厄介事に首を突っ込むことになりました!
ごり押し理論!
結構適当に考えてたんだけど、意外と上手くできてる?
視点・アリア(王様嫌いになりました)
王都に滞在すること5日目。
俺が適当に名づけたドレインのことで、国王陛下直筆の命令書が届けられた。
曰く、俺じゃ解決できない、だから任せた!出来ないとか言うなら、身体と首がお別れすることになると思え!とのこと。
俺の処刑より先に殺してやろうかと思った。
ネッピーに泣きついてみたら、
そしたら、ネッピーどころか第一姫と第二王子が味方に付いてくれた。
会ったことはないが、第一王子も味方してくれるらしい。
第二第三姫は王都にいないので除外するとのこと。
つまり、王都にいる王以外の王族が味方に付いたぜ!
このまま革命してみようかな?
やらないけど。
てか、王が俺の前に俺をノックダウンしてから現れないのは、ネッピーに近づくなと言われていたかららしい。
で、王以外の王族皆で王に直訴してくれた。
簡単に言うと、王都にいる王族全員が王の私室に集まっている状況が出来上がった。
そして、妖しい奴らが動き始める。
「くくく、計画通り」ニヤリ
「王様よりもあくどい!!」
「それでアリア様、どういたしますか?」
「アメリアさんとファリエナは私室の前でこれから来るであろう兵士全員沈めて、サファイアは俺と一緒に私室内だね」
「かしこまりました」
「了解、です」
「私も外が良い……」
俺だってアメリアさんと一緒が良い。
でも俺が中いかないとヤバいし、アメリアさんは殺さない様に通せんぼしなきゃだし。
お前がいないと俺が死んじゃう。
サファイアを引き摺って王の私室に入る。
部屋の中では王が正座しており、王妃、第一第二王子、第一姫、双子メイド、スフィアさん、セルベリアさん、マーゾ君、将軍様、宰相様、偉いであろう貴族がいた。
貴族は多分、バルバロイ公爵だと思われる。
それしか名前知らないし。
多分、王が信頼できるであろう今回初登場の御三方と盗み聞きされない様に会議でもしてたんだと思われる。
まあ、俺のするべきことは一つだけなんだけどね。
「あ!おい!アリア・メルノ!王の私室に無断で入るんじゃない!!」
「シャラップ!国王陛下は黙ってなさいな!」
「んな!?貴様!!」
将軍様が俺の無礼な態度を注意しようとするのを手で制し、この中でドレインについて一番詳しいであろう人物の前に立つ。
「ドレイン、いや……人造魔法生命吸収体の作成目的について教えてもらえますか、スフィアさん」
「……何の話ですか?」
室内の全員が、何言ってんだこいつみたいな目で俺を見る。
まあ、完全アウェーだわな。
こういう時にいう言葉は一つ。
分の悪い賭けは、嫌いじゃない。
「スフィアさん、私にはあなたがドレイン作成の犯人だという確信がありますので」
「ですから、何の話ですか?」
「バルバロイ公爵様、ですよね?貴方の御子息の取り巻きの一人に、参謀の様な貴族が居ませんでしたか?」
「あ、あぁ、確かにいた気が……それが今関係あるのか?」
怪訝な表情ながらも答えてくれた。
部屋の中にいる全員が、変な俺と困惑顔のスフィアさんを見ている。
「えぇ。セルベリアさん、私がバルバロイ公爵様の御子息と会っていた時、スフィアさんはどこにいましたか?」
「スフィアですか?たしか、メルノ様のお部屋の掃除をしていたはずですが……」
「すいませ~ん!アメリアさん!私達が部屋を出た後と戻った時の部屋の状態、何か変わっていましたか!」
「いえ何も。それこそ、掃除をしたような痕跡すらありませんでした」
「ありがとうございます」
呼んだら来たアメリアさんは、俺の質問に答えてすぐに部屋の外へ出て行った。
結構来てるみたい。
「では、いったいどこにいたのでしょうかね、スフィアさん」
「……」
「答えられるわけありませんよね。では、私が答えましょう。まず、ドレインはその危険性から、作成者以外の操作を受け付けません。そして、操作する際にはしっかりと見ながらでないとまともに操作できないという欠点があります。つまり、俺がドレインと遭遇した時、ドレインを作成した何かをたくらんでいる輩が近くにいたんですよ。そして、一番近くにいたのは参謀もどきの貴族さんです。それじゃあ、その貴族はいったい何者なのか?」
俺の言葉に反応した宰相様と公爵様が小声で話し始める
「お前の息子の取り巻き、名前は分かっているのか?」
「いや、細かいところまでは……だが、そんな目立つような奴がいたかどうか……」
「……とにかく、あの少年の話を聞こう」
「そうだな」
二人が話終わるタイミングで、俺も話を再開する。
「さて、ここまでで一つの疑問が出てきます。私がドレインと遭遇して以降、ドレインが現れていないのです。否、現せられない理由があったんです。見なければ操作できないということは、操作しているというのが丸分かりということです。そして、ドレインと遭遇して以降は態々王妃様に王族命令までしてもらって、常に二人以上と一緒にいる様にさせたんですからね」
「それって……でも、そんな……」
王妃様は信じられないというような顔をしています。
なんか、俺真面目にやり過ぎじゃね?
