魔鋼騎戦記フェアリア第3章双璧の魔女Ep2姉弟Act34狂気の石
リーンとミハルが中を覗き込むと、そこには・・・。
「先の暗黒魔鋼騎との闘いの後で見つけたのだ。
我が方の物ではなかったのでな。
2人に見て貰いたかったのだ。」
ドートルが腕を組んで二人に教える。
「まさか・・・これをどこで?」
リーンが、その赤黒く輝く石の欠片を見て訊く。
「君達の戦車の後部。ヤツが停止したと思われる所で・・・だ。」
ー私が当てた弾で・・・敵の乗員が落としたの?-
ミハルが赤黒く輝く欠片を見詰めて考える。
「これは魔法石の欠片。敵の乗員が持っていた物だと思うわ、叔父さん。」
リーンがドートルに答える。
「うむ、そうだと思っている。
それは解ったが、問題はこの欠片が何を意味しているのかだ。」
ドートルの言葉にリーンもミハルも顔を上げ、師団長を見詰めた。
「つまり、魔法石を奴は失った。
それが何を意味しているのかと言う事だ。」
「何を・・・って?」
リーンが言葉を詰まらせる。
ーそうか。あの軽戦車はトドメを刺さずに還っていった。私達を撃たずに・・・。-
ミハルがマモルを連れて走り去った暗黒魔鋼騎を思い出して考える。
「その欠片を失った為に、発砲出来なかったのかもしれない。」
ミハルが考えた事を2人へ話す。
「うーん。そうだとばかりは言い切れ無いと思うんだけど。
ダメージを与えた事は事実だけど・・・何故欠片なのかしら。」
リーンも顎に手を添えて考える。
「ふむ、2人供。これが魔法石なのは確かだ。
・・・只、この石が意味する処が何なのか・・・。
奴は未だに健在なのが解っているだけに不気味ではある・・・。」
「その暗黒魔鋼騎が再び闘いを挑んでくると思っているのね、おじさんは。」
「ああ、必ず現れる筈だ。」
リーンもドートルも、敵軽戦車が挑んでくる事を確信している。
ミハルは小さな欠片を見て思った。
ーマモルがキャミーを撃った後。
私に狙いを着けて撃とうとした時、あの軽戦車の乗員の声が聴こえた。
女性の声でもう還ろうと・・・。
まるでマモルに撃つのを辞めさせる様に。
あれは一体何を意味していたのだろう。-
「この赤黒い石の欠片を失ったとしたら・・・。
乗員が魔鋼力を行使する事が出来なくなったと言う事です。
ですが、奴は車体を修復し、走り去りました。
依然として、あの暗黒魔鋼騎は力を維持していると考えた方が良いと考えます。」
ミハルが2人に敵は力を失ってはいないと告げる。
「確かに。ミハルの言う通りよ叔父さん。
奴は力を失ってはいない。だとすればその欠片は・・・。」
リーンが箱の中にある赤黒い欠片を取り出そうと手を伸ばす。
「待てマーガネット!それに触ってはいかん。」
ドートルがリーンの手を掴んで止める。
「え?なぜ?」
驚いて手を引っ込めたリーンに、
「その欠片に触れたら呪われるぞマーガネット。
その石を手にした者は暗黒面に心を奪われてしまうようだ。
それを手にした者が2名程射殺されている。」
「しゃ、射殺?なぜっ?」
リーンとミハルが耳を疑って聴き返す。
「ふむ。その石に魅入られた者は、
狂気に犯され仲間だろうが敵だろうが関係なく人を殺すのだ。
信じられない事だが・・・な。」
ドートルが箱を見て答えた。
「人を呪う石・・・狂気の石。」
ミハルが呟く。
そして、ある事に気付いた。
「もしかしたら、その石が失われたから私を撃たせずに還って行ったのかも・・・。」
あの時、ミコトが放った術で暗黒魔鋼騎に何らかの変化があった事を思い出す。
「そうなのかな。だったらミハルの弟を返してくれても良かったんじゃない?」
リーンが疑問点を言う。
「だから。
欠片なんだよ。
この邪な欠片の本体を砕けば、きっと暗黒魔鋼騎の乗員は話を聴いてくれると思うんだ。
マモルを返してくれると想うんだ。
・・・きっと、そうだ!」
ミハルの瞳は希望に輝く。
ミハルはマモルを取り戻す希望を持った。
「狂気の石」の本体をどうやって打ち砕くのか。
どうやって狙うというのか。
その方法は新車両にあった。
次回 闘う術
君は希望を捨てず、新たな力に自信を持つ。





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