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辺境貴族とメイドさんの平和な日常  作者: ディアズ・R
第二章・王都で事件らしいです!!
34/135

王子は、王子だった。

王子は、普通にしたかった。

視点・アリア(仕込みはばっちり)


もうすぐ、スフィアさんが王子を連れてくる。

チャンスは一回、必ず成功させる。

俺は、王子を笑わせて見せる!!

……笑わせる必要あったっけ?

細かいことは気にすんな!!

ハッ!人の気配だ!!

これは、スフィアさんともう一人いるな……全員戦闘準備!!


「アリア様、失礼いたします。クライン第二王子をお連れいたしました」

「失礼させてもらうよ」

「はい!二名様ごあんなーい!!」

「「え?」」


俺の唐突な発言に、部屋に入って来た二人は呆然とする。

そして、部屋はアメリアさんの光魔法でキラキラ輝いている。

さらに、俺達は全員コスプレしている。

俺は裸エプロン、アメリアさんはデフォルメされた黄色い熊の着ぐるみ、ファリエナはバニー、サファイアはドラ○エビキニアーマーである。

ちなみに、俺の裸エプロンは大事な所をモザイクで隠してくれる特殊仕様だ。


「我等!メルノ領四天王!裸族!!」

「クマのプ○さん」

「ミッ○ィー、です」

「私のアメリア様と逆じゃありません!?」

「四人揃って、ディズ○ーラ○ド!!」

「「です」」

「というか、アノ命令って領主様の限定じゃないんですか!?」


決まったぜ。

完璧だ。

これはもう、笑うしかないだろ?

王子の反応は……な!?唖然としているだと!?


「バカな……これで、笑わせられない、だと!?」

「諦めたらそこで試合終了ですよ、アリア様」

「ねばーぎぶあっぷ、です」

「うぐぐぐ……サファイアを犠牲に、俺復活!!サファイア!!」

「なんですか!?……そ、そのスイッチは!?やめ―――」

「変身だ!!」

「イヤァァァァァァァァァァ!!!!!」


初見のスフィアさんと王子はその変身シーンをポカーンと眺めていた。

なかなか臨んだ反応が返ってこないな。

変身が終了して、強制の新しい決め言葉!


「皆に愛の祝福を♪ちょっぴり冷たい愛情を♪氷の純愛魔法少女、ラブリージュエルサファイア!ひんやりクールに、ただいま参☆上♪キャハ♪」


良い感じに痛いな。

特に、最後の「キャハ♪」部分が痛い。

ニッコリ笑顔(強制)が徐々に引き攣ってるよ。


「もう、殺して……」

「サファイア……30代になっても、お前は魔法少女を名乗るんだよ」

「うわぁぁぁぁぁん!!」

「ハハハハハ!お前が解放される日は一生来ないんだよ!!諦めて、ハッ!?」


スフィアさんの視線が、突き刺さるぞ。

なんだ、あの目は……身体が、動かん!?

ま、まさか!?


「別に時を止めているなんてことはないと思いますよ、アリア様」

「ですよね~」

「あの、アリア様?これはどういうことでしょうか?」

「一発ギャグです♪」

「これもう私メインじゃないですか!?」


だってサファイアだし。

今度第二形態になれるようにしてやるか。


「い、今寒気が……」


怯えるんじゃない、サファイアよ。

大丈夫、悪いようにはしないからさ(ゲス顔

あ、王子忘れてた。

俺は裸エプロンのまま王子の前に仁王立ちをして言い放つ!


「自分、アリア・メルノと言いますです。ふざけたことは謝るんでどうか打ち首だけは堪忍してください」

「態度の割に凄い弱腰!?」

「あ、ああ、気にしなくていいよ。初めての体験をさせてもらったよ。私はクライン・ルーメリア・ポルネ・アミュティーラだ。クラインと気軽に呼んでくれ」

「あ、そう?じゃあこれからよろしくな、クライン!」

「軽い!何様ですか!!」

「貴族様及び領主様」

「あ!う、いや、でも、ハッ!相手は王子様ですよ!?」

「黙れ魔法少女」

「はぅ!?」


王子が良いって言ってるんだからいいんだよ!

まあ、個人的に会ってる時だけのつもりだけど。

そして、個人的に聞きたいことがあるんだ。


「クライン」

「ん?なんだい?」

「好きな、女性のパンツの色は?」

「ちょ!?王子様に何聞いてるんですか!?」

「え!?じょ、女性の下着のことかな?えっと、白とか、かな?」

「王子様も答えない!!」

「なるほど、クラインは彼女を自分好みに染め上げたいタイプか」

「そ、そうだったのか!?」

「白ならいじめたい、黒ならいじめられたい、赤なら激しく、青ならゆっくり、と言うように大体のことがわかる」

「なるほど……」

「王子様に変な知識を与えないで!!スフィア様もアメリア様も止めてください!!」

「王子があんなに楽しそうなのを邪魔することなどできません」

「仲が良いことは、良いことではありませんか」

「誰か助けて!!」

「……人間諦めが肝心、です」


あ、サファイアが不貞寝始めた。

いやー王子は話が分かる。

というか、教えがいがあるな。

へへへ、このままオタク文化も広げちまうか!

下着の近代化とオタク文化、広げちまうか!?


「ファリエナ、アレを」

「馬鹿ばっか、です」


よし、まずは王子を染め上げるか。

この王子は、真面目で、優しく、順応能力が高いというありきたりな王子です。

訂正、ありきたりだった王子です。

この意味、分かりますよね?


次回は、一方その頃の領地では!

お楽しみに~

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