読んでも読まなくても楽しめる的な説明回(4章後編)
イシクブール蚤の市編、いかがだったでしょうか。
4章説明回、後編になります。
こちらは4章後編 (蚤の市編:155枚目~192枚目)のまとめです。
前編 (99枚目~154枚目)のまとめは一つ前の説明回をご参照ください。
あてんしょん。
※1~4章後編のネタバレを含みます。
192枚目、 (番外)メルデルの逐語録③まで読了済が望ましいです。
<世界設定・専門用語編>
①第80回夏季蚤の市:白い町イシクブールにて行われる魔法具を始めとする雑貨や家具、彫刻などの芸術品などを取引する祭り。週に一度行われているが、特に大規模な祭りが夏と冬の年二回ある。祭りの日にはイシクブール内外から観光客や商人が訪れ、町中が活気に包まれる。
②聖樹信仰の教え:大陸に一本ずつ植わっているという白木聖樹を信仰する教えのこと。モチーフは聖樹と蔦。人族の入信者が多い。以下は祝詞の一部。
「それは天から降りた種である。我々が産まれる前に在った「祖」らである。
伸びる腕を、天へと届かせてはならない。
根付こうと伸ばす足を、切り落としてはならない。
種と我らは共にあり、我らと種は共になければならない。
その身を肥やす土とならん。その腕を阻む蔦とならん(156枚目より)」
樹香を身に纏うことで一日の始まりとするため、信者は香りで判別できる。
総本山は第一大陸にあるのだが、評判はあまりよろしくない。
③西地区・馬宿コストラ:蔦が絡んだ蹄鉄の看板が目印の馬宿。グリッタが黒曜馬を預けたことからも分かるように、馬の扱いに長けた人間が管理している。町の情報通であるピトロが居ることもあって、常に来客が絶えない。
④東地区・喫茶バシーノ:芋揚げが美味しいことで有名な喫茶店。夜はお酒を提供するバーになる。果実水が売りの一つであり、購入時にぱちぱちと弾ける魔法水にするかを好みで選択できる。
今回の立てこもり騒動でぼろぼろになってしまったが、次の日も通常営業していた。壁や窓はともかく、キッチン回りと食材が無事だったので……とは店長の言。
⑤西地区・パン屋:駆けだしで、まだしっかりとした店名がついていないパン屋。夜な夜な開店し、朝方には閉まる。店主はスカルペッロ家三女のシグニス、制作補助をしているのがアイベックだが、無心に生地を捏ねている本人に働いている自覚はなかったりする。報酬は全て彼用の貯金箱に入れられているが、いままで一度も手をつけられていないことをシグニスは知っている。
片思いの店主と鈍感な彫刻士の関係は周知されているが、同時にアイベックの事情も周知されているために誰もシグニスの背中を押すことができずにいる。
⑥習作:ペンタスの父親、アイベックが作成した骨竜の像。オリジナルのものより二回りほど小さく、台座には金属製のプレートで製作者の名前が刻まれている。町の中央通りにある骨竜の像と全く同じような彫りで作られているが、本人がいうには習作で、コンテストに応募する気はさらさらなかった。
尚、同じような掘り方ではあるが翼部分の角度が意図的にずらされて作られている為、オリジナルと同じような仕掛けはない。ただ、整然と立つ像である。
⑦イシクブール地下通路:イシクブールの地下に張り巡らされた地下通路。通気口が町のあちこちにある。行き止まりの通路と東西を繋ぐ通路は封鎖されているが、近道になる通路などは一般解放されている。スティック状の鍵はスカルペッロ家関係者のみが所持しており、状況的に針鼠が鍵を持っているのはおかしい。が、アステルは何か納得したようである。
