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辺境貴族とメイドさんの平和な日常  作者: ディアズ・R
第一章・領主(仮)になりました!!
29/135

辺境貴族に微笑むメイド・前編

頑張ってみた!

勘違い系のお話ってやってみたかった。

視点・アリア(影から見た子)


今日も一日アメリアさんにセクハラだ!!

そう思っていた。

この時点でダメだけど、そこは気にしない。

アメリアさんを捜していたら、庭で鳥の足から手紙を取ってるアメリアさんを発見した。

声をかけようとしたら、手紙を読んで嬉しそうに笑ったのだ。

そう、笑ったのだ。


「どういうことだと思う、サファイア!?」

「……それは、人の睡眠を邪魔してまで聞くことなのでしょうか?」

「サファイアの睡眠時間なんてどうでもいいんだよ!!」

「言い切った!?」


現在朝のアメリアさんについて、サファイア宅にてサファイアを起こして相談中である。

シルバーはまだ寝てる。


「あれじゃないですか、家族とか」

「クリスさんに聞いたら家族の話題で一度も笑ったことがないって!!」

「あの人、まだ寝てる時間じゃ……」

「うん!死ぬかと思った!」


知り合いに本気で殺されかけられるとは思わなかったじぇ。

この世界が型月設定だったら死んでいた。


「じゃあ、お友達とか……」

「笑うような知り合いいるかな?」

「あぁ~アメリア様の今わかってる知り合い、アレですもんね~」

「後でクリスさんに言っとく」

「ちょ!?」


サファイアの意見は役に立たないな。

もっと優秀な、そう、経験豊富なロリさんとかいいんじゃね?

というわけで呼んでみた。


「ロリさんカモーン!!」

「そんなんで来るわけ───」

「呼ばれて飛び出てロリッ子エルフ!ただいま参上!!」

「どこから!?」

「話は天井裏から聞かせてもらったわ!!」

「天井裏ありませんけど!?」

「アメリアちゃんが笑った理由、それは!男より!!」

「な、なんだってぇぇぇ!!てか、この前のチョコの件どぉいうことだコラァ!?」

「てへぺろ♪」

「クッソ、めっちゃ似合ってる!!」

「天井裏どういうことなんですか!?」

「アメリアさんに男がいるなんて、そんなことある訳ないだろ!!」

「天井裏について!!」

「まあまあ落ち着いて」

「「落ち着けるか!!」」


◇◇◇


落ち着けました。

でも、落ち着いた結果焦りますた。


「アアアアアアメリアさんに彼氏なんているわけないじゃまいか大体そんな男がいるなら俺のメイドなんかしてないだろうしそれにアメリアさんの性格的に彼氏について教えてくれるはずだしマジそんなありえねぇっちゃよてかそんな現実あっていいわけがないしそんな幻想俺がどんな手段を持ってしてもぶち殺してやんよあと───」

「かなり混乱してますね……これを正気に戻すのは骨が折れそうです」

「人間なら許婚とかじゃないの?」

「……………そうかな?」

「あ、凄い簡単に正気になった」


許婚、アメリアさんに、許婚……

俺って、邪魔?

アメリアさんの、邪魔?


「……」

「領主様?……停止してますね」

「ありゃ~現実を受け止めきれなかったかニャ?」


俺がアメリアさんに依存して、アメリアさんから自由を奪って、愛し合う二人を引き離した?

え?俺ってクズを通り越して存在価値なし?

あれ?そういえば俺って、アメリアさんにとってどんな存在?

雇い主?いや、雇ってたのは俺の母だ。

弟的な何か?いや、だったらもう少し厳しくなりそう。

貴族?貴族だよ。

俺は、俺は……


「帰る」

「え?あ、はい。お気をつけて」

「ガンガレ~」


サファイア宅から出て、ヨロヨロ自宅に向かう。

アメリアさんにとっての俺って、何?


