ヤバい時にヤバいと言うとさらにヤバい事態に遭遇してヤバいことになる。
何故か急☆展☆開!
シリアスじゃないから安心していいですよ(笑)
あと、サファイアがどっか逝ったようです。
視点・アリア(大神殿に帰ってきました)
大神殿にやっと着いた。
大神殿見学者がかなりいる。
ここまで、なんだかんだあったな。
サファイアの足元が唐突に爆発したり、サファイアの真上から人が降ってきたり、教祖様がサファイアに肩車をされてるように見える俺を見て泣きながら走り去っていったり、実は肩車じゃなくて真空投げの練習だったり、でもうまくいかなくてイライラした俺がサファイアの首をキュッと絞めて気絶させたり、いろいろあった。
今サファイアは俺が背負ってる。
流石にやり過ぎたと、反省した。
「……重いわ!!」
「捨てた!?」
大神殿に着いたので、サファイアを床に捨てて端っこまで蹴っておく。
え?反省はどこいったって?
いやいや、反省したよ?うん、反省はした。
むしろ反省しかしてない。
なので、サファイアの口に激辛注意な調味料を入れてある飴玉を忍ばせておく。
「さてと!どこ見学しよっか!」
「いや、あの、サファイアさんは?」
「祈りの間っていう所行きたいお!」
「そこなら私が案内出来るわ~」
「じゃあレッツゴーだ!」
「お~♪」
「は~い♪」
「えぇ……うぅ、私も行きたい……サファイアさん、ごめんなさい!」
サファイア脱落で大神殿の祈りの間へ向かう。
祈りの間とは、巫女と呼ばれる人達が一年に一度祈りを捧げ、大陸にいる人々へ加護を祈願する為の場所である。
この加護は一年間の幸福を与えることで、まじない程度の効果しかない。
そして、巫女は現在五人もいないらしい。
美人な巫女姉妹の水浴びとかは、期待できないということだ。
祈りの間の扉の前に着くと、アメリアさんと影武者老若教皇の二人がいた。
「そんなとこで何してんの?」
「何かあったのかしら?」
「アリア様!」
「「教皇様!」」
アメリアさんにハグされました。
どゆこと!?……柔らかい、膨らみ……デュフフ♪
教皇様も老若二人に駆け寄られてる。
「アリア様、どこもお怪我はしていませんね?」
「うへへ~」
「……確認させていただきます」
「ふぁ!?そこは!?ふ、ぅん……ぁ」
「大丈夫そうですね」
体中弄られちゃいました。
癖になりそう。
でも何故いきなりこんなスキンシップを?
是非毎日やって欲しいとです。
「少し前に十人ほどの暗殺者と思われる集団にあちらの御二人が襲われていましたので私が撃退して尋問したところ、教皇様と思われる人物を襲うように依頼されたことが判明しまして、本物の教皇様と一緒のアリア様も襲われたのではないかと心配になりまして」
その心配してる時に俺が来たと。
暗殺者達、グッジョブ!
でも、何故にこの二人は護衛も連れずにこんな所に?
よく見ると大神殿見学者が誰もいない。
気付かなかった俺達も変だけど……ん?なんで気付かなかったんだ?
「アメリアさん、魔法的なモノってここらへんにある?」
「いえ、魔力は感じませんね」
「むぅ……」
「それと、あの御二人は誰かからの手紙で、護衛を連れずにここに来るように言われたらしいですよ。教皇様について大事な話があるとかなんとか」
「え?何それ?ヤバくない?」
明らかに罠やん。
俺とアメリアさんの会話を聞いて、周りの皆がどうするのか意見を言えと、眼で訴えてくる。
対して話してもいない二人にまでこの扱い……何時も通りだな!
