表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境貴族とメイドさんの平和な日常  作者: ディアズ・R
第四章・出会いのある!良い旅!夢気分♪
98/135

考えるより先に行動すると、ロクなことが起きない。

なんでこうなったのかさっぱりわからない。

ホントに、どうしってこうなった?

視点・アリア(それはさておき火炙りである)


昨日謎の喧嘩別れした後、宿に戻ったらアメリアさんが凄い不機嫌だった。

提出された書類に誤字脱字のミスオンパレード、決められた場所での出店への苦情、出店に良い場所の取り合いで喧嘩、アメリアさんの美貌に釣られたクソ虫共の求婚、結果とても不機嫌。

そして俺と添い寝したことで、今日はとてもご機嫌。

俺はとても寝不足。

あんなの、無理、寝れない。

なので俺は、宿の庭でサファイアを貼り付けにして火炙り準備中。


「何故に!?私何かしました!?昨日はずっと教祖様の相手で忙しかったんですけど!?」

「オマエ、ヤク。オレサマ、オマエ、マルカジリ」

「領主様が壊れてる!?」

「着火!」

「ホントに火付けやがった!?ギャァァァァァ!!!」


燃えるサファイアを俺、ファリエナ、アリス、モルドレットで眺める。


「も~えろよもえろ~よ~ほのおよも~え~ろ~」

「火達磨、です」

「もえもえ~」

「……いや、死ぬっすよ?」


バカ言うな、サファイアだぞ?

最近変身無しで、魔法の練習してるサファイアだぞ?

未だに成功してないけど、命が危険になればきっと成功させるさ!


「私をなんだと思ってるんだぁぁぁぁぁ!!!」

『あ、脱出した』


荒縄で手足を二重8字結びしたのに……流石サファイアだ。

服が焦げて全体的に布が減っていて、髪がアフロになっているが数分で元に戻るだろ。


「殺す気か!?私領主様に何かしましたか!?」

「俺達が見捨てた後、教祖に俺のこと売っただろ?」

「……なんのことか、さっぱりわかりませんね?」

「隠す必要はない。教皇が今日の祭典に来るんだろ?そして、教皇の話し相手にでもさせるつもりなんだろ?そしてサファイアはエスケープか?」

「……」


サファイアは冷や汗が止まらないようだ。

情報源はアメリアさんである。

そして、アフロが治ってやがる。


「ククク……お前の母親は、全て見ていたぞ?」

「母親は見た!?」

「ふざけていられるのも今の内だけだ!」

「ふざけてるのは領主様でしょ!?」

「今日、お前は貸し切りだ」

「……………ゑ?」

「朝、サファイアが起きる前に教祖の使いが来てな、今日の祭典を一緒に過ごしたいってさ。俺とシルバーが許可しといたんだZ☆E♪」

「なにしてんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


殺気を感じたので、鬼の形相で向かってくるサファイアから逃走する。

数分追いかけっこした結果、変身したサファイアに氷漬け頭出しバージョンをくらった。


「とても、寒い……」

「シルバーどこだゴラァ!!」


サファイアがシルバー探しに行ってしまった。

誰か、助けて……

アリスが手刀で氷を砕いてくれた。


「ほわぁぁぁぁぁ……空気が、暖かい……」

「だいじょぶ?」

「二人ともやることが過激っすよね~」


アリスに感謝のなでなでをしていたら、ファリエナがキョロキョロしだす。

そして、俺の後ろを見て止まる。

なんか、スンゴイ怖い。

振り返ってみると、そこにはシワシワの老婆がいた。

なんだ、ただのおばあちゃんか。


「君がアリア・メルノ君でいいのかしら?」

「何故俺の名を!?」

「ふふ、私はクロムウェル・(アデプト)(フレストス)・エミティア・(ミュレイス)・セルフィルク、教皇をしているわ」

「……ふぁ!?」


名前なげぇ!!

いやそうじゃなくて、教皇おばあちゃん!?

ニッコニコしてる近所の優しいおばあちゃんにしか見えない!

そして俺は、選択を迫られている。

一つ、このまま普通に接する。

二つ、頑張って怒らせる。

三つ、甘える。

四つ、とりあえず若返らせる。

……よし、四つ目にしよう。

今日来ている服の内側の収納ポケットから、どこぞの回復薬の様なコバルトブルーの透明な瓶を取り出す。

教皇様に、その瓶を差し出す!


