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和製ファンタジーにおける”属性魔術”の体系化について  作者: 囘囘靑
第三章:魔術集合論(または、素朴魔術論)
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3.2.命題の前提

 前回示したことは「すべての属性魔術はオーラである」という仮説です。この仮説を検証するために、集合論のモデルを利用してみましょう。

 まずは属性魔術とオーラを、それぞれ無限数列だと見なします。すなわちその略記は


 (属性魔術)≡{M(n)}=M(0),M(1),M(2),M(3),……

 (オーラ) ≡{A(n)}=A(0),A(1),A(2),A(3),……


 となります(ここでnは自然数)。数式で表すと意味が分からなくなりそうですが、述べていることは簡単なことです。具体的に言ってしまえば、たとえば属性魔術の項にあるM(0)は「火の魔術」、M(1)は「水の魔術」などのようにラベルを張ることができます。要するに、個々の属性魔術に数字を振って、横に並べているだけです。

 オーラも同じように考えることができます。たとえばA(0)は「火のオーラ」、A(1)は「水のオーラ」などと名づけて考えられます。


 これから私が行おうとしていることは、属性魔術とオーラの集合が、どちらも同じ大きさであるということを証明することにあります。

 ですが、ここで一つの問題が持ち上がってきます。「(属性魔術)は無限数列であり、(オーラ)もまた無限数列です。いったいどうやって無限なるものの大きさを比較すればよいのでしょうか。


 この問いに対する答えは、19世紀に編み出されています。ドイツの数学者であるカントールが、包含関係にない2つの集合の大小関係をいかにして判定するかという方法を考えついたのです。


 その方法は、それぞれの集合を構成するそれぞれの要素で、一対一の対応関係を作るというものです。もしそれぞれの要素が過不足なくペアを構成した場合、二つの集合の大きさは同じ(これを“濃度が等しい”と言います)と考えることができます。反対にどちらかの集合において要素が余ってしまった場合、「余った要素を持つ集合」はもう一つの集合より濃度が大きいことになります。


 したがってこの「一対一対応」をもとに属性魔術とオーラの無限集合を考えると、仮説の否定「ある属性魔術はオーラでない」は、「『属性魔術の集合』は『オーラの集合における要素』よりも濃度が大きい」と見なすことが可能になります。

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