辺境領主の!恋愛相談室♪~ちょっとだけ真面目だよ?~
途中まではよかった気がするのにな~なんでこうなるんだろうか?
自分でもよくわからないよ!
一応一言、恋愛観念は個人の自由です♪
視点・アリア(医者コスプレ中)
椅子に座りながら胸元まである付け髭を撫で、目の前に座っている乙女に話しかける。
「初めてだったかな?今日はどんな相談なのかね?」
「ヘスともっと親密な関係になりたいの!」
「なるほど」
ヘスはヘラクレス青年の愛称で、俺が言い続けていたら彼の家族ですらそう呼ぶようになった。
あと、こちらの恋する乙女さんはヘス君の幼馴染さんで名前はメグだ。
「何時か夫婦になって」
「ふんふん」
「綺麗な湖の近くに二階建ての家を建てて」
「ふむふむ」
「毎朝おはようのキスと寝る前の○○○をして」
「……ん?」
「子供の頃一緒に水浴びとかしてたんだけど、すっごくおっきいの!」
「ビッグ!?」
「だから、毎日満足させてあげるんだ!」
「……何故それを俺に言う?」
「あれ?なんでだっけ?まあいいや!そういうわけだから、まずは彼と恋人になりたいの!どうすればいいかな?」
「うん、どうしようね~」
やめろし。
俺にそんな面倒持ち込んでくるなよ。
誰だこいつ連れて来たの。
「ぱぱ~あそんで~」
「今忙しくて遊んであげられないんだ、ごめんね?代わりにロボ達が遊んでくれるから、戦争ごっこでもしておいで」
「は~い」
「アリスは可愛いな~」
「ソウデスネ」
「さて、そんな可愛いアリスは置いとい……サファイア、何連れてきてんだゴラァ」
「スンマセン」
ずっと黙ってれば矛先が来ないとでも思ってたのか?
いきなり来て俺を蹴り倒したかと思うと「相談を聞いてあげてください!」だぜ?
本気でぶっ殺そうかと思った。
おっと失礼、ぬっころそうかと思った。
「あれ?一瞬寒気が……」
「まあ、今回は不問にしてやろう。けしてサファイア第二形態の善行旅行の御土産のバニーガール服につられたわけじゃないからな!」
「それはもちろんわかってますとも!」
「まったく……今回だけなんだからね!」
どうにかしてアメリアさんに着せないとな……俺の全力を思い知らせてやんよ!!
「でだ……メグぴょんはヘス君とエロイことがしたいと!」
「ぴょん?」
「はい!」
「肯定しちゃうの!?」
「ならもう、押し倒しちゃいなYO!」
「考えることを放棄している!?」
「ま、まだ付き合ってもいないのに、そんな……恥ずかしいです!」
「今更恥ずかしがってんじゃねぇ!!」
「じゃあ夜誰もいないところで『貴方のことが好きです。そう、親のお腹の中にいる時から、ずっと好きです……貴方を愛しています。私だけの、夫になってください』こう言うんだ」
「なんか怖い!」
「なんと言いますか、凄く、私にピッタリな気がします!」
「だろうね!」
サファイアさっきから五月蠅い。
お前が押し付けて来たから真面目に……それなりに……適当に相談に乗ってるんだからな。
まったく、サファイアはホントサファイアだよな!
「メグぴょん、ここまで相談に乗っておいて言うのもなんだけどさ」
「はい?」
「他人に相談しないと、ダメなの?」
「っ!?」
「君の想いは、誰かを頼らないと前に進めないほど、弱いの?」
「……」
「きっと、俺が言うべき助言は、たったの一言だと思うんだ」
「……はい」
「当たって、砕けろ!!」
「はい!!」
「砕けちゃうの!?」
良い話だったのに、サファイアの所為で台無しだよ。
「え?私の所為ですか!?だって、あんないい事言ってたのに、当たって砕けろって……えぇ~」
「サファイアはほっといて、君の素直な気持ちをヘス君に伝えるんだ」
「わかりました!」
「訂正、君の素直な気持ちを分かりにくくヘス君に伝えるんだ」
「?」
「まあ、夜の○○○○のことをオブラートに包んで貴方と愛し合うとかそんな感じね」
「なるほど!じゃあ、私言ってきます!ヘスに、私の想いを伝えに!」
「がんがれ」
走り去っていくメグぴょん。
彼女は、上手くいくのだろうか?