まあ、最後までやるんだけどさ。
「昨日丸一日遊んでるだけと、そう思っていたでしょ?でも残念、全ては犯人を特定するためだったんだ。ねぇ、何か言ったら、スフィアさん」
「……」
無言無表情で佇むスフィアさん。
全員がそんなスフィアさんをみつめる。
このまま論破してみせるぜ!
「それと一つ聞きたいことがあるんだ。パンツ、見せてもらえる?」
「領主様、今真面目な話してる最中ですよね!?」
「あぁ、一番重要なことだよ」
「は?」
皆不思議がってるので、教えてあげよう。
「スフィアさん、始めた会った時言ってたよね?『貴族様にお見せできるほどの物ではありませんので』って。でもさ、普通なら『お見せできるほどの物』じゃなくて『ご満足いただける物』って言うのが正しいよね?なんで見せること自体を拒否したのかな?どうして見せられなかったのかな?」
「……」
「ドレインの作成に使う道具でも隠してあったんじゃないの?それに、男装してる時、私の渡した下着を履いてましたよね?」
そう、参謀もどきな貴族は明らかに女モノの下着を履いている動きをしていた。
ここまで言えばわかるとおり、参謀貴族はスフィアさんの男装姿だった。
パンツだ下着言ってるけど、結構重要な事だったりしたのだ。
「もう一度聞きます。パンツ、見せてもらえますか?」
「……もし、私が人造魔法生命吸収体を作っていたとして、目的はなんですか?」
「あぁ、昨日の朝までは目的がわからなかったんですよ。でも、昨日の夜にはわかりました。国王陛下を狙っていたのでしょう?私が王都に来た初日に、第二王子と会わせて王族との関わりを持たせた。その理由は何故か?第二王子が王位を手に入れる為に、王族に会わなければいけない新任領主を使って王を暗殺した。それがアナタが思い描いていた未来だ。でも、とあるミスが発生した。私と国王陛下がまともに会うことが無かったことだ」
謁見の間での認定式と俺達が使っていた部屋での数秒だけしか、国王陛下と会っていない。
「貴女はそのミスを補う為に、私を殺そうとした。そして、城内で貴族が殺されたとなれば、王族は犯人を捜さなけらばならない。そう、王が陣頭指揮をとるように仕向けようとした。だけど、予想外の事態になった。そう、ドレインが倒されたことだ」
本来、唐突に出てきたドレインに有効な攻撃などできない。
それこそ、ドレインを操作している者の方へ逃げるか、ドレインへ物理攻撃をして死ぬか、だ。
「そして、貴女はこれからどうするかを考えた。だけど、翌日には嵌めようとした私達と一日を過ごす羽目になり、そして今日!運よく一緒にいなきゃいけない王妃様達が国王陛下の下へ!貴女は素知らぬ顔で国王の私室に侵入し―――」
「もう、けっこうです。全て、私が元凶です」
スフィアさんの言葉に、皆が驚愕の表情になる。
やっとか。
そろそろ疲れてたんだわ。
真面目にやるのは嫌いなのです。
でもまあ、貴女は元凶じゃないんだな~
という訳で、あの決め台詞を言っておこうかな。
「それは違うよ」
「何が違うというのですか?私が人造魔法生命吸収体を作って、王を殺そうとした!それが全てです!!」
「まあ、簡単に言っちゃうと、貴女程度がドレイン作成の材料を揃えられるわけがないんですよね~それに言ったじゃないですか。『貴女がドレイン作成の犯人』とね。貴女に王を殺して手に入るメリットが無さすぎる。それに、実を言うとさっきから話してる最中に、とある人物を観察してたんですよ。その人物は……アナタだ」
俺が指差したのは、まともに喋っていない将軍様だった。
まあ、第一王子よりマシだけど。
シルバー「汝、その諷意なる封印の中で安息を得るだろう、永遠に儚く……【セレスティアルスター】」
サファイア「あ、あは、あははは、はは―――」
アリア「あ~サファイア死んだか?まあ、ここじゃあギャグ補正かかるから絶対死なないだろうけど。とりあえず、安らかに眠れ」
シルバー「いや~後書きっていいね!何でもできそう!」
アリア「何でもやってますしね」
シルバー「ところで、アメリアちゃんとファリエナちゃんは一緒じゃないの?」
アリア「アメリアさん後書きには出ないって。そのうち無理矢理出すけど。ファリエナは世界樹の水やりしてる」
シルバー「自由だね~本編と関係ないから何でもしちゃえるんだね!」
アリア「まあ、本編でも何でもしちゃってるんですけどね~今回とか次回とか」
マーゾ「次回予告です♪」
テレサ「次回!真の黒幕は将軍様!?」
クライン「どんな目的でこんなことをしたのか!」
ネメア「アリア君が、すべてを暴く!!」
王族『お楽しみに♪』
アリア「どっから出てきた……」
シルバー「ツッコミに力が無いわね!やっぱりサファイアが重要なようね!とにかく、またね~」




