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2.3.1.水の魔法使いが操っているのは、そもそも本当に水なのか?

 考察を積み重ねていくうちに、いつしか話の本筋がおぼろけになってきてしまいました。そこでまず、これまでの議論をざっとおさらいしてみましょう。

 水の魔法使いが用いる水は、いったいどこから供給されるのか――? この質問には、三つの選択肢が考えられました。


 一つ目は「魔法使いの体液である」ということ、二つ目は「空気中の水分」、そして三つ目が「自然界に存在する水源」ということでした。そしてこの三つの選択肢は、これまでの議論の中ですべて斥けられました。「魔法使いの体液」説はその非現実性から、「空気中の水分」説はその設定の特殊性から、そして「自然界に存在する水源」説はその水の運搬方法が大きな問題となり、それぞれ可能性としては否定されました。


 考えられる選択肢は、すべて排除されました。なので、「水の魔法使いは水を利用していない。“水の魔法使い”などという存在はフェイクである」と結論付けてもよいのかもしれません。


 ですが、ここでもう一度2.1.に立ち返って物事を考えてみましょう。そもそも「水がどこから供給されるのか?」という問題は、二つあるうちの小問題の一つにすぎませんでした。この二つ目の小問題の成立可能性が排除されてしまった以上、私たちはもう一つの小問題に関心を払わなくてはなりません。


 それが今回小題として上げた、「水の魔法使いが操っているのは、そもそも本当に水なのか?」という問いになります。

 この問を言い換えると、「水の魔法使いが操っているのは、実は水ではない」ということになります。


 ではいったい、あれは何なのでしょう――? 読み手の皆様に思い出してもらいたいのは、第一章で火の魔術を考察したときに用いた「オーラ」の概念です。この概念を導入することによって、私たちは火の魔法使いに立ちはだかる様々な問題を解決することに成功しました。


 ここでもやはり「オーラ」を適用して、水の魔法使いをもう一度考えてみることにします。すなわち、「水の魔法使いが操っている水 (のようなもの)は単なるオーラであり、水の魔法使いはそれを操っている」ということになります。


 この「オーラ」の概念を導入することによって、水の魔法使いには計り知れないほどの恩恵がもたらされます。

 まず、水の魔法使いが操っているのは所詮オーラですから、じっさいその場所に水が有るか否かは瑣末な問題に変わり果てます。すなわち、水の魔法使いは現実の環境に作用されることがなくなり、砂漠でも、降りしきる火の粉の中でも自らの魔術をいかんなく発揮することができるようになるのです。


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