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辺境貴族とメイドさんの平和な日常  作者: ディアズ・R
第四章・出会いのある!良い旅!夢気分♪
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其弐・病弱少女と話し合い

若干真面目なアリア君。

途中で何書いてるのかわからなくなったけど、頑張った。

みんな知ってると思うけど一応、シリアスは苦手です。

視点・アリア(サファイア不在中)


どうも、ツッコミのサファイア不在でも普通にやっていけているボケのアリアです。

俺の歌った残○な天○のテーゼ・子守唄バージョンにより、子供達を強制昼寝させた。

俺の歌唱力は世界一ってほどでもないな、うん。

アリスも眠ってしまい背負っているので、暇になってしまった。

ファリエナの所にでも行くか?

いや、今は根を張っているかもしれない。

そんな状態を見られたら、ファリエナが恥ずかしい思いをするだろう!

まあ、どうやって光合成しているのか凄い気になるけども。

……やっぱり、裸なのかな?


「……」


これはもう、行くしかなくね?

いや、けっしていやらしい意味ではなく、そう、純粋な好奇心でね、しかたがないことなんだよ。

うん、これは知的好奇心を満たすための行為で、やましいことなど一欠けらも無い!

というわけで、ファリエナのいる花壇まで移動だ!



~数分後~



……ファリエナが生まれた時、服は葉っぱだけだっただろ。

その葉っぱがさ、地面から生えてるんだ。

近くにいるのかと思って探したんだけどさ、どこ探してもファリエナいなくて。

まさかと思って葉っぱに近づいてみたんだけど、動いたんだよ……それ以上考えたくなかった。

見たことを忘れる様にボーっとしていたら、シルメリア嬢が近づいてきた。


「どうかしましたか?」

「いや、衝撃的な事実を知ってしまったから忘れようかと」

「?」


首を傾げる病弱少女を改めて観察する。

シミの無い白い肌、パッチリと開いたエメラルドの瞳、金髪で良く手入れされた綺麗なロングヘア。

英語喋りそうな見た目だ。


「……あの薬、なんなんですか?」

「ん?あの薬?……お、俺は、し、白い粉なんて、あ、扱ってませんが?」

「白い粉?いえ、初めてお会いした時に、その、口移しで飲まされた」

「……あぁ!あれね!」


ビビったわ~

何でこの病弱娘がソルさんの店にコッソリ納品していた白い粉について知っているのかと思ったわ。

かなり危ないモノなんで、バレるといろいろヤバイのよね。

特にアメリアさんの説教が。

ちなみに、ちゃんと需要がある。

エルフ連中が、ごく稀に来るエルフ狙いの奴隷商とかを白い粉塗れにして、意のままに操ることを覚えたみたいなのだ。

もうね、ホント、容赦ないよ?

あと、世界樹の実を食べた領民達は、どれだけ白い粉を摂取しても平然としていた。

そして、俺はもともとおかしいので効果無しだ♪

……てか、今それはどうでもいいんだよ。


「あの薬は、ちょっとした木(世界樹)の実を副作用無しで効果的に摂取するための薬かな?まあ、効果時間はせいぜい三日ってところかな?」

「そうなんだ……じゃあ、もし、もしも、私を、普通の人みたいに、元気に出来る?」


……ん?

なんだろう……物凄く重いことに足を突っ込んだ気がする。

病気は、専門外なんですが。

自分の病気すら治せないただの小僧ですよ?

過度な期待はやめてほしいわ~


「そんなの無理に決まって―――」

「私ね、一目でいいから、海を見て見たいの」

「……」

「それで、皆と一緒に、一杯泳ぎたいの」

「……」

「えへへ、変だよね。でも、私は、私の夢は、そんな小さなことなんだ」


……すっげぇ普通に重いんだけど。

え?なにこれ?どうなってんの?