⑧遊撃衛兵:衛兵とは異なり一般人枠に入る。あらゆる権限が一般人並みである代わり、住民に危害を加えると確認した相手を正当防衛を理由に手加減せず拘束・無力化することを許可されている。イシクブールには何名かこの職に登録されている人間がいて、シグニスもその一人。
⑨錬成魔法:錬成魔術。一部の獣人が扱う金属加工に長けた魔法系統のこと。獣人は魔力量が少ない為、火や水といった不定形の魔術を放つより、土や金属で形ある武具を生成し、それを武器に闘うほうが手っ取り早く狩りが終わる為、このような発展のしかたになった。
⑩晶化:体内の魔力圧が一定値を超えると進行する魔晶石化現象のことで、アルバ、もしくはエルフと呼ばれる「白き者」に共通する性質の一つ。「一定値」とあるが白き者の内在魔力は他種族と比較して極めて高い為、生きているだけで晶化を進めることになる。晶化を食い止めるには、晶化現象が体外に発露する前に自死する、もしくは殺して貰うしか方法がない。能力ある魔術師の晶化であれば、町一つは飲みこみ道連れとしてしまうだろう。
白き者が暮らす第四大陸には、彼等の為の巨大な霊地がある。死期を悟った住民が家族に別れを告げ、睡眠薬片手に最後の旅をするのだ。
⑪氷の魔術:氷魔法という魔法系統は存在しないが、魔術として氷を発生させるものが存在している。水を素体とする為に汎用性が高い。
⑫盗賊同盟・渥地の酸土:元々は第一大陸に訳ありで流れ着いた人々がお互いを利用し合い、利害の一致から助け合うことを暗黙の了解として結成された盗賊団だった。そこに誰かが畏怖の念から「酸土」と名付け、知名度が上がると共に人に追われるようになる。
第一大陸から逃げ出そうと船を出すも、岩だらけの海を小さな船が渡りきれるわけもなく座礁。まとめ役であった二人の賊が身を挺して残りの構成員を第二大陸へと送り出した。第二大陸へ辿り着いた構成員たちは一度バラバラになるが、その一部が再度集まり、第二の人間を加えた盗賊同盟渥地の酸土が誕生する。血を流し、肉を食らい、彼等はそうして身を削りながら大した目的も無く第三大陸に辿り着いた……いや、目的があった構成員もいたようだが。
赤い土では、栄養が足りない。
あの夜を経て、蜥蜴の中に残った言葉はこれだけである。
⑬銀の封蝋:グリッタが届けた手紙に押されていた封蝋。全て未開封。何十通もの手紙は紐で束ねられ、家族の元に届けられた。
⑭水祭り:ラエルの故郷、パリー・ゼデルヴィンドで行われていたらしいお祭り。水に感謝を捧げる祭りらしい。詳細不明。
⑮てのひら骨竜:アイベックの新作。息子であるペンタスが磨きを担当し、丸みを帯びたボディと可愛らしい翼とを目指して制作された。売り上げはぼちぼち。理由は顔がリアルな骨で厳ついため、見た子どもが泣くというところにある。
⑯勇者伝説:一般的に知られている「勇者の書」のこと。
どの地域にも広く伝わっている物語で、一昔前まで子どもに読み聞かせるおとぎ話として定番のネタだった。混沌とする世界に勇者が現れ、人々の為に剣を振るう。海を越えて大陸を渡り、山を越え川を越え、祈りをその背に背負った勇者は魔王を見事討ち果たし、世界には平穏がもたらされる。そのような英雄伝説。
実際の勇者が辿った道筋とそう変わらない展開で物語は進んでいくが「魔王が討ち果たされなかった」こと、「勇者が凱旋しなかった」ことなど、事実と乖離している部分がある。第三大陸には魔導戦争後にお触れが出され、勇者の書関連の書籍は全て焚書されている。
⑰聖樹の反転現象:聖樹の怒り。聖樹の悲しみ。涙が落つるとき、大地は聖樹を産む。その場一帯を新たな聖樹の礎とする。
