夢にまで見たあの果実。
領主がいつもと違う壊れ方した。
次回は第三章初の新キャラ登場予定♪
視点・アリア(何かが可笑しい現実?)
盗賊狩りをしてから三年。
皆変わってしまった。
アメリアさんはなんかやる気がなくなってる。
「ぼっちゃ~ん、ほら飯だよ~めんどくさいからさっさと食えよ~」
サファイアは魔女になってしまった。
「ヒッヒッヒッヒッヒ!!」
ファリエナは何故か花になってしまった。
「……」
他の皆も似たような感じにおかしくなってしまった。
俺は全てが変わってしまってからずっと、世界樹の天辺で世界樹の実を食べている。
黙々と一人寂しく。
何でこれを食べるようになったのか、正直分からない。
でも、これを食べていると嫌な気分が無くなってく。
ボーっと空を見上げていると、一匹の鳥が金色のリンゴを俺の額に落としていった。
「イデッ!?……なんだよ」
金色のリンゴを手に取ってみる。
カッチカチだ。
食べられそうもないが、とりあえず齧ってみる。
すると、思いのほか簡単に齧れた。
そのリンゴの味は―――
◇◇◇
「美味過ぎる!!」
……寝てたみたいだ。
たしか、山賊狩りして、帰ってきて、それから……
「アリア様!気分が悪かったり吐き気などはありませんか?」
「アメリアさん?いや、特には……しいて言うなら、額が痛い」
アメリアさんは心配そうな表情で俺の体を触りまくる。
正直言って、興奮します。
ところで、なんでサファイアは正座をしてるんだ?
「寝てる間に何かあったの?」
「山賊狩りから帰ってきてすぐに、サファイアさんがアリア様に跳び膝蹴りを……」
「オケ、把握」
バルテンにキレたんだな。
サファイアからの気絶するほどの威力って、初めてな気がする。
成長したんだな……胸以外。
「私のは小さくない!小振りなんだよ!!」
「結局小さいじゃん、プッ」
「五月蠅いわ!!」
……やっぱ夢よりこっちの方が良いな。
ファリエナは花じゃなくてちゃんと人型だし……今が一番だぜ。
サファイアが正座しながら騒ぐのを聞き流しつつ、空を見上げる。
一羽の鳥が金色のリンゴを落としていた。
俺に当たりそうだったリンゴをアメリアさんがキャッチする。
「金のリンゴですね?」
「食べられるんですか、それ?」
「ピカピカ、です」
アメリアさんが調べて危険が無いと分かったからなのか、俺に渡して来た。
俺はそのリンゴを見つめ、これがどこのモノか考えた。
そう、普通のリンゴの様に木に成っている様を思い浮かべた。
金のリンゴの木。
そこまで考えて、昔夢見た金の成る木を思い出す。
それ自体に意味は無いが、その発想が俺を刺激した。
「そう、そうだ……ここは、俺みたいな中二病患者が夢にまで見た異世界……俺は、何をやっていたんだ……」
「アリア様?」
「領主様?」
「?」
リンゴを齧り、咀嚼し、飲み込む。
その味は、甘美な甘さと至高の果汁が俺の味覚を蕩けさせる。
「何が貴族だ……何がロボだ……何が機動戦艦だ……俺が、俺達が求めている異世界はそうじゃないだろ……そう、俺達が目指すべきモノ、それは……ファンタジーだ!!」
「「「……」」」
「そうと決まれば……聖剣か魔剣を作らなくては!!作成して来るじぇ!!」
「「あ、はい、いってらっしゃい」」
今の俺は誰にも止められねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!
◇◇◇
視点・サファイア(理解不能)
金のリンゴを見てから、領主様が壊れた。
……私の所為かな?
久しぶりの物理ツッコミだったから、加減に失敗したとは思ったけど。
「……アメリア様」
「……はい、なんでしょう」
「……もう一回、やった方が良いでしょうか?」
「……そうですね、もう一回やっておきましょう」
というわけで、領主様が治ることを祈って、強襲します。
◇◇◇
視点・アリア(脳内白紙)
「……あれ?俺は、何をしてたんだ?」
たしか、盗賊狩りを終わらせて……記憶にないな。
帰ってきたところまでは覚えてるんだけど、それ以降が思い出せない。
ところで、なんで俺は倒れていて、アメリアさんとサファイアが見下ろしているんだろうか。
アメリアさんのパンツは淡い水色か。
サファイアは青と白の縞々だが、サファイアに性的興奮を感じない俺がいる。
「よかったです」
「戻った~」
何が戻ったんだ?
なんで安堵してんの?
わ、わけがわからねぇよ!
だ、誰か!何があったのか教えてくれ!!
「な、何かあったの!?」
「いえ、何もありませんでしたよ」
「そうそう!モーマンタイですから!」
「意味わからん!?誰かヘルプミー!!」
◇◇◇
ファリエナは世界樹の傍に、食べかけの金のリンゴを埋めた。
その上に水を掛けながら、世界樹を見上げて一言呟く。
「……バカばっか、です」
アリア「コタツ作ろうぜコタツ!」
ドライゼス「こたつってどんなのぉん?」
アリア「こう、机の下が暖かい、暖房器具?」
ドライゼス「面白そうねぇん♪作りましょうかぁ♪」
サファイア「……あとがきでやんなや」
アリア「後書きで物を作るな、そう言いたいのか……だが断る」
ドライゼス「あらぁん?ちょっとお色直しに行ってくるわぁん」ダッシュ!
アリア「別に走って行かなくても……」
サファイア「これ、新しく創った魔法なんですよ♪」
アリア「……ま―――」
サファイア「アイシクル・エクスカリバァァァァァ!!!」
ドライゼス「生きてるのかしらぁん?まぁいいわぁん。次回はロリエルフちゃんが後書きに来るみたいよぉん♪」
エステラ「勝手に教えんな!テメェマジブッ○○!!」
サファイア「そろそろ禁止用語言うのやめませんか?成長しましょうよ」
シルバー「貴女が言わないの♪」
ファリエナ「……乙、です」