◇◇◇


考えてもわかりませんですた。

というわけで直接聞いてみる。


「私にとってのアリア様ですか?」

「どんなんどんなん?」

「そうですね……存在理由でしょうかね」

「……?」


ごめん、意味が分からん。

それってどういう意味?


「わかりやすくいうなら、私がいるべき場所です」


嬉しいこといってくれるね。

ただ、それだと俺がいるから彼氏さん放置っすか?

え、彼氏さんかわいそう。

けしてザマァとか思ってないよ?


「じゃあ、朝の手紙について一言!!」

「……すいません、急用を思い出しました」


書斎へ入っていくアメリアさん。

……あれ?

露骨な回答拒否なんですけど……

……ゑ?


◇◇◇


「なるほど、それは男だね」

「まあ、男だろ」

「残念ながら、男ですね」


ソルさん、ルビスさん、テリーの三人とアメリアさんの態度について話し合った結果、アメリアさんに男がいるという結論に至った。

そんなのみとめないもん!!

アメリアさんは俺の嫁!!

……これがアメリアさんから自由を奪ってるんじゃ?

な、なんということだ……


「でも、あの人にそんな人いるかな?」

「たしかに、男がいたらすでにここからいなくなってるんじゃない?」

「アメリアさん師匠が全てだしなぁ」


《注・アリアはここからの会話を聞いていません》


俺が、ダメ人間だから、優しいアメリアさんはずっと尽くしてくれてたんだ。

そう、全ては俺の無様さが招いた結果だ。

俺はアメリアさんが好きだ。

愛してるとも言える。

だが、ホントに愛しているなら、アメリアさんの幸せを第一に考えるべきじゃないのか?

考えろ、今俺に仕えていることがアメリアさんの幸せなのか、それとも遠くにいるであろう彼氏さんと一緒に暮らすことが幸せなのか……

もっと簡単にいうなら、セクハラかリア充生活か……あれ?勝てる気がしない?


「よくよく考えると、アメリアさんに男がいるなんて想像できないな」

「わかる気がする。彼女、主に仕えることこそ本望みたいな感じだし」

「その上仕える主は一人だけみたいな?」

「「あるある」」


じゃあ、何がアメリアさんをここに縛り付けてるんだ?

俺の怠け者な性格?俺の母からの遺言?何か目的がある?

……俺。

俺がもっと優秀にならないと、アメリアさんは幸せになれない。

アメリアさんがやってる仕事だって、俺がちゃんとしていれば出来ることなんだ。

掃除も料理も領地経営も、俺には知識の眼があるんだ。

掃除は大変かもしれない、料理は失敗するかもしれない、領地経営も今までよりおそくなるかもしれない。

でも、俺がやれば出来ることだ。


「アメリアさんはアリア君がいればそれでいい感じだよね~」

「二人っきりで問題ない感じだからね」

「師匠に彼女できたらポンコツメイドになりそうだな」

「「それわかるわ~」」


そうだ、今からでも遅くない。

俺は、アメリアさんの幸せを願う!!

今日から、真人間目指します!!


◇◇◇


視点・クリス


朝からアリアが五月蠅かったけど、何だったのかな?

なんか、寝ぼけて適当なこと言った気がする。

なんだっけ?


「なんか、手紙をアメリアが見てて、笑ったとか何とか。で、私は家族の話題で笑ったことはないって言ったんだっけ?」


笑ったことはないけど、赤面とかしてたっけ~

家族関係の話するとはぐらかすことが良くあったんだよね~

アメリアの家族とか会ったこと無いけど、家族だけの時は良く笑うのかも?

というか、昔は今よりも感情豊かだったんだけどね~

あれ?なんのこと考えてたっけ?

誰かに何かを言わないといけない気が……気のせいかな?

あ~眠い。


「……Zzz」

一応言っておくと、手紙の相手は家族じゃありません。

後編にかかわるような質問は受け付けませんのであしからず♪

というわけで、後編に続く~

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