白木聖樹についての伝説やしきたりを長らく守らなかった土地では「反転」が起こるのだという。言い伝えとしては有名な部類に入るそうだが、詳細は不明。
湖となった亡国シンビオージで何が起きたのかは、勇者一行のみが知っている。
⑱竜骨の祈り:大きな蚤の市は夏と冬の二度開催される。その時期に骨竜を拝むことを許されているのはイシクブールを束ねる者と、彼らが心を砕いた関係者のみ。
「守護せよ骨守。竜骨の肉を食め。葉裏に隠れよ。詰襟は物言わぬ。
我々は皆、骨を洗う蟲を飼っている(192枚目より)」
胸骨は「胴」。胸郭の首回り一対目が「牙」。残りの四対を「足」とみる。
聖樹信仰の影に隠された祈りは、胸の無い蟲の形をしていた。
<作中魔術編>
①【黒】石切り刃:下級土系統、付与術式 (強化)。
グリッタが使用した術式刻印。武器の切れ味が増す。名の通り石が切れるほどだが耐久力は元の武器に依存するので、当たり所が悪いと反作用で折れる。
②【黒】鉄火:下級火系統、呪術式 (強化)。
禁術。与えた傷と同じだけの傷を負う代わりに、必中を約束された自爆特攻型の強化術式。
魔力消費は下級相当だが、結果と呪いの跳ね返しがつりあわない為に術者が死亡することが多い。
③【-】雨粒:下級水系統、物質構築 (水)。
雨粒ほどの水塊をつくる魔術。大量の素体を元にして雨粒の大きさになるよう加工した。
④【楔歌】遷移歌六節・惟は望まれし仮初の形:
禊歌、遷移歌の六節。水物体から水物体の形状を変化、制御する効果がある。
あくまでも仮初なので、解術と共に元の形状に戻るが、水滴が戻ったところで水なので害はなかった。増幅、もしくは圧縮の魔術と共に併用すると危険を伴う。
⑤【-】催涙雨:
魔法具技師ベリシードの提案により誕生した「対人特化催涙液」をキーナが物理的に霧化して降らせたもの。
キーナが目にした事がある人間を狙った。一般人の避難には成功したが、多量に吸い込んでしまった者は痛みと辛味でもだえ苦しんだという。
⑥【黒】泥のように眠れ:中級土系統、呪術式。
賊の首領スキンコモルが舌に刻んでいる術式刻印。刻印に触れた自分以外の相手を眠りに落とすことができる。
⑦【黒】枯れ乾く虚ろ:中級火系統、発現式 (火)。
乾燥装置などに付与されている生活魔術。発現範囲内の空気を熱することで水蒸気を気化させる。
間違っても人を相手に使うものではないが、賊はそんなこと気にしなかった。
⑧【-】信認審議:上級土系統、感応式。
嘘が嫌いな小人が常時発動させている魔術。彼の場合、背中に入れられた術式刻印が原因で発動している。幼少期に刻まれた術式刻印は術者の成長に合わせて形を歪める為、魔術が発現するたびに負荷がかかる。
信認審議自体は相手の信用性を測る虫の知らせ的な魔術で、資産に余裕がある商人や役人は魔法具効果の一つとして扱っていることも多い。
⑨【黒】紫電:上級雷系統、破壊式。
魔力消費量が多い分、発現安定性がある高威力の雷撃。内在魔力の半分を使用する霹靂とは違って一発に必要な魔力量が決まっているので、必要な魔力を用意できる人間なら乱発が可能。
中級に雷撃という似た魔術があるが、紫電の方が威力とコントロール性に優れている。
⑩【黒】熱抱く大地に閃く雨を:上級火系統・雷系統、破壊式。
局地天候操作魔術。高濃度の魔力を流し込んだ雷雲と地面の熱を操作し、熱雷の原理を利用して地面に落雷させる。
雨ごいの魔術が暴発したものが元になっていて、組み合わせによっては嵐を呼んだり土砂降りにすることも可能。しかし天候を左右する魔術は禁術の一歩手前、使用目的によっては捕縛対象になる。
⑪【-】断線:上級雷系統、解術式。
