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辺境貴族とメイドさんの平和な日常  作者: ディアズ・R
第二章・王都で事件らしいです!!
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俺の本気、見せてやるぜ!

アリア君の猫かぶり回。

そろそろ更新が止まっちゃうかも……

視点・アリア(緊張しない子)


只今より、謁見の間で領主認定式をおこないまする。

アメリアさん達はすでに謁見の間に入って待機しているらしい。

つまり、ここからは俺一人。

ちょっとだけ心配なことがるんだ。

俺、ふざけないでやれるかな?


「アリア・メルノ殿が入場いたします!!」


扉の前にいた兵士が扉の奥に告げ、扉を開ける。

俺は貴族らしく優雅(笑)に扉の奥へ入っていく。

左右に兵士が立ち、王座の下の方に他の貴族達が座っている。

俺は王様の10メートルぐらい前で止まって、片膝をついて頭を下げる。


(おもて)を上げよ」

「ハッ!」


ゆっくりと頭を上げ、王様をしっかりと見据える。

今のところ問題無いようだ。

チラッとアメリアさん等を見たら、サファイアが驚愕していた。

このぐらい俺だってやればできるっていうの。


「此度の目的、理解しておるな?」


この質問は、ただ領主に認定されるためと答えるのではいけない。

前任の領主はどうなったのか、何故領主に認定されるのか、何故認定される前に領主の仕事をしていたのかを報告する必要がある。


「ハッ!前任の領主たる我が母が亡くなったことで、私が代わりに領主となる為に、この場にて国王陛下より領主に任命されることが今回の目的であります。国王陛下に領主が変わることをお伝えするのが遅れたのは、私が赤子の頃に母が亡くなり、領主として何をすればいいのか手探り状態でしたので、今に至るまで国王陛下へのご報告が遅れてしまいました。亡き母に代わり、心より謝罪申し上げます」

「ふむ……良いだろう。その謝罪受け入れよう。では、これよりアリア・メルノを正式なメルノ領領主とする。アリア・メルノ、我が前へ」

「ハッ!」


立ち上がって王様の目の前に行き、また片膝をつく。

今回は頭は下げずに王様を見上げる。


「そなたを領主と認めよう」

「ありがたき幸せ」


鞘に入った銀製の短剣を渡される。

それを両手で受け取り、頭を下げる。

この短剣は渡される際は刃が無い状態で、後付けで刃を追加される。

これは王様に認められた領主の証であり、自決用の懐刀でもある。

目で見たので、間違いない。

短剣を両手で持ったまま、先ほどまでいた場所に下がる。

この際、王様に背中を見せてはいけない。

謁見の間で王様に背中を見せるということは、背信行為とされて首ちょんぱである。

元の位置まで下がったら、また片膝をついて頭を下げておく。


「これにて、領主認定式を終了とする」


王様がそれを宣言し、謁見の間にいる王様以外全員が頭を下げる。

そして、一番最初に去っていく王様。

王様が居なくなったら、普段は偉い順に出て最後に兵士となるが、今回は俺が王様の後に謁見の間を出て行く。

謁見の間を出て、一息。


「王様の冠、被りてぇ」


これは聞かれたら牢屋行なので、誰にも聞かれない小声で言った。

アノ冠ひったくりたい衝動に、何度襲われたことか!

与えられた部屋に戻って、アメリアさん達を待っているたら、サファイアがやってきた。


「この偽物め!!」

「馬鹿野郎!!アレが俺の本気だ!」

「噓だ!!」

「なんだとこの野郎!変身させっぞ!!」

「すいませんでした!!」


サファイアの土下座である。

俺は裸足になってサファイアの頭に足を乗っける。


「フン、自分の立場を知ることだな」

「うぅ……なんであの時断らなかったんだろう……」

「ハッハッハッハッハッ!!」

「アリア・メルノ君、いるかな?」


そう言って入って来たのは、王様。

王様の視点からすると、平民の少女を踏みつけて笑っている屑貴族の少年だろうか?

部屋の中の空気が死んだ。


「……ぉ」

「お、王様……これは―――」

「お前は私の娘に何してくれとんのだ!?」

「なんグォ!?」


顔面を殴られると思ったら、それはフェイントで腹パンくらった。

腰の入った、良いパンチだ……

ピクピクする俺を無視して、サファイアに近づく王様。

あ、これ苦しい。


「大丈夫か!?何もされて―――」

「領主様に何してるんですか!?」

「え?」

「大体王様だからっていきなり父親面しないでください!!領主様大丈夫ですか!?」


声が出せずパクパク口を動かしていたら、サファイアが青褪めてアタフタし始めた。

サファイア良い子や。

でも、出来れば王様兼父親の相手してあげて。

俺はもうすぐ来るであろうアメリアさんの看病で満足だから。

だから、揺らさないで……気持ち悪……


「領主様ぁぁぁぁぁ!!!」

「……」

「アリア様、ただ今戻り……どういうことでしょう?」

「どうかしたのかい?父上?アリア君!?」


薄れゆく意識の中、呆然としている王様と困惑しているアメリアさん、そして驚いている王子を見た。

そして、気絶したのだった。

パパションボリ(。_。)


補足説明。

サファイアは、自分の父親を母に子供を作らせて母がどこかに行っても探さないような最低な男と認識していた。

そして今回、なんだかんだで尊敬出来るだけのことをやっているアリア君を殴っておいて、今更娘を心配する父親面する王様を屑認定しちゃっていたりする。

こんなところ。

ここまで見たアナタ!どっちの味方をしますか?

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