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辺境貴族とメイドさんの平和な日常  作者: ディアズ・R
第一章・領主(仮)になりました!!
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魔法少女冒険記・その一

なんでこうなったのか、正直わからない。

視点・サファイア(魔法少女なう中)


え?……あ、私メインですか!?

あれ?領主様?

めたはつげんするな?

えっと、何がですか?

え?冒険してこい?

あの、普通の村娘でしかないんですけど……

わかりました!わかりましたから強制変身だけは!!



◇◇◇



え~何がなんだかよくわかりませんが、冒険してこいとのことです。

冒険って言われても何をすれば……あ!ルビスさんとかに聞けば何か教えてもらえるかも!

……あんまり近づきたくないなぁ。

でもあの人ぐらいしか冒険が関係してそうな人知らないんだもん。

というわけで目の前にいるのですが……変身して欲しそうに見つめているのです。


「しませんよ」

「ワクワク」

「しませんったら」

「ドキドキ」

「しないて言ってるでしょ!?」

「ガーン」


初めて会った時はもっとクールでカッコいい人だと思ってたのに……

やっぱり領主様の近くにいる人でまともなのはアメリア様と私だけですね!

……お前が言うなって領主様に言われた気がします。


「それで、冒険とかなんとか言っていたな」

「はい、何故かしろと言われまして」

「ふむ……なら、やっぱり悪を見つけることだな」

「悪、ですか……」

「うむ、悪の秘密組織とかだな」


……なんでしょう、凄い踊らされてる感がします。

どこかに領主様いませんか?いますよね?絶対いますよね!?

どこですか!?どこなんですか!?


「キョロキョロしてどうした?」

「領主様はどこですか!?どこにいるんですか!?」

「彼はいないが……」

「うぐぐぐ……」


隠れてないで出て来なさい。

今ならアメリア様の説教だけで許してあげます!

キョロキョロ領主様を探していたら、ラナとエルの二人が走り寄ってきた。

……ルビーとエメラルドです。


「サファイア!ヤツらが来たの!」

「悪の魔法使い虐殺聖女シルバールシフェルが来たの!」

「サファイアじゃないよ!?そして都合良く来過ぎだよ!?しかも超強そうだし!!」

「私には応援することしかできない……頑張れ!ジュエルプリンセス!!」

「それチーム名!?てかこの中で一番強いの貴女ですけど!?」


私の言葉を皆が無視して話を進める。

ルビスさんが私を肩に担いで移動し始めた。



◇◇◇



で、村の中心の広場に到着。

そこでは村人全員が一人の美人に拘束されていた。

その少女は、ここら辺では見たことが無い綺麗な銀髪だった。

初めて見る衣服を着た、村の人間ではない美人。

こちらを見た美人はニッコリと笑う。


「あら……私はシルバールシフェル。よろしくね?」

『わーたすけてー』


ホントに誰?

え?どういうこと!?

ていうか村の皆ワザとくさ!

領主様説明!!


「ここで会ったが百年目なの!」

「今日が年貢の納め時なの!」

「いや知り合いじゃないよね!?」

「へ・ん・し・ん!へ・ん・し・ん!」

「貴女は黙ってて!!」

「しょぼーん」


領主様がいないと意味が……

領主様を呼ぶ方法、領主様を呼ぶ方法……

ひらめいた!!


「アメリア様が膝枕してくれるそうですよ!!」

「マジで!?」

「何で捕まってんですか!?」


私の噓に反応した領主様が手足を縛られた状態で、捕まっている村人の中にいた。

あの人ホント何やってるんですか!?


「いや~いろいろあって~」

「おしゃべりはそこまでよ。さぁ、変身しなさい」

「嫌です!!」

「「変身!」」

「サファイアは強制ね~」

「ちょ!?」


御馴染みに変身シーンに移行し、三人一緒に変身する。

そして、変身が終わると何故か私が真ん中で|ラナとエル(ルビー&エメラルド)が左右でポーズをとり、背後で巨大な宝石が輝いてる錯覚を見せた。


「情熱少女!キューティージュエルルビー!!」

「可憐少女!クリアジュエルエメラルド!!」

「……純愛少女、ラブリージュエルサファイア」

「「三人揃って、ジュエルプリンセス!!」」


背後の宝石が砕け、私を含めたジュエルプリンセスを祝福するかのようにキラキラ光る。

三人で変身するとこうなるんだ。

知りたくなかった。


「きゃぁぁぁぁぁ!!か・わ・い・い!おもちかえりぃぃぃ!!」

「萌えぇぇぇぇぇ!!ルビーちゃんエメラルドちゃん最高!!」

「うっは!テラカオス」


領主様、笑ってないで何とかして!!