遠隔通信魔術回線に対応する解術術式。回線硝子には通常、搭載されている。
⑫【黒】手繰る煙腕:下級土系統、物質構築 (土)。
ウィズリィが煙を利用して繰り出す魔術。傍目には煙の腕が飛び回っているように見えるが、土魔術の基礎である念動の応用である。
⑬【-】土塊錬成:中級錬成系統、物質構築 (土)。
土塊を素材に必要なものを錬成する魔術。発現した錬成済みの物質は魔力が切れても壊れないが、耐久魔術が付与されていないと案外脆い。
⑭【黒】氷刃:下級水系統、氷結式。
氷の刃。空気中から水を収集できる場合、魔力が伸ばせれば被術者の死角でも発現できる。
風で運べば飛び道具に、物体を覆えば氷鎧に。飲み物に加えればキンキンの冷たいやつが長く楽しめる。
⑮【獣魔法】静寂の口笛:中級風系統相当、認識阻害 (音)。
ノワールが習得している静寂魔法。伝書蝙蝠が扱う場合、特化型なら十羽程度の群れを最大効力範囲とする。
ノワールは器用貧乏なので、自分自身と人間一人分の気配を隠すので精いっぱい。
⑯【獣魔法】大地の耳:中級土系統相当、付与術式 (強化)。
ノワールが習得している索敵魔法。伝書蝙蝠が扱う場合、特化型なら山の麓から山を超えた向こう側まで探索が可能。
ノワールは器用貧乏なので、浮島ていどの平坦な土地でなければ真価を発揮できない。
⑰【-】強化術式:付与術式・呪術式。
魔術の効果を物や身体に持続的または刹那的に強化する術式、もしくはその行為を指す。「強化術式・○○」という詠唱で、○○部分の魔術を対象に付与することができる。訓練次第で詠唱を省略できるらしい。
人族や獣人は身体に術式刻印を刻む者も多いが、その殆どは魔術構築を省略して発現手順を短くするためである。
⑱【-】解術術式:破壊式・祝福。
魔術を解術する術式、もしくは魔術を解術する行為を指す。対になる解術術式が指定されていない術式の場合は解術宣言 (「解術術式・○○」で、○○部分の魔術を解術する)が必要になる。訓練次第で詠唱を省略できるらしい。
例外として、呪術系を解術する際には『解術』という白魔術が別途必要となる。
⑲【-】形状指定:物質の形を変化させる場合に必要になる術式、もしくはその行為を指す。「形状指定・○○」で、○○部分で指定した形状に変化させることができる。やり方によっては範囲魔術を応用して一括指定も可能。訓練次第で詠唱を省略できるらしい。
⑳魔術の不発:魔力量矮小が原因となって失敗することを「不発」という。
魔法の不発が引き起こすのは発現の不安定化。土ならば崩壊、火ならば鎮火、水ならば蒸発、風ならば凪、雷なら火花。今回は土魔術の崩壊が起こった為、土柱が砂の間欠泉となった。
逆に魔力量過多が原因となって失敗することを「暴発」という。こちらはお馴染み。
<魔法具編>
①スカルペッロ使用人服:蚤の市に参加するにあたってラエル、ペンタス、キーナの三人が身に着けていた服。
灰色のシャツは全員共通だが、下衣に関してはキャミソールワンピースとスラックスにサスペンダーの二種類が用意されている。光沢のある深緑の生地がシンプルで美しい。非常時に身一つで動けるよう、ワンピースの方には裾丈を調整できる機能がついていたりする。
②晶砂岩のループタイ:スカルペッロ家の人間が信頼を置いた人間にしか身に着けさせない装飾品。キーナがラエルとペンタスの首にかけた。ループタイ自体に魔力障壁的な役割はないが、身に着けて町に出ることで「イシクブールにとって敵ではない」と住民に周知される。
