11/30「なんかやってる」
『"うろな町の教育を考える会" 業務日誌』
11月30日 花嫁奪還大作戦その11 嘘には嘘でお返しだ!謎を解いたら出発進行ー♪
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青い色に包まれたソウがくすくすと笑う。
しゃらりと髪についた飾りが鳴る。
板が映し出しているのは梅雨の飼主だ。
なにやら悲しげに泣き崩れている。
流石に可哀想じゃないか?
「なー」
ソウに呼びかけるとにこりと笑って撫でてくる。
や。そこは気持ちいい。
「これはね、時雨。愛の試練なんだよ♪」
「おい、悪辣とかドSとか言われてるぞ。流石にやりすぎじゃあ?」
ニワトリ配色の蛇んちの雄がそう言う。
「まぁ、やりすぎ意見が多いよねー♪ いい感じに同情票ひけたんじゃなーい?」
板を見ながらふんふんとご機嫌なソウがいる。
「じょぶじょぶ♪ 清水先生には愛がある」
「あ。陰湿系オタク……」
「ゲーム特撮アニメにコスプレは好きだしね。否定は、しないよぉ~♪」
「んなー」
ちょっと怒ってっだろー。
少し強めに耳のあたりを撫でられる。
「ほら、救援が来たしー。愛の試練が簡単じゃダメだと思うんだよね。そーいえばぁセイレーンとデートしてるカラス君にはどんな試練が待ってるのかなー?」
「な、な、な。アレは、あれは……」
ニワトリがどもる。
「あれはー?」
「よし! 時間もセーフ。これで雪姫ちゃんのアトリエに向かえるなー」
「かーらーすーくーん」
「ぁん?」
「役作り。忘れちゃダメだぞ☆」
話題を逸らすニワトリをしかたなさげにたしなめるソウ。
「んなーー」
そんなことよりー
「時雨?」
「んなーーーん」
俺もゆきちゃんのとこ行くー!
『"うろな町の教育を考える会" 業務日誌』から清水渉先生
梅雨ちゃん
作中より駄弁り部のセリフ一部。
『うろな町の森に住んでみた、ちょっと緩い少女のお話』より雪姫ちゃん
『キラキラを探して〜うろな町散歩〜』より
空ちゃん(セイレーン)をお借りいたしました




