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辺境貴族とメイドさんの平和な日常  作者: ディアズ・R
第四章・出会いのある!良い旅!夢気分♪
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其壱・病弱少女と出会った

何かが始まった!?

なんでそうなった!?

視点・アリア(続くよ!)


俺達は、サファイアという犠牲によって七大魔王の一柱、キョウ・ソーを満身創痍になりつつも倒すことができた。

ボロボロになってしまった体を休めるところを探して深く暗い森を彷徨っていると、小さな教会を発見した。

そこは二人の男女が経営している教会で、孤児院としても機能していたのだった。

俺達はそんな教会で休みつつ、大切な仲間の死に静かに涙を流すのだった。


「はいここまで!」

『えぇ~』

「まずはおやつだ!」

『は~い』


アリアです!今子供たちの相手してます!

え?最初のはなにかって?

子供達と仲良くなるための即興の物語、ドラゴンエピソードだ。

ドラ○エの世界観ある程度パクッて、ちょっと前のことをそれらしく語った。

スゲー楽しかった。

あと、前回言わなかったこの教会兼孤児院の経営者の名前……あれ?よくよく考えると普通に分かってない?

男がレイバックで、女がキュレシィア……み、苗字あるし。

レイバック・オーディアとキュレシィア・エメリス・アライン、ですってよ。

二人とも貴族的な地位らしく、女の方が若干上らしい。

てか、アイツ等のことなんかどうでもいいんだよ!


「ヒャッハー!プリンだぁぁぁ!!」

『ひゃっはー!ぷりんだぁぁぁ!!』

「こら!真似しないの!」

「まあまあ」


おやつの時間と聞いて、プリンの作り方を教えたら見事に再現してくれた。

まあカラメルがないし、砂糖が無くて甘さがあんまりないけど、このプルプル感が大事。


「そういえば、なんで俺ここにいるんだっけ?」

「「……さぁ?」」


たしか、クィールに連れて来られたんだよな。

クィールどこ行った?

プリンをさっさと食べ、クィールを探す。

アリス?ずっと肩車中だ。

ファリエナ?外の花壇の近くで光合成中だ。

探すこと数分、クィールを見つけた。

教会裏の木の下の木陰で一人の少女と話している。

なんとなく目の力で少女を見て見たら、病弱のステータスが表示されてた。

あ、ゲーム的なヤツじゃないよ?

俺はそれを見て、きっと体が弱いんだなと、思ったり思わなかったり。


「ヘイ!連れて来といて放置とはやってくれるじゃないか、小娘よぉ……舐めてんの?あぁ?答えろや!」

「ごめん!忘れてた!」

「あ、そうなの?じゃあいいや」

「いいんですか!?ゴホ!」

「で、そこな少女は何者かな?」

「おぉ!この子はアタイの親友で、とっても胸が大きいんだよ!」

「ゴホッ!?」


その胸が大きい親友、真っ赤になってますけど。

そして名前がわからない。


「俺の名前はアリア・メルノだ。好きに呼んでくれて、良いんだぜ?」

「ありすだよ~」

「ファリエナデス」


ファリエナ、いつ来た?

そんなに、そんなに出番が欲しいのか!?

それはさておき、少女が興奮し過ぎて辛そうなんだが。


「病気かね?」

「うん……この子、小さい時から病気がちでね……なかなかベットから出られないんだ。だからおねしょも多くって……」

「ゴッホゴッホ!!」

「いつも片づけてあげてるんだ!そんな親友に、私は外の世界を教えたいの!そして、いつかおねしょをしないで済むようになってほしい!」

「ゴホッ!!」


真っ赤通り越して真っ青だよ。

もうやめたげて、彼女の羞恥心はもう限界よ!

そろそろ名前が知りたいので、服の内ポケットから試験管に入った薬を取り出す。


「これを飲むと良い」


咽てて、飲め無さそうだ。

少し考え、クィールに渡す。


「口移しで」

「!?」

「任せとけ!」

「!?」


嫌がる病弱少女に無理矢理口移しで薬を飲ませるクィール。

それを見た俺の感想は、野獣に襲われている哀れな少女、というものだった。

超興奮した♪

薬を飲ませ終ったようで、病弱少女の状態もだいぶ良くなった。


「いいいいいいきなり何するの!?というか何させてるんですか!?」

「「反省も後悔もしていない!いぇ~い!」」

「ハイタッチしないの!もぅ!」


サファイア居なくてもいけるな。

この子は優秀だ。


「で、君の名前って何?」

「え?あ、えっと、私はシルメリアといいます」


ヴァルキリーですか?

実はヴァルキリーなんですか?

これは、聞かずにはいられないな!


「俺を、俺をヴァルハラに連れて行ってくれ!!」

「……クィールちゃん、この人変だね」

「でしょ♪」

「いや~それほどでも~」

「褒めてませんよ!?」

「でも」

「だけど」

「「そこがいい」」

「誰か止めて!」


まるで初期のサファイアの様な感じだな。

……魔法少女契約、いっとく?

いや、まだだ、まだその時じゃない……絶好なタイミングで、変身させて見せるぜ。


「ッ!?なんだか、寒気が……」

「そろそろ戻る?」

「……そうだね。アリアさん達も一緒に戻りましょう?」

「オッケー」

「おっけー」

「陽の光が私を呼んでいるのデス!」


ファリエナは走り去っていった。

昔のファリエナは、もっとおとなしかったな……

教会内に戻ると、子供たちに群がられた。


「話しの続き~」

「早く早く!」

「わかったわかった!落ち着け!ステイ!ステェェェイ!!」


子供達に最初の続きを聞かせる。

ペラペラ喋りつつ、病弱少女の魔法少女化計画を練る。

ククク……ニコニコしていられるのは、今だけだぜ?

アリア「フッあんまり俺を見ると、火傷するぜ?」

サファイア「何言ってんの?いや、この中二感……今日のゲストはアイツか!」

クライブ「我を焦がせる炎など、存在しない。それが、世界の真理だ」

クィール「うっは、変人が来た!わくわくが止まらない!」

アリア「クク、なら試してみるか?俺の魔導を」

クライブ「来るがいい。我が黒炎龍にて貴様を消し去ってくれる!!」

アック「「うおぉぉぉぉぉ!!!」」

サファイア「……えたーなるふぉーすぶりざーど」

クィール「おぉふ……まさに芸術だね!」

サファイア「いつもだったら、新登場の人がゲストなのに、なんで……こんなの絶対おかしいよ!!」

ファリエナ「いつも通り、です」

アリス「かっちかち~」

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