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辺境貴族とメイドさんの平和な日常  作者: ディアズ・R
第二章・王都で事件らしいです!!
55/135

まだ出るのか、新キャラ。

安定のごり押し!

もう、ダメぽ……

視点・アリア(説教され中)


「アリア様、聞いていますか?」

「ハイ、キイテオリマス」

「いきなり転移してしまった時はとても心配しました。その上、あんな危険なことをするなんて……もしかしたら近づいただけでも死んでしまっていたかもしれないんですよ?わかっておりますか?」

「ハイ、ハンセイシテイマス」


リピートすること17回目。

正座をしながらの説教タイムなので、すでに足の感覚が存在していない。

どうして、こうなったんだっけ?


「アリア様、聞いていますか?」

「ハイ、キイテオリマス」

「まったく……いきなり転移して―――」


だ、誰か、助けて……かゆ、うま……


◇◇◇


説教前の話。

巨大ロボに乗りつつ、王城の庭に着地。

下にはヤンギレさんの転移魔法で来たのか、アメリアさん等がいた。

で、降りたら。


「正座してください」

「……え?」

「正座しなさい」

「あ、はい」

「あの後、私がどれだけ心配したかわかりますか?」

「えっと……すいません?」

「いきなり転移して、どれだけ心配したかわかりますか?」

「ご、ごめんなさい……」

「今日は絶対に許しません。私が―――」


で、リピートすること5時間で最初に戻る。


◇◇◇


「アリア様、聞いていますか?」

「ハイ、キイテオリマス」

「いきなり―――」

「あ!やっと見つけ……たん、ですけ、ど……出直します」


サファイアが現れて、戻って行った。

俺を、俺を置いてかないでくれ……


「アリア様、聞いていますか?」

「……ハィ、キィテォリマス」


あぁ……これが、悟りか……世界が、白いぜ。


◇◇◇


気を失ってたらしい。

足の感覚は戻っている。

視界もカラープリント。

大丈夫だ、問題無い。

王城で使っていた部屋のベッドのようで、サファイアとファリエナが向かい合ってブラックジャックをやっている。

ちょっと観察。


「ブラックジャックですね」

「ブラックジャック、です」

「またブラックジャックですね」

「またブラックジャック、です」

「これで28回連続ブラックジャックですね」

「これで28回連続ブラックジャック、です」


え、何それ、怖い。

寝起きドッキリかよ。


「ん?あ、領主様起きたんですか?一日経ってますよ」


……なん、だと?

じゃあ、帰るか。


「アメリア様~起きました~」

「アリア様、御加減の方はどうでしょう?」


何時も通り音も無く俺の背後に立つアメリアさん。

アメリアさんを見てると、なにか、リピートされて……アメリアさんは、俺を心配している……ハイ、キイテオリマス。

ハッ!?俺は何を……今は目の前のことに集中しよう。


「どうなった?」

「館の方は全てアーサー様方がどうにかしたようです。それで―――」

「わたぁしのぉ家がぁなくぅなっちゃってぇ~たぁすけぇてぇ~?」

「―――とのことです」


アメリアさんとは逆の方に音も無く立っているヤンギレさんか。

この方、どうしようか?

禁術研究してる時点で、城に置いてもらう訳にもいかないし……領地連れてく?

……うん、それでいいや。


「じゃあ、ウチの領地に来ます?」

「いいのぉ~?」

「はい、大丈夫で……ハッ!ウチ来る~?」

「じゃあ、いくぅいくぅ~」


ギリギリ気付いてよかったぜ。

ネタは挟める時に挟まないとな!


「じゃあ、オレっちも!」

「テメェはシネよ」

「ひでぇ扱いっす!!」

「ところで、結局名前を聞いてない気がするんですよね~」

「そぉだっけぇ~?わたぁしのぉ名前はぁ~【生者に死を告げる聖霊・バンシー】だぁよぉ~♪」


ヤンギレさんが人じゃないのは、鍋に落とされた時からわかっていた。

しかし、バンシーは予想外デス!