「人がいない理由は分からないけど、とりあえずここから離れた方が良さそうだな!」
「人がいないのは匂いが関係してると思うよ!」
「よし、歩きながら聞こう。というか話せ」
「ういうい!」
クィールの発言を詳しく聞きつつ、全員で移動。
人避け草なるファンタジーな草の匂いがするらしい。
エルフが良く使う草らしく、他の種族が無意識で感じ取って近づかなくなる匂いを出すんだとか。
クィールはこの匂いが意外と好きらしく、むしろ引き寄せられるんだとか。
数年前に会ったエルフに、この草のことを教えて貰ったらしい。
我が領地の永遠の幼女から聞いたことが無い話だ。
まあ、あの人はエロ関係のことしか話題にしないからしょうがないけども。
「アメリアさんはどう思う?俺は明らかにヤバい気がする」
「私もそう思います。とりあえず、教皇様とその影武者の御二人が一緒にいるこのメンバーは、ドラゴンの前の生肉と言ったところですね」
異世界流のことわざですね!
……めんどくさ。
「えっと、私関係無いので帰りますね?」
「おっと、俺達と一緒に行動した時点でもう関係者だぜ?」
「噓ですよね!?」
「アタイも巻き込まれてるし……人間、諦めることも大事だよ♪」
「何で楽しそうなの!?」
「二人ともごめんなさいね。私の所為でこんなことになっちゃって」
「私は教皇様の御役に立てるのなら本望です」
「アタシも、教皇様の盾ぐらいにはなるつもりですよ」
「ありがとう、二人とも」
「……私も巻き込まれているのですが!?」
やっぱり、サファイア不在の時は便利だな。
どっちか片方が居ればボケ放題。
アメリアさんの胸に埋もれながら、シルメリア嬢のツッコミを見ていると、気付きたくなかった事実に気付いた。
「あぁ~皆様、周囲をご覧ください。先ほどまでたくさんの大神殿見学者がいた入口付近であるにもかかわらず、誰もいませんね。まさしく今の状況は―――」
スッと音も無く出現した黒ローブ集団。
全員が刃物を持って敵意と殺意剥き出しだ。
「―――かなりヤバいです」
「アリア様、危ないですから後ろへ」
アメリアさんが前に出て、どこからともなくナイフとフォークを取り出した。
その次の瞬間には、黒ローブの一人がフォークによって壁に磔にされていた。
なんか、アメリアさん強くなってないかな?
「引けとは言いません。ただ一言言わせてください……アリア様へ殺意を向けるのをお止め下さいませ」
アメリアさんがこえぇ……だがその冷たい眼差し、キュンキュンする。
ナニがとは言わないけど。
そう言えば、放置したサファイアがいないけどどこいった?
連れてかれた?
まあ、なんだかんだで生きてんだろ。
サファイアだし。
俺は今から、アメリアさんの応援をするぜ!
サファイア「私は死にません!だって私、準主人公だもん♪」
アリア「ペッ」
クィール「へ~」
ファリエナ「ノーコメント、です」
アリス「おばさ~ん」
サファイア「……泣いても、良いですよね?」
アリア「本編で消えたんだから後書きに出てくんなよ」
サファイア「何故そんなに冷たい!?」
アリア「チッ……今日のゲストは、神で~す♪」
邪神「いいえ、邪神です」
サファイア「誰だっけ?」
クィール「神じゃないなら帰れ~」
アリア「カ・エ・レ!カ・エ・レ!カ・エ・レ!カ・エ・レ!カ・エ・レ!」
邪神「あれ?視界が歪んでるぞ?これは、涙?」
サファイア「イジメないで!」
アリア「サファイア!上だ!」
サファイア「え?上?」
クィール「サファっちが上を見上げた瞬間、彼女の顔面にタライが落ちたぁぁぁぁぁ!!!これは痛い!!」
サファイア「何故、タライ……ゲフッ」
邪神「クリーンヒット、だね?」
アリア「この日の為に仕込んだかいがあったぜ。ずっと上を見せないように誘導したかいがな。ククク……」
クィール「つまり、最初の冷たさはこの時のための布石という設定ですね!わかります!」
アリア「設定言うなし~」
邪神「そうだそうだ~台無しだろ~」
ファリエナ「……バカばっか、です」
アリア「タライ~♪」
サファイア「……いや、誰か心配しようよ?」
全員『確かに、普通なら心配するところだろう。だが断る』
サファイア「全員嫌いだぁぁぁぁぁ!!!」




