導入する為。

とある技師を皇王勅命により、招聘したのだった。


東の大国ロッソア帝国の度重なる領土割譲紛争により、その独立を脅かされる様になった。

ロッソアは、フェアリアの優秀な鉄鉱石を自国の物にする為もありフェアリアに衛星国になるよう迫ってきた。

時の皇王はこれを拒絶し、国交を断絶した。


これによりロッソアとフェアリアは全面戦争へと突入していく事になる。

時にフェアリア暦、新皇紀175年。


両国はロッソアの侵攻により戦端を開いた。



この物語は、開戦から半年が経とうとしていた辺境の村エンカウンターに独立戦車小隊が配備された時から始まる。


・・・その戦車小隊と運命を共にして闘い続けた少女達の記録である。


漸くEp3が終わりました。

次回から、Ep4魔鋼騎士 をお送りします。

地獄の戦場で少女達は、その瞳に何を映すのか・・・

リーンやミハルの前に何が起き様としているのか。

今は只、彼女達の幸運を祈るのみ。


ここで、ミハル達の衣装について。


フェアリア皇国陸軍戦車兵でも、特に魔鋼力を誇った異種な戦車隊員には特別な戦車兵服が支給されていました。

普通の国防軍ではカーキ色のスーツ型上着が渡されていたのですが、ミハル達魔砲を誇る魔鋼騎部隊員には開襟の防護服が渡されていたのです。

表面に耐火繊維を用い、火災に対して優れていたようです。

開襟部分を引き上げると、顔の半分が隠れて炎や煙からある程度は護れる筈でした。


挿絵(By みてみん)


実際には、火災に際し襟を引き上げる暇など在る筈もないのですが・・・


階級章は左襟に。

肩には兵を意味する薄茶色で無地な肩章。士官は尉官ならくすんだ金で佐官なら銀で。

そして将官なら金と銀を併せて表していました。


自分の習得した特技は、左腕上腕部に色分けされたワッペンを着けています。

ミハルやリーン少尉なら、砲術科出身を表す<剣に双頭の獅子>の蒼い腕章をつけています。


兵のズボンは、足首まである丈長の物で眺めのブーツを履いています。

准士官以上は、踝までの革靴となっていました。


その辺りはどこの国でもある隔てですが、やはりフェアリアと言えども階級差は歴然として存在していたのだとご了承ください。



やっと本当の・・・次回予告です。


出撃した第97小隊。

その中でミハルは悪夢に苛まれ続けていた。

あの地獄へ舞い戻ってしまったのかと・・・


次回 第1章魔鋼騎士Ep4魔鋼騎士Act1戦場


君は地獄の戦場で生き残る事が出来るか

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