「訂正しなきゃ結構キマってたんですけどね」
「ちなみに、彼女が上手くやらないとヘス君はシルバーに告白するかもしれないよ」
「絶対成功させてやるぅぅぅぅぅ!!!」
彼女の告白の成否は、サファイアの今後に関わるからな。
よし、中断してた作業を再開―――
「すみません!相談に乗ってもらえませんか!」
出来そうにないですね。
ドアを蹴破って入って来たのは、メグぴょんの妹ミサだ。
俺は敬意をもって、ミサミサと呼んでいる。
「どうしたミサミサ?」
「……私、どうしたらいいんでしょう?」
知らねぇよ。
俺にどうしろってんだよ。
とっとと消え失せろ。
そんな内心を一切表に出さず、笑顔で話を聞く。
「ヘス君の弟君が、告白の決意でもしたのかな?」
「っ……はい」
「なるほどね……君はどうしたいの?」
「私は……応援します」
「何故?君は彼のことが好きだったんだよね?」
「だったんじゃなくて、今も好きです!でも、私の都合を押し付けて、彼を不幸にしたくないんです……」
「ほぉ……噓ですね」
「何を、言ってるんですか?」
「貴女は今噓をついた。彼を不幸にしたくない?ただ自分が拒絶されるのが怖いだけでしょう?」
「それ、は……でも!」
「俺の考えですけどね、恋愛なんてのは自分の都合の押し付け合いなんだと思ってますよ。弟君だって、自分の都合を押し付けてるじゃないですか」
「え?」
分かんないのかよ!
分かれよ!
めんどくせぇな!
なんだその続きを聞きたそうな顔は!
ぶん殴るぞ!!
と、これも表に出さず彼女の疑問に答える。
「彼は貴女のお姉さんの都合を考えていない。自分の都合で告白しようとしている。ほら、恋愛は自分の都合を押し付けて、やっと前に進めるものなんですよ」
「……そう、なんですね」
「もう、答えは出ているんでしょう?だから俺が貴女の背中を押してあげます……その恋心、自分勝手にぶつけておいで」
「……はい!」
走り出すミサミサ。
よし、もう自分の作業をやってもいいだろう。
でもその前に、扉の修理をして……さぁ!始めるか―――
「アリア様、クリスが相談したいことがあると」
「今いいかな?」
な……んだと!?
……わかったよ、つまりアレだろ?これ以上作成させないってことだろ?
なんだよ……そんなに海賊の悪魔の実を作らせたくないのか!
良いじゃんか!ゴムになったって、炎になったって、良いじゃないか!
もういい!そんなに邪魔するならもう作らねぇよ!
世界樹の実を魔改造していたが、それをゴミ箱に捨てた。
「それで、どんな相談ですか?」
今日も辺境領主は、笑顔です。
アリア「今日は、疲れたぜい」
サファイア「領主様お疲れですね?」
アリア「あ、どうなった?」
サファイア「アリスちゃんとロボ達の遊びの余波で、何の進展も無しです」
アリア「……もう一回言ってくれる?」
サファイア「ですから、進展無しです」
アリア「……俺、もう、絶対恋愛相談とかしないから」
サファイア「そうですか。あ、今日のゲストは、メルティさんです!」
メルティ(幼女)「こんな姿ですまんのぉ」
アリア「幼女のほっぺぷにぷに~」
アリス「ふにゅ」
メルティ(幼女)「うにゅ、やめてほしゅいんしゃが」
アリア「ヤダ可愛い」
サファイア「……わ、私も!」
アリア「ふにふに~」
サファイア「ふよふよ~」
アリス「ふにゅにゅ」
メルティ(幼女)「うにゅにゅ……」
メルティ(大人)「やめんか!」
アリサファ「「あぁ!」」
メルティ(大人)「まったく……そういえば、次回予告はしなくて良いのか?」
アサ「「え?何時もしてないけど?」」
メルティ(大人)「……最近の若者は、まったく」
アリス「ふにゅ」
ファリエナ「バキャばっか、でしゅ」