でもまあ、夢か……


「夢は何時だって残酷に出来てる」

「え?」

「叶えたい、そう願って夢を見る。でも、夢を叶えられる者はほんの一握り。叶えられなかった者は叶えた者を羨み、恨み、嫉妬し、憎悪する。だけど、夢を叶えられた者は、夢がなくなる。夢を叶えようと努力して、夢を叶えた後、どうしたらいいのかわからなくなる。夢は見るモノで、実現するべきモノじゃない」

「……そんなことない」

「何故そう言える?夢は叶えてしまったらそれまでだ。一つの夢を叶えたから次の夢を叶える、なんて不可能だと思うよ。何故か、それは単純明快、叶えられる夢は一つだからだ。出来ることと出来ないことが存在するように、叶えられる夢と叶えられない夢が存在する。そして何より、周りが二つ以上の夢を持つことを許さないからだ。夢を叶えられなかった者達は、一つの夢を叶えもう一つの夢も叶えようとする者を許さないからだ。悪意っていうのは、夢も希望も絶望に変えるもんだ」

「なんで……なんでそんなこと言うの?どうして?」


なんでか……それは、俺にも分からないって言えたらもっと楽だったな~

最後まで言っちゃうかな。


「お前が、夢を語ったから」

「……ぇ?」

「そうやって誰かに夢を語って、何になる?お前は病弱だ。それが現実だ。憐れまれたいのか?優しくされたいのか?手を差し伸べて欲しいのか?」

「……やめて」

「何時か白馬の王子様が来て自分のことを助けてくれる?救ってくれる?夢を叶えてくれる?」

「やめて」

「夢は語るモノじゃない、叶えるモノだ。最初に言ったよな、夢は何時だって残酷に出来てる。夢を叶えた後は、何も残らない……海が見たい?皆と一緒に?お前―――」

「やめて!!」

「―――そんな死にたいの?」


泣きそうな顔でキッと俺を睨んでくる。

前世の俺は、こういう奴を知ってる。

周りに人がいる時は元気に振る舞って、一人になると泣き喚く。

自分の中に溜めこんで、最後には命を投げ捨てる。

どうしてあいつは死んでしまったのか、当時はずっとそのことを考えてた。

どうして俺は、アイツの悲しみを分かってやれなかったんだ!

俺の、俺の大切な……子豚のモモ!!

美味しい、チャーシューになっちまって!

……え?シリアスはどうしたって?

脳内でぐらいふざけてもいいじゃない。

ちなみに、子豚を飼っていたのはホントの話。

豚足が一番美味かった。


「俺には、君の病弱さをどうにかできない。まぁ、明日は祭典だ。奇跡が起こることでも祈るのが良いんじゃないの?」

「……私、貴方のことが嫌いです」

「そですか~」


面倒なことは言うもんじゃないよ。

病弱を治す薬なんてねぇよ。

まったく……俺このままだと嫌な奴?

くっそ~明日豚の丸焼き食ってやる。


「レイバックさん、キュレシィアさん、そろそろ帰りますね。クィールによろしくお願いします」


俺を睨み付ける病弱少女と何か言いたそうにしている二人から逃げる様に教会兼孤児院から出る。

ファリエナは何時の間にか後ろに立ってた。

おまいはアメリアさんか。


「よかったデス?」

「聞いてた?」

「最後の方だけ、です」

「……俺間違ってる?」

「誰かにとって正しいことは、誰かにとって間違っていること、です」


えっと、ファリエナさん、どこでそんな言葉を覚えたんでしょう?

こうして変な問題を保留したまま、祭典は始まる。

アリア「シリアル万歳!シリアス引込め!」

サファイア「私、出番無かった……」

クィール「私も出番なっし~」

アリア「そして今日のゲストは、今は亡き我が盟友、子豚のモモだ」

モモ「プギィ!」

サファイア「なんで呼んじゃったかな……ってなんで呼べちゃったの!?」

クィール「半透明の子豚!」

アリア「火で炙ります」

モモ「プギャァァァ!?」

サファイア「幽霊子豚の丸焼き!?」

クィール「あぐあぐ、噛み応えは無いけど、もぐもぐ、味はするね!」

アリア「魂だからな!やっぱ豚足だろ」

サファイア「こいつら最低だ!!」

ファリエナ「肉はいらない、です」

アリス「にくきら~い」

サファイア「誰か、誰かシリアスを保って!!」

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