てか、妖精じゃなかったっけ?

泣かれたら死が確定だっけ?

バンシーについて詳しく知りたいか?

なら、バンシーで検索だ!

説明めんどい!

以上!!


「あ、オレっちはモルドレットって言うっす」

「良いからシネよ」

「何故こんなに嫌われてるっすか!?」

「そぉれとぉ、幽霊のユイさぁん♪」

「ヤホー元気?」


唐突に現れたのは、半透明の浮遊している白い美人さん。

ヤンギレさんもといバンシー、いややっぱりヤンギレさんと見比べてみる。

……残念ながら、ヤンギレさんの方が怖い。

しかし、この声……あのカラスか?


「イヤーアノ時ハ脅シテゴメンネ?バンチャンノ禁術トカ、アンマリ知ラレルワケニハイカナイカラネー」


絶対儀式関係者だと思ってた。

実はただの友達想いとか……どうしろと?

とりあえず、塩撒いてみよう。


「ソレハ止メテー!痛イカラ!スンゴク痛イカラ!!」


魔女と幽霊を御土産として領地に持って帰るか。

うん、問題無い。


「オレっちを忘れないでほしいっす……」

「テメェはアーサー一行に加わってろ」

「それ誰っすか?なんだか、裏切らないといけない気がするから遠慮するっす」

「良いから行けよ!!」

「嫌っすよ!!」


ギャーギャー言い合っていたら、サファイアが一言。


「そう言えば、王妃様に領主様が起きたら連れてくるように言われてました」


俺は言い合うのを一旦止める。

王妃様が?

……やっぱり、今回っていうか昨日のことだろうね。

アメリアさんからある程度聞いてるとは思うけど……

行きたくないなぁ~


「これあげるから代わりに行って?」

「嫌ですよ。ていうか、なんですかそれ?」


俺の掌の上にある白くて丸い毛玉。


「マスコット」


そう、待望のマスコットである。

いつそんなの用意したって?気にすんな。

毛玉が動いて、顔を見せる。

ちょっぴり長いお耳。

短くて可愛らしい手足。

つぶらな瞳。

このマスコットは、魔法少女用にデフォルメされた可愛いウサちゃんだ。


「きゅーきゅーきゅ?」

「……ッ!?」


サファイアは、鼻をヒクヒクさせるウサちゃんに釘付けの様だ。

サファイアの右手がウサちゃんの頭に伸びるが、左手で右手を押さえつける。

明らかに中二病ですね、ありがとうございます。


「よし、掴みはばっちりだ。もう演技は良いぞ」

「きゅーきゅー言うだけでコロッと騙されるとは、まだまだ子供よな」

「んな!?」


さて、サファイアが五月蠅くなりそうだし、そろそろ王妃様の所行きますかな。

アリア「魔法少女ジュエルプリンセス!はっじまーる―――」

サファイア「氷り付け、永遠に……」

アリア「 氷氷(ノ゜ω゜)ノ氷氷 」

サファイア「毎回毎回、何で私ばっかりいじられるんですか!?いい加減に……しろぉぉぉぉぉ!!!」ガッシャーン!!

シルバー「アリア君が砕かれたぁぁぁぁぁ!!!」

エステラ「サファイアちゃんやっちまたぁぁぁぁぁ!!!」

ネメア「アリア君御臨終ぅぅぅぅぅ!!!」

クリス「どうせ次回で復活してんだろ?」

ファリエナ「氷、赤いデス」

ルビス「氷った人が砕かれるのは初めて見たけど、意外とグロい」

サファイア「私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は悪くない」

アメリア「サファイアさん、ちょっとOHANASIがあります」

サファイア「ま、待ってください……大丈夫、領主様ならすぐに戻りますから……や、やめ!アァァァァァァァァァァ!!!!!」

アリア(遺言)【I'll Be Back】

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