シルバーさんは未だにニコニコしてるし……でも、あの人どこかで会ったかな?

懐かしいというか、傍にいて当たり前というか……


「さぁジュエルプリンセス、始めましょうか?虐殺を!!」

「誰か助けて!!殺される!!」

「サファイア!ルビー!エメラルド!これを使え!!」


私達三人に向かって領主様が三つの宝石を投げた。

手の拘束が何時の間にか解けていた。

そして、ラナとエルは赤と緑の宝石をキャッチし、私は青い宝石を……叩き落とした。


「ちょ!おま!取れよ!!」

「もう呪われてる品はいりません!!」

「じゃあいいよ二人だけで!叫べ!アップデートツール!ジュエルランクアップ!」

「「アップデートツール!ジュエルランクアップ!」」


二人が光り輝き、服装が変化していく。

色が違うだけのメイド服もどきだったのが別物になった。

ラナの方は、真紅のヒラヒラしたフリルが大量についたドレスの様な衣装で、背中や腕や足の露出が限界ギリギリ部分まで短くなっていた。

エルの方は、深緑(ふかみどり)の巫女服の様な衣装で、肩や足に切れ込みがあって惜しげも無く露出している。

結論から言うと、全体的にエロくなった。


「「ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」」

「ちょ!鼻血飛ばすな!」

『汚!?』


ソルさんとルビスさんが盛大に鼻血を噴いている。

でも、今の私にそれを気にしている余裕はない。

足元に叩き落した青い宝石を見つめる。

もしこれを取ったら、私もああなってしまうのだろう。

そんなの、絶対に嫌だ!


「あ、サファイアに言っておかないといけないことがあるんだ。至ってシンプルな一言だ」

「え?」

「触ったらアウト」

「ゑ?」


足元の宝石が輝きを増し、私が光に包まれる。

なんか言わないとこうならないんじゃ!?


「キャッチするとキーワード発動で、キャッチしないと強制だお」

「先に言ってぇぇぇぇぇ!!!」


私の衣装が、蒼いピッチリとした肩や太腿が完全に露出していて、黒いマントのみの恥ずかしすぎる衣装になった。

サファイアは知らないが、スクール水着である。


「もうサファイアちゃんしか見えない」

「こいつはすげぇ」


鼻血を流しながら何かを悟った変態二人。

領主様は……


「……(゜ⅴ^)b」


凄いムカつく顔をしていた。

でも、今の私の頭の中は限界寸前。

恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!!

顔絶対真っ赤だよ!!

もういや!!


「今のアップデートツールによってジュエルプリンセス達は魔法を使えるようになったのだ!ルビーは炎!エメラルドは風!サファイアは氷!さぁ!今こそシルバーを倒す時だ!!ちなみに可愛らしいポーズ付きでないと発動しないぜ!」

「皆氷っちゃえ!!」

『ま―――』


ラナとエルとシルバー以外全員が氷った。

予想以上の効果に開いた口が閉まらない。


「もぅ!サファイアダメじゃないの!」

「助けなきゃいけない人を攻撃するなんてダメダメなの!」

「え?あ、ごめんなさい……」

「えぇ~もう終わりなの~」

「ていうか、貴女誰なんですか?」

「母よ」


……え?


「いま、なんて?」

「だから、母よって言ってるの。領主様に若返る薬っていうのを貰ってね~飲んでみたらホントに若返っちゃって、折角だから魔法少女の仲間入りしてみたの♪まあ、敵なんだけどね~」

「……」

「どうするの~?」

「皆カチコチ~」

「ルビーちゃんの炎で溶かしましょうか」

「「は~い!」」


……………ゑ?

サファイアの母親の若い頃は傾国の美女と呼ばれていた。

国が潰れる前に辺境の村、今の場所へと移住。

移住の前に身分を隠して付き合っていた国の王子(現国王)と一夜を共にし、移住後妊娠が発覚。

サファイアを生んでからは綺麗な銀髪は白くなって、全体的にぽっちゃりしていた。

結婚はしていない。

こんなプロフィールの母である。


……この方がサファイアが物語に入りやすいかと思って、てへぺろ♪

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