③魔導王国支給ナイフ:ラエルとハーミットが通常装備として所持している刃物で、柄から切っ先まで手のひら二枚分ほどの長さがある短剣。ラエルはワンピースの下、左足の太ももにガーターベルトで固定。ハーミットは腰ベルトにさして携帯している。
マツカサ工房製ではないものの、魔導王国に所属する戦闘員なら誰しもが手にする支給装備。ハーミットが使う分には只のナイフだが、ラエルにとってはそうではない。耐久値を優先してやや分厚く作られた刃は、ちょっとやそっとでは砕けない。
④長剣・テレケー:カフス売りのグリッタが所持する細身の剣。普段は左腕に鞘ごとベルトで固定し、上からマントで隠している。十字型の鍔が特徴的で、指をかけて握り込めば威力ある刺突を繰り出すこともできる。元は短剣だったが馬上で使用する機会が増え、武具屋で刃渡りを調整した為に長剣になった。
⑤魔剣・強欲なるもの:魔導王国四天王強欲が王様から支給されている魔法具の剣。灰色の石を彫り出したかのような刀身に丸い切っ先が特徴。両手で握るために柄が長く、剣の全長はハーミットの半分もある。少年はこれを両手で扱うが、片手でも十分振れるし勢いをつければある程度は刺さる。
付与魔術は使用者への呪いと、被使用者への祝福。魔導王国に封印されていた魔法具で、最悪の拷問具と呼ばれる。
⑥障壁の衣:かつて大陸を跨いで旅をした勇者一行を支えた白魔導士、その人が所持していた聖法具の一つ。サンドクォーツクに納められていたが、後にイシクブールの聖樹信仰教会へと移される。作中で語られた以上の詳細は不明。
⑦青い回線硝子:ハーミットが身に着けている回線硝子の一つ。常時通話型で、繋がっている先はいわずもがな。少年の独断で些細な抵抗をすることもあるが、それが黙認される程度には常に監視されている。詳細不明。
⑧赤い回線硝子:ハーミットが身に着けている回線硝子の一つ。こちらは適時通話型で、少年が持っているものが親機。「残火」なる組織の人間とやり取りしたりするために使っているようす。詳細不明。
⑨紫の回線硝子:ラエルとハーミットがそれぞれ持っている個人用回線硝子。親機はラエルが所持している物で、主に彼女とのやり取りに使用される。ラエルは一本の鎖でつないだ本体をケープの内側に所持しているが、ハーミットは肌身離さず首にかけており、しかも貰ったリリアンをあしらっていたりする。
⑩緑の回線硝子:第三大陸に上陸した際に出入国管理局から渡されたピンについている回線硝子のこと。クァリィ共和国に認められた人間が権限を利用することで通信回線として扱えるようになる。今回、賊の撃退にあたって使用する予定だったが、色々な事情もあって使い物にならなかった。
⑪蝙蝠用回線硝子:ノワールの足輪に搭載されている回線硝子のこと。傍目にはただの銀の足輪だが内側に魔石があり、ノワール側の意志で発動・制御できる。
⑫花かご:小道具。使用した切り花はあとで土に還した。
⑬ビーズクリップ:とある人物が髪を纏めるために使用していたもの。一つ一つが小さく、頭の上に沢山のビーズがついているようになってしまったが無問題。邪魔になったら砕いてしまえばいいのである。
⑭槍:投げる払う突く、なんでもこいの武器。突入した賊が持っていたが悉く払い落とされた。そのあと彼らがどうなったかは語るまでもない。
⑮色彩変化鏡:視力強化、目の色を騙るだけでなく、魔力可視の要素も搭載されていた。マツカサ工房製じゃなかろうかという疑惑がある。
⑯回る椅子:作業にはもってこい。ワンタッチ操作で固定もできる優れもの。
⑰水がめ:またの名を壺井戸。空洞体を搭載した壺のこと。
イシクブールの場合、シンビオージ湖に繋がる川の上流と繋いでいる家庭が多い。
