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辺境貴族とメイドさんの平和な日常  作者: ディアズ・R
第三章・領地改革というなの魔改造計画♪
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世界の中心でパンツを掲げる……何か間違ったこと言ってるか?

アッシュさん……かっこつけやがって!

視点・アリア(落下中)


「どこまで落ちると思うよ?」

「……」

「返事がない、ただの屍の様だ」

「……」

「……え?サファイア?」

「……」

「……………き、気絶しているだと!?」


え、このまま落ちて、どうすんの?

流石にこの長さだと、死ぬよ?

竜から飛び降りて、約3分。

未だに落ち続けています。

やばいな、このままだとあそこ、世界の中心的な所行っちゃうんじゃない?

とりあえず、サファイアを俺の下にしてっと……これで、運が良ければ俺が生き残るな。

鬼畜?外道?人間失格?自分、死にたくないですから。(キリッ


「にしても……なんか暑い、な……おぅふ」


暑かったので、ちょっと上を見て見たらデカい竜が数匹炎を吐きながら追いかけてきていた。

下を見て見る。

まだまだ底は見えない。

が、下の方の左右の壁の穴から何匹もの竜がこちらを見ていた。

はっきり言わせてもらおう……なんでこんなにいるんやねん!


「サファイア!起きろ!遅刻するぞ!!」

「……」

「寝るなぁぁぁぁぁ!!!起きなきゃ死ぬぞぉぉぉぉぉ!!!」

「……」

「……あ、こいつ完全にノビてる」


寝てるとか気絶とか、そんなちゃちなもんじゃねぇ。

これ、魂抜けてる感じや。

ほら、こんなバカなことやってるからどんどん暑くなてくるよ。

俺の変身用の道具、持ってきてないんだよな。

死んだかも。

せめて、アメリアさんの匂いに包まれて死にたい。

というわけで、激レアのアメリアさんの使用済み未洗濯パンツを被る。


「……」

「……」

「……」

「……」

「……もう、死んでもいい」

「……」


これが人類の、いや、生きとし生けるモノの至宝。

我が人生に、一片の悔い無し。


「何をしているんだ、お前達は」

「パンツ被ってますが、何か?」

「……」

「フゥ……まあいい。とりあえず、逃げるぞ」


何時の間にか近くに来ていたアッシュさんが、俺を担ぎサファイアを脇に抱えて、槍を壁に投げて突き刺す。

槍にワイヤーを付けていたらしく、凄い勢いで壁に引っ張られる。

ワイヤーを僅かに引いて槍を抜きつつ、竜の住処であろう穴に飛び込んだ。


◇◇◇


「何時から着いて来てた?」

「教会からですよ」

「……ホントか?」

「うい」


今、事情聴取されてます。

助けられてから、サファイアを背負いつつ飛び込んだ穴の奥へと進んだ。

竜の住処の穴の奥には間欠泉があって、それに乗れば上に戻れるらしい。

間欠泉は温水でなく冷水らしいので、火傷の心配はないようだ。

で、間欠泉が吹き上がるのを待っている次第だ。


「気付かなかったな……だが、何故俺を尾行した?」

「イケメン観察」

「……は?」

「イケメンの私生活を曝してやろうと、そういう企画だったのです」

「……そうか」


納得してもらえたようで何より。


「ん……はれ?」


サファイアが起きたようだ。

間欠泉が噴き出す穴へ、サファイアを落とす。


「おい!?」

「へ?……にゅあぁぁぁぁぁ―――」


そして、何も聞こえなくなった。


「お、お前……」

「そう、全ては運命……英語で言うとDestiny」

「な、何を言ってるんだ?」

「だから……アメリアさんは俺の嫁ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」


洗濯済みのアメリアさんパンツを両手に持って、飛び降りた。

間欠泉で勢いよく昇って来たサファイアの鳩尾に両足着地。


「ごほぇ!?」


そのまま唖然としているアッシュさんを置いて、昇って行った。

ちなみに、前回で被った未洗濯パンツはそのままである。


「無限の彼方へ、さぁ行くぞ!!」


そして、空高く飛んでいったのだった。


◇◇◇


視点・アッシュ


あの少年と少女が消えてから、俺は教会へ帰ってきた。

正直、今日の出来事は忘れたい。

アレが貴族で領主だとは、思いたくないな。


「おかえりなさい」

「あぁ、ただいま」

「疲れてるみたいだけど、何かあった?」

「領主の少年が尾行してたらしくてな……いろいろあったんだ」

「へ~楽しめた?」


ニコニコしながらクリスがそう聞いてきた。

楽しいわけあるか。

唐突な行動が理解不能過ぎて、あまり関わりたくないタイプだ。


「うんうん、アリア君は常識に囚われないどころかぶち壊して新しく創るような子だからね、あんまり深く考えない方が良いよ。でもさ、嫌いにはならなかったんじゃない?」

「……もう寝る」

「そか、おやすみ♪」


まあ、悪ではないんだろうな。

でも、竜達を刺激させないように注意しておいた方が良さそうだ。

あの少年、放っておくと何を仕出かすかわかったもんじゃないからな。

とりあえず、明日はあの時の少女がどうなったかだけでも確認するか。

俺はベッドに横になって、眼を閉じる。

今日の出来事が思い起こされ、ほんの少し笑ってしまった。

アリア「このにほい……たまらんな!!」

サファイア「おまわりさーん、こっちでーす」

アリア「俺は国家権力には屈しない!!」

サファイア「じゃあ、アメリア様で」

アリア「ゑ?」

アメリア「回収ですね」

アリア「洗っちゃらめぇぇぇぇぇ!!!」

アメリア「アリア様も回収しておきましょう」

アリア「ガハッ!?……黒の、ヒモパン……エロス!」ガクッ

アメリア「では、私はこれで」

サファイア「……さぁ!今日のゲストはこちらの方!」

モルドレット「次回はメイドの日記っす♪」

サファイア「ハイお疲れ~」

ファリエナ「ターンエンド、です」

モルドレット「えぇ!?まだ出てき―――」

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