「あら?これはなにかしら?賄賂なら受け取れないわ」

「ただの年齢反転薬ですので」

「年齢反転薬?面白そうね」


説明しよう。

年齢反転薬とは、飲んだ人の年齢が65~98だった場合、56~89になるというものだ。

だからと言って、69歳が飲んでも96歳というふうにはならない安全仕様だ。

ちなみに副作用らしい副作用は基本無い。

ただ、もし100歳以上の人が飲んだ場合は……


「ちょっと甘めのお水みたいだわ……ぅ」


永遠の16歳になる。

99歳以下だと一日から三日程度の効果だが、100歳以上だと永続する。

試したことはないが、眼の力で知っていた。

そして誕生したのが、目の前の美少女と美人の間の美女である。

綺麗な紫の髪を膝まで伸ばしてる髪の長さ、先ほどまで色を失っていた金の瞳、最近出会うことが増えてきたナイスバディ。

シワシワのおばあちゃんが、ピチピチの女子高生に!

いや、女子高生ちゃうけどね?


「ビューティフォー」

「綺麗デス」

「わかわかし~」

「……いろんな人に狙われそうな技術力っすよね」

「私みたいなおばあちゃん捕まえて綺麗だなんて……あら?あらあら?どうなってるのかしら?」


ぐるぐる回り始めた教皇様。

教皇様は混乱しているようだ。

まあ、いきなり若返ったら混乱もするわな。

シルバーがおかしいんだ。

奴も若返った一人だからな。

今更だが、周りの人達は教皇様を教皇として見れるのだろうか?

だって、老婆が若者になったんだぜ?

でもまあそんなことは一旦端っこに置いて、何しに来たんだろうか?


「はいはい、クク様に質問!」

「クク様?私のことかしら?」

「名前全体的に長いから、最初と最後でククです」

「まあ、なんだか若返った気分だわ」

「若返ったんです。で、質問なんですが、ここに何しに来たんでしょうか?」

「あら?言ってなかったかしら?アリア君に会う為よ。教祖の坊やが今日の祭典中、一緒に行動する人物の推薦があったの。だから、どんな人なのか自分の目で確かめようと思ってたのだけど……良くわからないわ。悪い子じゃないっていうのは分かるのだけど」


俺を物差しで測ろうって?そんなこと不可能!無駄無駄無駄!!

……さて、これからどうしよう?


「えっと、護衛とか連れてきてますよね?」

「えぇ」

「今自分が若返っていることを認識しましたか?」

「えぇ」

「じゃあ、これからどうしますか?」

「そうねぇ……護衛に説明しましょうか」


という訳で、宿の前で待機していた教皇様の護衛に説明タイム!



◇◇◇



教皇誘拐の容疑と教皇を騙った罪により、牢屋に入れられますた。

俺と教皇様の二人で、牢の中である。

ファリエナ達は、祭典を見学しにいってしまった。


「……へい、クク様」

「なにかしら、アリア君」

「出れるの?」

「ん~司教や教祖あたりの人になら、証明できる方法があるのだけど……」

「なるほど、つまり?」

「どうしましょう?」


やっちまったな……なんで若返らせちゃったんだろ?

どうしたもんか。

教皇と一緒に身動きが取れなくなり、祭典は始まった。

祭典終るまで放置ってことが無いことを祈る。

アリア「もしもし!俺俺!俺だって!」

サファイア「……彌蝦慧婁(ミカエル)ですか?」

アリア「え!?あ、その、えっと、うん……彌蝦慧婁(ミカエル)、です」

サファイア「そうですか。元気にしてましたか彌蝦慧婁(ミカエル)?全然連絡よこさないから彌蝦慧婁(ミカエル)のこと心配してたんですよ?彌蝦慧婁(ミカエル)は今どこにいるんですか?彌蝦慧婁(ミカエル)彌蝦慧婁(ミカエル)~」

アリア「……はい、すいませんでした」

サファイア「異世界でオレオレ詐欺とか、バカですか?」

ファリエナ「バカ、です」

アリス「かば?」

クィール「おっバカさ~ん♪」

アリア「皆がイジメるぅ!!クク様慰めて!」

クク「あらあら、いいこいいこ」

アリア「……お婆様」

サファイア「なんか尊敬し始めた!?」

アリア「よし、一旦落ち着こう。クク様の今後をどうするべきか考えるんだ。キュ○ティーハ○ー的な感じにするか、それとも月に代わってお仕置きしてもらうか、悩むぜ」

サファイア「この人誰か止めて!取り返しがつかなくなる前に!」

クィール「私のおもらし親友、昨日から元気ないんだ~」

ファリエナ「自然が足りないデス」

アリス「Zzz」

クク「みんな元気ね~私は体は元気でも心が疲れちゃって」

サファイア「ダメだこりゃ!また次回で!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