⑱赤い瓶:キーナとペンタス特性配合の香辛料詰め。水に溶けるように加工されており、咄嗟の催涙液生成に使用する。護身用に各自持っていたものだが、今回はあらぬ使い方をされてしまった。
⑲日傘:日除けの為の傘。間違っても蜥蜴の獣人ではないし、雷を弾くためのものでもない。
⑳爆発ダート:アガットバレル。賊の首領スキンコモルが使用する飛び道具。後だしで魔力を注ぎ込むことで発破する仕組みになっている為、爆発のタイミングをずらしたり早めたりフェイクにしたりと多彩な戦術の可能性がある。
㉑シースナイフ:賊の構成員ベイツが所持している大小二本のナイフ。本人に武器を扱う素養はあまりないが、肉を切ったり剥いたりは調理で経験があるため握れないことはなかった。結果は散々だったが。
㉒擬班の回線硝子:賊の構成員である小人が所持している回線硝子。沼蛇擬の装飾が印象的な年季の入った魔法具。元々誰の所持品か、小人は知らないようだ。
㉓鉈と短弓:ウィズリィの子どもたちが使用している武器のこと。鉈は兄、短弓は妹の武器。重い刀身を遠心力を利用して振り回す兄の猛攻と、影から速射特化の妹が敵の不意を突くコンビネーションを得意とする。二人共魔術適正に長けていないこともあり、それをカバーする為に身体を鍛えている節がある。
㉔煙管:ウィズリィの所持する武器。薬草香による自他者回復を常に行いつつ吐き出した煙に魔力子を混ぜ、手足のように扱う。彼女が常にこれを口に含むのは身体の中がボロボロだから。長時間の戦闘ができないこともあって、外回りを煙腕と子どもたちに任せざるを得ないのはその為である。
㉕ナックル:嘘嫌いの小人が腰に提げていた装備。メリケンサック。
㉖脛:ぶつけたら痛いよね。
㉗人形:褒め言葉ではないらしい。
㉘鑿と鎚:白い町イシクブールを管理する町長一家、スカルペッロ家の家紋にあしらわれたもの。砂岩を砕くことで発展した町を称える誇りでもある。
㉙謎の劇薬:ハーミットがラエルに渡した謎の液体。混ぜるな危険、飲用禁止の代物。効力は体内を巡る魔力流動の阻害、停止。ラエルは説明をぱぱっと受けて使用しただけなので、これが何なのかよく分かっていない。詳細不明。
㉚氷の斧槍:サンゲイザーの『土塊錬成』とラエルの『流水の斧槍』による合作武器。強度は低いが二回まで魔術による攻撃を耐えることができた。
㉛震抑薬:震えを抑える薬。同時処方は難しいが、痛みや痺れを抑える薬もあるらしい。ハーミットは飲み過ぎて胃を傷めた。医者の言うことは聞きましょう。
㉜毒瓶:レーテがポフに届けた瓶のこと。内容物は麻痺系の爛れ毒。
㉝障壁の衣:イシクブールを守ったとされる勇者一行の一人である白魔導士が旅をする中で身に着けていたとされる聖法具の一つ。シンビオージ陥落の直前にサンドクォーツクへと納められており、後にイシクブールの聖樹信仰教会へと移された。
その名の通り、結界魔術への加護と発現内容強化に特化した魔法装具だとされているが、詳細不明。イシクブールの大規模結界の構築には多くの人々が立ち合わせているものの、魔術発現の裏で行われたことを記録した資料の類は残されていない。
<生物・食べ物編>
①しゅわしゅわ果実水:喫茶バシーノにて販売されているしゅわしゅわする果実水。爽やかな喉ごしと濃い目の味付けが特徴。
②カムメ肉のポタージュ:カルツェが作った滋養料理。良く火を通したカムメ肉と共に野菜が解けるまでじっくり煮込んだポタージュは、一度も濾していないのでざらついた芋が舌に纏わりつく。十分美味しい。
竜骨信仰の詳細、商人関連はまたの機会に。
次回更新は登場人物紹介となります。




